特許戦略マガジン

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第146号 2010年6月25日発行

特許戦略を楽しみながら読めるように、新たなジャンルである「特許戦略小説」として、「パテントポリス 夏子」を連載開始します。
全くのフィクションです。ご期待ください。
(祝 サッカーワールドカップ日本代表 決勝トーナメント出場決定!! 本田の最後のパスは凄かった。しかし、早起きしすぎて、眠い。)

● パテントポリス 夏子

第1話: パテントポリス夏子、出現

内閣官房政務官の木村新之助は、特許庁長官の安岡と共に黒のギャランで警察庁長官室に向かっていた。それは、団直人総理大臣からの特命によるプロジェクトのためであった。
事の始まりは、3時間前であった。
その日の閣議の終わった後、総理大臣官邸に木村と安岡は呼ばれたのである。
「日本の産業競争力がどんどんと低下していることは、各種の統計データが示している。
産業競争力を強化するために、君たち官僚は、何とか立国という色々な政策を立案しては、予算を獲得しては無駄にそれを使っているだけだ。
何の効果もあがっていない。特に、知財立国政策には私も注目していたのだが。」と、団総理大臣は言うなり、腕を組んで特許庁長官の安岡を見た。
「何が足らないと思う?」と、団総理大臣は安岡に言った。

「審査官の人数でしょうか?」と、安岡は答えた。
「君たち官僚は、与えられた問題を解く試験には合格できる能力はあるのだが、問題を発見する能力が足らないようだ。
知財立国政策に足らないのは、侵害摘発能力だ。新興工業国の企業は、日本企業が苦心の末に開発した技術を真似て、安売り攻勢をかけてきている。
しかも、国際標準化の仕組みを用いて、欧米企業が構築したプラットフォームに結合できるモジュールを安く大量に製造して、欧米企業と結託して、日本企業が得意なエレクトロニクス製品分野で、日本企業を駆逐している。
日本企業は優秀な技術と豊富な特許権を保有しているのに、指をくわえてやられっぱなしだ。いくら審査官や弁理士を増やしたところで、侵害摘発して侵害の証拠を文書として示せる能力を持った組織がなければ、知的財産権は絵に描いた餅なのだ。
本来、非親告罪となった特許権侵害罪を摘発することは警察の任務だ。」と、団直人総理大臣は安岡に言った。
内閣官房政務官の木村は尋ねた。
「総理、警察庁に特許権侵害罪の摘発の部隊をつくれということでしょうか?」
「そうだ。警察庁長官には電話で説明している。さっそく、二人で警察庁長官と行動を開始してくれ。
これは、日本の産業政策の中でこれまで放置されてきたミッシングリンクを埋めるということだ。これで、日本の産業政策がやっと回り出すはずだ。」
「しかし、日本に特許権侵害罪の摘発を行なえる警察官がいるでしょうか?」と、木村は心配顔を示した。
「それなら心配はない。5年前から、ある企業に委託してパテントポリスの訓練を受けさせている優秀な人材がいる。
来たまえ紹介しよう。彼女が、その訓練を受けていたパテントポリス夏子君だ。」と、団直人総理大臣はドアを開けて一人の女性を木村に紹介した。
「パテントポリスの青山夏子です。」と、ハスキーな声で彼女は自己紹介をした。

その夏子が運転をして、黒のギャランで警察庁に木村と安岡を案内している。
「夏子君、君はいったいどういう人なんだ?」と安岡は尋ねた。

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特許戦略とは、時間、空間(国)、技術分野、ビジネス分野という軸で張られる経済活動空間において、特許パワーと情報パワーと組織パワーの結合からなる構造体で
ある特許戦力を、目的のために最適に実現し活用する計画である。(「特許戦略論」より)
by http://www.patentisland.com

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発行周期:  不定期 最新号:  2019/02/21 部数:  155部

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