ピースあいち・メールマガジン

ピースあいちメールマガジン6号をお届けします。

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ピースあいち・メールマガジン          [第6号]  2010/5/25
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「ピースあいち」の建物をどんなものにしようか検討していた時、当時ガーデ
ニング熱に浮かされていた私は「花壇を作って!」と、希望を出しました。が、
すげなく却下。沈丁花が植えられることになりました。でも、今、「ピースあい
ち」は花でいっぱいです。沈丁花が枯れた後にバラを植えたり、プランターの
花を持ってきたり、高級な肥料をあげたり。全部、ボランティアさんが自主的
にやってくださっています。「やっぱりピースあいちのボランティアさんは素敵
だわ」と、花を見ても思うのです。今号も盛りだくさん!    (ゆ) 
 
<内容・目次>
◆これからの催し◆
◆楽しかったピースまつり◆
◆事務局長から◆「ひめゆり平和祈念資料館」のみなさんと再会
◆大学生ボランティアが作った「ピースあいち」英文パンフレット◆
◆日韓高校生平和特派員一行の来館◆
◆特別展「名古屋空襲を知るーいま平和を考えるために」感想記◆
◆ボランティア雑感◆
◆所蔵品から◆資料ナンバー7170 陸軍の書類の話
◆常設展示から◆靖国の子ども
◆来館者の感想◆日韓高校生平和特派員のアンケートから
 
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◆これからの催し◆
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■開館3周年特別展「名古屋空襲を知るー今、平和を考えるために」
 5月18日(火)~7月17日(土):3階展示場
名古屋空襲から65年。あの悲惨な戦争の記憶と記録が人々の脳裏から消えかか
る年月が過ぎました。しかし、今なお、この地球上には戦火が絶えず、日々空
爆におびえる人々がいます。改めて、65年前の「名古屋大空襲」の実態を知り、
空爆の歴史的な背景や現代の戦争を問い直します。いま、平和を考えるためにー。
 第1展示「名古屋空襲の実態」
     市民の生活の場と爆撃という戦闘行為をつなぐ環―それがまちのな
     かにとりこまれた軍需工場でした。なぜ名古屋のまちに爆弾が降り
     注いだのか。その下で、人々はどう過ごしていたのか。子どもたち
     はどこにいたか。個人の手記と米軍の作戦任務報告書などから、そ
     の実態に迫ります。
 第2展示「空襲の歴史」
     ドイツ軍によるゲルニカ爆撃、日本軍による重慶爆撃そして米軍に
     よる東京・名古屋など日本への爆撃にいたる無差別爆撃の歴史的経
     緯をたどります。重慶爆撃の位置づけと爆撃下のまちの状況を詳述
     し、また、爆撃に使われた軍用機・爆弾等の製造について、東海地
     区の関わりも明らかにします。
 第3展示「現代の空襲」
     第二次世界大戦後も朝鮮、ベトナム、中東など、世界の各地で行わ
     れた空襲の概要と大国が開発した枯れ葉剤、劣化ウラン彈、クラス
     ター爆弾などの非人道的な兵器の開発状況をとりあげます。一方で、
     残虐兵器の使用禁止条約を推進する市民運動や、核のない世界をめ
     ざす動きも紹介します。

<期間中の企画>
★6月5日(土)午後1時30分~ 
「空襲体験を語る」杉山千佐子さん
  3月24日深夜の名古屋空襲で重傷を負い左目を失う。全国戦災傷害者連絡
  会の会長として援護法の制定と被害調査を政府に求める運動をしている。
★6月12日(土)午後2時~
 講演会「空襲の思想(仮題)」前田哲男さん
  ジャーナリスト・軍事評論家。専門は軍事・安全保障論。沖縄大学客員教
  授。アメリカの軍事戦略に平和主義の立場から警鐘を鳴らしている。
★6月19日(土)午後4時30分~
「大泉その枝・詩と交流の夕べ」―「沖縄慰霊の日」(6月23日)企画
  沖縄国際大学在学中に普天間飛行場の米軍ヘリが大学内に墜落する事件を
  目の当たりにし、「楽園」といわれる沖縄の現実を突きつけられる。1年の
  フランス留学。さまざまな情勢下で生きる人々との出会いの中で、限りあ
  る命や世界の惨状について考え、あふれ出す思いを詩や絵本にし始める。
★7月10日(土)午後4時30分~
 朗読劇「あの夏の空に届け」
  南山国際高校生徒・保護者のみなさんによる、名古屋空襲・中国重慶の空
  襲、広島原爆等の証言、手記、詩で構成した朗読劇です。
           
