F. M. Letter -フード・マイレージ資料室 通信-

【F.M.Letter No.161】

◇フード・マイレージ資料室 通信 No.161◇
 2019年2月5日(火)[和暦 元旦]発行
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◆ F.M.豆知識  食品ロスの発生場所
◆ O.カレント  逢坂泰精さん
◆ ほんのさわり 寮美千子『空が青いから白を選んだのです』
◆ 情報ひろば  ブログ更新、イベント情報等
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 明けましておめでとうございます。和暦でも新年を迎えました。改めて本年もよろしくお願いします。
 和暦の朔日(新月)と十五日(ほぼ満月の日)に配信している拙メルマガ、今号は 元旦(睦月朔日)の配信です。

◆ F.M.豆知識
 食や農に関連して、特に私たち消費者にちょっと役に立つ、あるいは考えるヒントになるデータを今年もコツコツと紹介していきます。
 (過去の記事はこちらにも掲載)
 http://food-mileage.jp/category/mame/

-食品ロスの発生場所-

 一昨日は節分、今年も残念なニュースが伝えられました。すっかり年中行事となった恵方巻ですが、今年も大量の売れ残りが出て廃棄されたというのです。今回は日本の食品ロスの現状について概観します。

 リンク先の図114は、食品廃棄物と食品ロスの発生量(2015年推計)を発生場所別にみたものです。
 http://food-mileage.jp/wp-content/uploads/2019/02/114_loss.pdf

 全体の長方形の面積が、日本における食品廃棄物の発生量を表しています。合計で2,842万トンとなっていますが、全体の約7割(1,653万トン)は食品製造業において発生していることが分かります。
 ただし、これはリサイクルされる有価物や食べられない部分も含んだ数値です。これらを除いた、本来食べられるのに捨てられている食品のことを「食品ロス」と呼びます。
 図によると、食品ロスの発生量は全体で647万トンとなっており、うち289万トンは一般家庭で発生しています。つまり、食品ロスが最も多く発生している場所(最も多くの食べ物が無駄になっている場所)は一般家庭なのです。

 ちなみに恵方巻がニュースとなった食品小売業(スーパーやコンビニ)における食品ロスの発生量は、一般家庭の4分の1以下に過ぎません。
 このように、食品ロスを削減していくためには、私たちの家庭における取組みが最も重要なのです。

[資料]
 農林水産省「食品ロスの削減に向けて」
 http://www.maff.go.jp/j/shokusan/recycle/syoku_loss/attach/pdf/161227_4-88.pdf

◆ オーシャン・カレント -潮目を変える-
 食や農の分野について先進的かつユニークな活動に取り組んでおられる方や、食や農に関わるトピックス等を紹介します。
 (過去の記事はこちらにも掲載)
 http://food-mileage.jp/category/pr/

-逢坂 泰精さん-

 シンガー・ソングライターの逢坂泰精(おおさか やすきよ)さんは、大坂・枚方市の出身。
 1999年BMGJAPANよりデビュー。 ラジオ音楽番組の司会等としても活躍した後、2006年にはインド放浪の旅の体験も踏まえて構想を練ったフルアルバム「もののあはれ」をリリース。
 現在、ワンマンライブ、作詞等で活躍中です(SMAPに詩を提供されたこともあるそうです)。

 2014年には奈良少年刑務所の受刑者の詩集(寮 美千子著、「ほんのさわり」欄参照)を基にした「空が青いから白をえらんだのです」を発表。アルバム「産んでくれてありがとう 生まれてくれてありがとう」に収められています。

 私が逢坂さんに初めてお目にかかったのは昨年2月のこと。映像作家で巻寿司大使の八幡名子さん(前号の「オーシャン・カレント欄参照」)が、新宿ゴールデン街のバーを手伝いに行かれると聞いて訪ねた時、カウンターその中におられたのが逢坂さんでした。
 シンガー・ソングライターをしていると伺い、軽い気持ちで音楽をリクエストした時にCDで聴かせて下さったのが「空が青いから白をえらんだのです」でした。胸をわし掴みにされるような感動を覚えました。罪を犯してしまった少年・少女たちの、心の奥底にある葛藤、悔恨、優しさ等が歌い上げられています。迷わずその場でCDを求めさせて頂きました。ぜひ多くの方に聞いて頂きたい曲です。

