バートランド・ラッセルの言葉366

ラッセル『宗教と科学』第2章 コペルニクス革命 n.4


カテゴリー: 2018年07月11日
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 「ラッセルの英語」では,英語の学習に参考になりそうな例文をラッセルの著作
  からご紹介していますが,「ラッセルの言葉366」では,日本語にした時の'内容'
  に注目して,ラッセルの発言をご紹介していきます。
  読者と一緒に育てていきたいと思っていますので,誤訳や不適切な訳等がありま
  したら,お知らせいただければ幸いです。

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 ラッセル『宗教と科学』第2章 コペルニクス革命 n.4
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『宗教と科学』第2章 コペルニクス革命 n.4

の点,ウェスリーは,ある意味では,正しかった,と私は思う。人間(人類)の重要
性は、旧約と新約両方の,聖書の教えの本質的な部分である(注:津田氏は「The 
importance of Man」を「人間の尊厳」と訳しているが,聖書の時代に近代的な考え
方があるわけではないので、どこかずれているように思われる)。実際,世界を創造
した神の目的は,主として,人間(人類)に関係しているものだと思われる。もし,
人間(人類)が(神の)被造物の最も重要なものでなかったなら,(神のキリストに
おける)顕現や贖罪(注:キリストが人間の罪を背負って受難したこと)の教えはお
そらくありえなかったであろう。コペルニクス天文学の中には,我々(人間)が自身
を(重要だと)と自然に考えているほど重要ではないということを証明しようとする
ようなところはない。しかし,我々の惑星(地球)を(宇宙の)中心的位置から強制
的に退位させることは,我々人間の想像力に対し,地球上の住民の強制退位を同様に
示唆する。太陽と月,(また)惑星と恒星が日に一度地球の周りを回ると考えられて
いた間は,それらは我々人間(人類)のために存在し,我々は創造主にとって特別な
関心事(関心の対象)であると考えることは容易であった。(注:津田氏は「and 
that we were of special interest to the Creator」のところを「我々が創造主に
対して特別な利害関係を持っていること」と訳している。ここは素直に訳したほうが
よいと思われる。因みに,「of interest」は「興味のある」で,「a matter of 
great interest to me」は「私に大いに興味のある事柄」) しかし,コペルニクス
とその後継者たちが,世界に対し,星々が我々地球にまったく見向きもしない間に回
転しているのは我々(地球)だと説得した時に; 我々の地球は惑星のいくつかと比
べて小さく,それらの惑星は太陽と比べて小さいことが明らかになると,また,計算
と望遠鏡によって,太陽系の(広大さ),我々の銀河の(広大さ),ついには無数の銀河
からなく宇宙の広大さが明らかになると,もし人間(人類)が伝統的神学において割
り当てられたような宇宙的意義を持っているなら,地球が今あるように遠く片すみに
隔てられたところにあって,人間(人類)の住家として期待される重要性を持つこと
ができると信ずることは,ますます困難になった。その(宇宙の)規模を考えてみた
だけでも,我々人類はもしかすると宇宙(創造)の目的ではないかも知れないという
ことを示唆した。長々と(ぐずぐずと)自己評価をし,もし我々人間が宇宙の目的でな
いのなら,宇宙にはきっと目的はないのだと,ささやいた(注:lingering 形容詞: 
長びく/a lingering disease 長患い)。私はそのような反省(内省)が何らかの論
理的説得力を持っているとか,ましてやそれがコペルニクスの体系(地動説)によっ
てただちに広く喚起された(呼び起こされた)とか,言おうとしているのではない。
私は,ただ,この体系(地動説)が心の中に生き生きと現存していた人々の間にその
ような反省(内省)を呼び起す傾向があったと言っているだけである。(原注:たと
えば,は、異端審問所の獄に入れられた後,1600年に生きたまま火刑=火あぶりの刑に
された。) 従って,キリスト教会が,プロテスタントやカトリック同様,この新し
い天文学に敵意を感じ,それに異端の焼印を押す根拠を探し求めたことは,驚くべき
ことではない。

Chapter 2: The Copernician Revolution, n.4

In this, I think, Wesley was, in a certain sense, in the right. The 
importance of Man is an essential part of the teaching of both the Old and
 New Testaments ; indeed God's purposes in creating the universe appear to 
be mainly concerned with human beings. The doctrines of the Incarnation and
 the Atonement could not appear probable if Man were not the most important
 of created beings. Nowthere is nothing in the Copernican astronomy to prove
 that we are less important than we naturally suppose ourselves to be, but 
the dethronement of our planet from its central position suggests to the 
imagination a similar dethronement of its inhabitants. While it was thought
 that the sun and moon, the planets and the fixed stars, revolved once a day
 about the earth, it was easy to suppose that they existed for our benefit,
 and that we were of special interest to the Creator. But when Copernicus 
and his successors persuaded the world that it is we who rotate while the 
stars take no notice of our earth ; when it appeared further that our earth
 is small compared to several of the planets, and that they are small 
compared to the sun ; when calculation and the telescope revealed the 
vastness of the solar system, of our galaxy, and finally of the universe of
 innumerable galaxies -- it became increasingly difficult to believe that 
such a remote and parochial retreat could have the importance to be expected
 of the home of Man, if Man had the cosmic significance assigned to him in
 traditional theology. Mere considerations of scale suggested that perhaps 
we were not the purpose of the universe ; lingering self-esteem whispered 
that, if we were not the purpose of the universe, it probably had no purpose
at all. I do not mean to say that such reflections have any logical cogency,
 still less that they were widely aroused at once by the Copernican system. 
I mean only that they were such as the system was likely to stimulate in 
those to whose minds it was vividly present.(note: For example, Giordano 
Bruno, who after seven yeas in the prisons of the Inquistion, was burned 
alive in 1600) It is therefore not surprising that the Christian Churches, 
Protestant and Catholic alike, felt hostility to the new astronomy, and 
sought out grounds for branding it as heretical. 
 出典:Religon and Science, 1935, chapt. 4.
 情報源:http://russell-j.com/beginner/RS1935_02-040.HTM

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