未来バンク事業組合ニュースレター

未来バンク事業組合ニュースレター No.96/2018年10月

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■ 未来バンク事業組合ニュースレター No.96/2018年10月 
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※PDF版は次のURLから御覧ください 
http://www.geocities.jp/mirai_bank/news_letter/MB_NL_96.pdf 

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     未来のための未来バンクに
              理事長 田中優
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 自分としては時間がかかってなかなか進まなかったと思うが、周囲
から見たらあっという間の出来事のように見えるだろう。私が関わっ
てきたことが、次々と新たな段階に進化した。
 一つはこの未来バンクが「天然住宅バンク」と合併し、その後に新
生「未来バンク」となることになった。この未来バンクは天然住宅バ
ンクと合併し、その後に名称を変えるという段取りだが、その「未来
バンク」と「天然住宅バンク」との合併が、双方共の総会で認められ
たというのが今の段階だ。来年には合併した後に新生「未来バンク」
が誕生する。出資金額はそのまま引き継がれる。増えた分を分配でき
ないことになっているし、減ったとしたら出資金が減るが、幸いにし
て両団体とも赤字はなかった。未来バンクには返済が遅れている債権
もあったが、その分をすべて償却(穴埋め)しても十分なだけの引当
金と事業準備金があったためだ。そして新生「未来バンク」はこれか
ら、 合併して総出資額2億円(ここで組合員を辞めることもできる
し、その場合は従来の出資金が全額支払われるので、多少減るとは思
うが)、事業準備金双方合わせて七百万円ほどで船出することになる。
 未来バンクを進めてきた理事たちは当面はアドバイザーあるいは新
団体の理事として残るが、あくまで新生「未来バンク」の助っ人とし
て関わり、やがては抜けていくことになる。従来の未来バンクの役員
が年齢を重ね、そのことが問題となっての解散だったのだからだ。
 ただし、私田中優は従前から二つの団体の代表を務めていたので、
当面の間はそのままの地位になるが、早く信頼できる人たちに引き継
ぎたいと思っている。幸い、「新生 未来バンク」のメンバーたちも
信頼できる30代の人たちだから、仕事に慣れれば引き継げると思って
いる。

 年齢は残念ながらリスクである。数年前に脳の血管障害を起こして
入院したことがあるが、いつ何時同じ事態になるかわからない。加齢
は残念ながらリスクなのだ。自分としてはやりたいことがまだまだあ
るし、挑戦することは好きなことの一つであるのだが、周囲の人たち
に被害を及ぼさないようにしたいのだ。
 その合併を進めている段階で、新たなプロジェクトを考えた。そし
て今、それを進めている段階でもある。「移住という選択」というプ
ロジェクトで、融資をきっかけにして移住しようとする人の協力をし
ようとするものだ。討議する理事会のメールリストの中では、約二百
通を越えるやり取りがなされ、慎重に、しかし活発に意見が交わされ
た。実際の現場と対象者との面談もして、人々が移住せざるを得ない
としても負担を軽減できる仕組みを作り出した。今回も難産だったが、
こうした経験を経て新たな理事メンバーも鍛えられることになった。
この体験を糧にして、新たな挑戦を最低限のリスクに変えて進められ
るようになってもらえたらと思う。

