ローマから吹く風

ローマから吹く風第35号奇跡を起こす教会/イタリアの食材の品質保証


カテゴリー: 2018年03月05日
「奇跡を起こす教会/イタリアの食材の品質保証」
目 次
1.はじめに 
2.奇跡を起こす教会
3.イタリアの食材の品質保証
4.旅の情報:バールのお決まり
5.あとがき

1.はじめに お散歩の目的地
 イタリア人にとってお散歩は日課の一つ。日本人と違うのは、お散歩の目的地。街中にお散歩に出かけます。行く先は広場やバール。そこで知合いと会ってチヨットおしゃべりします。「京はいいことがあったんだ」とカフェをおごったりおごられたりして、一区切りつくと「チャオ、ボナセーラ:またあした」と言って、他の店に行く。そこには別のバール仲間がいるという寸法です。ですから街の広場周辺にバールがあるのはイタリアのお決まり。だから安く過ごせる立ち飲み文化があります。
 当然お祭りがあれば、散歩コースはお祭り会場に向います。だから冬でもお祭りには、人が集ります。ですから何もお祭りの無い時には、お祭りが考え出されます。ルミナリエもその一つ。さすがに寒いので、年寄りは避けますが、多くの人が電飾で飾られた街をそぞろ歩きします。そこには当たり前のように誰か別の知合いがいるのです。少しでも知っている人がいたらさも親友のように「チャオ」です。イタリア人は人とつながるのが好きなのですね。政治家も相変わらずマフィアと仲が良いので、つるむのがイタリアの文化と思えてしまいます。


2. 奇跡を起こす教会
 欧米人は合理的と思われる日本の方も多いかと思います。確かにイタリアの知識階級も合理的なのですが、その一方で信心深いたくさんの庶民がいるのです。それだからこそ教会も存続しているのではないでしょうか。例えていえば、沢山の庶民に支えられている日本の神社のようなものです。庶民が頼るものはやはりご利益(ごりやく)。キリストの貼り付けに使った釘、聖ピエトロがエルサレムでつながれていた鎖、1700年前に首を切られた聖人ジェンナーロの血。神様は我々人間にとって不可欠なものかもしれません。
 ローマ南端の郊外にあるDivina d'Amoreという何とも大仰なネーミングの教会があります。カソリック教会は、聖人の名前やマリア様の名前にあやかるが普通なのですが、これを訳すと「聖なる愛」。ちょっと違っています。
 舅の後妻の一周忌で、ミサにやってきました。イタリアでは仏教のような一周忌法要ではなく、一般ミサだけど、申し込んでおくと始めと終わりに故人の名前を呼んでもらえて、その故人にミサを捧げますと言ってもらえます。熱心なカトリック教徒はお寺と檀家のように、住居のそばのおなじみの教会を持っています。ここは舅の後妻もお馴染みの教会です。季節の良い日に散歩も兼ねてよくやってきていました。
 この教会は奇跡を起こすので有名な教会です。奇跡を受けて治った人が納めた松葉杖が並んでいます。奇跡のおかげで治った人が収めた奉納品です。この奉納品の中で特に目立つのが、1928年に北極へ探検したウンベルト・ノビレ一行の飛行機が氷の中に墜落した際に使った無線のヘッドフォン。
 無線も故障してSOS発信もできなかったのに、18日後、この聖母に祈願したところ、無線が通じて救助を呼ぶことができたということで奉納されています。この事故は、救援を待つノビレ一行が赤いテントを張って空からの救援を待ったことから、1969年には「La tenda rossa(赤いテント)」ということで映画にもなり、20世紀はじめの大遭難事件として人々に記憶されています。
 祈って奇跡をもたらされなかった場合は何も奉納しないのですが、ここの奉納品を見ると100%奇跡が起こるような感じを受けてしまいます。「奇跡」は偶然の産物なのか、気休めなのか、何かあるのか… それを解明するのではなく、なにか大きなものに心の拠り所を置くことができるのは、悪くないと思います。
 善男善女の集るお寺ということで、「病気を治してください」式のお願いをしてみては如何でしょうか。

