立命館大学生存学研究センター メールマガジン

立命館大学生存学研究センターメールマガジン第17号

カテゴリー: 2013年08月23日
立命館大学生存学研究センター メールマガジン
 2013年8月23日発行 第17号[通巻56号]
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◇立命館大学生存学研究センター
 http://www.ritsumei-arsvi.org/

◇立命館大学グローバルCOEプログラム「生存学」創成拠点ウェブサイト
 http://www.arsvi.com/

■生きて在るを学ぶ──────────────────────────

立命館大学生存学研究センターメールマガジン第17号です。

このメールマガジンでは、本研究センターに関する様々な情報を定期的にお送
りしていきます。

□目次────────────────────────────────

1 生存学研究センターの新しい「顔」(9) 小川さやか
2 若手研究者研究力強化型 プロジェクト紹介(9)
3 研究センター関連の刊行物・書籍
4 開催報告(1)「国際共同研究会」
5 開催報告(2)「第3回アフリカ・セミナー」
6 研究センター関連イベント

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【1】生存学研究センターの新しい「顔」(9) 小川さやか
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生存学研究センターでは生存学のさらなる発展に向けて新たなスタッフを迎え
入れています。今回は本研究センター運営委員小川さやかのメッセージを掲載
します。

息苦しさを感じたとき、「もしお金がなかったら」「もし時間がなかったら」
といったSF的な世界や、様々なことがあべこべになる世界を妄想するのが好
きでした。文化人類学を学んで驚きました。貨幣のない社会は存在した!未来
に向かって均質な時を刻む時間の観念は普遍的なものではなかった!この広い
世界には私の常識を相対化してくれる、多様な文化やしくみが存在する。なん
て素晴らしいことだろう。この感動が文化人類学を研究する私の原動力です。

博士論文では、タンザニアの路上商人の商世界を狡知を切り口に多角的に明ら
かにしました。その後、はったりやごまかし、逆切れといった瀬戸際の行為・
実践に関する研究や、中古品や模造品の交易に関する研究、ストリートの政治
化に関する研究、ゴシップや噂・都市伝説の研究などにテーマを広げてきまし
たがインフォーマルな実践、モノやメディアを扱っている点では共通していま
す。

フォーマル化や制度化が未来を志向し不確実性を縮減する動きであるのに対し
インフォーマル化は基本的に現在に根差し不確実性を資源とする動きです。私
はこのふたつの動きは必然化と偶然化、条理化と平滑化といったベクトルを調
節し社会の弾力性を生みだすうえで不可分の関係にあると考えていますが、い
かにフォーマル化するかばかりが議論され、その逆は無視されがちです。いま
この場を生きぬくうえで妨げとなる制度や条件を無化し、異質なものを取り込
みながら拡張するインフォーマルな世界は混沌としていますが、シンプルで強
力な生命力を備えています。この生命力の根源を明らかにしたいのです。

◇関連リンク
 小川さやか
 http://www.arsvi.com/w/os05.htm 
 
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【2】 若手研究者研究力強化型 プロジェクト紹介(9)
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本研究センター・若手研究者研究力強化型プロジェクトより「<精神と生存
実践>研究会」をご紹介いたします。以下、本学大学院先端総合学術研究科の
桐原尚之( http://www.arsvi.com/w/kn05.htm )による紹介です。

本研究は、精神障害者の生存の実践から生存の技法を体系化すべく基礎資料の
集積を目的とする。具体的には(1)無実の元死刑囚・赤堀政夫さんの介護の
方法と技術に関する基礎資料の集積と(2)医療観察法にかかわる文献抄録の
集積という2つの作業に着手する。

(1)赤堀さんは、1954年に逮捕され、1988年に無罪で釈放されたが、以降、
運動においては過去の存在であり、死刑存廃論においては論述の客体であり、
死刑囚としては助かった人となった。しかし、赤堀さんはまず人間であり、生
活に介護者を要してきた。そうした介護実践を通じて得られた見地からは、無
実の元死刑囚・赤堀さんの介護の方法と技術―死刑囚の介護―という営為を知
ることができる。

(2)精神障害と加害性を巡っては、議論の絶えないものであり、その一環で
ある医療観察法は、今年で施行10年目を迎える。そこで基礎資料として、医療
観察法を巡る文献を抄録に収め、一覧にした文献抄録集を作成する。

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【3】 研究センター関連の刊行物・書籍
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上野千鶴子 2013/6/30、『〈おんな〉の思想――私たちは、あなたを忘
 れない』、集英社インターナショナル、301p.