 昼間は介護士等として働きながら音楽活動を続けてこられた逢坂ですが、本年1月、東京・新宿歌舞伎町にご自身のお店「とても小さな生歌bar♪・ヒナタバー」をオープンされました。カウンター10席ほどの温かい雰囲気のお店です。
 ご自身の音楽活動の拠点を設けられた逢坂さん。これからも人の心を打つ音楽を紡いでいって頂きたいと期待しています。

[参考]
 逢坂泰精さんオフィシャルサイト
 http://yasukiyo.daa.jp/
 拙ブログ「東京・新宿ゴールデン街での出会い」(2018.3)
 http://food-mileage.jp/2018/03/06/blog-87/

【告知】
 2月17日(日)14:00~17:00、東京・神田のなみへいで、逢坂泰精さんと八幡名子さんをお招きしてイベント(巻寿司教室+ライブ)を開催します。
 https://www.facebook.com/events/554343368388966/

◆ ほんのさわり
 食や農の分野を中心に、考えるヒントとなるような本の「さわり」を紹介します。
 (過去の記事はこちらにも掲載)
 http://food-mileage.jp/category/br/

-寮 美千子『空が青いから白をえらんだのです-奈良少年刑務所詩集-』 (2011.5、新潮文庫) -
 https://www.shinchosha.co.jp/book/135241/

 著者は1955年東京生れ。外務省勤務、コピーライターを経て1985年に毎日童話新人賞を受賞し作家活動に。2005年には小説『楽園の鳥カルカッタ幻想曲』で泉鏡花文学賞を受賞されています。

 2006年に奈良市に移住。ある日、煉瓦造りの壮麗な建物に惹かれて奈良少年刑務所の「矯正展」を訊ねました。そこで展示されていた受刑者の詩や絵の気真面目さや繊細さに、寮さんは心を捕らえられたそうです。
 この時のことがきっかけとなり、翌年から、特に対人関係に問題を抱えた受刑者を対象にした「社会性涵養プログラム」の講師を務めることになりました。

 このプログラムにおいて、寮さんは、童話や詩を通じて抑圧された感情を掘り起こして情緒を耕そうという授業(月1回、1時間半、6ヶ月)を担当しました。
 その内容は、自分で詩を書くという宿題を出し、本人がみんなの前で朗読して感想を述べあうというものでした。この授業によって、最初の頃は挨拶さえ十分にできなかった少年たちは、魔法のように変わっていったそうです。

 この詩集は、このプログラムから生まれた作品を中心に編集されたものです。
 冒頭に置かれたのが「くも」。「空が青いから白をえらんだのです」という一行詩です。

 普段、あまりものを言わない子だったAくんは、この自作の詩を朗読したとたん、堰を切ったように語り出したとのこと。
 「今年はおかあさんの七回忌です。おかあさんは病院で最期に『つらいことがあったら、空をみて。そこにわたしがいるから』と言ってくれた。おとうさんはいつも体の弱いおかあさんを殴っていたけど、ぼく、小さかったから何もできなかった」

 空にいるおかあさんがみつけやすいように、自分は雲のような白い色を選んだという詩を聞いた教室の仲間たちは、次々と手を挙げ、感想を語り始めました。
 「この詩を書いたことが、A君の親孝行やと思いました」等々。
 自分の詩がみんなに届き、心を揺さぶったと感じたAくんの表情は、晴れ晴れとしていたそうです。

 寮さんは、「ほんとうの意味での更生が始まるのは、社会に戻ってから。一般社会が元受刑者を温かく迎え入れることが必要。刑務所の門を出た少年たちが、二度と刑務所に戻ってきませんように」と訴えられています。。