■映画上映会(映像による学習会)■
ピースあいちでは、毎月第2土曜日の午後4時30分から映画上映会(映像によ
る学習会)を開いています。参加費は無料です。
6月の上映会は
  6月12日(土)午後4時30分から1階交流ホールで
「ひめゆりの塔」(1995年)
  監督/神山征二郎 出演/沢口靖子、後藤久美子、中江有里、高島政宏、
  酒井美紀、大路恵美          
第二次大戦中、可憐にして逞しく生きたひめゆり部隊の少女たちの、悲しい青
春を描いたドラマ。
 那覇と首里の中間に位置する沖縄師範学校女子部と沖縄県立第一高等女学校
は、「ひめゆりの学園」と呼ばれていた。昭和19年7月、本来ならば夏休みを
実家で過ごすはずの生徒たちは激しくなる戦争に備え、皇国臣民の責務を果た
すため再び学校へ召集された。傷ついた戦士たちを看護する従軍命令をうけた
生徒たちは、ひめゆり学徒隊として戦地へおもむくこととなった。
〔上映時間 121分〕

■ピースあいちの見学とあわせて、お近くでのランチや平和公園散策はいかが?     
 「ピースあいち」の近くには、豊かな自然の残る平和公園があります。家族
でお仲間で、「平和公園散策(1時間半から2時間)→ピースあいち見学」のコ
ースはいかがでしょう。詳しくは事務局におたずねください。
○自然が残る南部緑地は・・・
 アカマツやクロマツなどの針葉樹、コナラやアベマキなどの落葉広葉樹、ソ
ヨゴやヒサカキなどの常緑広葉樹の混合林で、さまざまな種類の野鳥が生息し
ています。渡り鳥の休息地にもなっています。
○戦争遺跡を巡る北部地域は・・・
 空襲によって大きな被害を受けた名古屋市街を改造するために、「復興都市計
画」でつくられた墓園です。戦争の記憶を伝える平和堂、徳川宗春・大原幽学
など移転前の墓地で被爆した傷跡を残す墓石、陸軍墓地やロシア人墓地も・・・。

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◆楽しかったピースまつり◆               熊本 亮子
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 好天に恵まれたゴールデンウィークの5月1日、2日、「ピースまつり」が行
われ、多くの来館者で賑わいました。
 
 初日のオープニングで野間美喜子館長は、開館以来3年間の協力を感謝し、
これからの抱負を述べました。続いてアンサンブルボヌールのコンサートが館
内に響き幕開け。前庭では昨年同様に沖縄物産と産直野菜の店がオープンし、
色とりどりのグッズが並ぶフェアトレードコーナーでは皆さんカフェで一息。
3階のバザーは大人気。両手に紙袋を提げ活動PRコーナーで足を止めて担当者
の説明に耳を傾ける方たち。また、おもちゃ病院や子ども広場、絵本読み聞か
せは、子どもたちの笑顔であふれていました。
 
 2日目のスタートはお待ちかねの「ペガサスちちバンド」コンサート。お父さ
んを応援する家族の様子が印象的でした。
 午後には「名古屋空襲を伝える作品」の表彰式が行われました。「私の町千種の
空が焼かれた日」を歌う合唱団のコーラスで始まり、天野鎮雄賞、丹羽和子賞、
山下千恵子賞が6人の方に授与されました。また、応募者全員に館長賞として
記念品が渡されました。
 
