本からいただく言葉…魂の止まり木として

読書普及協会メルマガ第259号 佐伯理事長の巻【自分の人生は自分のものだ。わがままな時があってもいい】


カテゴリー: 2018年08月29日
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      【本からいただく言葉・・・魂の止まり木として】
       自分の人生は自分のものだ。わがままな時があってもいい
       第259号 2018年8月29日発行

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みなさま、おげんきですか~?早いですね、8月も本日含めてあと三日ですよ~
さて、読書普及協会公認メルマガも、早やくも259号でございます。
今週はh君です!お楽しみくださいませ~~~!
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【今週の読書道☆自分の人生は自分のものだ。わがままな時があってもいい】

みなさまこんにちは~
えちごやさえきでございます。
なぜか先週に引き続き連投です。
まるで金足農業の吉田投手みたいですね(笑)
では、いきます。
 
夏の甲子園が終わってしまった。
元野球少年としてはそして小学校の頃から甲子園に憧れていた少年としてはとても寂しい
時になりました。
今メルマガを書こうとしてもどうしても気乗りがしません。(笑)
さらに甲子園大会を見たばかりのせいもあり、頭の中に野球のユニフォーム姿がちらついてしまいます。
汗と泥にまみれたユニフォーム姿からすぐに浮かんできてしまうシーンがあります。
自分が少年野球大会でがんばっていた頃の映像です。
うぅぅぅぅ~
だめだ、これは吐き出さないと先に進めない。(笑)
ということで、
今回はまたまた特別編になります。
h君の小学校時代の話にタイムスリップします。
どうぞよろしくお願いします。
 
では「天職の無作法〜h君の場合その22」
 
 
(前号までのあらすじ)(またはh君のプロフィール)
高校生の時に、大好きな仕事を見つけて天職に生きると決めたh君。
天職を求め数回の転職を重ね、
これぞ我が道と30歳で独立開業するも失敗、借金苦にあえぎ、離婚も経験。
そんな人生のどん底の時に書店「読書のすすめ」のS水店長と出会う。
彼に紹介された本を毎日読みまくり人生に対する考え方が180度変わる。
1年後、S水店長が主催する「NPO法人読書普及協会」の立ち上げに参加。
同時に「読書ソムリエ」の任命を受ける。
主な役割として「ほんのくすり」
という本の紹介イベントを主催(S水店長と共催)。
1年後「ほんのくすり」終了。
新たにh君一人で「本の力」というイベントをスタート。
その後も、挑戦と失敗を繰り返えしながら「本の力」を続けるh君。
ある日「読書のすすめ」の店員J徳さんのアドバイスを得て開催場所を
江戸川区の篠崎から府中の自営店舗、古本屋「本の越後屋」店内に移す。
その初回のゲストに一里塚華劇団のリーダー「団長」が登場。大盛況となる。
その後、協会の大阪3周年記念イベント参加のための
0泊3日の強行弾丸バスツアーでも「本の力」を開催。
さらに、社会人ラグビーの名門チームに所属していて、
引退の危機に追い込まれていた選手に、
おすすめの本を紹介しつつディスカッションを繰り返し、
立ち直るきっかけづくりに成功する。
 同時期に自己啓発小説の旗手「喜多川泰」と劇的な出会いをし、
大盛況な「本の力」を開催。などなど、
不器用ながらもジワジワと読書の普及を広めていくh君だった。
果たして今回はどんな出会いが待っているのでしょうか。
では。
(作者注・文中の「h君」と「hさん」は同一人物です)
 
今回も番外編です。
はじまりはじまり~~
 
 
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
 
「h、うちのチームに来ないか」
3組の高橋正男がいきなり俺を誘った。
いつもそれほど口を利く相手ではない。
彼は少年野球チーム「ジュニアコブラ」のキャプテンだった。
その彼が、昼休み自分のクラスの4組から廊下に出たh君にいきなり声をかけてきた。
そしてそのまま目で誘って体育館裏まで誘導されて、
いきなりが口をついて出た言葉がこれだった。
はぁ?
h君は戸惑っていた。
しかし即座に断りの言葉は出てこなかった。
そして「あまりにも突然でびっくりしている、少し時間をくれないか」
そう答えてしまった自分の口元にびっくりしていた。
h君、小学6年の5月のゴールデンウィーク直前の、出来事であった。
 
