バートランド・ラッセルの言葉366

n.1400 ラッセル『権力』 第18章 権力を手懐けること n.27


カテゴリー: 2018年06月08日
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 「ラッセルの英語」では,英語の学習に参考になりそうな例文をラッセルの著作
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  読者と一緒に育てていきたいと思っていますので,誤訳や不適切な訳等がありま
  したら,お知らせいただければ幸いです。

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 ラッセル『権力』 第18章 権力を手懐けること n.27
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 第18章 権力を手懐けること n.27

 権力を手懐けるための心理的条件は,いくつかの点(面)で,最も困難なものであ
る。権力の心理との関連で(In connection with),我々は恐怖(心),激しい怒り及
びその他の激しい集団的興奮が人々を指導者に盲目的につき従わせがちであり,大部
分の場合,指導者は追従者たちの指導者への信頼をうまく利用して暴君に仕立て上げ
る(to establish himself as a tyrant: 暴君の地位に就かせる ),というのを見
た(see 理解した)(注:みすず書房版の訳書では,東宮氏は "In connection with 
the psychology of power" を「権力の心理に関しては」と誤訳。ラッセルは第2章
「指導者と追従者」などでふれた「権力の心理」を念頭においていると思われる)。
従って,もし民主主義は保持されるべきだとするならば,世間一般の興奮(general
 excitement)を生み出すような状況は避けるとともに,人々(注:the population 
住民/国民)をそういった種類の気分(mood)になるような傾向がほとんどないように
教育することが重要である。凶暴な独断的な精神が行き渡っているところでは,人々
が不賛成のいかなる意見も,治安の破壊(a breach of the peace 平和をかき乱すこ
と)を引き起こしがちである。小中学校の生徒は,なんらかの意味で変わった意見を
持っている者をいじめがち(虐待しがち)であり,大人も(この点で)小中学校の生
徒の精神年齢を越えていない者が多い。自由主義的な感情が行き渡り,それに懐疑的
精神が少し添えられるならば,社会的協力はそれほど困難なものではなくなり,それ
に応じて,自由もより可能なものになる(のである)。

Chapter 18: The taming of Power, n.27

The psychological conditions for the taming of power are in some ways the 
most difficult. In connection with the psychology of power we saw that fear,
 rage, and all kinds of violent collective excitement, tend to make men 
blindly follow a leader, who, in most cases, takes advantage of their trust
 to establish himself as a tyrant. It is therefore important, if democracy
 is to be preserved, both to avoid the circumstances that produce general 
excitement, and to educate in such a way that the population shall be little
prone to moods of this sort. Where a spirit of ferocious dogmatism prevails,
 any opinion with which men disagree is liable to provoke a breach of the 
peace. Schoolboys are apt to ill-treat a boy whose opinions are in any way
 odd, and many grown men have not got beyond the mental age of schoolboys.
 A diffused liberal sentiment, tinged with scepticism, makes social 
co-operation much less difficult, and liberty correspondingly more possible.
 出典: Power, 1938.
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