本からいただく言葉…魂の止まり木として

読書普及協会メルマガ第246号 佐伯理事長の巻【自分の辛かったことをリセットする力】


カテゴリー: 2018年05月30日
○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●

      【本からいただく言葉・・・魂の止まり木として】
       自分の辛かったことをリセットする力
       第246号 2018年5月30日発行

○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●    
∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞
みなさま、おげんきですか~?
さて、読書普及協会公認メルマガも、早やくも246号ですよ~
もう明日で五月もおしまいです。
今年は早くも九州地方などが梅雨入りいしましたね~。
異例の早さではないでしょうか、五月に梅雨なんて!
本日は関東地方でも雨の予報です。
そんな雨空を吹き飛ばしてくれるh君の登場です!
お楽しみくださいませ!
∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞
今週の目次
1■【今週の読書道☆自分の辛かったことをリセットする力】
2■【七夕ビブリオバトル☆彡@熊谷堂書店】のお知らせ
∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞
1■【今週の読書道☆自分の辛かったことをリセットする力】

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
みなさまこんにちは~
えちごや佐伯でございます。
最近の天候は寒暖差が激しくて体調管理が難しいですね。
どうかお体ご自愛ください。
今回も前半が「h君の物語」で後半が「おすすめの本の紹介」となります。
お時間のない方はどうぞ後半からお読みください(笑)
では、
 
「天職の不作法~h君の場合その21~」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
 
(前号までのあらすじ)(またはh君のプロフィール)
高校生の時に、大好きな仕事を見つけて天職に生きると決めたh君。
天職を求め数回の転職を重ね、
これぞ我が道と30歳で独立開業するも失敗、借金苦にあえぎ、離婚も経験。
そんな人生のどん底の時に書店「読書のすすめ」のS水店長と出会う。
彼に紹介された本を毎日読みまくり人生に対する考え方が180度変わる。
1年後、S水店長が主催する「NPO法人読書普及協会」の立ち上げに参加。
同時に「読書ソムリエ」の任命を受ける。
主な役割として「ほんのくすり」
という本の紹介イベントを主催(S水店長と共催)。
1年後「ほんのくすり」終了。
新たにh君一人で「本の力」というイベントをスタート。
その後も、挑戦と失敗を繰り返えしながら「本の力」を続けるh君。
ある日「読書のすすめ」の店員J徳さんのアドバイスを得て開催場所を
江戸川区の篠崎から府中の自営店舗、古本屋「本の越後屋」店内に移す。
その初回のゲストに一里塚華劇団のリーダー「団長」が登場。大盛況となる。
その後、協会の大阪3周年記念イベント参加のための
0泊3日の強行弾丸バスツアーでも「本の力」を開催。
さらに、社会人ラグビーの名門チームに所属していて、
引退の危機に追い込まれていた選手に、
おすすめの本を紹介しつつディスカッションを繰り返し、
立ち直るきっかけづくりに成功する。
 同時期に自己啓発小説の旗手「喜多川泰」と劇的な出会いをし、
大盛況な「本の力」を開催。などなど、
不器用ながらもジワジワと読書の普及を広めていくh君だった。
果たして今回はどんな出会いが待っているのでしょうか。
では、はじまりはじまり~
(作者注・文中の「h君」と「hさん」は同一人物です)
 
今回も番外編です。
はじまりはじまり~~
 
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
2018年のゴールデンウィーク。
還暦を迎えたh君は自宅で本を読んでいた。
 
《汚れが落ちる瞬間がわかると油まみれの台所の真ん中で、這いつくばって床や棚を磨きあげるのが、
小夜子は途端におもしろくなった。洗剤をスポンジに染み込ませ、
床の一部に当てくるくるとただひたすら円を描き続ける。
こびりついた油の層が薄くなるのに比例して、頭の中がどんどん真っ白になっていく。
くどくどと続いた義母の嫌味が消え、保育園の待機リストが消え、
働くことが正解だったか否かの問いが消え、ただぽかんとした空白が広がる。
その空白が、いつまでも身を置いていたいような心地よいものに小夜子には感じられた。》
(以上、【対岸の彼女】〈角田光代/著〉46ページより引用)(ハードカバー版)
 
