バートランド・ラッセルの言葉366

ラッセル『宗教と科学』第1章 闘争の原因 n.4

カテゴリー: 2018年06月29日
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 「ラッセルの英語」では,英語の学習に参考になりそうな例文をラッセルの著作
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 ラッセル『宗教と科学』第1章 闘争の原因 n.4
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『宗教と科学』第1章 闘争の原因 n.4

 教育を受けた人たちの中世のものの見方には今日では失われてしまっている論理的
な統一(性)があった。科学が攻撃せざるをえなかった教義(キリスト教の信条/教
義)の権威を持った解釈者(the authoritative exponent)として,トマス・マクィ
ナスをとりあげてよいであろう。彼は -彼の見解は今日なおローマン・カトリック
教会の見解であるが- キリスト教の根本的真理のなかには,(神の)啓示(黙示)
の助けなしに,理性だけで(unaided reason)証明されうるものがあると主張した。
これらの根本的真理のなかには,全能にして慈悲深い創造主の存在(創造主が存在す
ること)がある。造物主(神)の全能と慈悲から,神は,神の意志に従うのに必要で
あろう程度まで,被造物が神の布告(His decree)を知らないままにさせておくこと
はなかった(=知らせることにした),ということになる(it follow that 論理的
にそういうことになる)。従って(神意を被造物である人間に知らせるために),神
の啓示(黙示)が存在しなければならず,それは明らかに聖書や教会の決定事項の中
にに含まれている(とされる)。この点が確保されれば,我々人間が知る必要のある
その他のことは, 聖典(Scriptures)やキリスト教公会議の公式見解
(the pronouncements of oecumenical Councils)から推論することができる。(即
ち)。全ての議論は,以前にキリスト教国のほとんど全ての人々によって受け入れら
れていた前提から演繹的に進行し,その議論が今日の読者にほ時に誤りのようにたと
え思われたとしても(注: if = evenif),当時の大部分の教養ある人々にはその誤
謬は明らかなものではなかった(のである)。

 ところで,論理的統一(性)は長所(強み)であると同時に短所(弱さ)でもある。
論理的統一性が長所(強み)であるのは,論理的統一(性)は,議論の一つの段階を認
める者は(論理的におかしくなければ)誰でもその後の全ての段階を受け入れなけれ
ばならないということを保証するからであり,それが短所(弱点)であるのは,後の
段階の任意の段階を斥ける者は,必ず少なくとも,前の段階の中のどれかの段階を斥
けなければならないからである。(キリスト)教会は,科学との闘争において,教義の
論理的一貫性をから生じる長所(強さ)と短所(弱さ)とをともに示した(のである)。


Chapter 1: Grounds of Conflict, n.4

The mediaeval outlook of educated men had a logical unity which has now been
 lost. We may take Thomas Aquinas as the authoritative exponent of the creed
 which science was compelled to attack. He maintained -- and his view is 
still that of the Roman Catholic Church -- that some of the fundamental 
truths of the Christian religion could be proved by the unaided reason, 
without the help of revelation. Among these was the existence of an 
omnipotent and benevolent Creator. From His omnipotence and benevolence it
 followed that He would not leave His creatures without knowledge of His 
decrees, to the extent that might be necessary for obeying His will. There
 must therefore be a Divine revelation, which, obviously, is contained in 
the Bible and the decisions of the Church. This point being established, 
the rest of what we need to know can be inferred from the Scriptures and 
the pronouncements of ?cumenical Councils. The whole argument proceeds 
deductively from premisses formerly accepted by almost the whole population
 of Christian countries, and if the argument is, to the modern reader, at
 times faulty, its fallacies were not apparent to the majority of learned
 contemporaries. 

Now logical unity is at once a strength and a weakness. It is a strength
 because it insures that whoever accepts one stage of the argument must 
accept all later stages ; it is a weakness because whoever rejects any of
 the later stages must also reject some, at least, of the earlier stages. 
The Church, in its conflict with science, exhibited both the strength and
 the weakness resulting from the logical coherence of its dogmas. 
 出典:Religon and Science, 1935, chapt. 1.
 情報源:http://russell-j.com/beginner/RS1935_01-040.HTM

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発行周期: ほぼ 日刊 最新号:  2019/02/19 部数:  70部

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