 
h君は小学校5年の時に親友の泉君と野球チームを作った。
h君は3番でサード。
泉君は4番でキャッチャー。
二人とも小学2年生から野球を始めた野球大好き少年だ。
学校内では野球がとても盛んでした。
プロ野球では川上巨人軍が4年連続日本一を取った年でした。
学校内でチームを作るのはとても大変なことでした。
それは流行っているが故に野球チームの数が多かったからです。
校内では強いチームが中心となって運動場を使っていました。
少年ジャイアンツ、ジュニアコブラ、レッドタイガース、この三チームが強かった。
そこに新たにh君と親友の泉君が野球チームを作ろうとしたので人数が足りません。
5年生だけでは足りず4年生3年生にも声をかけなんとか9人を集めました。
泉君とh君以外はほとんど野球が初めてでした。
バッティング練習の時にバットとボールが10センチ以上離れていることもしばしば、
キャッチボールの時は相手にボールが届かない、またははるかにオーバーしてしまう、
または真っ正面に来たボールを取り損ねると言うこともままありました。
ほんとに弱小チームでありました。
でもみんな野球がやりたくて入ってきたメンバーばかりでした。
実は野球チームが3つもありながらどのチームも勝つことばかりを目指しているので、
新しく野球をやってみたいなと思う子供はなかなか入れなかったのです。
そこに泉君が作った野球チームは素人大歓迎ということで、
みんなとても楽しみながら野球をやっていました。
まだ監督さんもいません。
しかし楽しそうに練習をしている風景を毎週のように見てくれていた20代の若者が
いました。
その若者が夏の炎天下の中で練習しているへぼチームの練習を見て
「僕は若林といいます。市内にあるニチデンという会社に勤めています。
ときどき君たちの練習を見させてもらっていました。
とても楽しそうに野球をやっているのでいっしょに混ぜてもらいたくなりました。
というか、ぜひ僕に監督をやらせてくれないか」と言ってきたのです。
h君も泉君も願ってもないことでしたので、すぐに了承しました。
そして若林さんは土曜日の午後と日曜日の昼間練習を指導してくれることになりました。
若林監督はおそらく高校か大学で野球を本格的にやっていただろう
と思えるような凛としたセンスを感じる人でした。
でも指導の仕方はとても優しく子供たちを常に褒めまくる監督でした。
できないところを指摘するのではなくできたところを褒め、
できないところはどうしたらできるか選手の意見を聞いた後、
だったらこうしてみようという提案をする、選手の気持ちを優先した指導方法でした。
ですから初心者ぞろいの子供たちでも前向きに、
練習に取り組むことができた。
しかしながらチームはそれから丸一年
試合に勝つ事はなかったのでした。
6年生の5月、ゴールデンウィークが明け、
どのチームも夏の少年野球大会を目指してがんばり始めた頃その事件がおきました。
 
5月は、夏の少年野球大会に向けてどこのチーム
も選手を補強したがる時期でした。
要するに引き抜き合戦がゴールデンウィーク前後に起こり始めたのでした。
 
ゴールデンウィークが明けた翌週、授業が終わってグラウンドに行ってみると
h君のチーム、ハッピーボーイズが練習をしていました。
しかしその横でレッドタイガースのメンバーがたむろしていました。
しかもそのチームの監督も一緒でした。
この監督が実は一癖あってとても怖い感じのお兄さんでした。
頬に刃物の傷のようなものが薄く斜めに走っていました。
眼光鋭くややツリ目の顔、鼻先高く唇が薄い。
まるでドラマの悪役か町のチンピラのようでした。
着ている服も夏でもないのにアロハシャツで練習に来るという人でした。
 