 
育児のため仕事から離れていた主人公がベンチャー企業にパートとして再就職する。
その新人研修の掃除のシーンで主人公が台所の床の油汚れをスポンジで拭き取っているときのシーンだった。
最初その古いマンションの部屋の入口に立ったとき、主人公はその室内の凄惨さに入ることさえためらっていた。
それが実際に掃除をしはじめ、掃除のコツめいたものが分かった瞬間から、主人公の心理が微妙に変化していく。
その巧みな心理描写が上のシーンだ。
ここを読んだ瞬間、h君の中でなにかひらめくものがあった。
それは随分前の出来事で、とっくに記憶の彼方に消えていたはずのものだった。
確かに、自分にもこれと似たような体験が過去にあったような気がしたのだ。
 
☆☆☆☆☆☆
 
今から20年前、h君は10年間連れ添った奥さんと離婚をした。
離婚直後、h君は脱力感に見舞われた。
理由ははっきりしていた。
h君は、毎月かなりの額の借金を返していた。
しかし、返しても返してもなかなか減らなかった。
それはここ数年間続いていた。
それが離婚のおかげで、毎月の経費が激減した。
自分一人の生活費などたかが知れていたからだ。
不思議なことに、働く意欲も激減してしまったのだ。
なにか生きる目標がないと自分はダメになると思った。
h君はもがきにもがいた。
その悩みの最中に見つけた答えが「古本屋開業」への道だった。
h君は離婚した3ヶ月後、仕事としてやっていた靴のフランチャイズ店の経営委託権
(オーナー権)を手放した。
修行のため古本屋で働くことを選んだ。
しかし40歳を過ぎたh君を雇ってくれる古本屋はなかった。
2ヵ月後やっとの思いで「ブックセンター〇とう」の社長との面接にこぎつけた。
その面接で自分の古本屋への夢を語った。
社長に言葉を挟ませなかった。
挟まれたら断られると思ったからだ。
30分以上話しただろうか、
社長が根負けした。
「熱意は分かりました。でもうちの店の店長はみんな若い人が多いんだよねぇ。
だいたい20代後半から30代なんだ。だからやりにくいと思うんだよねぇ。
とりあえず僕が判断せず、各店の店長に電話で聞いてみましょう。
それでもし40歳のあなたを使ってもいいと言う店長がいたら雇いましょう。
全部で18店舗あるから明日の夕方までに聞いておきましょう。それでどうだろう?」
ということになった。
翌日の夕方社長から電話が入った。
「hさん、申し訳ないけど、どの店長もうんと言わないんだよねぇ。
やはり年上のしかも靴屋とはいえ店長経験豊富な人を部下にするのは嫌なんだろうねぇ」
h君は肩を落とした。
(そうだよな、当たり前だよな。俺だってもし彼らの立場だったら雇いたくないもんなぁ)
「社長、お忙しいところどうもありがとうございました」
h君はお礼を言って電話を切ろうとした。すると、
「あっhさんちょっと待って。実は売り場ではないんですけど、
うちの商品管理倉庫の所長があってみたいって言ってくれましてねぇ。どう、面接だけでも受けてみない?」
h君は耳を疑った。そして、即座に
「社長、ありがとうございます! 是非お願いします」と言った。
なんでもよかった。少しでも「古本屋」に近づければ。
ということで、即日面接に行き、即時採用となった。
倉庫の所長は78歳の小柄なおじいさんだった。
どちらかというと、古本屋のおやじではなく、「靴修理のおじさん」という感じだった。
h君となぜか初対面であったにもかかわらず意気投合してしまった。
なにか、見えないものが背中を押してくれたようにh君には思えた。
 
