バートランド・ラッセルの言葉366

ラッセル『権力』(Power, 1938) 第14章 競争 n.9


カテゴリー: 2018年02月07日
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 「ラッセルの英語」では,英語の学習に参考になりそうな例文をラッセルの著作
  からご紹介していますが,「ラッセルの言葉366」では,日本語にした時の'内容'
  に注目して,ラッセルの発言をご紹介していきます。
  読者と一緒に育てていきたいと思っていますので,誤訳や不適切な訳等がありま
  したら,お知らせいただければ幸いです。

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 ラッセル『権力』(Power, 1938) 第14章 競争 n.9
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 第14章 競争,n.9

 自由主義者の学説(doctrine 理論)は,たとえばジョン・スチュアート・ミルの『自
由論』に述べられている学説は,(今日)しばしば想像されているよりも(想像され
ているほど)極端なものではなかった。(その学説によれば)人は,自らの行為によ
って他人に影響を与えない限り自由であるべきである。しかし,他人が関係する場合
(他人を巻き込む場合)には,たとえその行為が自己にとって好都合なものであったと
しても,国家の行為によって,人間の自由は制限されるかも知れない(制限される可
能性がある)(注:if expedient = even if expedient / みすず書房版の東宮訳で
は「もしそのほうが時宜にかなっているということならば」と訳出されている。
 "if" を "even if" と解釈すべき場合については、次のページを参照
。http://www1.odn.ne.jp/xenom/sonota.box/sonota6.html)。ある人が,たとえば
,ヴィクトリア女王は暗殺されるべきだと良心的に確信してきたかも知れない。しか
し,(人間の自由を最大限認める)ミルもこの人がこの意見を宣伝する自由を認めな
かったであろう。これは極端な場合(事例)である。しかし,実際上,唱道する価値
あるいは戦う価値のあるほとんど全ての意見は,誰かに不利に作用することは確実で
ある。言論の自由の権利は,若干の個人あるいは階級に不快な結果を及ぼす事柄を口
にする権利がそれに含まれていなければ,役に立たない。従って,宜伝の自由のため
の何らかの余地があるべきだとすれば,言論の自由を正当化するためには,言論の自
由にはミルの原則よりももっと強力な原則が必要となるであろう。

 我々は,この言論の自由の原則の問題を,政府の観点(立場)から,一般市民の観
点(立場)から,熱烈な革新者の観点(立場),あるいは哲学者の観点(立場)から
見ることができる。まず政府の観点(立場)から見てみよう。

Chapter 14: Competition, n.6

The doctrine of Liberals, for example of John Stuar Mill in his book On 
Liberty, was far less extreme than is often supposed. Men were to be free in
 so far as their actions did not influenre others, but when others were 
involved they might, if expedient, be restrained by the action of the State.
 A man might, say, have been conscientiously convinced that Queen Victoria 
ought to be assasinated, but Mill would not have allowed him freedom to 
propagate this opinion. This is an extreme case, but in fact almost any 
opinion worth either advocating or combating is sure to affect some one 
adversely. The right of free speech is nugatory unless it includes the right
 to say things that may have unpleasant consequences to certain individuals 
or classes. If, therefore, there is to be any scope for freedom in 
propaganda, it will need for its justification some stronger principle than
 Mill's.

We may look at this question from the point of view of the government, from
 that of the average citizen, from that of the ardent innovator, or from 
that of the philosopher. Let us begin with the point of view of the 
government.
 出典: Power, 1938.
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