国際税務情報

国際課税に関する平成28年度税制改正大綱について

 本日、与党の平成28年度税制改正大綱が公表されました。ここで国際課税に関する
主な改正事項についてとりあげます。今回の改正では、大きな改正はありませんが、
特に移転価格税制に係る文書化については、企業グループとしての税務会計情報等
を纏めるシステム作りが必要になる場合があると思われます。

1.台湾との租税取決めに基づく国内法の整備
 相互主義を前提として、他の国との租税条約と同様の措置、例えば投資所得の軽
減・非課税、資産の譲渡所得の非課税、短期滞在者の非課税等が台湾居住者の日本
における所得に対して認められるようになります。
 従いまして、日本の居住者や日本の法人が台湾において稼得される所得について
も同様の措置が認められますし、移転価格課税における対応的調整なども可能とな
ります。

2.移転価格税制に係る文書化
 BEPSプロジェクトにおいて勧告されていた内容が国内法として規定されます。
例えば、平成28年4月1日以後に開始する会計年度より、多国籍企業グループの親会
社等は、会計年度終了の日の翌日から1年を経過する日までに、国ごとの収入金額、
税引前当期利益の額、納付税額他の情報をe-Taxなどの方法により、税務署長に提出
することになりました。他に事業概況報告事項や独立企業間価格を算定するために
必要な書類などの作成を義務付けられるようになります。

3.外国子会社合算税制
 合算課税に伴う外国税額控除について、特定外国子会社等が子会社(持株割合25%
以上)から受ける配当等のうち、外国法人税の課税標準に含まれないものは、合算割
合に係る特定外国子会社等の所得から除外されます。これは、特定外国子会社等の平
成 28年4月1日以後に開始する事業年度から適用されます。

4.国際課税原則の帰属主義への変更の円滑な実施に伴う措置
 内国法人の外税額控除に係る国外所得金額の計算について、国外事業所等帰属所得
の金額が零を下回る場合には、その下回る金額である旨及び国外所得金額が零を下回
る場合には零である旨が明確化されるなど、平成28年4月1日施行に向けて所要の措置
が講じられます。

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税理士 齋藤 忠志[http://www.saito777.com]
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