水島広子のメールマガジン

水島広子のメールマガジンNo.302

水島広子のメールマガジン★−No.302−(2009.8.31発行)

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■総選挙を経て、小選挙区制を考える
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本日はCS放送に出演したということもあり、夕方までのワークショップを終えた後は珍しくもTVの

選挙報道を見ておりました。
(そして、普段だったら起床時間が近づいてくる今の時間に、まだこんなものを書いています)

★ 小選挙区制の「取り扱い注意」

愛川欽也さんは「日本に民主主義の芽生え」と総括されていましたし、もちろん有権者の付託は確かに

存在すると私も思います。

でも、今の場合の「付託」は、具体性を持ったものではなく、「今がひどすぎるから何とかしてくれ」

というのに一番近いように思います。

それと同時に、小選挙区制の「取り扱い注意」も改めて痛感しています。

今回の議席数を見ると、ちょうど郵政選挙の自民党と民主党のバランスがひっくり返ったような感じで

す。
これを「政権交代可能な小選挙区制」として見ることは簡単です。
政官業の癒着構造など、政権交代によってしか解消できないものもありますので、この時点での政権交

代にはもちろん反対するものではありません。

でも、同時に、小選挙区制を使いこなしていくためには、かなり高い民意が必要だということも痛感し

ています。

最悪のシナリオは、
「自民党に4年間やらせてみた。社会が悪くなった。自民党が悪い」
「今度は民主党に4年間やらせてみた。社会が悪くなった。民主党が悪い」という繰り返しが続く、と

いうことです。
市民の被害者意識はつのり、政治への絶望感が深まって終わるだけでしょう。

そこには当事者として参加する有権者の姿が見えません。

私が小選挙区制反対なのは、常に責めるべき相手が見えてしまうということと、多様な民意が拾えない

ということが最大の理由です。
また、政権交代が頻繁に起こるようなら各政党は緊張感を持って切磋琢磨するだろうという予想もある

ようですが、少なくとも私が落選させた候補者は「なりふりかまわず」品性も捨てて、本来踏み込んで

はいけないようなことまで必死でやって議席を取り戻したという印象が強いです。人を追い込むと、「

何でもあり」になってしまうのだな、と苦々しい思いで見ていました。

ネガティブキャンペーンで議席を獲得するよりも、ヴィジョンと当面やっていくことを明らかにして議

席を獲得する方が、世の中の空気が遙かによくなると思います。

そういう意味では、北欧型の比例中心・多数政党連立政権が私の理想です。
政策一つ一つの吟味において、個々人の主体性(=責任)が明確になるからです。

もう一つの懸念事項は、小選挙区ではかなりの票をとらなければならないので、当然「より多くの人に

おもねる」必要が出てきます。
結果としては政策的に拮抗する二大政党ができるというよりも、似たような二つの政党ができるように

思います。(民主党が第二自民党になる怖れは確かにあり)

似たような二つの政党ができればまだましなのですが、自民党がこのまま崩壊してしまうと、単に民主

党が長期に政権を担当することによって根っこが生えて第二の自民党になる可能性も否定できません。

私は、市民がより政策に関心を持つためには、「民主党にお任せしてみよう」という発想よりも、どう

いう政策に自分は希望を感じるのか、どういう社会を思い描けるのか、と言う検証の方が大切なように

思います。それが民主主義の成熟というものではないでしょうか。

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発行周期: 不定期 最新号:  2018/05/06 部数:  278部

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