 来館者の方から後日いただいた感想に、「とてもアットホームな雰囲気がよか
った」「戦争と平和の資料館というと敷居が高いと思っていたが、家族で訪れる
のに入りやすい催しだった」といったものがありました。また、2階の展示をじ
っくり見学する若い世代の方も多く見受けられました。
 入館無料とした2日間で来館者は約400名。スタッフを含めると450名ほど。
カンパもたくさんいただきました。
 準備期間を含めバザー品の提供や当日スタッフなどで、たいへん多くの皆さ
まにご協力とご協賛をいただきましたこと、心よりお礼申し上げます。
 
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◆事務局長から◆「ひめゆり平和祈念資料館」のみなさんと再会
                            宮原 大輔
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 さる4月28日に「ひめゆり平和祈念資料館」の本村理事長はじめ学芸員・職
員4名のみなさんを「ピースあいち」にお迎えしました。
 高浜市のかわら美術館で開催中の巡回展「ひめゆり 平和への祈り」展記念
講演会「トーク&ミニコンサート」のために来名された皆さんがスケジュール
の合間をぬって来館いただいたものです。当方からは館長はじめ約10人のスタ
ッフがお迎えしました。懇談のあと、館内を見ていただきました。
 
 ピースあいち開館1周年企画展のテーマは「沖縄」でしたので、事前学習旅
行で「ひめゆり平和祈念資料館」を訪ねてスタッフのお話をお聞きしました。
また、「南風原文化センター」からはひめゆり学徒に関連する遺品類の資料をお
借りして展示しました。その際のスタッフの方との再会にもなりました。
 「ひめゆり平和祈念資料館」は終戦後40数年を経た1989年の6月23日に開
館し、昨年開館20年を迎えました。開館以来、年間の平均入館者は約80万人、
総計1650万人が訪れています。
 
 巡回展ガイドブックの最後に次のような文章があります。
「沖縄戦から生き残った私たちは自らの体験を語り戦争のむごさ、平和の尊さ、
命の大切さを訴えつづけてきました。戦争の実相を伝えることが亡き師・亡き
友への鎮魂につながると信じてきたのです。私たちの体験を知ったあなたが次
の世代につないでくれることを願ってやみません」
 
 あれから65年。ひめゆり学徒の戦争体験と平和への思いを次世代に引き継い
でいくのかが重要な課題になっているそうです。そのために証言人が説明しな
くても理解してもらえるような展示の見直しや、さらに元ひめゆり学徒の生存
者が中心となった資料館の運営や活動そのものを次世代に引き継ぐなど、世代
交代を意識しながら取り組んでおられるそうです。
 「ピースあいち」も戦争の体験を継承していくという課題において、「ひめゆ
り平和祈念資料館」の取り組みは大いに学ぶことがありそうです。
 
 当日は午前中に来館され、午後の飛行機で沖縄に帰られるというあわただし
いスケジュールでしたので、ひめゆりのみなさんはお疲れになったのではない
かと案じています。
 なお、高浜のひめゆり展は5月16日に終了し、巡回展は今後以下の予定で開
催されます。
5月29日~7月11日  長野県立歴史館 
7月21日~9月5日   三重県四日市市立博物館 
9月19日~10月24日  水戸市立博物館 
11月16日~12月26日 大阪人権博物館(リバティおおさか)

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◆大学生ボランティアが作った「ピースあいち」英文パンフレット◆   
                             坂井 栄子
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 「ピースあいち」の展示の説明には、英語表記のものがありません。「外国人
向けに英語パンフレットがあった方がいいのではないか」と考えられた名古屋
市立大学の平田雅己先生は、受講している学生に呼びかけました。この呼びか
けに対して名市大、愛知県立大学、中京大学、椙山女学園大学の学生たち20数
名が集まり、2009年1月から毎月1回の会合を開いて、英文パンフレット作成
に取りかかりました。
 「ピースあいち」「立命館平和ミュージアム」の見学が終わり、この学生たち
のボランティアグループの名称がPATH「Peace Aichi Translators with Hope」
と決まった時点で、学生の手による会の進行、運営となりました。

