バートランド・ラッセルの言葉366

再配信 ラッセル『宗教と科学』第8章 宇宙の目的 n.9

カテゴリー: 2019年01月17日
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「(ほぼ日刊)バートランド・ラッセルの言葉366」 
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 読者と一緒に育てていきたいと思っていますので,誤訳や不適切な訳等がありましたら,お知らせいただければ幸いです。

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 ラッセル『宗教と科学』第8章 宇宙の目的 n.9
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  × 「our thoughtsphysiological causes」 → ○「our thoughts」
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 生理学と心理学との関係についての問題はもっと難しい。そこには二つの別
個の問題がある。(即ち)我々(人間)の身体の行動は生理学的原因にだけ基
づくと考えることができるであろうかという問題と,心的現象(精神現象)と
それと同時に起こる身体の行為との関係はどういうものであるかという問題
(の2つ)である(訳注:荒地出版社刊の津田訳では「physiological causes」
を「生物学的原因」と誤訳)。一般に観察できるのは身体の行動だけである。
我々の思考(考えていること)は他者によって「推理される」かも知れないが
,「認知できる」のは我々自身(自分自身)によってのみである(訳注:荒地出
版社刊の津田訳では「our thoughts」を「我々の思想」と訳出)。
これが,少なくとも,常識が主張するだろうことである。理論的に厳密に言う
と,我々は身体行為を観察することはできず,(可能なのは)にそれらの行為
が我々(人間)に与える一定の影響を観察することができるだけである。
(訳注:観察対象の人に太陽などの光があたり、それが反射して観察者の目に
到達し、それが網膜に達し、そこから脳に伝わり、そこで再構成されて認識行
為が起こることを言っている。)   (自分たち以外の)他者が同時に観
察するものは類似しているかもしれないが,我々(自分たち)が観察すること
とは,常に多少とも相違しているだろう。このような理由及びその他の理由か
ら,物理学と心理学との間にあるギャップ(断絶)は,以前考えられていたほ
ど大きくない。物理学は,我々が一定の状況において見るだろうことを予測す
ること(科学)と考えてよいだろう。そうして,そういう意味においては,我
々が見るということは「心的(精神的)」な事象であるので,それは心理学の
一部門である。このような視点は,経験的に検証できる主張だけをしたいとい
う欲求(願望)によって,-(客観的とは言いながら)検証は常にある(特定
の)人間による観察であり,従って,心理学が考察するような出来事であると
いう事実と相まって(と結びついて)- 現代物理学の前面に現われてきた。
しかし,そのようなことは全て,これら二つの学問(注:物理学と心理学)の
実際面に関することというよりも,両者の哲学に属することである。それらの
取扱う素材(subject-matters)の友好的接近(rapprochement)にもかかわら
ず,それら(両者)の(取り扱う)手法(technique)はやはり異なったままで
ある。

Chapter 8:Cosmic Purpose , n.9

The question of the relation between physiology and psychology is more
difficult. There are two distinct questions ; Can our bodily behaviour
 be supposed due to physiological causes alone? and what is the 
relation of mental phenomena to concurrent actions of the body? It is
 only bodily behaviour that is open to public observation ; our 
thoughts may be inferred by others, but can only be perceived by 
ourselves. This, at least, is what common sense would say. 
In theoretical strictness, we cannot observe the actions of bodies, 
but only certain effects which they have on us ; what others observe 
at the same time may be similar, but will always differ, in a greater 
or less degree, from what we observe. For this and other reasons, the 
gap between physics and psychology is not so wide as was formerly 
thought. Physics may be regarded as predicting what we shall see in 
certain circumstances, and in this sense it is a branch of psychology,
 since our seeing is a "mental" event. This point of view has come to
 the fore in modern physics through the desire to make only assertions
 that are empirically verifiable, combined with the fact that a 
verification is always an observation by some human being, and 
therefore an occurrence such as psychology considers. But all this
 belongs to the philosophy of the two sciences rather than to their
 practice ; their technique remains distinct in spite of the 
rapprochement between their subject-matters.
 出典:Religion and Science, 1935, chapt. 8: Cosmic Purpose
 情報源:https://russell-j.com/beginner/RS1935_08-090.HTM

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発行周期: ほぼ 日刊 最新号:  2019/02/22 部数:  70部

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