その怖いヤンキー監督の横になぜか泉君がいました。
しかも片腕を後にネジ挙げられているようなのです。
泉君の顔は苦痛で歪んでおりました。
h君の顔を見ると口パクで「来るな来るな」と表現しています。
するとレッドタイガースの監督は「おいh、俺のチームに来い」
いきなり何を言い出すかと思ってびっくり仰天!
するとさらにレッドタイガースの監督は言葉をつないで
「お前がうちのチームに来ればこいつを離してやる、
でも断るんだったらこいつの腕がどうなってもしらねぇーぞ」
h君は.ちょっと何いってるんだかわからないなぁ〜とは思いました。
こんなところでそんなことをしたら大事件になって学校に立入禁止になるだろうに、
このお兄さんは馬鹿なこと言ってるなぁと思いました。
しかしながら本当にやりかねないところを持っているのもこの監督の怖さでした。
とりあえずh君は返事に窮しながらも、
「監督さん勘弁してくださいよーそんな無茶なことを言われてもぼくは答えられませんよー」
と言ってへらへらと笑ってごまかしました。
「h、お前も義理堅いやつだなぁ、こんなへぼチームに残って野球をやったって
何の得があるんだよ。
俺のチームに来たらお前はトップバッターでサードをやらしてやるよ。
俺のチームは必ず毎年ベストエイトまで勝ち進んでるから、
市営球場で野球ができるんだぞ。いーぞーあそこは」
 
h君は一瞬言葉に詰まってしまった。
しかしながら親友の泉君の顔を見て自分を取り戻した。
「監督さんほんとにすいません、
僕はこのハッピーボーイズに残って野球をやりたいんです。
ほんとに申し訳ないんですが僕をもう二度と誘わないでください。
そしてそのような暴力を振るのは絶対にやめてください。先生に言いつけます」
 
レッドタイガースのメンバーから「ダッセー」の声や
ヤジのような悲鳴のような笑い声のような歓声がわき起こった。
h君を指差して明らかにからかうような仕草をするメンバーもいた。
h君はこんなやつらと野球をやったって面白くもなんともない。
弱くたってすごくいいメンバーと野球をやるほうが絶対に楽しいに決まってる。
レッドタイガースの監督は呆れ顔で泉君を解放しました。
まるでh君を、地球外生物でもみるような顔をして
そこを立ち退いて行ったのでした。
 
泉君は言った「hありがとな。おかげで助かったよ。
でもお前もしかしたら他のチームに行ってというか強いチームに行って、
市営球場で野球がやりたいんじゃないか?」
「そんなわけないじゃん、オレはこいつらと野球をやってた方が楽しいんだ。
そんな事は気にしないでくれ」
 
その夜自宅に帰ってからh君は考え込んでいた。
実は今日のレッドタイガースだけではなくジュニアコブラからもスカウトが来ていた。
ジュニアコブラもやはりh君を1番バッターとサードのポジションを
約束すると言うことで誘われていたのだ。
まるで自分の心を見透かされるようなことが昼間起こってしまい
h君はとても落ち込んでいた。
 
本当のことを言うとh君は市営球場で野球がやってみたかった。
高校球児が甲子園球場に憧れるように
府中市営球場の芝生のあるナイター設備のある観客席がある本当の野球場で
野球がしてみたかったのだ。
しかし今のチームにいたのでは絶対に行くことができない。
市営球場で野球をやる権利は少年野球大会の場合準々決勝からと決められていたのだ。
だからどこのチームも準々決勝まで勝つことがとりあえずの目標になっていた。
h君は悩んだ。
ヘッポコチームだけど1年前泉くんとチームを作ったときに泉くんと約束したのだ。
野球は勝つ為だけじゃないよな、野球の面白さをみんなで分かち合いたいよな。
そのためにもうちみたいな新人が入りやすいチームを作って維持していかないと
本当の意味で野球を楽しめる子供たちが減っちゃうよな。
だからがんばろうな、と。
その時はh君も大きくうなずき、厚く握手を交わしたのでした。
ところが月日が経つにつれてh君の中に今いるチームへの微妙な違和感が生じ始めていた。
野球は好きなだけでは上手くなれない。先天的なセンスみたいなものが必要だ。
それが決定的にかけている選手が数名いる。
彼らがいる限りこのチームで勝ち上がることは難しい。
小学生として市営球場で野球ができる最後の夏だった。
 