詳しくは→http://www.ivc-net.co.jp/cult/kaze/287.html

3. イタリアの食材の品質保証
 イタリアのD.O.P.(Denominazione di Origine Protetta)とはEU法に準拠したイタリア国内の原産地名称保護制度のことです。伝統や地域に根ざした特有の食品などの品質認証のために制定されたもので、対象となる食品としては、ワイン、チーズ、ハム、ソーセージ、オリーブ、ビール、パン、果物、野菜などとなっています。
 D.O.P.は特定地域の原産品を規定された製法により生産・加工・調整された製品であることを示します。例えば有名なオランダのクラフト(Kraft)のパルメザンチーズは、原産地名称保護制度により原産地や製法等の面でこのD.O.P.規格から外れるため、ヨーロッパでは、パルマがあるエミリア・ロマーニャ地方の呼称であるパルメザンチーズと名乗れず、Pameselloと呼んでいるとのことです。
 D.O.P.に指定された食品は、地域特有の品質のすぐれた美味しい製品であることを示しています。言ってみれば同一食材の中で優れた食品を意味しますので、消費者が購入する際のインセンティブとなります。国外の顧客もD.O.P.指定食品を選好することから、D.O.P.指定食品となると付加価値が高まり、高い市場価格が獲得できるようになります。このためD.O.P.指定食品となるための競争が激しくなっております。 
 EUの中でこの制度が最も活用されているのがイタリアです。EUで登録された原産地名称保護制度製品のうち半数以上がイタリアの製品となっていると言われています。これはイタリアの食文化が他国と比べて進んでいる証しだともいえます。
原産地名称保護制度のおかげで、イタリアでは日本で発生している「どれが偽物であるか分からない」といったような産地偽装は発生していません。原産地名称保護制度が産地となる地域や食材の品質を保証しているからです。
 ただ、原産地名称保護指定食材は価格が高いことから、庶民は日常的に味わうことができません。原産地名称保護制度がすべての問題の解決とはなっていないのです。その意味で原産地名称保護制度は、高い品質をもった食品を維持していく第一歩だということだと思います。

 詳しくは→http://www.ivc-net.co.jp/food/culture/standard.html

4. バールのお決まり
 イタリアのバールもレストランやホテルと同じように格付けがあって、テーブルを使うと格によって値段が変わります。住宅街のご近所のバール格だと、自分でテーブルに持って行って、追加料金がない場合もあります。一方、ハイセンスなローマのベネト通りなどの高級バールは値段が跳ね上がります。でも、どっしりした布のテーブルクロス、花とかろうそくの飾りがあったり、蝶ネクタイの給仕にジノリの食器と銀のスプーンで、客は値段を承知で高級感を味わうのがお決まりです。
 しかし、ここで注意が必要なのは、イタリア独特のお決まりがあることです。テーブルを使わないで立ち飲み立ち食べの場合は、格にかかわらず値段は同じというルールがあることです。
 立ち飲み立ち食べの場合、高級なところと庶民向けのところでは、せいぜい10セントほどの違いがあるだけなのです。ですから立ち飲み立ち食べで標準以上の料金をとるお店は、ぼったくりのお店です。このような店ではイタリア人の観光客も犠牲者です。真実の口の前のバールでイタリア人観光客が、本当に腹を立てて「素晴らしい人物だ!記念に握手をしてくれ!」と嫌味を言いつつ出ていきました。(でも粋な嫌みですね。)
 真実の口の前はローマでも珍しいバールがほとんどない地域です。ここで喉が渇いたら別の広場に行くかペットボトルを買うようにしてください。立ち飲み立ち食べは安くなるお決まりは、バールを渡り歩く文化のあるイタリアならではのものなのではないでしょうか。

イタリアのバール→http://www.ivc-net.co.jp/food/culture/cafe.html


5.あとがき 
 陶器と言えば東洋のものと我々は思いがちですが、実はヨーロッパでも陶器作りは盛んに行われています。特にイタリアでは9世紀頃に地中海を越えて、アラブからマヨルカ焼きの技術が伝来しています。この技術が発展して今なお継承されているのが、イタリアの陶芸です。次回はイタリアの陶芸と、ローマにある陶芸家アンジェラさんのお店を紹介します。


ご意見・お問合せ・旅行のご相談は→info@ivc-net.co.jp

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