 
倉庫での作業は古本再利用のための雑務作業が主だった。
各店から売れ残りとしてまたは余剰在庫として送られてくる本を倉庫で仕分けし、
メンテナンスしてまた必要があればチェーン店のどこかに送る。
もしくは他の古本屋の仕入れ商材として使えるようにする、商品再生の仕事が主だった。
その他に、チェーン店の閉店や出店時の商品の搬出搬入という肉体労働もあった。
これは40歳を過ぎたh君には辛かった。
しかし、体は3か月もすれば慣れた。
かえって若返ったような気分になっていた。
ところが半年もしないうちに会社の状況が変わった。
もともとh君は募集されていたところに採用された人ではなく、
h君が勝手に押し掛けたような形として雇ってもらっていたのだ。
会社全体の経営がおもわしくなくなり、人件費削除ということで、
社長から管理倉庫の人を減らすように指示が出た。
ところが倉庫の所長がh君をやめさせない工夫をした。
その工夫というのが、倉庫に並ぶすべての本(推定20万冊)を研磨していくという作業をh君に命じたのである。
h君のやるべき仕事をつくることで、辞めさせない理由を作ってくれたのだ。
古本は、数年またはものによっては1~2年で本の縁周りが変色する。
紙の色が茶色くなったり、天(本の上部分)にホコリジミの点々が発生するのである。
いわゆる経年劣化という古本特有の現象が起こる。
コミックは特にそれが起こりやすい。
製本に使われている紙質があまり上等なものではないため、劣化しやすいのである。
最初h君はクビになることを免れたので非常に喜んだ。
しかし実は、本の研磨を1日中やり続けるというのはとてつもなくしんどい仕事だったのだ。
研磨作業の流れはこうだ。
研磨機の大きさは銀行のATMよりやや幅広。
作業面となる台座の高さは腰より少し高め。
そこに横一直線に研磨するヤスリ部分(ローラー)が横たわる。
左右から本を挟み固定するためのパッドが突き出ている。
本のカバーを外す。
そして、
まず本を研磨機にセットする。
「カチャ」
本を研磨する面を下に向けて機械の中央に固定する。
本には、天(本の上側)、地(本の下側)、小口(本のページを開く部分)がある。
これらを「天」の部分から順繰りに削っていく。
その都度固定してローラーに押し付ける。
「キ~~~ン、ガガガガガァーーー」
本をパッドから外す。
「パカッ」
研磨する部分を回転させパッドに固定する。
「カチャ」
研磨する。
「キ~~~ン、ガガガガァーーー」
本を外して
「パカッ」
他の面に移動させて固定する、
「カチャ」
研磨する
「キ~~~ン、ガガガガァーーー」、
また外して
「パカッ」
他の面に変え固定して
「カチャ」
研磨する。
「キ~~~ン、ガガガガァー」
本のカバーをもとのようにかけ直す。
「サクサク」
これが1回分の研磨工程である。
本の厚さにより1回につき2冊から4冊まとめて研磨することができた。
1日目の午前中は新鮮な気持ちで張り切ってやっていた。
しかし、午後になると既に飽きはじめていた。
何しろやることと言ったら、本を機械に固定すること、研磨すること、
外して位置を変えること、3か所研磨したら、本を入れ替える。
これの繰り返しである。
さすがに1日終わったときには頭がボーッとしていた。
本人も疲れを感じていたが、それよりも、他の従業員の労わり方がすごかった。
「おつかれさま」の声を倉庫内全員の人がわざわざh君の作業場まで出向いて言いに来た。
これで余計に疲れを感じたh君だった。
2日目から作業は完全にルーティンとなった。
何も考えなくてもできる作業だった。
それを昼食と10時3時の休憩を除いく、合計8時間も続けるのだ。
ただ、研磨部分に手を触れると大変な事故になる恐れがあった。
その緊張感が、辛うじて眠気を抑えてくれていた。
しかしそれでも作業は単純すぎるのでほとんど何も考えなくていい。
となると頭の中に色々なことが浮かんでくるのだった。
自分の悩んでいることや気になっていること、
又は不満に思っていることや悔やんでいることなどがどんどんどんどん思い出された。
それは別れた奥さんとの10年間の出来事だったり、
10年間必死に働いた「靴のフランチャイズ」で起きた出来事だったり。
いろいろなことが浮かんできた。
楽しかったこと、笑ったこと、泣いたこと、怒ったこと、喧嘩したこと、
いろんなところに行ったこと、とにかくいろんなことが思い出された。
特に奥さんとの最後の1年は毎日のように喧嘩を繰り返していた。
夫婦喧嘩の際にチェーン造りのベルトを振り回され、家具や内壁が傷だらけになったこと
同じく夫婦喧嘩の際に包丁を持ち出されてビビったこと。
離婚について相談した弁護士に言われた意外な一言。
そして、別れることになった決定的な事実を知った瞬間の衝撃。
その決着のために3人で入ったカラオケボックスのシーンや、
その時の3人の会話の一言一言を思い出した。
その会話の合間に見た奥さんの複雑な表情。
もう一人の人物が言った一生忘れないだろうあり得ないバカな一言。
それらを、
何度も何度も思い出し、何度も何度も首を振ってはそれを振り払った。
そのシーンから連なる様々なシーンが次々と思い出されていく。
それらは、まるで海に浮かぶ小舟から見る波のように、
頭の中に浮かんでは消え浮かんでは消えを繰り返した。
 