[参考]
 寮美千子さんホームページ「ハルモニア」
 http://ryomichico.net/

◆ 情報ひろば
 拙ウェブサイトやブログの更新情報、食や農に関わる各種イベントの開催情報等をお届します。

▼ 拙ブログ「新・伏臥慢録」更新情報
○ 銀座農業コミュニティ塾 第7回勉強会[1/22]
 http://food-mileage.jp/2019/01/22/blog-171/

○ 「淵の森の会」の下草刈り[1/28]
 http://food-mileage.jp/2019/01/28/blog-173/

○ 2019年1月の共奏キッチン♪[1/29]
 http://food-mileage.jp/2019/01/29/blog-174/

▼ 筆者主催のイベント
○ 空が青いからお寿司を巻くんです
 日時:2月17日(日)14:00~17:00
 場所:全国うまいもの交流サロン・なみへい(東京・神田)
 講師・出演:八幡名子さん、逢坂泰精さん
 主催:巻寿司ライブ実行委員会
 (詳細、お問合せ先等↓)
 https://www.facebook.com/events/554343368388966/

▼ 筆者が参加予定または関心のあるイベント等を勝手に紹介します。
 既に満席の場合等がありますので、参加を希望される際には必ず事前に主催者等にお問い合せ下さい。

○ 福島の漁業は今
 日時:2月9日(土)14:00~16:00
 場所:生活クラブ館(小田急線経堂駅下車徒歩3分)
 講師:林薫平さん(福島大学准教授)
 主催:NPO・CSまちデザイン
 (詳細、お問合せ先等↓)
 http://cs-machi.com/?p=4115

○ 関東にfec自給圏を~地域資源を活用する知恵と人を
 日時:2月11日(月・祝)13:00~17:00
 場所:中野サンプラザ7F研修室(東京・中野区中野4)
 主催:ECOM エコ・コミュニケーションセンター
 (詳細、お問合せ先等↓)
 https://www.facebook.com/events/745429022517298/

○ 雀文庫みたかを考える会(仮称)
 日時:2月16日(土)10:00~12:00
 場所:みたかスペースあい(東京・三鷹市下連雀3)
 主催:雀文庫みたか
 (詳細、お問合せ先等↓)
 https://www.facebook.com/events/345302789420348/

○ ふくしま有機ネット交流サロン in 東京
 日時:2月16日(土)15:00~17:00
 場所:EDITORY(東京・神保町)
 主催:福島県有機農業ネットワーク
 (詳細、お問合せ先等↓)
 https://www.facebook.com/events/364170374392862/

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*今号のコツコツ小咄
「私の悩みなんか、スプーン1杯ほどのものよ」
「そうなの?」
「些事(匙)に過ぎないもの」

 コツコツ小咄(まとめ)は拙ウェブサイトにも掲載してあります。
 http://food-mileage.jp/category/iki/

* 次号 No.162は、2月19日(火)[和暦 睦月十五日]の配信予定です。
 より役立つ情報発信等に努めていきますので、読者の皆さまのご意見、ご要望をお聞かせ頂ければ幸いです。

* 和暦については、高月美樹さん『和暦日々是好日』を参考にさせて頂いています。
 いつもありがとうございます。
  http://www.lunaworks.jp/

* 本メルマガは個人の立場で配信しているものであり、意見や考え方は筆者の個人的なもので、全ての文責は中田個人にあります。
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◆ F. M. Letter -フード・マイレージ資料室 通信-【ID;0001579997】 
 発行者:中田哲也
  https://archives.mag2.com/0001579997/
 ウェブサイト「フード・マイレージ資料室」
  http://food-mileage.jp/
 ブログ「新・伏臥慢録~フード・マイレージ資料室から~」
  http://food-mileage.jp/category/blog/
 発行システム:『まぐまぐ!』 
  http://www.mag2.com/

F. M. Letter -フード・マイレージ資料室 通信-

発行周期: 月2回(和暦の1、15日:新月とほぼ満月の日)に発行します。 最新号:  2019/02/19 部数:  140部

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発行周期:  月2回(和暦の1、15日:新月とほぼ満月の日)に発行します。 最新号:  2019/02/19 部数:  140部

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