F. M. Letter -フード・マイレージ資料室 通信-

【F.M.Letter No.145】


カテゴリー: 2018年06月14日
◇フード・マイレージ資料室 通信 No.145◇
 2018年6月14日(木)[和暦 皐月朔日]発行
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◆ F.M.豆知識  増加する「孤食」
◆ O.カレント  食育月間
◆ ほんのさわり 岩佐勢市「食育の祖 石塚左玄物語」
◆ 情報ひろば  ブログ更新、イベント情報等
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 和暦では皐月(さつき)に入りました。
 鬱陶しい梅雨の季節ですが、この季節の雨を「五月雨(さみだれ)」と読むのは当て字で、「サ」は聖なる、「ミダレ」は水垂れのこと。稲など作物の成長には欠かせない貴重な雨です(高月美樹さん)。
 時の流れを体感するため、和暦の朔日(新月の日)と十五日(ほぼ満月の日)に配信している本メルマガ、今号は皐月朔日の配信です。
 今号は食育の特集になりました。

◆ F.M.豆知識
 食や農に関連して、特に私たち消費者にちょっと役に立つ、あるいは考えるヒントになるようなデータをコツコツと紹介していきます。

-増加する「孤食」-

 一人で食事をする「孤食」については、子どもたちの問題として取り上げられることが多いのですが、実は大人の中でも孤食が増加しています。

 農林水産省「食育に関する意識調査」によると、一日の全ての食事を一人で食べることがあることは「ほとんどない」とする人の割合が73.0%、「週に1日程度ある」が5.5%、「週に 2~3日」が 6.0%となっている一方、「週に4~5日」が4.3%、「ほとんど毎日」が11.0%となっています。
 つまり、週の半分以上(4日以上)、一日の全ての食事を一人で食べている「孤食」の人の割合は15.3%となっており、これは 2011年(10.2%)と比べて増加しています(リンク先の図99参照)。
 http://food-mileage.jp/wp-content/uploads/2018/06/99_koshoku.pdf

 また、「孤食」についてどう思うか聞いたところ、「一人で食べたくないが,食事の時間や場所合わないため、仕方ない」とする人の割合が35.5%、「一人で食べたくないが、一緒に食べる人がいないため、仕方がない」31.1%等となっています(複数回答)。

 これらの結果は、2018年5月29日に閣議決定・公表された「2017年度食育白書」にも盛り込まれ、「孤食」が拡がっている状況が各種メディア等でも取り上げられました。

 なお、食育白書では、「家族と一緒に食事をすることが重要であるものの、現実には家庭 や個人の努力だけでは難しい状況がある」とし、単独世帯や夫婦のみの世帯、ひとり親世帯の増加等が背景にあると分析しています。

[参考]
 農林水産省「食育に関する意識調査」
  http://www.maff.go.jp/j/syokuiku/ishiki.html
 「平成29(2017)年度 食育白書」
  http://www.maff.go.jp/j/syokuiku/wpaper/h29_index.html

◆ オーシャン・カレント -潮目を変える-
 食や農の分野について先進的かつユニークな活動に取り組んでおられる方や、食や農に関わるトピックスを紹介します。

-食育月間-

 前号(No.144)では、毎年6月は「環境月間」であることを紹介しましたが、6月は「食育月間」でもあります。

 2005年6月17日に成立した食育基本法を踏まえ、食育推進基本計画(第3次計画は2016年3月決定)において、毎年6月を「食育月間」とし、食育に重点的・効果的に取り組むこととされているのです。

 期間中は、関係団体、地方公共団体、国などが連携し、全国各地で食育をテーマとした多くの取組やイベントが実施されます。
 6月23日(土)~24日(日)には、大分市において、第13回食育推進全国大会が 開催され、「明治150年」特別企画シンポジウムや各種展示等が行われます。

 今月は興味のあるイベントに参加すること等をきっかけに、それぞれの食育を実践してみてはいかがでしょうか。
 ちなみに毎月19日は「食育の日」とされていますが、こちらは食「育」(いく=19)の語呂合わせのようです。

 [参考]
 食育月間(農林水産省ホームページ)
  http://www.maff.go.jp/j/syokuiku/gekkan/

◆ ほんのさわり
 食や農の分野を中心に、考えるヒントとなるような本の「さわり」を紹介します。

-岩佐勢市「食育の祖 石塚左玄物語」(2010/3、正食出版)-
 http://shop.ruralnet.or.jp/b_no=05_92116606/

 著者は1949年福井市の生まれ。JA厚生連に勤務されていた時、住民検診の結果(偏食、運動不足等)に愕然として食育の活動に取り組み始められました。その活動の中で地元出身の偉人・石塚左玄に巡り会い、以後、左玄の研究を続けておられます。
 現在、NPO法人フードヘルス石塚左玄塾の代表も務められています。