以下、著者である本センター運営委員、上野千鶴子
( http://www.arsvi.com/w/uc01.htm )による紹介です。

ひさびさにフェミニズムの直球本を出した。第1部「<おんなの本>を読みな
おす」、第2部「ジェンダーで世界を読み換える」。扱ったのは、第1部に5
人の日本女性の著書(森崎和江、石牟礼道子、田中美津、富岡多惠子、水田宗
子)、第2部に6人の外国人の著書(フーコー、サイード、セジウィック、ス
コット、スピヴァク、バトラー)。

自分でいうのもなんだが、力の入った本になった。「わたしの血となり肉とな
ったことばたち」――そう呼びたい。自分の理論や思想の骨格をかたちづくり
血肉の一部になってしまったものを、どうやって自分から分離してそれと示す
ことなどできようか。思想も理論もその多くは他人からの借りものだが、借り
ものであることを恥じるに及ばない。

もんだいは誰から、いかに、借りるか、ということだ。そして借りたらそれを
いかにわがものとするか、なのだ。その中には外来の思想もある。輸入学問、
と批判するひとたちには、スピヴァクの次のことばで答えたい。「ジェンダー
は日本のおんなたちにとって外来語ではないのか?」という問いに介入して、
彼女はこう言ったのだ――「誰のつくったものであれ、使える道具はどんなも
のでも使えばよい」と。

◇関連リンク 
 『〈おんな〉の思想――私たちは、あなたを忘れない』書籍ページ
 http://www.arsvi.com/b2010/1306uc.htm
 
 フェミニズム(feminism)/家族/性…ページ
 http://www.arsvi.com/d/f03.htm

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【4】開催報告(1)国際共同研究会
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2013年7月11日、共催企画として「京畿大学校大学院社会福祉学科・立命館大
学大学院先端総合学術研究科 国際共同研究会」が開催されました。以下、本
学大学院先端総合学術研究科の安孝淑(アン・ヒョスク
http://www.arsvi.com/w/as10.htm )による紹介です。

2013年7月11日、本学先端総合学術研究科を京畿(キョンギ)大学校大学院社
会福祉学科からチョ・ウォンイル教授、キム・ウク教授と約20人の大学院生が
訪問しました。

京畿大学には、国際研究交流として、2011年7月に立岩真也教授と院生が訪問
したことがあります。今回は京畿大学側を招待し、生存学書庫で研究交流を行
いました。西成彦センター長の挨拶に続いて、立岩教授が先端研の紹介や特徴
を説明しました。韓国側が投げかける日本の生存学に関する質問に応答する形
で行われた今回の交流では、立岩教授が主に回答者となり、日本の院生からも
発言がありました。

質疑内容は、日韓の老人福祉、障害者差別禁止に関連する法律、ユニバーサル
デザインなどで、生存学を巡って幅広い研究交流ができました。限られた時間
で深い議論までは至りませんでしたが、日韓の制度や、学術上の情報を交換し
ながら理解を深めるきっかけとなりました。今後も障老病異と共に暮らす世界
のために更なる交流を期待します。

◇関連リンク 京畿大学校大学院社会福祉学科・立命館大学大学院先端学術総
合研究科 国際共同研究会
 http://www.arsvi.com/a/20130711.htm

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【5】開催報告(2) 第3回アフリカセミナー「目の前のアフリカ」
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今年度、生存学研究センターでは、「目の前のアフリカ」と題した月例セミ
ナーを開催しています。その第3回目を、2013年7月19日(金)に開催しまし
た。『ルムンバの叫び』の上映会とあわせ、本センター運営委員の渡辺公三が
ルムンバが活躍した当時のコンゴの状況について、レクチャーをおこないまし
た。本学衣笠総合研究機構専門研究員、石田智恵
( http://www.arsvi.com/w/ic03.htm )による紹介がwww.arsvi.comに掲載さ
れています。ご覧ください。

http://www.arsvi.com/a/20130719.htm#3

◇関連リンク 生存学研究センター・アフリカセミナー
 http://www.arsvi.com/d/a14.htm

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【6】研究センター関連イベント
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□センター主催企画:--------------------------------------------------

生存学セミナー2013

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日時:2013年8月31日(土)10:00-12:00

会場:キャンパスプラザ京都 第4講義室
http://www.consortium.or.jp/contents_detail.php?frmId=585
   
参加:参加費無料・事前参加申し込み不要

◇企画概要
生存学のアウトリーチ活動である「生存学セミナー」。2013年度は「出生前診
断の技術と倫理」をテーマに、お二人に講演をしていただきます。

主催:立命館大学生存学研究センター

◆司会:
松原洋子(立命館大学 http://www.arsvi.com/w/my06.htm )

◆プログラム:
10:00-10:15:開会挨拶(松原洋子)
10:15-11:00 講演1・質疑応答 張香理(認定遺伝カウンセラー)
「出生前検査の現状について――認定遺伝カウンセラーの立場から」
11:00-11:45 講演2・質疑応答 利光惠子(本センター客員研究員) 
「出生前診断をめぐる論争――受精卵診断を中心に」
11:45-12:00 閉会挨拶(松原洋子)