次の日の練習からh君は時々へたくそな3年生4年生に対して
「何やってんだお前ら、1年やってもそれぐらいしかできないのか、
だったらやめちまえ!」を数回発していた。
最初は見て見ぬふりをしていた泉君も度重なるh君の暴言に腹を据えかねたのだろう、
「h、お前さっきから何を言ってるんだ。そんなひどいことを言ったら彼らが傷つくだろう、
というか野球が楽しくできないじゃないか、もっと言い方を変えたらどうだ」
「そんなこと言ったってこいつらいつまでたってもなかなか上手くならないじゃないか。
これじゃぁもうすぐ始まる夏の少年野球大会でそれこそ1回戦も勝てないよ。
楽しくやるのもいいけどやっぱり勝たなきゃ意味ないよ」
泉君はじっとh君を見つめた。目元がやや悲しげだった。
「h、お前は変わったなぁ。1年前はそんなこと言うようなやつじゃなかった。・・・・。
そんなに勝ちたいのか。そんなに市営球場に行きたいのか。
だったら他の強くて勝てそうなチームに行ったらどうだ?」
泉君は能面のような無表情でそう言い放った。
 
「わかったよ!やめりゃいいんだろう!やめてやるよ!ふざけんじゃねえよ、
こんなへたくそな奴らとやっててもしょうがねぇや。じゃあなぁ」
 
h君はその場で校舎のほうに向かって歩き始めた。
後ろの方で泉君以外の誰かがしきりに呼び止めていたが、
h君は無視をしてスタスタと校舎の中に入ってしまった。
しかし校舎の中に入って教室の中に入ってひとりでぽつんとなると
とても自分がとんでもないこと言ってしまったことに気づき深く反省した。
落ち込んでもいた。
今ならまだ戻れる。
でも動けなかった。
着替えるのも忘れてh君は教室の中でしばらくぼーっとしていた。
その後そのまま帰る気にもならず屋上に出て、風に当たっていた。
やがて下校時間の音楽が流れたのでh君は階段を降り着替えを済ませ、
校舎を出てグラウンドを横切り自分の帰る通用の門に向かった。
グラウンドにはもう誰もいない。
歩きながらh君は、ふと何気なく右手にある運動具の用具置き場の
コンクリートの建物が目に付いた。
ほんとに何気なくなのだがその道具置き場の裏に何かの気配を感じた。
近づいてみて正面の入口が野球場のグラウンドに敷く石灰で
粉まみれになっているのが目についた。
中に入る気にもならず建物沿いに右周りに後ろに回った。
真後ろに回ろうとしたその角のところで人のうめき声が聞こえた。
h君は身構えた。
何か獣でもいるんだろうか。
夕暮れ時でやや怖じ気付いたh君は物置小屋の壁伝いから
そーっと片目だけずらして覗き込んだ。
するとそこには壁に寄りかかっているユニホーム姿の泉くんがいたのだった。
顔は涙でぐしゃぐしゃで、鼻水を垂らしているのも気づかないであろう、
大口を開けて声を押し殺して、でも大泣きしていた。
小学6年生の男の子が号泣していたのだ。
h君の背中にガツンと旋律が走った。
しかし声をかける勇気はなかった。
少しの間、その泉君の泣き顔を見つめた後h君は黙って踵を返した。
しばらくはそっとゆっくり音を立てずに歩き、
学校の門を出たところから猛烈なダッシュで家まで走った。
h君の目にも涙が浮かんでいた。
 
それから2ヶ月後、夏の少年野球大会が始まった。
その1回戦多摩川の河川敷で少々の砂利と少々の小石と砂が混じった
4面使用のグラウンドでそれは行われた。
1回戦皮肉にもその4面グラウンドでの試合が行われた時、
ハッピーボーイズとh君が移籍したジュニアコブラの試合が同じ敷地内の反対側で行われたのだ。
 
h君が移籍したジュニアコブラは相手チームを大差で破り5回コールドで
2回戦に勝ち進んだ。
そのちょうど反対側のグラウンドでハッピーボーイズは20対0でしかも
4回コールドで負けていた。
ほぼ同じ時間に試合が終わり河川敷の出口から土手に上る通路でh君は
ハッピーボーイズのメンバーと一緒になった。
彼らは20対0で負けていたのにみんな笑顔でとても楽しそうだった。
その中に泉君の笑顔もあった。
彼らはh君がいることに気づいているのかいないのか
まるで関係ないふうにして歩き去っていった。
h君の心の中に隙間風が吹いた気がした。
その後h君はチームのメンバーと学校に戻り次なる戦いに向けての練習を始めた。
新しいチームは、メンバーのレベルが非常に高く、ライバル意識も旺盛で
チーム内に緊張感がみなぎっていた。
監督も野球経験者で勝つための野球を目指していたのでとても厳しかった。
h君も勝ちたかったので必死に食らいついていた。
 
