特許戦略マガジン

☆特許戦略マガジン☆

第152号 2010年7月20日発行 

「パテントポリス 夏子」を、光栄にもSankei-Bizの【生かせ!知財ビジネス】でとりあげていただきました。
http://www.sankeibiz.jp/macro/news/100719/mca1007190500001-n1.htm


● パテントポリス 夏子

第7話  パテントポリスの格闘技訓練

地下3階に行くと、先ほどまで会議室にいたはずのパテントポリスの夏子が、早々と空手着を身に着けて蹴りの練習をしていた。
セイ、セヤー!
裂ぱくの気合で夏子はマネキン人形の顔を下から蹴り上げた。夏子の左足のかかとのあたりが、マネキン人形の顎先をとらえると、マネキン人形の首が折れて10メートルほど飛ばされた。すぐさま、夏子は右足で前蹴りを繰り出した。すると、右足がマネキン人形のミゾオチのあたりに正確に深々と突き刺さった。一撃で心臓を破壊する威力である。安岡長官は、自分の首筋をなぜながら言った。
「怖いものですな。」
夏子から20メートルほど離れた位置では、女優の仲間由紀恵に似た美貌のパテントポリスの百合子が長刀を振っていた。長刀を水平に振ると、ブーンという空気を切り裂く音が聞こえ、置いていたマネキン人形2体の胴体が一瞬で真っ二つになってしまった。
「あのマネキンの材質は?」と、安岡長官は恐る恐る平野に尋ねた。
「あのマネキンは、樫の木で出来た骨格に人体とほぼ同じ強度のゴムを巻いたものです。パテントポリスの百合子は3人までの人間の胴体を長刀の一太刀で
切断することができます。実戦では、長刀ではなく伸縮性の特殊警棒を用いますので胴体を切断することはありませんが、百合子の警棒の一振りは相手に
強烈なダメージを与えることができます。百合子は3メートルにまで伸びる特殊警棒を自在に操り、右足のハイヒールの踵を軸にして高速回転しながら、特殊警棒で相手を打ち、打った反動を用いてさらに高速回転しながら、自分を囲んだ者たちを一瞬でなぎ倒すことを軽々とやります。たぶん、50人程度の人数ですと、4秒程度で全員なぎ倒し、行動不能にしてしまいます。この様子を遠くから眺めると、竜巻のように見えます。」
そこに、パテントポリスの聖子が入ってきた。そして、立っているマネキンの腹に右の拳を静かに当てたまま、「ムン」という声と共に、気合を入れた。一瞬、聖子の足から胴に、そして胴から腕を通じて右の拳に青い光のようなものが走ったように見えた。そうすると、拳が動いていないにもかかわらず、マネキンが5メートルほど後方に、勢いよく飛ばされた。
「広末涼子に似ている彼女は何をしたのだ?」と、木村政務官は聖子の方を指差して、驚きの声をあげた。
「あれは、気合術だということですが、私にもわかりません。 大変に恐ろしい技です。攻撃の前触れなく破壊的な攻撃をすることができます。彼女は壁越しに隣の部屋にいる人間の全員を気合で吹き飛ばすこともできます。防御の方法がありません。パテントポリスの中では彼女が最強であると思います。」と平野は青ざめながら答えた。

「パテントポリスは、故意侵害の証拠の収集のために、侵害企業の内部に合法的な手段で潜入してキーパーソンの会話の録音や、文書の写真撮影などを行なうことがあります。
しかし、それに気付かれて、それらの証拠を取り戻そうとする相手方から暴行を受ける可能性があります。そのような場合に、正当防衛の範囲で自分の身を守る必要があります。
また、特許権侵害罪に関して刑事訴訟法に基づいた逮捕状、捜索差押許可状の執行の中で、犯人との格闘となることも十分にあり得ます。そのような状況に即応できるだけの格闘能力がパテントポリスには必要なのです。」と、パテントポリス準備室長の平野は説明した。

「あの3名が一緒に乗り込んできたら、乗り込まれたほうは恐怖ですな。まるで、アメリカ映画の何とかエンジェルズの3人の女スパイのような感じだな。いや、それ以上だな。」と、特許庁長官の安岡は言った。

「夏子は潜入捜査に有効な特殊能力を他にも持っています。ビルの空調ダクトの中を人間の早足程度の速度でほとんど音も無く移動する事ができます。これは、捜査対象企業の内部への潜入と脱出において大変に有効な能力となります。」と、平野はさらに説明をした。
「これほどの能力を鍛えているパテントポリスがいるのなら、私もパテントポリス総合施策の実行に全力を挙げるやりがいがあるというものだ。」と、木村政務官は感動した面持ちであった。

そう言っている間に、パテントポリスの夏子は右足をマネキンの胴体からゆっくりと抜いた後に、部屋の壁に向かって突進した。木村が「危ない!」と声を出した時には、夏子は壁に激突する寸前に高く飛び上がり、壁を蹴ってさらに上昇し、天井付近にある空調ダクトの開口部に手を突っ込んでいた。そして、おもむろに空調ダクトの開口部の金網をはずし、空調ダクトの中に入ってしまった。
特許庁長官の安岡があっけにとられて、夏子の機敏な動きを見て言った。
「まるで忍者のようですな。」
「そうです。夏子は自主的にあのような技能を獲得しました。たぶん、我々の知らないところで血のにじむような訓練をしていると思いますが、本人は当たり前というような顔をしています。」と、平野は言った。
1分ほどすると、夏子がドアを開けて戻ってきた。
「屋上に、建造物内の会話録音の実演の準備ができました。」と夏子が言った。
「まさか、屋上まで空調ダクトを通じて今の間に行ったのか?」と特許庁長官の安岡はびっくりして言った。
「この携帯型電動ローラーを空調ダクトの左右の壁に押し当てて、電動ローラーの回転力を用いて空調ダクトの中を高速移動できますので、エレベータに乗って移動するようなものです。」と、夏子は楽しそうに答えた。
「ほー、しかし物凄いものだ。」と安岡はあきれかえっていた。

「それでは、ビルの屋上に参りましょう。そこから、1Kmの麹町警察署ビルの窓に赤外線レーザー光をあてて、その反射光を受けて、ビル内の人の会話を録音してみます。」と、平野は説明した。
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