 最初に「ピースあいち」の展示ブロックを4つの班に分けて行うことになり、
班ごとに議論を重ねて、終盤は何度も話し合いをしたと聞いています。
 パンフレット完成後に寄せられた学生たちの感想文によると、「ゼロからのス
タート」で常に手探り状態であったと述べ、一番難しかったことは、単に英訳
するという作業だけではなくて、「さまざまな人々の想いや考え方を集約しなけ
ればならない」ということだったそうです。「展示パネルの中からパンフレット
に載せる内容を絞り込む必要」がとても重要であったとも。「自分たちが日本人
として知っていることでも、外国人の目線で考える」ことが勉強になったとい
う意見もありました。

 第4展示を担当した学生は「この活動を通じて、再確認したことは、今の日
本みたいになんとなく安全が続いている国に住んでいる私たちは『幸運』で、
今も続く戦争で命を落とした人や15年戦争で命を落とした日本人は『不運』と
いう言葉で片付けられてしまってはいけないということでした。・・・・・犠牲
者たちの死から私たちが学べることは、「繰り返さない」ということだと思いま
す。・・・・・戦争を経験していない若い世代、つまり私たちがこの意思を継承
していくことの意義をこの活動から学びました。」と述べていて、「ピースあい
ち」の理念をきちんと理解してくれたことをうれしく思いました。
 
 彼らなりに考えて、第2展示や第4展示で「ピースあいち」の展示にはない
文章を追加して英訳している点に注目したいです。特に第4展示では冒頭に
「平和」とは何かという問いかけがあり、現在の平和学では「平和とは暴力の
ない状態」であるとして、暴力の種類を図解しています。
 資金集めのために、模擬店やフリーマーケットをしたり、バイトや就活で活
動が制限される中でこのような素晴らしい英文パンフレットを完成させた学生
たちのパワーに感動させられました。
 
 PATHの活動をパンフレット作成で終わることなく、新しいメンバーも募集し
て今後も活発に活動を進めていく予定とのこと。もちろん、このパンフレット
の活用方法も検討されるはずです。ネイティブチェックをしてもらい、校正を
何度もしてもミスはつきもので、まずはその作業がありますね。
 進行が学生の手に移った時点で「ピースあいち」スタッフは時々、会議へ参
加するだけでしたが、若い人たちからエネルギーをもらうことはいいものです。
 この活動に興味を持たれた方は下記までご連絡ください。
  連絡先:PATH代表  中村 萌さん et-chandon@live.jp 
                                                                    
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◆日韓高校生平和特派員一行の来館◆           熊本 亮子
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 5月4日(火)午前、愛知県の高校生と韓国全州市の韓国伝統文化高校生28名
が「ピースあいち」へ見学に訪れました。この一行は平和を考えるという目的
をもって両国を行き来し交流を続けています。今年も南山大学で行われた高校
生フェスティバルに参加した翌日に、顧問の東海高校国語科・久田光政先生に
引率され、1時間半ほどをかけて見学していきました。

 この予定は5月1日夕方に急遽連絡が入ったのですが、ガイドを石原さんが
快く引き受けてくださいました。
 日本語のわかる韓国の先生が通訳をしながら、といういつもとは様子の違う
ガイドになったのですが、石原さんの熱の入った話に韓国の高校生たちも聞き
入っていました。

 ピースあいちに外国からのグループが訪れる!これはひょっとしたら開館4
年めにして初めてのこと!!
 日本から韓国へ訪問すると、さまざまな加害の側面を歴史展示館などで知る
ことになります。ピースあいちの展示やガイドを通して、日本の多くの市民が
平和を大切にしていきたいと思っていることを伝えられるのでは、と感じます。
高校生たちが交流を通して友達を作り、互いの理解を深めていく一助になった
とも思います。
 つい先日、英訳パンフができ上がったところ。次は韓国語パンフを、と期
待します。 