 私から見ると、やっぱりバンクを市民自らが持つことは、リスク以
上に大きな成果を生むことができると思う。例えば今回実現した方式
では、今のアパート代よりも少ない負担で移住することが可能になる。
しかも健康を害さない素材で長持ちする住宅を建て、次には損失にな
らない売価で引き継げるようにしたいと考えている。移住することが
必ずしもリスクではなく、新たな可能性への船出の機会につなげたい
のだ。
 理事会での議論は順調ではなく、さまざまな面からの懸念が表明さ
れ、それを乗り越えるための方法も出されて実現した。事業を実現す
るためにはアクセルだけではできず、ブレーキを踏む必要もある。そ
れを体現したのではないかとも思う。
 新たなメンバーに全面的に譲る時点ではないが、その実現に新メン
バーの人たちが関わって進められたことはとても良かったと思う。そ
う、こんな感じなのだ。新たな仕組みを生み出すにはこうして論議し
て、懸念を共有して対象者となる人の人柄を感じて進めていけばいい
のだ。
 新たなバンクをこれまで以上にラジカル(根本的)に進めていって
もらいたいと願う。私たちはほんの一面だが社会を変革していくため
の仕組みを実現してきた。もっと多くの面でも成果を挙げてほしいと
願う。私自身がこれまでの経験の中から一言いうとしたら、「新たな
社会は信頼から作られる」ということに尽きる。
メンバー同士の中で、まずは信頼をもっと熟成していってもらいたい。
新たな社会の芽は、信頼の中から生み出されていくものだと思う。自
分のこともそうだが、仲間同士の信頼から新たな仕組みは創られる。
新たなメンバーの船出を、みなに支えてもらいたいと思う。


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ビックデータから見た「お金を返す人」と「お金を返さない人」
               木村 瑞穂
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 「誰もがうそをついている」(セス・スティーヴンズ=ダヴィドウィッ
ツ、光文社)は、ビッグデータの分析から人間の心理がわかることを教
えてくれた。
 著者はgoogleの研究所でビッグデータの分析と活用について研究する
研究者だ。人間の心理を研究するために、様々な精神分析、夢分析、心
理学的な実験が行われてきたが、ビッグデータの分析はそれらよりも有
効だと著者は主張する。
 著者がまず指摘するのは、SNSへの書き込みとgoogle検索への書き
込みが全く異なることである。例えばSNSに書き込む時には、配偶者
のことは決して悪く書かない。facebookのような実名の場合はもちろん
のこと、匿名のSNSでもまず悪口は書かない。しかし、google検索へ
の入力項目を調べると、配偶者に関連する言葉は、ハゲとかデブとか、
悪口と一緒に検索されることが圧倒的に多いのである。
 似たような事象としては、アンケート調査の回答傾向についてはよく
知られていた。調査員に対面で回答する場合には格好をつけて回答する。
無記名で回答するアンケートでも、似たような傾向が出る。自分自身に
対して格好をつけているのかもしれない。
 しかし、google検索をする段になると、人間の心はそうしたものから
解放されて野獣になるようだ。差別用語の入力も相当にひどいし、性的
な表現も露骨だ。
 本書の分析の中で興味深かったのは、融資関連のサイトへの書き込み
を分析した部分だ。実際にちゃんと返済した人と、問題を起こした人と
では書き込みの内容に大きな特徴があったというのだ。
 借金の返済率の高かった人々がよく使っていた言葉は以下の5つであ
る。
 「負債なし」「税引き後」「学卒者」「低利率」「最低支払額」
 一方、借金の返済率の低かった人々がよく使っていた言葉は以下の5
つである。
 「神」「お返しします」「病院」「約束します」「ありがとうござい
ます」

 著者の分析によれば、「お金を返す人」は、金融知識が高く、返済計
画をきちんと説明できる人で、「お金を返さない人」は、信じてくれ、
神にかけて約束するといった言葉を連発して情に訴える人だということ
だ。「病院」という言葉が出てくるのは、自分自身ないしは家族に病人
が出て、急にお金が必要になったケースだそうだ。そういう場合にも返
済できないことが多いということなのだろう。
 「なるほど」と納得できるし、未来バンクの経験に則しても概ね当て
はまるように気がする。
 未成バンクの運営においても、自分自身の知人との付き合いについて
も役に立ちそうな情報である。
 最後に、この本を読んで気になったのは、私も日々膨大な検索を行っ
ているが、実は裏側でこのような分析を行い、ビジネスに活用しようと
する人がいるということだ。Googleでの検索情報は、検索者の属性とと
もに蓄積され、分析されているのだ。
 私のプライバシーがそのまま開示されることはないとは思うものの、
不気味さは禁じ得ない。
 

