バートランド・ラッセルの言葉366

ラッセル『宗教と科学』第3章 進化 n.24


カテゴリー: 2018年09月06日
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 読者と一緒に育てていきたいと思っていますので,誤訳や不適切な訳等がありましたら,お知らせいただければ幸いです。

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 ラッセル『宗教と科学』第3章 進化 n.24
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 第3章 進化 n.24

 非科学的な世俗のキリスト教徒の態度はグラッドストン(William Ewart Gladstone
, 1809-1898:ヴィクトリア朝時代に自由党を指導して4回英国首相を務めた)によく
現われている(例証される)。当時はリベラル(自由主義的)な時代であったが,こ
の自由党の指導者(グラッドストン)はそうでないように(英国社会が自由主義的にな
らないように)最善を尽くした。1864年に,(キリスト教の)永遠の罰を信じないとい
うことで二人の牧師を処罰しようとしたが枢密院の司法委員会(Judicial Committee
 of the Privy Council)が無罪を言い渡したために失敗した時,グラッドストンは
恐怖にかられ,もしこの判決の原則が踏襲されたら(follow up),「キリスト教信
仰の有無(信仰するかしないか)への全くの無関心」を定着させるだろう,と言った。
ダーウインの学説が始めて出版された時,グラッドストンは,統治・支配することに
慣れている者の同情的感情(思いやりの気持ち)を表して,次のように言った。「進化
と呼ばれるものによって,神は(世界)創造の仕事から解放される。不変の法則の名
の下に,神(He)は世界(この世)を支配・統治するこを免れる」と。けれども,彼
は,ダーウインに対して,まったく個人的反感を抱いてはなかった。(そうして)彼
は徐々に反対の態度を変え,1877年に一度ダーウインを訪問し,訪問している間中,
終始,ブルガリア人の残虐行為について語り続けた。彼が帰った後,ダーウインはき
わめて無邪気に「あんな偉大な人が私を訪ねて来るなんて何という名誉なことか!」
と言った。グラッドストンがダーウインからどんな印象を受けて帰ったかは,歴史は
何もかたらない(歴史的記録は残っていない)。

Chapter 3: Evolution, n.24

The attitude of unscientific lay Christians was well illustrated by 
Gladstone. It was a liberal age, although the Liberal leader did his best to
 make it otherwise. In 1864, when an attempt to punish two clergymen for not
 believing in eternal punishment failed because the Judicial Committee of 
the Privy Council acquitted them, Gladstone was horrified, and said that, if
 the principle of the judgment was followed up, it would establish "a 
complete indifference between the Christian faith and the denial of it.” 
When Darwin’s theory was first published, he said, expressing the 
sympathetic feelings of one also accustomed to governing : "Upon grounds of
 what is termed evolution God is relieved of the labour of creation ; in the
 name of unchangeable laws He is discharged from governing the world.” 
He had, however, no personal feeling against Darwin ; he gradually modified
 his opposition, and once, in 1877, paid him a visit, during the whole of 
which he talked unceasingly about Bulgarian atrocities. When he was gone, 
Darwin, in all simplicity, remarked : “ What an honour that such a great 
man should come to visit me! ” Whether Gladstone carried away any 
impression of Darwin, history does not relate. 
 出典:Religon and Science, 1935, chapt. 3: Evolution.
 情報源:https://russell-j.com/beginner/RS1935_03-240.HTM

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