ベテラン介護福祉士の、現場レポート

『徒労感』に負けない心の安定性が重要。

カテゴリー: 2015年02月25日
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ベテラン介護福祉士の、現場レポート   
2015/2/25  
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介護の仕事をする上で
私が大切だと思っていることを2つ紹介します。

◆『徒労感』に負けない心の安定性。
◆ありきたりの言葉を乱用しないこと。

※基本的に、人手不足がきつくなると
あまり、人を選んでいられません。
細かいことを気にしていられない。
ほとんど「どんな人でも来てくれるとありがたい」
という状況になります。

よって、非現実的な話かもしれませんが
「もしも、人手の不安は無く、ガチで『質の良さ』を求める場合。」
ということです。


前述の1つ目は、いわば「徒労感耐性」。
これは、なかなか身に付かないものです。
ほとんどの人は、長く徒労感にさらされるとネガティブな態度になります。

徒労感は
介護の仕事全般につきものです。
顕著には
トイレ介助の場面で、結局「出ない」となった時に徒労感で苦しみがち。

徒労感に苦しめられても
「感じの良さ」を維持し続ける力が大切です。
ただ、
そう簡単には身にゆきません。
ほとんどの人間は、ネガティブな態度になってしまいます。


2つ目は、いわば「非ありきたり性」。
思ったことをすぐに口に出さない力とも言えます。
これも、かなり難しい。

例えば
認知症の方が、おもむろに廊下など不適切な場所で
排泄動作をスタートさせると
反射的に「ちょっと、何やってんの?」などと語気を強めがちです。

理屈では、
認知症介助のなんたるかを解っている人でも
とっさの場面では
反射的に、ついつい怒鳴ったりするもの。

普段から
「思ったことを、すぐには口に出さない」
という訓練が必要かもしれません。
この能力は、
傾向として男性のほうが得意だと思います。
女性で、特に年配の人は苦手な傾向がある。

この「非ありきたり性」は
裏目に出て、トラブルを誘発することもあり一筋縄ではゆきません。
ある意味
「多少の事故などのリスクをとって、『尊厳』を重視する」という振るまい。

上手くいったケースを1つ紹介します。

◆矢ヶ崎好子さん(仮名:女性80代)
認知症は無しで、クリアー。
社交的な性格で、親しい職員も多い。
車椅子を使用。自力での扱いに慣れている。
日常生活動作は、ほとんど自立。

そんな矢ヶ崎さんが、
ある日から体調を崩して、体に震えがでました。
日常生活動作は、かなり困難になったものの
引き続き自力で行おうとしていました。
転倒などの危険性が高くなっています。

・・こうなると
ほとんどの職員は態度が一変します。
以下のような言葉をかける。

「体が震えているから危ないよ。」
「無理しないで。」
とか、あるいは語気を強めて
「一人でやらないでよ!」
などの声かけが多くなる。

声をかけるスタッフは、
単純に良かれと思って反射的に発言をしていたようです。

危険防止のため、反射的にきつく注意を促している。

そういう状況で
私は、以前と同じように接することを心がけました。
「震え」が出ている矢ヶ崎さんに
あたかも、何事もなかったかのように接した。

その接し方が矢ヶ崎さんには好評でした。
「大濱さん、あなただけだよ。」
などと喜んでいた。

・・・。
一見、美談ですが
あまりオススメできないです。
施設側としては、
「『尊厳』よりも『事故防止』を重視して欲しい」
という事でしょう。

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冒頭で書いた以下の2つの意味は、理解していただけたと思います。

◆『徒労感』に負けない心の安定性。
◆ありきたりの言葉を乱用しないこと。

ところで。

介護業界ではよく以下の表現が使われます。
「介護の仕事は大変ですが、やりがいがあります。」

また
メディアで取り上げられる
介護士のインタビュー発言では、よく以下のようなものが出ます。

「利用者さん(高齢者)の笑顔を見るのが楽しみで。」
「感謝される仕事だから、やりがいがあります。」
など。

このような言説は、どうでしょう?
単に、
「深く考えるのが面倒だから、ありきたりな無難なことを言った。」
というケースが大半だと思います。
だから、
ほとんどの場合、気にすることはないでしょう。

それでも
あまりにも声高に何度も何度も言う人には
私は悪印象を持ってしまいます。
直感的に
「よくない介護士」の可能性が高いと思います。

今日、紹介した2つの観点でアウトだと推測してしまいます。
つまり、以下のような印象を持つわけ。

◆徒労感耐性が弱く、ネガティブな態度を頻発させそうな人。
◆『非ありきたり性』が無く、細やかな対応ができない人。

今日は、以上です。

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発行者:大濱信明

連絡先
oohama@coral.ocn.ne.jp

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