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◆特別展「名古屋空襲を知るーいま平和を考えるために」感想記◆
                            林 和子
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 “鳥のように大空を自由に飛びたい”という夢をのせて発明された飛行機が、
戦闘機となって、まちを破壊し無数のいのちを奪っていった。・・・・特別展「名
古屋空襲を知るーいま平和を考えるために」の紹介と感想記です。
                                  
 焼けただれ、ぽっかり穴のあいた天井。3階展示場入り口につるされている。
 1945年3月11日深夜から12日未明にかけて、アメリカのB29爆撃機による
空襲で焼夷弾が投下され、屋根を貫き天井を貫通し、畳に落ちた中川区五女子
の民家から寄せられた。
 ―名古屋のまちに爆弾が降ってきたー空襲が戦いの現場である「前線」と日
常生活の場である「銃後」の境界を消し去った。そのむごい実態を個人の日記・
手記と米軍の作戦任務報告書から読み取れる米軍部隊の動きを時系列で対比さ
せながら「運命の一日・3月12日」そして「6月9日の惨劇」を再現している
「名古屋空襲の実態」。
“なぜ、名古屋に?”を問いながら・・・。

 そして、「鳥のように大空を自由に飛びたい」とライト兄弟による飛行機発明
からわずか9年後の1911年、伊土戦争でイタリアがリビアに対し世界で初めて
空爆を行い、スペイン(ゲルニカ)、重慶、東京、大阪、名古屋そして広島、長
崎へと無差別爆撃である空爆が、戦争の主流になっていく歴史が明らかになっ
ていく。
 ナパーム彈、枯れ葉剤、ボール爆弾が降りそそがれたベトナム。イラクやア
フガニスタンでは、遙か遠方のテレビ画面を見る兵士の1本の指が操作する無
人攻撃機で、劣化ウラン弾、バンガーバスター彈などによって一瞬のうちにま
ちと人々の暮らしを破壊している。「殺戮を意識しない戦争」。その安易さ、恐
ろしさが読むものに迫ってくる。

 ソーラー発電システムや電波吸収材など生活用品として開発された電子部品
が軍事目的に境目なく使われ、指1本で「兵士なき戦場」をつくりだしてきた。
しかもそれらは、同じ生産ラインでつくられている。戦争中、軍需工場・飛行
機産業のメッカだった名古屋周辺。いまも、三菱重工業、川崎重工の拠点工場
があり、自衛隊の小牧基地は、各務ヶ原基地と結んで、最新軍用機、ミサイル
防衛開発を日米共同で研究する拠点となっており、日米安保のもと、戦時にす
ぐ対応できる仕組みになっているという。
 名古屋・愛知は世界の戦場とつながっている。

 最後の展示は、イラク派兵差し止め訴訟など、この地域の人々が、世界の戦
場とつながりながらも、平和をもとめるメッセージを強く発信してきたこと、
世界の平和をもとめる運動が、「核なき世界」へ、核軍縮の新たな動きへと大き
く世界を揺るがし始めていることが希望をもって書かれている。「空から爆弾を
落とす思想を過去のものとするため」の強い決意が伝わってくる。

 最近、防衛省が無人偵察機の導入や運用態勢を検討するための海外調査をす
ることを発表した。103億円もの巨額の税金を投じて開発してきた無人偵察機
の実証研究にふみだすというのだ。この国は、いったいどこへ向かおうという
のだろう。
 いま、日本における米軍の基地問題から日米安保条約、5月18日に制定され
た国民投票法など、基地の恒久化、憲法改悪の動きをやめさせ、憲法を守る・
9条を守るために、いまを生きる一人としてできることを積み重ねていこうと、
あらためて思う。
 この展示の一文一文に込められた作業グループの方々の議論や想いを聞きな
がら、もう一度、じっくり丁寧に見たい、内容深い特別展です。