それからh君の所属するジュニアコブラは順調に勝ち進み
準々決勝まで勝ち進むことができた。
h君の念願の市営球場での試合ができることになった。
h君の体の中で沸き立つものがあった。
 
準々決勝の相手は府中スコーピオンズと言うやはり毎年ベストエイト常連のチームだった。
全体的に背が高くh君たちのチームよりも迫力があった。
しかし試合は接戦となった。
一回の表h君は先頭バッターとしてバッターボックスに入り初球を打った。
カキ〜ン!
センター前ヒット。
すかさず送りバントで2塁に進む。
3番バッターがライト前ヒットで3塁へ進み、4番の外野フライでタッチアップ。
早くも先制の一点が入った。
これは楽勝かと思いきや、このあと点が入らなかった。
しかし、h君のチームのエースもしっかり投げて、相手に隙を見せず、
ヒットこそ数本打たれるものの、点はやらずゼロに抑えていた。
試合は緊迫したまま最終回、七回の裏となった。
ピッチャーも勝利を意識したのかややこの回は硬くなっていた。
先頭バッターをフォアボールで出し次のバッターにデッドボールを与えてしまった。
相手は当然のように犠牲バントをし、ランナーが2塁3塁となった。
ここで相手のバッターは4番。
ここで確実に当てる気なのかバットを短く持って振ってきた。
これが三遊間を抜いた。相手は同点のホームを踏んだ。
相手側スタンドが沸いた。
そして2塁ランナーも3塁に進塁した。
これでワンナウトランナー3塁の場面となった。
次のバッターはこの試合とても調子が良く、ヒットを二本も打っていた。
ピッチャーもやや投げづらそうだった。
しかし度胸よく投げ込んでツーストライクまで簡単に追い込んだ。
しかし相手も必死でそこからファールで粘って
ボールカウントスリーボールツーストライクとなった。
次は勝負の球である。ピッチャーが大きく振りかぶって投げ込んだ、
カキーンッ!
地を這うような強烈なゴロがh君の前に飛び込んできた。
腰を落とし体の中心でしっかりと取り3塁ランナーがホームに向かっていたのが見えた。
h君はバックホームをしようと右腕を振りかぶり投げようとしたとその瞬間、
ホームにいた味方のキャッチャーの顔が泉君の泣き顔に変化した。
 
えっ!なに!
 
h君の中で時間が止まった。
 
泉君は泣いていた、声を押し殺して大声でうめいていた。
投げられない、あいつに向かってボールは投げられない。
むうぅぅぅ・・・・!?
h君は我に返った。
投げる瞬間ボールを握る指先に力が入った。
h君はそのまま投げた。
ボールはキャッチャーの少し手前でワンバウンドしてしまった。
キャッチャーはボールをミットの土手に当てファンブルした。
ボールはベースの上に転がった。
そこに相手チームのランナーの足が滑りこんだ。
 
審判の両腕が左右に力強く開いた。
 
「セーフ!!」
 
 
h君のチームは負けた。
h君の暴投でサヨナラ負けとなった。
 
h君の夏は終わった。
 
1週間ほど野球の練習はなかった。
h君は毎日のようにテレビで高校野球の甲子園大会を見ていた。
決勝戦は
青森の三沢高校対四国の松山商業だった。
その試合をh君は自宅で見ていた。試合は0対0で延長戦となった。
延長に入ってから三沢高校がノーアウト満塁で責め立てた時があった。
そして次のバッターもスリーボールのノーストライクになった場面があった。
絶体絶命だと思った。
これは三沢高校が勝つと思った。
h君がもし松山商業のピッチャーだったら次のボールはおそらくボールとなり
押し出しのフォアボールになるだろうと想像した。
しかし松山商業のピッチャー井上はそこからストライクを投げ続け
その打者を打ちとった。
そしてその後の2人も打ち取り見事0点に抑えその試合を引き分けに持ち込んだ。
h君はその松山商業の井上と言うピッチャーを尊敬した。
と同時に、自分と重ね合わせて自分がなんだかとても
精神的に弱い人間に思えて情けなかった。
結局引き分け再試合の結果、松山商業が優勝した。
世の中は青森三沢高のエース太田幸司に惜しみない拍手と大声援を送った。
 
