アメリカに住みたい!国際弁護士がお届けする旬な情報

■米入国時に止められるービザ取得は必要?■

カテゴリー: 2019年03月10日
アメリカに住みたい!国際弁護士がお届けする旬な情報[mag vol.51]
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◆   執筆は鈴木淳司弁護士。17歳の時に単身渡米し、現在サンフランシスコ
◆◆  で弁護士数名が所属する中堅法律事務所のパートナー。日本とアメリカ
◆◆◆ を頻繁に行き来する現役の視点から、ホットな話題をお届けします。
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◆◆<1>◆ 今月の旬な記事

◆◆<2>◆ こんな質問ありました!─質問募集

◆◆<3>◆ アメリカビザ“ちょっと”お役立ち情報

◆◆<4>◆ ...事務局のつぶやき...。


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┃◆1 [ 今月の旬な記事 ]
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『米入国時に止められるービザ取得は必要?』



 今回は、読者の方からいただいt新しくいえいる質問を皆さんと一緒に考えていきましょう。

 いただいている質問をまとめると、「ここ1年ほどアメリカの子会社の設立かかわっています。出張ベースで渡米しているのですが、何度か入国で止められるようになりました。私はアメリカに長期滞在することは考えていないのですが、ビザを取るべきだ、と入国するときに言われます。入国審査の時間も長いのですが、本当にビザが必要なのか、何を持って見極めているのか教えてください」というものです。



■入国審査を改めて考える


 今回の質問も移民法に関連する話題ですが、移民法に関する話題は一般的に最近多くなってきましたね。次々に大統領が移民に対して厳しい方針を打ち立てています。

 ただ、今回ある質問についての状況は今にはじまったわけではなく、今までも同じように入国に関して疑問を持たれてしまう場合がありました。近年ではESTAという事前渡航登録サービスが充実しているので、それまでにいつどこからアメリカに入国したのか、どの程度滞在していたのか、といった情報も事前に移民局が把握していることになります。

 まず、今回の質問を考えていくうえで、アメリカの入国審査一般についてすこし考えておきましょう。



■自動化が進んでも審査の基本は同じ


 現在、入国審査についても、自動化が進み、かなり細かく変化が見られますが、基本的な考え方は変わっていません。入国審査についてはマニュアルが用意されていて、入国審査で必要なときに、審査官が質問します。

 マニュアルは随時変更がされているようですが、基本的には、どこからなにのためにアメリカに来て、どの程度滞在するのか、というのをビザの種類にかかわらず聞きます。

 ESTAで入国するときには、帰国用のチケットも、入国の際、実際の提示を促されることもあります。とは言え、ESTAは近年よくできていて、入国がかなりスムーズにできるようになりました。

 

■二次チェックが必要となる場合


 しかし、今回質問されている方の場合は、入国の際に、チェックが入り、第二次チェックの方に回されるという状況にあります。実際に公表されてはいませんが、何度も出入国を繰り返し、さらにアメリカから出国している時間が短い場合には、審査官の目を引くことになります。



■入国は、その国の「裁量」でしかない


 さて、どこの国でも同じなのですが、外国人がその国に入れるかどうかは、基本的にはその国の「裁量」です。
裁量というのは、この場合広汎な裁量であり、国が嫌だと思えば、どのような理由であれ、外国人の入国を禁止することができるのです。

 したがって、ESTAを利用して、すでにオッケーが出ていても、入国の際、入国審査官の裁量により、入国ができない場合が考えられるのです。

 ですので、人によっては、問題なく行き来している外国人もいれば、引っかかってしまい、第二次検査につれて行かれるということもあります。最近はウェブやSNSなどで、体験記的に「アメリカ入国時にうんぬん」という記事がたくさん出ているようですが、そのような体験は、他の人にまず当てはまらない可能性が高いのです。

 なぜなら、検査の裁量は検査官にあるわけですから、一人ひとり違う部分に目を当てられて判断されるからです。
 ですから、一般的にできることとすれば、ESTAの目的に合致していないんじゃないか、と疑われることを最小限にするということです。



■ESTA入国の意味するところ


 今回の質問にお答えするにあたって、まずESTAが想定する入国を考えておきましょう。

 ESTAというのは、最長で90日間の観光等の一時的な目的の入国に利用されます。
したがって、就労したり、長期の留学をしたりするには不適切ということになります。また、この90日間というのは、基本的に延長はできませんから、90日以内にアメリカを出国する証拠、すなわち帰国便の情報を提示する必要がでてくるのです。

 ESTAというのは、以前は「ビザなし入国」と呼ばれる、自国のパスポートのみで渡航ができるシステムの進化版です。

 どこが進化したかというと、事前にコンピュータ入力をして、その情報がアメリカの国務省に送られて、事前にバックグラウンドチェックをされるという点でしょうか。

 

■具体的に証拠を提示する


 一時的かつ、観光や展示会、会議などの出席(就労、すなわち対価を米国内で得る行為を除く)などに限り、ESTAが使われるわけですから、入国に際しても、まず「何をしに来たのか」ということを聞かれるわけです。そのときにはっきりと目的が言えないと不審に思われるのです。

 できれば、その目的に合致した証拠を持っていると良いです。
 たとえば、観光であれば、そのツアーの旅程表、展示会や会議等であればその詳細を携帯していると良いと思います。英語があまりできなくても、目的を示す単語ははっきり言いたいですから、その単語は言えるようにしておきましょう。

 

