九雀通信

演劇巡業

カテゴリー: 2018年09月16日
地震、大雨、台風と、色々なことが起こる年です。
何の役にも立たない芸人は、良い舞台をお見せするしかありません。

久しぶりのメルマガです。
ズボラもありますし、忙しさもあるのですが、「書けなかった」というのが本音です。

前回の記事から後、たくさんの仲間が、逝ってしまいました。
笑福亭仁勇兄さん、桂福車くん、露の慎悟兄さん。
みんなサシで呑んだことのある人ばかりです。
思い出を書き出すとキリがなくて、書いてるうちに、目が潤んで、支離滅裂になること必至でしたので、書きませんでした。
まして、福車くんと慎悟兄さんは、同じ2月のお葬式で、すっかりへこたれていました。

そして、2月27日には、岡野礼音(あやね)さんが逝きました。
弟子・岡野鏡(きょう)の母上です。
そして、友人・内藤裕敬率いる「南河内万歳一座」の制作さんです。
ホレホレ・・・ここまで書いて、すでに涙が滲んでます。書くのん止め!

礼音さんのことを、先日の落語会のパンフレットに書きましたので、それを転記させて頂きます。

※※※※※

2018年9月5日(水)「九雀の噺・なんとなく一門会」(繁昌亭夜席)パンフレット文から引用

「礼音さんのこと」 

「桂九雀で田中啓文こともあろうに内藤裕敬」これは、演劇作品のタイトルです。(本日もチラシを挟み込んでおります。)
6年前に、私がこの芝居を企画するに至った経緯は、田中啓文著「鍋奉行犯科帳」シリーズ(集英社文庫)の「京へ上った鍋奉行」巻末に、私が書きましたので、是非ともそれをお読み頂きたい。
作品の中身はというと、やはり田中啓文さんが書いた「笑粋亭梅寿謎解噺(しょうすいていばいじゅなぞときばなし)」シリーズを[元にした]演劇です。
この[元にした]が、大事なところで、小説をそのまま芝居にするのは、芸が無さ過ぎ。本を買って読んだほうが良いに決まってます。
全く別の物を観ているつもりなのに、いつの間にか小説の中身にリンクしている。
この「付かず離れず」が大事で、この芸当ができる劇作家・演出家は、内藤裕敬(南河内万歳一座・座長)をおいて他にいない、というわけで、忙しい内藤くん(あえて普段通りの敬称で)を、居酒屋やえがきの濁り酒で口説き落とし、実現するに至ったわけです。

原作は「落語家がミステリーの謎解きをする」と言う構成で、しかも、数ある話のうち「たちきり線香の章」を扱いましたので、音はナマでやりました。
家内・高橋まきが「唄と三味線」、「鳴物・笛」を中学1年の長男が勤めました。不登校中でしたが、我が家的には、とても役立つ男でした。

内藤くんが作・演出となると、当然のように、彼の劇団「南河内万歳一座」のスタッフにもお世話になってしまいます。
中の一人が、岡野礼音さんと言う女性です。礼音と書いて「あやね」と読みます。
その頃、四十歳になったばかりでしたが、子リスのように可愛い、それでいて、イルカのように利発な人でした。
その後、倉敷と小倉でやった、この作品の再演では、制作のトップとして、テキパキさんぶりを発揮してくれました。

その小倉公演の直後に、礼音さんの娘=岡野鏡が、我が夫婦の元へ入門してきたのでした。
内藤くんや、礼音さんを通じた、コネ利用ではなく、真っ当に来ました。
聞けば、縁深き劇団につながる娘です。育てないわけにはいかんでしょう。
そんなわけで、今日、お囃子を勤めております。

礼音さんは、今年2月27日(火)夕方、我々とは別次元の世界へ旅立ちました。
娘の芸歴三年に安心したかのように、四十六歳で。
もともと母子家庭で育った娘です。我々夫婦が親になってしまいました。礼音さんから、任されました。引き受けましょう。

この度、この長ったらしいタイトルのお芝居で、全国七ヶ所を回ります。
そして、岡野鏡がお囃子を勤めます。お囃子にとっての最難関である「たちきり線香」のハメモノ「雪(地唄)」を、演劇の中で、しかもお客様が観ておられる前で、やらなあきません。
その前触れ公演が、今日の落語会です。
礼音さんもご招待しています。ポコッと空いてたら、そこが礼音さんの席です。
娘の唄をしかと聞いてくれるでしょう。ツアーも一緒に行きましょう。 

お囃子の人材不足を憂慮していた私達のところへ来た岡野鏡は、神様から授かった娘だと、ずっと思っていました。
そして、授けてくれた神様とは、実は・・・礼音さんでした。
ありがとう。

(引用終わり)

※※※※※

そんなわけで、南河内万歳一座の稽古場で、内藤くんの演出で、岡野鏡が三味線を弾いて、礼音さんに見守られながら、連日、稽古をしております。
良かったら、礼音さんに会いに、劇場へお越し下さい。

「桂九雀で田中啓文こともあろうに内藤裕敬」笑粋亭梅寿謎解噺・立ち切れ線香の章

公演予定
<2018年>
9月22日(土)14時 すばるホール(大阪府富田林市)
9月30日(日)14時 能代市文化会館(秋田県能代市)
10月13日(土)14時 サントミューゼ(長野県上田市)
10月21日(日)14時 高知文化プラザかるぽーと(高知県高知市)

<2019年>
2月10日(日)13時30分 豊岡市民プラザ(兵庫県豊岡市)
2月16日(土)14時 茅ヶ崎市民文化会館(神奈川県茅ヶ崎市)
2月24日(日)14時 浄るりシアター(大阪府能勢町)

原作   田中啓文
作・演出 内藤裕敬
出演   桂九雀、坂上洋光、ことえ
お囃子  岡野鏡

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発行周期: 月に2回程度発行します。 最新号:  2018/09/16 部数:  516部

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