新学期が始まった。
放課後、本当ならばジュニアコブラの野球の練習があったのだ。
しかしh君はあの大会でサヨナラ暴投をやってしまったその後から
なぜか野球に対してやる気が失せてしまった。
h君は校舎から校庭を横切って自分が利用している通用門に向かっていた。
ふとグラウンドを見渡すとバックネットを背にして
ハッピーボーイズが練習をしていた。相変わらずうまくはない。
しかしとても楽しそうではある。h君は少し近づいて練習を見ていた。
みんな楽しそうにほんとに楽しそうにボールを追いかけていた。
上手くないけど。
でもそれを見ているとなぜかh君の心は和らいだ。
h君の心の中にぽっかりと空いた何かを埋めてくれるようなものを感じた。
それでももう帰る場所では無いので自分の家に帰ろうと
グラウンドに背を向けて歩き出した。
その時ちょうど門の入り口からハッピーボーイズの監督が歩いてきていた。
h君はバツが悪くて目を合わせられなかった。
下を向いたまま通り過ぎようとした。
とその時
「h君何をそんなに急いでるんだい。もう野球の練習はしないのかい?」
えっ! h君は焦った。
まさか声をかけてくれるとは。
足を止めたh君に向かって監督がいった。
「h君なんだか元気がないみたいだね。
ここで会ったのもなにかの縁かもしれない。
だから、1つだけ教えてあげるね。
キャプテンの泉はお前をチームから追い出そうと考えていたみたいだよ。
それはお前を見ていて悪いなと思っていたからだと思う。
あいつからすれば自分と一緒にチームを作り育ててきてくれたhがいなくなるのは
とても寂しいことだと思う。
でもあいつはお前の気持ちがよくわかっていた。
そしてお前の力も。
他のチームに行って勝ち上がって市営球場で野球をやってもらいたがっていたんだよ。
それが一番hのためになる、そう考えていたと思う。
だから泉はお前のことを何とも思ってないと思うよ。
もしまたうちのチームで野球がやりたい気持ちがあるんだったら、
いつでも戻ってこいよ。俺も泉もそしてみんなもお前のことを待っているから」
 
監督はみんなが待っているグラウンドに向かって歩き出した。
ふと何かを思い出したように立ち止まった。
背を向けたまま、
「h、自分の人生は自分のものだ。わがままな時があってもいいんじゃないか。
俺はそう思うよ」
 
h君はその後ろ姿に何か言おうとした。
しかし、
h君は動けなかった。
 
h君の瞼には涙が溢れ出していた。
 
 
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
おしま〜い。
 
そんなh君こと佐伯がすすめる今月の本は、やはり野球絡み(笑)
 