 著者は「今や世の中は正に食育ブーム。しかし法律で『朝食を食べましょう』などと言わなければならないことは実に残念」と嘆く一方、食育基本法の内容は、今から100年も前の石塚左玄の食育実践論のなかにあるとしています。

 石塚左玄は、幕末の嘉永四(1851)年、福井の町医者の家に生まれました。近所で家ぐるみで交流のあった橋本左内(橋本家は藩医)が安政の大獄で刑死したのは、その8年後です。
 歴史の大きな転換期に、左玄は地元と東京で医学・薬学を学び、軍医として西南戦争や日清戦争に従軍した後、明治二九(1896)年、東京・市ヶ谷に石塚食療所を開設し、自ら食の実践指導に当たりました。
 処方箋には食事内容や食事方法が記載されており、患者達は彼を「食医」と呼んだそうです。

 また、左玄は最初の著書『化学的食養長寿論』(1896)のなかで「食育」という言葉を初めて用い、「食育こそすべての教育の根幹・基礎である」と記しています。左玄が「食育の祖」とされるのは、ここに由来しています。
 左玄の食養思想は、その後のマクロビオティック運動にも引き継がれ、現在は世界に普及・発信されているのです。

 左玄によると「そもそも食は文化そのもの。文化はその地域に根ざした地域固有のもの」とのこと。
 現在、食育という言葉が広く知られるようになり、食育の取組みも拡がっていますが、これには、著者による正に地域に根ざした地道な研究が大きく貢献しているのです。

[参考]
 NPO法人 フードヘルス石塚左玄塾
  http://sagenjuku.com/

◆ 情報ひろば
 拙ウェブサイトやブログの更新情報、食や農に関わる各種イベントの開催情報等をお届します。

▼ 拙ブログ「新・伏臥慢録」更新情報
○ 和暦招聘講座・植物と虫の素晴らしき関係[6/7]
 http://food-mileage.jp/2018/06/07/blog-107/

○ 午前四時のブルー(小林康夫先生×國分功一郎先生)[6/12]
 http://food-mileage.jp/2018/06/12/blog-108/

▼ 筆者が参加予定または関心のあるイベント等を勝手に紹介します。
 既に満席の場合等がありますので、参加を希望される際には必ず事前に主催者等にお問い合せ下さい。

○ 2018年度 日本フードシステム学会大会
 日時:6月16日(土)9:30 ~17日(日)16:00
 場所:東京大学農学部(東京・文京区弥生1)
 主催:日本フードシステム学会
 (詳細、お問合せ等↓)
 https://www.fsraj.org/taikai/2018y

○ 歴史の十字路・菅谷館(比企ツーリズム)
 日時:6月30日(土)10:00東武東上線・武蔵嵐山駅
 場所:埼玉・比企郡嵐山町ほか
 主催:ECOM エコ・コミュニケーションセンター
 (詳細、お問合せ等↓)
 https://www.facebook.com/npo.ecom/photos/a.459312540812946.1073741829.261172057293663/1665584726852382/

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*今号のコツコツ小咄
「またベルトが切れちゃったよ。安物のビニールじゃダメだね。朝鮮半島と同じ」
「えっ、どういうこと?」
「非核(皮革)化が望まれますから」

コツコツ小咄は、まとめて拙ウェブサイトにも掲載してあります。
  http://food-mileage.jp/category/iki/

* 次号No.146は6月28日(木)、[和暦 皐月十五日]の配信予定です。
 より役立つ情報発信に努めていきますので、読者の皆さまのご意見、ご要望をお聞かせ頂ければ幸いです。

* 和暦については、高月美樹さん『和暦日々是好日』を参考にさせて頂いています。
 いつもありがとうございます。
  http://www.lunaworks.jp/

* 本メルマガは個人の立場で配信しているものであり、意見や考え方は筆者の個人的なもので、全ての文責は中田個人にあります。
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◆ F. M. Letter -フード・マイレージ資料室 通信-【ID;0001579997】 
 発行者:中田哲也
 ウェブサイト「フード・マイレージ資料室」
  http://food-mileage.jp/
 ブログ「新・伏臥慢録~フード・マイレージ資料室から~」
  http://food-mileage.jp/category/blog/
 発行システム:『まぐまぐ!』 
  http://www.mag2.com/

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