■入国目的を明確に、余計なものは持たず


 このESTA入国の目的に合致する状態で入国しているかどうかが、不審に思われる判断の分かれ目になります。

 たとえば、単なるツアーで観光に来た、というのでは3ヶ月のツアーは長いんじゃないか、とか、展示会や会議ではなく実際働くのではないだろうか、などと邪推される可能性もあります。

 入国ブースで不審に思われると、セコンダリーと呼ばれる第二次審査の部屋に通されます。場合によっては、荷物をすべて回収してから、検査を受けることになります。そして、そのときに持ち物を詳しく検査されます。

 もちろん、同意のうえで検査されるのですが、同意しなければ、その場で裁量により入国不許可ということもあり得るわけです。ここでスーツケースのなかに、不審なものが入っていると、そこで入国の目的がESTAの範囲外とされてしまう場合もあります。

 たとえば、包丁が入っていれば、調理師として働くのではないかと思われますし、現地の住所が入った名刺が発見されれば就労しているのではないかと思われます。また、現地のアパートの光熱費の支払いなどがわかると長期で滞在する意思を疑われます。

 このように考えると、ESTAでスムーズにアメリカに入国するのは、特に目的をはっきりいうこと、そして、その目的にそぐわないものは荷物にいれないことが重要となるわけです。

 

■長期滞在と永住する意思の推測

 今回の質問を見ると、入国の目的を直接的に疑われているわけではないように思います。
一方でかなり長期の滞在をし、数日程度日本に戻って、またアメリカに再入国にするような事例だと、継続してアメリカに住む意思が推認され、一時滞在の目的を超えて滞在するのではないか、と思われてしまうのです。

 もちろん、90日間を限度として合法的に滞在できるわけですが、その期間をマックスに滞在して、数日しかアメリカを離れないということを繰り返すことは、アメリカに永住する意思があるのではないかと誰何されてしまうのですね。

 本当に一時的に、子会社設立のために渡航しているのであれば、その内容を真摯に、第三者(たとえば設立にかかわる人たち)に書いてもらい、詳細なスケジュールや、設立に関する活動の詳細をまとめて、滞在期間が正当化できれば、ESTAを利用する入国も問題はないはずです。

 しかし、実際に会社を設立し、そのままアメリカの子会社にかかわることが将来的に確実であれば、なんらかの就労ビザをとることも考えたほうが良いですし、滞在が実質的に90日を超えるようなプロジェクトであれば、B-1/B-2ビザという6ヶ月から最長1年の滞在が許されるカテゴリーがありますので、それを利用することも考えられた方がよいかもしれません。





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┃◆2 [こんな質問ありました!!]
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  <Q>


 Uビザについてインターネットで探していたところ御社のページを見つけました。
 DAオフィスの方とお話ししたところ、早めにアプライをした方が良いとアドバイスをいただいています。

 警察署も申請に協力をしてくれるということで、フォームを直接持っていくと良いのでしょうか? 


 [アメリカ在住・I様 ]



  <A>

 米国内にいる犯罪被害者については、警察や検察がUビザの申請をアシストしてくれます。
 警察に持っていくと被害者相談センター(シェルター)なども紹介してくれると思います。そういったところの人の方が何件も手続きを行なっているので、すぐにでも警察で相談するべきです。基本的なパスポートなどは持っていくべきでしょう。


*上記は、あくまでも一般的な質問と回答ですので、個別の案件への正式回答ではありません。
同様の事例と思われても、かならず専門家にご相談をなさってください。




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┃◆ [ご質問募集中!!]
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米国の滞在、出入国や生活トラブルなどに悩んでいる読者の皆さんのご質問を受け付けています。
鈴木弁護士へご質問のある方は、どうぞお気軽にお寄せください。
   i@jinken.com まで。
 ○ご質問は、そのまま全文掲載させていただくことがあります。
 ○できる限りニックネームでお寄せください。
 ○取り上げる質問は事務局が選び、すべてメルマガ上で回答させていただきます。



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┃◆3 [アメリカビザ“ちょっと”お役立ち情報]
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  ▽ESTA申請は、少なくとも渡米日の72時間以上前に完了!!
    公式ページから、確実に申請を完了させましょう。
    https://esta.cbp.dhs.gov/esta/

    ESTAに関する日本語のガイドは、在日本の米大使館ページもとても役立ちます。
    https://jp.usembassy.gov/ja/visas-ja/visa-waiver-program-ja/frequently-asked-questions-esta-ja/


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執筆は、MomsUSA(JINKEN.COM)の運営者であり、カリフォルニア州弁護士として活躍中の鈴木淳司弁護士。
米国法曹協会、米国法廷弁護士協会、米国移民法協会所属。
日本人としては米国で法廷活動も行う草分け的存在。日本の弁護士会からも厚い信頼を寄せられている。
今現在も、多数の日本企業・個人を代理し、米国ビザや永住権取得も過去20年ほどサポート。
ビザ関連のペーパー業務のみならず、訴訟代理や刑事弁護、パートタイムでの判事もつとめる。
『これでアメリカの法と社会の実際がわかる』(日本評論社刊)等、執筆多数。日本の弁護士会での講演、執筆多数。



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┃◆4 [...事務局のつぶやき..]
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 _そろそろ桜の季節でしょうか。花粉症で桜も心から楽しめない方が増えているのは損失!ESTAの申請も直前に行うと、手続きが間に合わずに困ったことになりかねません。完全にOKを確認してから、楽しいバケーションにお出かけくださいね。(i.m.)




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 【 発行人 】弁護士 鈴木淳司 
   
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発行周期:  月刊 最新号:  2019/03/10 部数:  74部

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