【超集中で人は変わる】
松葉健司/著 ベースボールマガジン社/刊
 
この本の中に超集中することで自分に変化が起きると言う実例が載せてあります。
それは著者が滋賀県の琵琶湖周辺を100キロ近く歩く大会に参加したときの話でした。
非常に苦しい経験だったそうですが、その時に自分の呼吸の音に集中してこの苦難を乗り越えたそうです。
実はこれに近いことを最近自分自身でも経験したように思いますので書いてみます。
それは先週のことでした。
扁桃炎になりまして38度6分まで熱が上がりました。
2日間横になって手持ちの風邪薬や解熱剤などを飲んでいたのですが、
全く効果がなく苦しくて汗だくの2日間となりました。
3日目の朝仕方なく家から1時間半かかる高津内科医院という
かかりつけのお医者様に行くことにしました。
ここに行けばだいたいの病気は治ります。
しかし家から100メートルほど歩いた時点でその決意が大きく揺らぎました。
理由は扁桃炎が苦しくて体が思うように動かないことと、
2日間寝ていたせいで腰痛が発生していたからです。
100メートル位のところで家に戻ろうか思案しましたが
この苦しさは薬なくしては治らないだろうと判断し駅に向かいました。
しかしながら、駅までの道が遠くて遠くて仕方がない。
しかもゴールまで1時間半かかることがわかっています。
頭の中で1時間半と言う数字を考えただけでうんざりしました。
そこで自分の意識をそういうことに向けないで足元数メートルを見て
そこに集中することにしました。
それは自分を追い抜いていく人の靴に集中することです。
幸いにも昔自分は靴屋だった経験があり靴に対する知識や興味が残っています。
ですので追い抜いていった人の靴のメーカーやブランドや流行ってるものなのか?
とか考えを巡らせたり、底材の形状やデザインなどを
あれこれ考え意識をそちらに集中させました。
また、商店街の窓に貼ってあるポップやいろいろな飾り付けをじっくり見て
どうしてこのようなことを書いたのだろうとかいろいろ思案しながら
ゆっくりゆっくり歩いていきました。
なんとかいつもの3倍かかって駅に到着しました。
それ以降は駅の改札の中でも電車に乗っても全て目の前の物や人に注意を向け
そこから色々と勝手に想像をめぐらし頭のゲームを楽しみました。
気 がついたら高津内科医院のある十日市場駅についておりました。
そこからもまた5分ぐらい歩きましたがもうここに来る時点で
腰は痛みがかなり消えていました。
そして高津内科医院の中に入り受付の女性の顔を見たら安心して
一気に座り込んでしまいました。
その後は最適な処方と診断をしていただき三日間ほどで扁桃炎は引いていきました。
この時も今から考えると超集中することで、
とにかく目の前のことに集中することで体の不調や痛みを忘れることができたように思います。
ということで今回はこの【超集中で人は変わる】と言う本を
ぜひ読んでいただきたく紹介したいと思います。
 
弱者を甲子園に導いたリーダーの能力を伸ばす最高の方法。
実力を100%引き出す、集中力を高めるベストトレーニング法。
各種セミナーで大反響!
本、高校野球指導者で、次世代リーダー育成のプロが教える成長のヒント集。
親、教育者、経営者に送る!
以上、帯のコピーより引用。
 
小学校の時に円の面積を求めなさいという問題を出され全くわからなかったのですが、
自分なりに一生懸命考えて回答を先生のところに持っていきました。
すると先生は「よくがんばった」と言ってハグしてくれたそうです。
そしてみんなに向かってこう言いました
「君たちはなんでこの公式で円の面積が求められるのか言えるのか?
彼は自分が今もっている力で解こうとした。
それは素晴らしいことじゃないか」と言ってたくれたそうです。
 
著者はこの言葉に感動し認められたことが嬉しくて
それ以降夜中まで勉強するような子供になりました。
そして算数の点数は信じられない位ぐんぐんと上がったそうです。
この先生の言葉によって感情が上がり意欲が生まれ結果、
知性が伸びたのです。
心のサイクルがうまく回るようになれば人間は急激に変わるのです。
その心のサイクルをうまく回るようにするためのポイントが
「超集中」と言う事です。
この本には超集中するためにできる具体的で身体的なトレーニング方法を
イラスト入りで多数掲載されています。
実際のセミナーに基づいたものを文章とイラストで解説してあります。
実は私は松葉先生のセミナーを一度聞きに行ったことがありますが、
とても興味深くかつ実践的で意欲をそそられたセミナーでした。
ぜひこの本は親、教育者、経営者の方に読んでいただき、
お子様や新人社員、若手社員の育成にお役立て頂きたいと思います。
子供や人の能力を引き出すための本です。
 
 
以上です。
今回も長い長いメルマガをお読み頂き誠にありがとうございます。
 
また、お会いしましょう。
お元気で〜〜。
∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞
皆様、最後までお読みいただきありがとうございました~!

長いけど、毎回面白いんですよね~!
佐伯理事長、扁桃腺炎だったっていうのに、こんなに長い原稿を・・・
ありがとうございました!!!