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◆ボランティア雑感◆「伝えたいこと」           伊藤 みお
********************************************************************** 
 学校の授業で史実を覚えるだけでは、その出来事の中身を知ることはできま
せん。私たちの想像力は乏しく、戦争という出来事の中で私たちのような庶民
の身に起こったこと、どんな悲しみ、辛さ、痛みがあったのか見当もつきませ
ん。

 まだまだ足りませんが、そんな想像もできないような事実を知るために、子
どもと一緒に、体験した方々のお話を聞いたり、資料館や戦争展へ行ったり、
映画や本を見て勉強をして(子どもには「させて」)います。

 今の穏やかな生活の元には、辛い過去、現在の貧困や差別・格差があること
を想像しながら、人の悲しみを悲しいと思えること、命を大切にすること、痛
みをわかろうとして思いやれる人になりたい(なって欲しい)と思います。

 でも、友人の中には、そんなことには何も興味を持たず、自分の子ともたち
の未来も何も心配していないお母さんたち --- 映画「火垂の墓」は子ともに
見せるのがかわいそうで見せられない。でも、バッタバッタと人を倒していく
ゲームを平気で遊ばせている人たち --- もいて、そんな人たちにも伝えたい
なかなか言葉が見つからず、思い切って声をかけることもできないのがもどか
しく、恥ずかしく思っています。どうしたらいいのでしょうか?

 1つだけ積極的にしていることは、沖縄のことやアフリカのこと、平和や命
の大切さについて歌っている人たちもたくさんいらっしゃるので、そんな中か
ら自分のお気に入りの曲を友人に奨めて、考えるきっかけにしてもらえるよう
に仕組んでいます。

 こういう場所をいただき、なんだか取り留めの無い文章になってしまい恥ず
かしいのですが、常日頃思っていても言葉にはしてきていなかったので、思い
をまとめることができました。ありがとうございました。

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◆所蔵品から◆資料ナンバー7170 陸軍の書類の話             資料班
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 軍隊では、鳩を飼っていました。
通信用です。
今回は、軍用鳩の訓練に関する書類です。

 1936年(昭和11年)の7月と8月の穩城守備隊の記録です。
穩城という地名は、現在も朝鮮民主主義人民共和国の北の端にあります。
近くにある豆満江という川が国境になっています。
現在の地名だと朝鮮民主主義人民共和国と中国(吉林省)の間を流れています。
当時は、日本に占領されていた朝鮮と「満州国」の境でした。

 鳩に関する書類は3つ。7月の「鳩通信班日報」と8月の「軍用鳩訓練予定表
」、そして「訓練進度景況要図」です。
 7月の「日報」によると鳩班もしくは鳩通信班の人員は3名。将校、下士官、
兵が一人ずつです。鳩は、64羽。鳩舎鳩60羽、往復鳩4羽、夜鳩0羽です。鳩
の中にも、往復の道を飛べたり、夜間飛行できたり、特別な技能を持ったもの
がいたようです。
衛生・繁殖の欄はほぼ空欄。「一般に健康にして病鳩を見ず。良況なり。」
みんな健康。7月には、卵や雛はいなかったようです。
訓練の成績は、「失踪未帰来等無く良好なり。」
 8月の「軍用鳩訓練予定表」を見ると、9回の訓練が予定されています。出張
人員は毎回1名。3人のうち誰が訓練地まで鳩を連れて行ったのでしょうか。
 「訓練進度景況要図」は、穏城からの距離を同心円で表した地図になっていま
す。
鳩は穏城に向かって飛んで帰ります。

 鳩以外の書類も一緒にあります。隊員の食べ物に関するものです。
数字が漢字でしかも縦書き。単位はグラムやキログラムなのですが、これも漢
字で瓦(グラム)・瓩(キログラム)と書かれています。(そういえば鳩の訓練
の書類ではキロメートルを漢字で「粁」と書いています。)
 「副食物見積り決定表」(いろんな食材の単価がリストになっています。)を
見ると、つくだ煮と漬物の種類が豊富です。
つくだ煮は、「ハゼ佃煮・時雨煮・ウナギ佃煮・小イカ佃煮・蓮根佃煮」。隣の
欄の「紅海老」も、つくだ煮かもしれません。
漬物は、「奈良漬・沢庵漬・梅干・良京(らっきょう)漬・紅生姜・福神漬・茄子
辛子漬」。
 