◇関連リンク  利光惠子 http://www.arsvi.com/w/tk12.htm

 生存学セミナー2013 
 http://www.ritsumei-arsvi.org/news/read/id/525
 http://www.arsvi.com/2010/1309.htm#0831

□センター主催企画:--------------------------------------------------

「生存学と文学」研究会 × 「障害学」研究会 コラボ企画
「隔離される生命/表現する身体――障害当事者の共同体と文学をめぐって」

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日時 2013年9月2日(月)14:00-18:00

会場 立命館大学 朱雀キャンパス多目的室(大)
http://www.ritsumei.jp/accessmap/accessmap_suzaku_j.html

参加無料、事前申し込み不要

◇企画概要
本研究会は文学に描かれた「ままならない身体」をめぐり、戦争の記憶、トラ
ウマ、ジェンダー、刑罰執行など様々なテーマをこれまで考察してきました。
この度の企画では日本近現代文学・障害者文化論を専門に研究されている荒井
裕樹さんをお招きし、著書である『障害と文学――「しののめ」から「青い芝の
会」へ』(現代書館)および『隔離の文学――ハンセン病療養所の自己表現史』
(書肆アルス)を出発点として、「ままならない身体」について議論を行いま
す。障害当事者による文学活動の歴史と表現内容に焦点を当てることで、文学
と障害学という双方の学問領域を架橋し、発展的な問題意識を形成することが
本企画の目的です。

主催 立命館大学生存学研究センター

◇関連リンク 
 荒井 裕樹 http://www.arsvi.com/w/ay08.htm
 
 「生存学と文学」研究会×「障害学」研究会 コラボ企画
 http://www.arsvi.com/2010/1309.htm#0902

□センター主催企画:--------------------------------------------------

iPS・ES細胞と生殖技術――その学問的成果・技術的有用性・倫理的問題

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日時:2013年9月16日(月祝)13:30-17:00

会場:立命館大学 衣笠キャンパス 創思館カンファレンスルーム
http://www.ritsumei.jp/campusmap/map_kinugasa_j.html

参加:参加費無料・事前参加申し込み不要

◇企画概要
生存学研究センター若手研究者研究力強化型プロジェクト「出生をめぐる
倫理」研究会では、9月16日に明治学院大学教授の柘植あづみさん
( http://www.arsvi.com/w/ta03.htm )と京都大学CIRA(iPS細胞研究所)
准教授の八代嘉美さんを講師としてお迎えし公開シンポジウムを開催します。
連環的に進行する生殖技術と再生医療の現状と未来を見据えた活発な議論を
期待しています。

主催:「出生をめぐる倫理」研究会・立命館大学生存学研究センター

◇関連リンク 
 公開シンポジウム iPS・ES細胞と生殖技術
 http://www.ritsumei-arsvi.org/news/read/id/526
 http://www.arsvi.com/2010/1309.htm#0916
 
 生存学研究センター報告 『出生をめぐる倫理――「生存」への選択』
 http://www.arsvi.com/b2000/0912sh.htm

□センター共催企画 ─────────────────────────

一般公開シンポジウム「「当事者」だからこそ語れること、語れないこと
 ――「当事者」という概念の再考に向けて」

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日時 2013年9月1日(日) 12:30-14:30

会場 立命館大学 衣笠キャンパス創思館カンファレンスルーム
http://www.ritsumei.jp/campusmap/map_kinugasa_j.html
参加 参加無料・事前申し込み不要(定員138名)

◇企画概要
8月30日(金)~9月1日(日)に本学衣笠キャンパスを会場として、日本質
的心理学会第10回大会が「温故知新――きっと新しい径路が見える」をテーマと
して開催されます。本研究センターでは、大会会期中の9月1日(日)に、日
本質的心理学会との共催として、作家の大野更紗さん(『困ってるひと』著者
)、水月昭道さん(『高学歴ワーキングプア 「フリーター生産工場」として
の大学院』著者)らをお招きした一般公開シンポジウムを行います。

共催 日本質的心理学会・立命館大学生存学研究センター

【お願い】──────────────────────────────
生存学ウェブサイトでは、アクセシビリティの向上に日々努めています。
表示が見にくい、分かりにくいなど、お気づきの点がありましたら、ご意見を
以下のアドレス宛にお寄せいただければ幸いです。よろしくお願いします。
宛先: webmaster@arsvi.com

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■発行者:立命館大学生存学研究センター センター長 西 成彦
〒603-8577京都市北区等持院北町56-1
TEL: 075-465-8475       FAX: 075-465-8342
E-mail: ars-vive@st.ritsumei.ac.jp

■編集担当:近藤 宏・小門 穂
http://www.ritsumei-arsvi.org/contents/read/id/18
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