アメリカに住みたい!国際弁護士がお届けする旬な情報

■ビザ取得の収入要件が厳しくなる?!公的扶助と米移民法■

カテゴリー: 2018年12月10日
アメリカに住みたい!国際弁護士がお届けする旬な情報[mag vol.48]
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◆   執筆は鈴木淳司弁護士。17歳の時に単身渡米し、現在サンフランシスコ
◆◆  で弁護士数名が所属する中堅法律事務所のパートナー。日本とアメリカ
◆◆◆ を頻繁に行き来する現役の視点から、ホットな話題をお届けします。
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◆◆<1>◆ 今月の旬な記事

◆◆<2>◆ こんな質問ありました!─質問募集

◆◆<3>◆ アメリカビザ“ちょっと”お役立ち情報

◆◆<4>◆ ...事務局のつぶやき...。


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┃◆1 [ 今月の旬な記事 ]
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『ビザ取得の収入要件が厳しくなる?!公的扶助と米移民法』



 トランプ政権は、矢継ぎ早に対移民政策を打ち出していますが、2018年9月22日付けの公告をみると、また、移民を制限する行政規則を制定しようとしています。
 今回考えるのは、公的扶助に関連する移民法の話題です。

 まだ、規則として制定・公布されていませんが、案はすでに公になっています。かなり詳細な規定案を策定しているようなので、公告から60日間、パブリックヒアリングをしたらすぐにでも規則として移民局が執行する可能性が大きいです。

 ちなみに「法律」というのは、議会(国会)の議決を経なければ制定したり、変更したりすることはできません。三権分立の基本です。
 しかし、法律があっても、細部に関してはなかなかすべて法律そのもので決めることは難しかったり、機動性を欠いたりします。そこで、行政府が法律の執行のために「規則」を制定するのです。

 移民の法律に関する運用を行政府がコントロールできる規則をもってできるだけ厳しくしようとしているのが、現政権のやり方なのです。

 

■公的扶助を受けることになりそうな外国人とビザ発行拒否


 さて、今回取り上げるのは、移民法212条(a)(4)項です。

 この法律の条文には、「公的扶助を将来受けると思料される外国人に対しては面接官の裁量でビザの発給を許可しないことができる」という部分があります。
 この外国人の公的扶助受給について厳しく制限していこうというのが、今回の規則案の趣旨です。

 

■規則案をより具体的に

 今回の規則案をまとめると、

(1)アメリカ国外において、ビザまたは永住権の申請をしている外国人、アメリカ国内において、永住権申請、またはビザの延長、ビザの種類変更をする外国人に適用される。

(2)(1)にいう申請時に公的扶助の受給を受けている場合、また受けると思料される場合には、申請を拒否できる。

(3)(2)にいう公的扶助の受給歴、受給の可能性は、金銭受給に限られず有形無形の公的扶助を含む(細かく規則案には箇条書きされている)。

(4)公的扶助の受給歴またはその可能性の判断は、様々な事実を総合考慮し、審査官の広い裁量とする、ということになります。もちろん、いくつかの例外はありますが、ごく限られた場合以外は、この新たな規則が適用されていくことになります。

 

■「総合考慮」を掘り下げて考える

 上記(4)にある総合考慮ですが、事実であれば、プラス、マイナス、どちらに働くものに関しても考慮されることになります。最低限、考慮の対象になるのは、年齢、健康状態、家族構成、財産、収入、教育レベル、習得技術です。
これに加え、米国に入国後、どのような生活、仕事を行うのか、家族からのサポートはあるのか、どの程度アメリカに滞在予定なのか、などのファクターが考慮対象になると考えられます。

 ただ、家族が公的扶助を受けているかどうかは、申請者自身の考慮事情にはならないようです。
プラスのファクターとして考慮されるのは、現在収入があり、その収入レベルが連邦の発表する毎年の貧困ガイドラインを上回る生活最低額の少なくとも250%以上であることです。