 「糧食給与平均分量表」は、隊の1か月の食糧の分量と経費を第十九師団(
朝鮮半島の北の方担当の師団)経理部に報告する書類です。味噌も漬物も1人
1日100グラムと少し。塩分の多い食事だったようです。
 「副食物見積り決定表」にもどりますが、ソースやカレー粉やパン粉など、
洋風のものもあります。
「満州」と朝鮮の国境(北緯43度)で、いわゆる和風の食材ばっかり、という
方が、本当は不自然なのかもしれません。塩分は多いけど、保存食で和風の食
に近付けていたのかもしれません。

 今回もピースあいちウェブサイトから画像がご覧になれます。
 http://www.peace-aichi.com/rikugunhato.pdf
 所蔵品の紹介のページはこちらです。
 http://www.peace-aichi.com/05_objects.html

☆********************************************************************
◆常設展示から◆靖国の子ども       ボランティア 杉江 加代子
********************************************************************** 
 「ピースあいち」に行くたびに、一人の人の人生がその意志とは無関係に狂
わされてしまう戦争の恐ろしさを痛感します。
 それを私に強く感じさせるパネルの1枚が、かしこまって表彰されている年
端もいかぬ少年の写真です。緊張のため固くなった身体、こわばった表情の中
の健気さ。父は戦死、母も亡くし、ひとりぼっちになり不安で泣きたい気持ち
であったろうに、周囲の大人に「靖国の子どもだろう」と叱咤激励されて壇上
に上ったのかもしれない。
 親戚に預けられたか施設に入れられたか、やがてこの少年も赤紙がきて戦争
に送られたかもしれない。無事に生きて戻れただろうか等々、戦前戦後の歴史
を振り返りながら考えます。2階にあるこの1枚の写真が私に訴えてくるもの
は大きく、いつも足を止め見つめます。
 幸せになろうと思って生まれてくる人が、ほとんどそうならず強権的に辛苦
を強いられるのは本当に不条理です。私はこの少年が奇跡的にであれ戦後を生
き抜き、平穏に人生を送ったと思いたい!

☆********************************************************************
◆来館者の感想◆日韓高校生平和特派員のアンケートから
                 (訳 ボランティア・藤井礼子さんほか)
********************************************************************** 
 日本でも戦争に反対する人がいることを初めて知りました。戦争だけを見て、
日本人みんなを判断してはいけないことも気づきました。人々がこの事実を知
れば、少しは今までの根葉を払い落せることができるのではないでしょうか。
また、戦争後の写真は本当に残酷でした。戦争と関係のない民間人まで殺され
ました。これから戦争は起きず、私も戦争のない世界にいたいし、後世でもこ
れ以上戦争は起きないでほしいです。(16歳 女)

 我が国の戦争についてだけ勉強し、我が国のことしか知らなかった。日本の
ことがとても好きではなかったが、資料館に来て、日本も同じく大変だったと
いうことを知った。日本は、分断国家でもなく、憲法を定め平和を守ろうと努
力している姿勢を見て、うらやましく、すごいと思った。(女)

 これまで被害を受けてきたことのみを考えてきたが、今回をきっかけに韓国
のみならず、日本も多大な被害を受けたということがわかった。やはり戦争は
あってはならない。ともに生きる世界になってほしい。(女)

 日本は義務兵制ではないので、うらやましかった。戦争によって被害を受け
た民間人がかわいそうだったし、戦争の怖さを改めて知ることができた。これ
から戦争は起きないでほしい。

 前までは、日本は我が国を支配して、日本についてあまりよく認識していな
かったが、日本も他国から攻撃を受けながら、大変だったということがわかっ
た。今回をきっかけに、過去の戦争や植民地時代に関する認識が大いに変わっ
た。(16歳 女)

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