バートランド・ラッセルの言葉366

n.1381 ラッセル『権力』 第18章 権力を手懐けること n.8


カテゴリー: 2018年05月14日
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 「ラッセルの英語」では,英語の学習に参考になりそうな例文をラッセルの著作
  からご紹介していますが,「ラッセルの言葉366」では,日本語にした時の'内容'
  に注目して,ラッセルの発言をご紹介していきます。
  読者と一緒に育てていきたいと思っていますので,誤訳や不適切な訳等がありま
  したら,お知らせいただければ幸いです。

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 ラッセル『権力』 第18章 権力を手懐けること n.8
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 第18章 権力を手懐けること n.8

 地方の利害や構成単位(種々の構成員)の感情が,連邦と結びついた利害や感情より
も強い時には常に,連邦制が望ましい(注:一つの国家ではなく,ドイツや米国のよ
うな連邦制にする方がよい,ということ)。仮に国際的な政府が存在するならば,そ
れは明らかに(権力が及び範囲が)厳密に定義された権力をもつ,国民政府の連合体
(a federation 連邦政府)でなければならないであろう。すでに,郵便などの,若干
の目的のための国際的な機構(authorities 権威,当局)が存在している。しかし,
そうした目的は,国際政府によって扱われる諸目的ほど公衆を益するものではない。
そのような条件が欠けている場合には,連邦政府は,連邦を構成する単位であるいく
つかの政府(the governments of the several units)を侵害しがちである。アメリ
カ合衆国においては,憲法が制定されて以降,連邦政府は,諸州の犠牲に力を増して
きた。同様の傾向は,1872年から1918年に至るまでのドイツにも存在した。(一つの)
世界連邦政府ですら,もし(世界)連邦からの分離離脱の問題で内乱にまきこまれる
ことになれば -それが起こる可能性はかなりあるかも知れないが(as might well 
happen) - 連邦政府が勝利する場合には,多くの国民政府に対して,測り知れない
ほど強力なものとなるであろう。このように,一つの方法としての連邦の効能は,非
常に明確な限界を有している。しかしこの限界の枠内において,連邦(方式)は望ま
しくかつ重要である。

Chapter 18: The taming of Power, n.8

A federal system is desirable whenever the local interests and sentiments of
 the constituent units are stronger than the interests and sentiments 
connected with the federation. If there were ever an international 
government, it would obviouslv have to be a federation of national 
government, with strictly defined powers. There are already international
 authorities for certain purposes, e.g. postage, but these are purposes 
which do not interest the public so much as do those dealt with by national
 governments. Where this condition is absent, the federal government tends
to encroach upon the governments of the several units. In the United States,
 the federal government has gained at the expense of the States ever since 
the Constitution was first enacted. The same tendency existed in Germany 
from 1871 to 1918. Even a federal government of the world, if it found 
itself involved in a civil war on the question of secession, as might well
 happen, would, if victorious, be immeasurably strengthened as against the
 various national governments. Thus the efficacy of federation, as a method,
 has very definite limits ; but within these limits it is desirable and 
important.
 出典: Power, 1938.
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