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    異常猛暑に考える「富の徴兵」
                岡田 純
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 異常猛暑の夏です。8月分の電気代はとんでもなく跳ね上がりました。
平均値の1.5倍です。いままでほとんどエアコンとは無縁で扇風機だけ
で乗り切ってきました。しかし今年は一日中冷房入れっぱなしという日
が続きましてやむをえなかったのですが、それにしても衝撃の請求額で
した。くそー。
 ところで急に税金のはなしになりますが、最近『金持ち課税(みすず
書房)』という本を読みました。格差の拡大が指摘される中、歴史的に
政府はどのように富裕層に課税してきたのかについて実証研究した本で
す。
 結論から言いますと富裕層にたいする高率な課税が実現したのは戦争
の時だけということでした。20国2世紀にわたって課税情報を収集した
結論が「補償論」に基づく課税。つまり大規模動員で庶民は徴兵されて
いるのだから、金持ちは金を差し出せというわけです。これを当時「富
の徴兵」といったそうです。

 課税における公正と言えばいろいろな考え方があります。たとえばた
くさん払える人はたくさん納税する。一方少ししか払えない人の税負担
はすくなくしてあげるというものです。これを「支払い能力主義」とい
います。しかしそういったいわゆる「理論」は政府を富裕層課税に駆り
立てるものではなかったようです。
 そんな中いまから100年前、1914年以降にいわゆる総力戦時代が到来
しました。戦争により庶民が命を差し出している一方で、生産手段を有
する金持ちは戦時利得つまり不労所得で稼いでいる。だからそれを徴収
セヨというのがいわゆる「補償論」とよばれるもので、これが富裕層課
税を強化する原動力になったということでした。この本の帯にもありま
したが「民主主義は累進課税を選択しない。選択させたのは戦争のみだ
った」のです。
 うーむ、たしかに腑に落ちます。ただこれを最終結論とすると市民が
どんなに怒っても再分配税制で貧困が解決されない、という悲しい結論
になってしまいます。どうしたらよいでしょうか?
 本書の提案としては新しいタイプの補償論を展開してはどうかと書い
ています。たとえば逆進性(低所得者の負担する消費税はとっても痛い
が、高所得者になるほど痛みを感じない)の高い消費税を導入するのだ
から同時に所得税・相続税の累進課税を強めようといった議論です。
 冒頭の電気代に話を戻します。異常猛暑による電力会社の利益は不労
所得なのだから臨時課税をする。こんなことはできないでしょうか。全
国放送だって「命の危険があるからためらわずに冷房を使え」ってそれ
こそ一日中言っていました。本当に2011年のあの節電の夏はどこに行っ
てしまったのでしょうか。
 ほかにもアベノミクスという政策誘導で儲けた投資家には臨時課税す
る。GPIFの資金つまり庶民が積み立てた年金で株価を支える、なんて狂
気の沙汰です。本当はその異常な状態をなくすべきなのですが、それが
できない間はせめてその儲けの一部を社会還元してもらいたいと思いま
す。


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        沖縄ツアーの雑感 
               奈良 由貴
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 9月30日、沖縄県知事選において、辺野古新基地計画に対して明確に
反対を唱えた玉城デニー氏が当選し、翁長前知事の遺志を継ぐ知事と
して、今後の沖縄県政を担っていくことになります。
 大きな争点となった普天間基地移設と辺野古新基地建設の問題も当
然ながら、沖縄県に押しつけている米軍基地の問題は、日米安保条約
というゆがんだ従属関係、不当な地位協定、現政権がなし崩しに進め
ている軍備拡張や憲法改定に至るまで、すべて地続きの日本という国
の問題なのです。
 この夏、台風の合間を縫うように沖縄を訪問しました。ツアーのコ
ーディネイトを2009年に糸満市に「沖縄山 長谷寺」を開創され現地
で平和活動に携われている岡田弘隆さん(江戸川区の泉福寺で住職を
されていた時から平和活動の先達としてお世話になっていた方です。)
にお願いし、現場ガイドを「わんから市民の会」共同代表の赤嶺和信
さんと長堂登志子さんに引き受けていただきました。辺野古埋立ての
現状は、日々埋立て作業の監視活動をしているフォトグラファーの山
本英夫さんにも話を聞くことができました。
 今回のツアー中に見聞きしたトピックスをいくつかお伝えしたいと
思います。