「カチャ」
「キ~~~ン、ガガガガガァーーー」
「パカッ」
「カチャ」
「キ~~~ン、ガガガガガァー」
「パカッ」
「カチャ」
「キ~~~ン、ガガガガガァーーー」
「パカッ」
 
作業中、研磨機を回す単調な仕事も嫌だったが、
過去を思い出してしまう自分の頭の中が嫌で嫌でたまらなかった。
ただそんなことを言えばクビになってしまうので、h君はひたすら削り続けた。
この間のh君の表情が苦悶に満ちていたのであろう、とにかく倉庫で働くみんなが気を遣ってくれた。
休憩の時間には必ず飲み物とお茶菓子を持ってきてくれた。
それは午前中の10時そして午後の3時に必ず誰かが持ってきてくれ、声をかけてくれた。
「大丈夫?しんどくない?無理しないでね」と代わるがわる声をかけてくれたのだ。
h君は初めこそ嬉しかったものの、時が経過するにつれて、なんだかは少し申し訳なかった。
体力的にも精神的に段々と慣れてきて辛さが軽減されていったからだ。
辛いのは過去を思い出してしまうことだった。
 
1週間が過ぎた。
自分の40年分の過去を思い出さない限りこの苦しみは終わらないのだろうか?
そして、いったいいつになったらこの作業から解放されるのだ。
h君は先の見えない真っ暗なトンネルの中にいるような錯覚に囚われた。
「カチャ」
「キ~~~ン、ガガガガガァーーー」
「パカッ」
 
2週間が過ぎた。
もう、思い出すことに慣れてしまっていた。
苦しみに対して鈍感になっていく。そのことに気づいてはいなかったが。
全てがどうでもいい。研磨作業も思い出すことも惰性で続けていた。
頭がもうろうとする時間が増え、
自分が今どこで何をしているのかを忘れる時が増えていった。
いったいどうなってしまうのだろうか。
「カチャ」
「キ~~~ン、ガガガガガァーーー」
「パカッ」
 
ところが・・・・・。
3週間ぐらい経った時に突然頭の中が真っ白になった。
作業していても何も浮かばなくなったのだ。
h君は訳が分からなかった。いったいどうしたんだろう。
頭が空っぽになり自分がバカになってしまったのかと思った。
「カチャ」
「キ~~~ン、ガガガガガァーーー」
「パカッ」
 
それからさらに1週間ほどこの作業は続けられ、
倉庫にあるすべてのコミックは研磨された。
最後の1冊が終わった瞬間、h君の体の奥底から得も言われぬ感動が沸き起こった。
達成感というやつだった。
倉庫のみんなも拍手とお疲れ様の声でねぎらってくれた。
そのことが本社にいる社長に伝わり、h君の首はつながった。
しかし、h君はそのことの喜びよりも、
なにかとんでもないものを得たように思えた。
h君の中にあったどす黒い煩悩のようなものが消え去った気がしたのだ。
別れた奥さんへの恨み、前の職場への未練その他諸々。
h君の頭の中のすべての煩悩が何度も何度も思い出すことによって
思い出さなくなるという不思議な現象が訪れたのだ。
禅の世界でいうところの「無の境地」に一時的に達してしまったのかもしれない。
 
【シロクマのことだけは思い出すな】という本がある。
失恋などをしたとき、その恋は早く忘れて前向きに生きたほうがいいと
言ってアドバイスをする人も多い。h君もそうアドバイスしていた。
実は心理学者が書いたこの本の中にはその逆のことが書いてあった。
失恋を乗り越えるには思い出したいだけ思い出せばいい。
何度も何度も繰り返し思い出しているうちに、思い出すことに脳が飽いてくるという。
そうすると乗り越えることができる、ということが書いてあった。
まさにその境地がh君の中に訪れた。
そして、掃除と言う作業には、対象物そのものをきれいにするという具体的な結果もあるが、
と同時に作業している人の心の中もきれいにするということがあるのだ。
そして単純作業を繰り返すことによって頭の中が別のことを考えだす。
単純作業と掃除、この両方が噛み合うことで自分の辛かったことをリセットする力がこの時働いたのだった。
h君は思った。
もしかしたら、自分をこの職場に就かせた「神様の本当の目的」はここにあったのかもしれない。
この過去をリセットするという作業のためにそこに行かせたのかもしれない、と。
 
