蓄音機を楽しむ!

蓄音機を楽しむ! 第20号

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【第20号】2014/12/09 「 本物の蓄音機の音 」

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☆ 目 次 ☆

■1■ ニセモノ?が欲しい大学助教授 

■2■ 初めてのEMG

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■1■ ニセモノ?が欲しい大学助教授

 ずいぶん昔のことになりますが、まだ私が大阪に住んでいた頃のことです。
問い合わせのメールが入ってきました。読んでみると、「外国に出掛け、蚤の市
でポータブル蓄音機を手に入れたところ、思ったよりも音がよく蓄音機って何て
良いものか、初めて知りました。
―ここまではよかったのです。

 話は続きます。― 実は私は大学の助教授をし
ています。大学の学生たちに、蓄音機の音を聴かせてあげたいと思いました。
出来れば、かっこいいラッパの蓄音機が欲しいと思います。ニセモノでも構わな
いから安くて大きなラッパの蓄音機はありませんか?」という事でした。
 私はこのメールを見て、言葉を失い、しばらく考えた末に返事を出すことにし
ました。以下はメールの内容です。

 メール拝見いたしました。
蓄音機の音を楽しんで折られる由、同じ蓄音機を愛好するものとして嬉しく思い
ます。さて、お問い合わせの蓄音機の件ですが、当社の蓄音機は全てオリジナル
です。ましてやニセモノの蓄音機など扱っておりません。折角、大学生に蓄音機
を見せるのですから、この際ニセモノではなく、本物の蓄音機を見せて上げてく
ださい。
 本物の良さを知らせることが真の教育になるのではないでしょうか。
私の所には、世界中の素晴らしい本物の蓄音機を多数展示しております。
全て調整して、作られた当時の音を再生しています。

 ぜひ、この機会に本物を知っていただきたいと思います。一度大阪へお出かけ
下さい。大阪はイスタンブールよりもずっと近いと思いますが。

 確かにラッパ型は、蓄音機の代名詞になっているほど、良く知られ人気があり
ます。姿だけでなく、音も本物は素晴らしいものです。その人気にかこつけて、
ニセモノが横行しています。
 東南アジアやインドあたりで作られたラッパ型蓄音機のニセモノを時々見るこ
とがあります。音も姿も本物とは全く違っています。

 外国のオークション会社の併設した学校では、毎日、毎日、ただ、ひたすら本
物だけを見せる授業があると聞きました。実に的を射た教育であると思います。
 羨ましいかぎりです。ニセモノをどれほど多く知っていても、何の参考にもな
らず一つの本物さえ見つけることは出来ません。本物を知れば、ニセモノは自ず
と区別できます。本物の素晴らしさとはそういうものではないでしょうか?

■2■ 初めてのEMG

 我が家にはじめて、EMGが来たのは今から30年ほど前でしょうか。乗用車
の後部座席にラッパを乗せて家に持って帰りました。機種はEMGマークナイン。
紙で出来た異様に大きいラッパが印象的でした。
 一般的に蓄音機はゼンマイで回すのが当たり前なのですが、マークナインは電気
コードが付いていため家族に、「電蓄なんか買ってどうする? 」と聞かれたものです。

 EMGとエクスパートの創業者は同じですが、EMGは紙製のシグネットホーン、
かたやエクスパートは紙製のストレートホーンです。ともに蓄音機が電蓄に変わって
いった頃なので、ゼンマイより電気モーターが多く使用されています。

  さて、音を出して聴いてみてビックリしました。
 和室であまり音響的には良くないところで聴いたのですが、ベールを1枚も2枚も
剥いだような疑いのない生々しい音楽がそこから聴こえてきたのです。
 家族は、見慣れないどちらかと言えば恐竜のようなスタイルに、今にもラッパに
呑みこまれそうな気がしたようです。

 私は、それからと言うもの人が来るたびごとにEMGを自慢げに鳴らしたものです。
 一時期、EMGやエクスパートを合わせて15台ほど所有していました。

 興味深いことにEMGは、全てのモデルのホーン差込口が共通なため、大きな
EMGのラッパでも着けることが出来て、大型モデルの音が楽しめます。
 ただ、少しの調整は必要だと思います。

 そういえば、EMGのホーンの取り外しが一苦労。」という相談を受けたことが
ありました。どういう事なのかと、よくよく話を聞いてみるとホーンをグルグル
まわしてはずしたり付けたりする、と言うのです。
 私も実際見せてもらいましたが、即座に「ホーンの取り付け口の金具を少し削ると
よいでしょう。」とアドバイスをしました。
 早速試した彼は、スムーズに脱着が出来るようになり大喜びです。

 さて、上手く入るようになったホーンですが、実はこの話にはウラがあります。
 その当時は、私も気が付きませんでした。というのは、一時マークナインを5台
 持ったことがあって、分かったことなのですが、マークナインは作られた当時
ホーンと本体はピッタリサイズが合っていたのです。

 しかしハンドメイドのため、仕上がりの寸法に多少の違いがありました。
そのためグルグル回さなければならないほどに固いということは、違うラッパを
無理に押し込んだと思われます。
 また、同じマークナインでもラッパを交換するとあきらかに音は変わります。
手作りのため、それほど微妙で優秀なマシーンなのです。
 先ほどホーンを大きなものに換えて多少の調整が必要と言ったのは、このような
理由です。

(林記)

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【発 行】「蓄音機を楽しむ!」会
      http://www.humanrelations.jp/tikuonki/
【発行責任】
 ◎梅本和比己 umemoto@iryo.co.jp
 ◎林 静雄  http://hayashiphone.web.fc2.com/

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◎発行システム:『まぐまぐ!』 http://www.mag2.com/

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