 お気に入りの本は読書のすすめでどうぞ♪
 http://dokusume.com/modules/store/


 こんぶ店長のブックランドフレンズでもどうぞ♪どうぞ♪
 http://www.honyakamo.com/


ドクシー2で盛り上がりましょう~!
http://www.c-sqr.net/

こちらでは「やっこ@ほがらか堂」という名前で出ていますよ~♪
http://www.c-sqr.net/cs78042/

ドクシー2の招待メールがまだ行っていないという方も、
このメルマガに返信すると、メルマガ発行者にメールが届くようになっています。

ご感想もどしどし、返信でお送りくださ~い♪
∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞
 発行: NPO法人 読書普及協会
      編集人: 高橋康子
∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞

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高卒、派遣社員という負け組から、外資系IT企業の部長になった男の、成功法則を全て公開します。誰にでも、どんな状況、状態からでも自分の力で人生を変えるための情報と知性を発信しています。人生を意のままにするには、脳みそとこころの両方が進化しなければなりません。そんな進化とは何か?をお届けする四コママンガ付きメルマガです。2014年から4年連続でまぐまぐ大賞部門賞を受賞しました 学歴やバックグラウンドに拘わらず、人生を思いのままに生きるために必要な考え方が書かれた、「良書リスト」も希望者に差し上げています。
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親鸞に学ぶ幸福論
【あなたを幸せにさせない理由はただ一つの心にあった。その心がなくなった瞬間に人生は一変する】と親鸞は解き明かします。 「本当の幸福とは何か」はっきり示す親鸞の教えを、初めての方にもわかるよう、身近な切り口から仏教講師が語ります。登録者にもれなく『あなたを幸せにさせない5つの間違った常識』小冊子プレゼント中。
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日本株投資家「坂本彰」公式メールマガジン
サラリーマン時代に始めた株式投資から株で勝つための独自ルールを作り上げる。2017年、億り人に。 平成24年より投資助言・代理業を取得。現在、著者自身が実践してきた株で成功するための投資ノウハウや有望株情報を会員向けに提供しているかたわら、ブログやコラム等の執筆活動も行う。 2014年まぐまぐマネー大賞を受賞。読者数3万人。雑誌等のメディア掲載歴多数。 主な著書に『10万円から始める高配当株投資術』(あさ出版)『「小売お宝株」だけで1億円儲ける法』(日本実業出版社)
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今週のおすすめ!メルマガ3選

右肩下がりの時代だからこそ、人の裏行く考えを【平成進化論】
【読者数12万人超・日刊配信5,000日継続の超・定番&まぐまぐ殿堂入りメルマガ】 ベストセラー「仕事は、かけ算。」をはじめとするビジネス書の著者であり、複数の高収益企業を経営、ベンチャー企業23社への投資家としての顔も持つ鮒谷周史の、気楽に読めて、すぐに役立つビジネスエッセイ。 創刊以来14年間、一日も欠かさず日刊配信。大勢の読者さんから支持されてきた定番メルマガ。 経験に裏打ちされた、ビジネスで即、結果を出すためのコミュニケーション、営業、マーケティング、投資、起業、経営、キャリア論など、盛り沢山のコンテンツ。
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●人生を変える方法【人生をよりよくしたい人必見!誰にでもできる方法を組み合わせました。】
■「人生(自分)の何かを変えたい!」と思ってる方、まずは最初の1分から始めましょう!今日は残っている人生の一番初めの日です。今、「人生を変える方法」を知ることで、一番長くこの方法を使っていくことができます。コーチングで15年間実践を続けてきている方法なので、自信をもってお勧めできます。「人生を良くしたい!」と思うのは人として当然のこと。でも、忙しい生活の中で人生(自分)を変えることって諦めてしまいがちですよね。誰かに変える方法を教えて欲しいけど、その方法を知っている人は少ない。だからこそ・・・。
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サラリーマンで年収1000万円を目指せ。
高卒、派遣社員という負け組から、外資系IT企業の部長になった男の、成功法則を全て公開します。誰にでも、どんな状況、状態からでも自分の力で人生を変えるための情報と知性を発信しています。人生を意のままにするには、脳みそとこころの両方が進化しなければなりません。そんな進化とは何か?をお届けする四コママンガ付きメルマガです。2014年から4年連続でまぐまぐ大賞部門賞を受賞しました 学歴やバックグラウンドに拘わらず、人生を思いのままに生きるために必要な考え方が書かれた、「良書リスト」も希望者に差し上げています。
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