☆☆☆☆☆
 
h君は我に返った。
いつの間にか本を読んでいる途中で、自分の過去の世界に意識が飛んでしまったようだった。
 
h君は、小説を読んでいると時々このようなことになってしまう。
そしていつもここで小説の素晴らしさを再確認してしまうのだった。
小説を読んでいると何故かその小説の主人公が考えている事、
または経験しているその作業の中の心理描写のところ、
あるいはその情景描写などから自分の過去に経験したものと結びついてしまうことがよくあるのだった。
小説は文字を追って頭の中でイメージを作り上げながら、
自分でその物語を作っていく作業が必要である。
それが実は疑似体験として自分の中の脳または体にある刺激を与える。
という小説じゃなければまず味わえないであろう個人的化学反応が起こる。
思い出を思い出させるだけではなく、自分の中でその過去が新しい解釈として生まれ変わることもまま起こる。
これも小説の副産物としておいしいところだとh君は思っている。
「良質な小説」には、読者を物語世界と同化させ化学反応を起こさせる力がある、
そうh君は信じている。
 
 
おしまい。
 
 
今回のおすすめの本。
「対岸の彼女」角田光代/著 角川文庫
現代における「いじめの構造」。それは決して学校だけの中の問題ではない。
幼児を抱える母親の問題であったり、会社内における上司と部下あるいは同僚との間における派閥だったり。
人はこの世の中で生きて行く以上、一人では生きていけない。
群れの中で自分を守るために必要最低限の自己防衛を考える。
つまり誰かと群れる。ここで誰かと上手く群れることができないと「ひとりぼっち」となり、いじめにあう。
うわぁ、なんて陰湿な物語なんだ!と思われてしまいそうで心配です。
しかし、この物語は二人の主人公が人生のある時期に出会い、
お互いの人生がクロスオーバーして展開されるダイナミックな物語です。
決して明るい物語ではない。どこかイライラとするところがあったり、じめじめとした部分も少なくない。
でも、なぜか物語の次が気になって仕方がなくなるのです。
最後はいったいどうなってしまうんだろうというリーダビリティーに溢れる物語なのです。
小説なのでこれ以上は書いてはいけない気がします。
今を生きる現代人として、考えさせられることが多々ある重厚な物語になっています。
 
 
「シロクマのことだけは考えるな!」植木理恵/著 新潮文庫
自分が若かりし頃、よく片思いをし、何度もフラれていました。
その都度一人部屋に引きこもり、ひたすらレコードを聴きまくった記憶があります。
その時、暗い歌、失恋の歌ばかりを聞きまくる。
もちろん家族に知られると恥ずかしいので「ヘッドフォン」を装着して聴いていました。
聴きながら、いかに自分のこの失恋は辛いものであるかを確認し、悲劇のヒーローになり切って、
暗くて重たくて悲しい世界に浸りまくっていました。
その行為を丸一か月ほど続けていたように思います。
するとだいたいの場合、段々と失恋の痛手が薄れていくのでした。
というか、こんなことをしている自分にあきれて、この暗くて悲しいレコードが聞きたくなくなるのでした。
そして、普段の生活に戻っていく。
という回復作業をしていたのでした。
まさにこの本はこの行為の理論的裏付けとしてみごとに証明してくれた本でした。
 
 
「小さな実践の一歩から」鍵山秀三郎/著 致知出版社
心の中の様々なモヤモヤは、掃除の力で修正していくのがおすすめです。
一番効果的なのは「トイレ掃除」です。
これも昔の経験を見事に証明してくれた本でした。
昔、フランチャイズの靴屋の店長時代、
自分が「毎朝店のトイレを一人で全部掃除をする」ことで売り上げダウンが止まり、
見事に店が生き残ってしまったという経験をしました。
トイレ掃除をする前の自分は、店の売り上げがどんどん落ちて行っても
「毎日同グループの仲良し店長に電話をしてキズのなめ合い」を繰り返していました。
ところが「トイレ掃除」に目覚め、毎日続けていくうちに「仲良し店長との電話」が楽しくなくなっていくのでした。
自分でも気づかないうちに「トイレ掃除」をすることで「心も掃除」されていたのでした。
毎朝のトイレ掃除で昨日の「嫌だったことすべてがリセットされてしまう」という心理現象が起こり始めたのです。
その結果、「仲良しキズのなめ合い店長」との電話に出なくなり、
仕事に前向きに取り組むようになりました。
数年後近隣の街々にあった同グループの靴屋は押しなべて閉店していったにもかかわらず、
私の店だけが生き残っていたのでした。
「トイレ掃除」には、理屈では解き明かすことのできない不思議な力があるように思います。
まさに「やった人だけが知っている」力だと思います。
 