 2018年の4人家族で2万5千ドルが貧困ガイドラインを上回る生活最低額となっています。

 同様に、ネガティブのファクターだと解釈される可能性が高いと思料される場合として、現在仕事がなく、将来にわたって仕事がのぞめないと思慮される場合(学生ビザを除く)、現在扶助を受け取っている場合、長期の既往歴がある場合、健康保険に不加入の場合、介護が必要な場合、などでしょう。

 

■各方面からの指摘も


 アメリカ移民法協会などでは、このような公的扶助の制限を厳しく外国人に対して行うと、いわゆるワーキング・クラスの外国人が減ってしまうという結果になるのではないかと予測しています。トランプ政権は自給自足をするのが、移民にとっては当たり前だ、と言っていますが、そう言いきれるのでしょうか。

 今までのアメリカの歴史は移民で成り立ち、その人達は少なからず公的扶助を受けてきましたから国が成り立っているのですが。ただ、長年税金を払い続けている人たちから見ると、移民を受け入れたらいきなり公的な生活補助を受けだすことについて良くは思わない人たちも多くいると思います。日本でもヨーロッパ諸国でも議論されていることではあります。

 みなさんはどのような意見をお持ちでしょうか。



 どちらにしても、今回の規則案が執行されることになると、かなりまたビザ・永住権の申請に制限的な影響をもたらしそうです。

 次回また新しい話題を考えていきたいと思います。






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┃◆2 [こんな質問ありました!!]
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  <Q>

 グリーンカードの抽選ですが、私自身の夫妻の他、私の兄弟の夫婦と子どもを一緒に申請したいのですが、可能ででしょうか?

また、ハワイの永住権は取得できますか?


 [ 日本在住・Y様 ]



  <A>

 ご質問者様ご夫妻と、ご兄弟のご家族(お子様たちを含む)で、別々に申請ができます。
ご夫婦のうちのお一人が日本生まれで、かつ日本の小中高校の普通科を卒業されていらっしゃるのであれば、問題なく申請できると思います。
お子様たちは、21歳未満で結婚をなさっていないということであれば、ご家族として永住権を取得できます。


 また、永住権は、ハワイ州を含むアメリカ全土で統一されているものですので、永住権取得後はどの地域にでもお住まいいただけます。


*上記は、あくまでも一般的な質問と回答ですので、個別の案件への正式回答ではありません。
同様の事例と思われても、かならず専門家にご相談をなさってください。




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┃◆ [ご質問募集中!!]
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米国の滞在、出入国や生活トラブルなどに悩んでいる読者の皆さんのご質問を受け付けています。
鈴木弁護士へご質問のある方は、どうぞお気軽にお寄せください。
   i@jinken.com まで。
 ○ご質問は、そのまま全文掲載させていただくことがあります。
 ○できる限りニックネームでお寄せください。
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┃◆3 [アメリカビザ“ちょっと”お役立ち情報]
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執筆は、MomsUSA(JINKEN.COM)の運営者であり、カリフォルニア州弁護士として活躍中の鈴木淳司弁護士。
米国法曹協会、米国法廷弁護士協会、米国移民法協会所属。
日本人としては米国で法廷活動も行う草分け的存在。日本の弁護士会からも厚い信頼を寄せられている。
今現在も、多数の日本企業・個人を代理し、米国ビザや永住権取得も過去20年ほどサポート。
ビザ関連のペーパー業務のみならず、訴訟代理や刑事弁護、パートタイムでの判事もつとめる。
『これでアメリカの法と社会の実際がわかる』(日本評論社刊)等、執筆多数。日本の弁護士会での講演、執筆多数。



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┃◆4 [...事務局のつぶやき..]
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 _今年も終わりが近づいてまいりました。みなさんにとって、どのような1年だったでしょうか。デジタルのせいでしょうか、気候のせいでしょうか、それとも個人的な理由でしょうか、とにかく気ぜわしく日々が過ぎ去っていくような感覚が強くなりました。法的にも不安が残るわけですが、どんな時も家族や友人、そして見えない他者に感謝しながら過ごしたいなと思います。みなさま、良いお年を!(i.m.)




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 【 発行人 】弁護士 鈴木淳司 
   
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発行周期: 月刊 最新号:  2018/12/10 部数:  74部

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