 辺野古新基地埋立て予定地の大浦湾は軟弱な地盤で活断層があるこ
とも指摘されています。試算されている建設費6千億円(1兆円越えと
もいわれている)は全額日本が負担。すでに仮設工事費だけでも契約
変更で59億6千万円から139億6千万円に増大していますが…。
 すでに返還された土地から「ダウ・ケミカル」の刻印がある大量の
ドラム缶が掘り出されています。まぎれもなくベトナム戦争で使用さ
れた枯葉剤のドラム缶であり、基地内のいたるところに埋められてい
るのではないかとのこと。また、普天間基地内に生息しているマング
ースの死骸を検体したところPCBが検出されたとの報告もあります。
治外法権の基地内で何をしようが、誰も何もできない。

※地位協定第4条「合衆国は、この協定の終了の際に日本国に基地を変
換するに当たって、当該基地をそれらが合衆国軍隊に提供された時の
状態に回復し、またはその回復の代わりに日本国に補償する義務を負
わない」

 普天間基地に隣接している普天間第二小学校は、2017年12月の校庭
へのヘリ窓枠落下事件(落下の風圧で飛ばされた小石で児童が負傷)
以降、毎日屋上に沖縄防衛局の職員2名、下に4名を配備。米軍機が飛
び立つと校庭にいる子どもたちに避難指示を出します。子どもたちが
避難した回数は2月から1学期の修了式まで671回。授業中2回も避難す
れば授業自体が成り立ちません。さらに校庭に新たな避難所を建設す
る工事が始まっていました。騒音もすさまじく教室でも授業はたびた
び中断されます。「避難所建設」ではなく「学校の上空を飛ばさない」
ことが何故できないのでしょうか?赤嶺さんが見せてくれた普天間飛
行場の飛行経路を見ると、宜野湾市で米軍機が飛行しないエリアには
米軍関係者の住居やアメリカンスクールがあり、我が身の危険はきっ
ちり回避しています。
 基地と隣接しているので、校庭からボールなどが基地内に飛んで行
ってしまう事もあります。たまにはフェンス近くを巡回している海兵
隊員に投げ返してもらうこともあるそうですが、ある時、基地に入っ
てしまったサッカーボールを返してもらおうと通りかかった海兵隊員
にお願いしたら、ポケットからアーミーナイフを取り出し、ボールに
何度もナイフを突き刺し切り刻んで投げて返されたこともあるとのこ
と。
 これが基地と暮らす現状なのです。

お薦め本
「知ってはいけない‐隠された日本支配の構造」矢部宏治著
「辺野古に基地は作れない」岩波ブックレット
「それってどうなの?沖縄の基地の話。」沖縄米軍基地問題検証プロ
ジェクト


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編集後記 

★さて、新たな「未来バンク」の船出の時が近づいてまいりました。
合併先の「天然住宅バンク」の総会でも、統合についての議案が承認
され、いよいよ来年の2月に現在の「未来バンク事業組合」は生まれか
わります。ということで、このニュースレターも来年の新春号が最後
となります。新制「未来バンク」がどのような情報発信をしていくか
はまだ未定ですが、出資者の方々の大切な志金がどのように運用され
ているのか、融資先の情報や金融関連の話題など、ていねいな情報提
供を行うべく、アドバイザーとしてかかわっていくつもりです。(奈良)

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未来バンク事業組合ニュースレター 
★編集・発行 未来バンク事業組合事務局 
★連絡先 〒132-0033 
江戸川区東小松川3-35-13-204 市民共同事務所「小松川市民ファーム」 
内 
FAX 03-3654-9188、050-5534-3159(留守録用) 
mail mirai_bank@yahoo.co.jp 
URL: http://www.geocities.jp/mirai_bank 
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発行周期: ほぼ 季刊 最新号:  2018/10/21 部数:  514部

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