 
 
以上です。
今回も長文にお付き合いくださりありがとうございました。
次回またここでお会いできることを楽しみにしています。
さようなら~~~
∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞
皆様、最後までお読みいただきありがとうございました~!
佐伯理事長今回もh君実体験に基づく素晴らしい文章をありがとうございました!
h君って誰なのかなあ~(笑)

 お気に入りの本は読書のすすめでどうぞ♪
 http://dokusume.com/modules/store/


 こんぶ店長のブックランドフレンズでもどうぞ♪どうぞ♪
 http://www.honyakamo.com/

さてお次はチームさいたまのつけちゃん。から耳寄りなお知らせの依頼がありましたよ~!
∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞

2■【七夕ビブリオバトル☆彡@熊谷堂書店】のお知らせ
七夕の夕方にチームさいたまのビブリオバトルを開催します!

場所は熊谷の「熊谷堂書店」さんです。学校の教室のような懐かしい雰囲気で、素敵な和室の読書室がある書店です。この機会にぜひ足運びいただければと思います。ご参加心よりお待ちしております。

テーマはありません。ご自身が読んで面白いと思った本を紹介してください。

発表者としてでも観戦者としてでも、どちらにしてもお気楽にご参加ください。



内容:ビブリオバトル
集合:現地集合
場所:熊谷堂書店(秩父鉄道石原駅徒歩10分)
https://kumagai-dou.jimdo.com/
〒360-0833 埼玉県熊谷市広瀬389-1 Tel: (048) 521-2601

時間:7月7日(土) 16時開始(15時45分受付開始)。18時終了予定。
(当日お昼過ぎから書店に入ることもできます)
定員:15名(発表者先着10名まで)
参加費:無料
申込:(1)発表者か見学者か(2)当日連絡可能な電話番号の2点を明記の上、渡辺までお願いします。
メール(渡辺):nabetaka555*yahoo.co.jp
(*を@に変更して送信ください)

*発表希望の方は、事前に発表する本の書名(候補本として複数も可)を7月1日(日)までにメール又はフェイスブックメッセージで渡辺までお知らせください(期日過ぎる場合もなるべくお知らせ下さい)。


ビブリオバトル読書会とは?
本を知り人を知る書評ゲームです。

【公式ルール】
1. 発表参加者が読んで面白いと思った本を持って集まる。
2. 順番に一人5分間で本を紹介する。
3. それぞれの発表の後に参加者全員でその発表に関するディスカッションを2~3分行う。
4. すべての発表が終了した後に
『どの本が一番読みたくなったか』を基準とした投票を
参加者全員一票で行い、最多票を集めたものを『チャンプ本』とする。

主催:NPO法人読書普及協会チームさいたま
 ∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞

素晴らしいイベントですね!
素敵な本屋さんで大好きな本のお話ししましょうね~。
御用とお急ぎでない方は、是非熊谷まで足をお運びくださいませ!      

ドクシー2で盛り上がりましょう~!
http://www.c-sqr.net/

こちらでは「やっこ@ほがらか堂」という名前で出ていますよ~♪
http://www.c-sqr.net/cs78042/

ドクシー2の招待メールがまだ行っていないという方も、
このメルマガに返信すると、メルマガ発行者にメールが届くようになっています。

ご感想もどしどし、返信でお送りくださ~い♪
∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞
 発行: NPO法人 読書普及協会
             http://yomou.com/
      編集人: 高橋康子
∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞

