藤野仁三の[アメリカ知的財産法への誘い]

藤野仁三の【アメリカ知的財産法への誘い】Vol.14 | 2008-08-18


カテゴリー: 2008年08月18日

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■■    「続・よくわかる知的財産権問題」         ■■□□
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□□■■     藤野仁三のアメリカ知的財産法への誘い      ■■
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                              2008.08.18
                                 Vol.14

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 目次 ◆アメリカ知的財産法への誘い
     〜 特許リフォーム(改革)法案 〜

    ◆特許流通講座

    ◇編集後記

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+ 著者である東京理科大学院 知的財産戦略専攻教授 藤野仁三が、知財法 +
+ 制度の抜本的な改革の途上にあるアメリカの最新情報をお届けします。 +
+                                  +
+ ★日刊工業新聞「よくわかる知的財産権問題」            +
+  http://www.amazon.co.jp/dp/4526051160              +
+  内容(「BOOK」データベースより)                 +
+   「知財の国家戦略」とあわせて車の両輪を構成するのが、「知財  +
+   実務についての考察・分析」である。本書は、まさにその後者に  +
+   関する良書で、著者が自分の足で集めた情報を豊富な実務経験と  +
+   専門知識の裏付けにより分析・整理しており、知財実務に携わる  +
+   人の必携書。                         +
+                                  +
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+  内容(「BOOK」データベースより)                 +
+   近年、アメリカ知財権法制度への関心が高い。その理由のひとつと +
+   して、アメリカ連邦最高裁判所が知的財産権関連事件で新判例を  +
+   積極的に出し、判例形成に関与しようとしていることであろう。  +
+   本書は高い評価の法律書シリーズ〈ナットシェルシリーズ〉の   +
+   ひとつとして、アメリカ知的財産権法を初学者向けにした     +
+   テキストの翻訳である。                    +
+                                  +
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◆アメリカ知的財産法への誘い                (藤野仁三)
 〜 特許リフォーム(改革)法案 〜
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今、アメリカ連邦議会は夏休み中です。


秋に連邦議会が再会されると大統領選挙に突入しますので、現在上院本会議に
送られている特許リフォーム法案は、ほぼ廃案間違いなしと見られています。

昨年度あれほど騒がれ、注目された改革法案ですが、今年に入ってからは話題
にも上らなくなりました。



関心が冷めた理由はいくつかあるようです。

ある人にとっては、議会が特許制度の行方にあまり関心をもっていないという
あきらめが強くなり、ある人にとっては、いずれ来年に始まる新しい会期(第
111議会)にまた同じ法案が提出されるだろうという期待があります。

同じような改革法案が2005年に出され、それが廃案になって2007年にも再度
提出されていますから、事情通の人は、2009年度にも同じことが起こると予想
するでしょう。

ちなみに米国議会の会期は2年です。



特許リフォーム法案は多様な改正項目をもちます。

その中身についてここでは紹介できませんが、一つだけ注目すべき項目があり
ますので触れておきます。それは損害賠償規定(284条)の改正です。


これまで米国特許の侵害を救済するための損害賠償額は、「エンタイヤ・マー
ケット・バリュー」ルールを適用して算定する場合がありました。このルール
「EMVルール」は、米国の特許損害賠償額を高騰させる大きな要因となって
いました。

EMVルールとは、簡単に言いますと、部品に特許があって、その特許の侵害
による損害賠償額の算定は、その部品を組み込んだ製品や装置の売上げを根拠
にするというものです。

当然、製品や装置の売り上げは、構成部品の比ではありませんから、賠償額
算定のベースが膨らみます。その結果として算定される損害賠償も高騰した
のです。



法案の中では、EMVルールを原則として廃止にして、その代わりに特許発明
の貢献部分に限定した損害賠償にすることが謳われています。

こう書きますと、特許の損害賠償は、特許発明に限定するのは当然ではないか
と思われる読者も多いことでしょう。しかし、EMVルールはプロパテント
全盛時に、特許権者の利益を守るために生み出されたた判例法なのです。

その判例法に対して、今、アメリカの企業が悲鳴を上げ、その改正を求めてい
るという訳です。もちろん、その対象は製造業に携わらない特許権者、
いわゆる「パテント・トロール」です。EMVルールは、米国でビジネスを
行う際のリスクマネジメントの項目にもなっていました。



最近は、裁判所、特に最高裁がプロパテントの行き過ぎを是正するような
法解釈をとっていますので、特許法が改正されなくても直ぐに不都合が起こる
ということはないのですが、明文でEMVルールが廃止することになれば、
損害賠償法の透明性を高まり、実務上の影響は大きいでしょう。




◆特許流通講座
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独立行政法人工業所有権情報・研修館(INPIT)の主催する「特許流通講座」
(基礎編)の講師として、東京2回、名古屋、高松で講演した様子について
ブログにまとめました。

http://jinzofujino.seesaa.net/article/104100037.html



◇編集後記                         (野崎篤志)
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約2ヶ月ぶりのメルマガ発行となってしまいました。申し訳ありません。


アメリカの連邦議会も次の大統領選挙に向けて、特許リフォーム法案どころの
話ではないようですが、日本でも次の衆議院選挙はいつ?と気になって法案の
審議どころではない議員さんが多数いらっしゃるのではないでしょうか?

サブプライム、原油高(噂の東京マガジンのTRYのコーナーで登場した女の子が
「はらゆたか」と読んだことに感動してしまいました・・・)、グルジア情勢
などなど課題山積の中で、直近の選挙だけでなく、世界の中の日本の位置づけ
や将来ビジョンなどを描ける行動力のある政治家の方はいないんでしょうかね
この日本には?


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◆著者      藤野仁三
          ※プロフィールはこちら
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◇編集・発行人  野崎篤志
          ※ウェブサイトはこちら
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