本からいただく言葉…魂の止まり木として

RSSを登録する
発行周期 ほぼ 週刊
最新号 2018/07/18
部数 245部

このメルマガを購読する

ついでに読みたい

本からいただく言葉…魂の止まり木として

RSSを登録する
発行周期 ほぼ 週刊
最新号 2018/07/18
部数 245部

このメルマガを購読する

今週のおすすめ!メルマガ3選

サラリーマンで年収1000万円を目指せ。
高卒、派遣社員という負け組から、外資系IT企業の部長になった男の、成功法則を全て公開します。誰にでも、どんな状況、状態からでも自分の力で人生を変えるための情報と知性を発信しています。人生を意のままにするには、脳みそとこころの両方が進化しなければなりません。そんな進化とは何か?をお届けする四コママンガ付きメルマガです。2014年から4年連続でまぐまぐ大賞部門賞を受賞しました 学歴やバックグラウンドに拘わらず、人生を思いのままに生きるために必要な考え方が書かれた、「良書リスト」も希望者に差し上げています。
  • メールアドレスを入力

  • 規約に同意して

親鸞に学ぶ幸福論
【あなたを幸せにさせない理由はただ一つの心にあった。その心がなくなった瞬間に人生は一変する】と親鸞は解き明かします。 「本当の幸福とは何か」はっきり示す親鸞の教えを、初めての方にもわかるよう、身近な切り口から仏教講師が語ります。登録者にもれなく『あなたを幸せにさせない5つの間違った常識』小冊子プレゼント中。
  • メールアドレスを入力

  • 規約に同意して

日本株投資家「坂本彰」公式メールマガジン
サラリーマン時代に始めた株式投資から株で勝つための独自ルールを作り上げる。2017年、億り人に。 平成24年より投資助言・代理業を取得。現在、著者自身が実践してきた株で成功するための投資ノウハウや有望株情報を会員向けに提供しているかたわら、ブログやコラム等の執筆活動も行う。 2014年まぐまぐマネー大賞を受賞。読者数3万人。雑誌等のメディア掲載歴多数。 主な著書に『10万円から始める高配当株投資術』(あさ出版)『「小売お宝株」だけで1億円儲ける法』(日本実業出版社)
  • メールアドレスを入力

  • 規約に同意して

今週のおすすめ!メルマガ3選

右肩下がりの時代だからこそ、人の裏行く考えを【平成進化論】
【読者数12万人超・日刊配信5,000日継続の超・定番&まぐまぐ殿堂入りメルマガ】 ベストセラー「仕事は、かけ算。」をはじめとするビジネス書の著者であり、複数の高収益企業を経営、ベンチャー企業23社への投資家としての顔も持つ鮒谷周史の、気楽に読めて、すぐに役立つビジネスエッセイ。 創刊以来14年間、一日も欠かさず日刊配信。大勢の読者さんから支持されてきた定番メルマガ。 経験に裏打ちされた、ビジネスで即、結果を出すためのコミュニケーション、営業、マーケティング、投資、起業、経営、キャリア論など、盛り沢山のコンテンツ。
  • メールアドレスを入力

  • 規約に同意して

●人生を変える方法【人生をよりよくしたい人必見!誰にでもできる方法を組み合わせました。】
■「人生(自分)の何かを変えたい!」と思ってる方、まずは最初の1分から始めましょう!今日は残っている人生の一番初めの日です。今、「人生を変える方法」を知ることで、一番長くこの方法を使っていくことができます。コーチングで15年間実践を続けてきている方法なので、自信をもってお勧めできます。「人生を良くしたい!」と思うのは人として当然のこと。でも、忙しい生活の中で人生(自分)を変えることって諦めてしまいがちですよね。誰かに変える方法を教えて欲しいけど、その方法を知っている人は少ない。だからこそ・・・。
  • メールアドレスを入力

  • 規約に同意して

サラリーマンで年収1000万円を目指せ。
高卒、派遣社員という負け組から、外資系IT企業の部長になった男の、成功法則を全て公開します。誰にでも、どんな状況、状態からでも自分の力で人生を変えるための情報と知性を発信しています。人生を意のままにするには、脳みそとこころの両方が進化しなければなりません。そんな進化とは何か?をお届けする四コママンガ付きメルマガです。2014年から4年連続でまぐまぐ大賞部門賞を受賞しました 学歴やバックグラウンドに拘わらず、人生を思いのままに生きるために必要な考え方が書かれた、「良書リスト」も希望者に差し上げています。
  • メールアドレスを入力

  • 規約に同意して

他のメルマガを読む

ウィークリーランキング