田中優の“持続する志”

第685号:『 ゴミ問題の本当のこと 』

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田中優の“持続する志”

優さんメルマガ 第685号
2018.12.6発行
http://www.mag2.com/m/0000251633.html

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ほか、田中優が気になるニュース3つをピックアップしました。


Contents
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1.『 ゴミ問題の本当のこと 』

2. 給食をコメに変えたら、非行・犯罪がゼロになった!? -長野県上田市の学校給食革命

3.水道事業に民間参入を促そうしているのは誰なのか。内閣府PFI推進室を巡る利権の構

4.「全国がん登録」最新データ公表 福島県で胃がんは3年連続で「有意に多発」していた

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2011年12月に開始し、現在175号まで発行してきました
「田中優有料&活動支援版メルマガ "未来レポート"」の
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今回は、2013.2.1発行 第32号 『 ゴミ問題の本当のこと』 です。

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□◆ 田中 優 より ◇■□■□


『 ゴミ問題の本当のこと 』(2013.2.1)


 本当は「汚染がれき」問題の話をしたいのだが、その前に日本のゴミ問題がど
うなっているのかを話さないと分からない。

 そこで今回はゴミ問題を中心に話をしたい。そのゴミ問題が理解できると、
「汚染がれき」問もどう解決すべきなのか、理解できるのではないかと思うから
だ。

 「汚染がれき」の話は次回にさせてほしい。まず前段から理解してほしいと思
うのだ。



▼ ライフスタイルの話じゃないゴミ問題


 まずゴミといえば多くの人が、「リサイクルしよう」「ライフスタイルを改善
しよう」と言う。しかしゴミ問題はライフスタイルの問題ではない。絶対量が違
うからだ。

 国内のゴミのうち、家庭などから出る「一般廃棄物」は9分の1なのだ。一般
廃棄物の8倍も産業廃棄物が出されている。青森でも瀬戸内の豊島でも、問題を
起こしていたのは産業廃棄物だ。

 その絶対量が多い上、一般廃棄物の処理費とは比較にならないほど安く処理さ
せているからだ。処理費を値切るために不法な投棄がなされている。

 しかも今、家庭などから出る「一般廃棄物」と言ったのには理由がある。
一般廃棄物といえば家庭のゴミと思いがちだが、家庭「系」なのだ。そこには小
規模な商店やオフィスからのゴミが混じりこむ。

 東京では一般廃棄物の実に3分の2までがオフィスなどの事業系のゴミだった。
東京のゴミ問題は解決したと言われるほど抑制されたが、その理由はそれら事業
系のゴミを有料化したからだった。家庭だけで言うなら、海外と比較しても決し
て多くはないのだ*1。


*1 http://blog.goo.ne.jp/wa8823/e/dce89290372db9da6a23b71351fd8570
(図はメルマガにて公開中)



たとえばあるHPでは、以下のように答えを出している*2。

<一人あたりの一日のごみの排出量>

* アメリカ合衆国 約2.0キログラム
* オーストラリア 1.9キログラム
* ノルウェー 約1.7キログラム
* オランダ 約1.5キログラム
* デンマーク 約1.5キログラム
* オーストリア 約1.4キログラム
* ハンガリー 約1.4キログラム
* カナダ 約1.3キログラム
* イギリス 約1.3キログラム
* イタリア 約1.3キログラム
* フランス 約1.3キログラム
* ベルギー 約1.3キログラム
* ドイツ 約1.3キログラム
* ルクセンブルク 約1.3キログラム
* スペイン 約1.1キログラム
* フィンランド 約1.1キログラム
* 日本 約1.1キログラム
* 韓国 約1.1キログラム
* ギリシャ 約1.0キログラム
* スウェーデン 約1.0キログラム
* ポルトガル 約1.0キログラム
* スロバキア 約0.9キログラム
* トルコ 約0.9キログラム
* ポーランド 約0.9キログラム
* メキシコ 約0.8キログラム
* チェコ 約0.8キログラム

*2 http://www.haikisurumaeni.jp/hitori.html (図はメルマガにて公開中)


 しかもこの数字は家庭「系」のゴミだから、オフィスや商店のような事業系の
ゴミも含んでいるのだ。たとえば東京ではゴミ問題が言われた1990年から2000年
まで、事業系のゴミが一般廃棄物の3分の2を占め、しかも産業廃棄物はその8
倍もあった。つまり純然たる家庭のゴミは、ゴミ全体の27分の1しかなかったの
だ*3。

*3 (メルマガにて公開中)


 それなのに「一人ひとりの心がけ」なんて言われるのは誤りだ。いくらゴミを
出さなくしても、27分の26が残る。

 それを「ゴミ問題の解決」とは言わないのだ。ゴミを有料化した結果、事業系
のゴミが減った。家庭のゴミはとっくにリサイクルしていたし、日本人はおそら
く世界一真面目な国民性だから、そこらに捨て散らかしたりしない。


 リサイクル先進国と言われるスウェーデンですらこの有り様だ*4。

*4 (メルマガにて公開中) スウェーデンのヨーテボリ市内で撮った写真(著者)


 その結果、日本の一般ゴミ量は上の一覧よりさらに減って、いまやピークだっ
た2000年と比較して13%も減らして、1.0キロまで減っている*5。


*5 http://blog.goo.ne.jp/wa8823/e/dce89290372db9da6a23b71351fd8570より
 (図はメルマガにて公開中)




▼ ゴミの正体は紙とプラスチック

 ゴミが増加したのはおおむね1985年頃からだ。毎年東京都内に札幌市一市分の
ゴミが増加していた。

 しかしどうにもおかしい。当時の生活感覚として、ゴミを増加させた気がしな
いからだ。そこで調べてみた。


 日本国内のゴミ増加量に対して、「生産されながら、リサイクルされなかった
紙ゴミ」分、すなわちゴミにされた紙ゴミは、どれぐらいあるのかグラフにして
みた。それがこのグラフだ*6。

*6 初出 拙著グループKIKI「どうして郵貯がいけないの/北斗出版」1993年
 (メルマガにて公開中)


 なんと増加したゴミのうち、リサイクルされずに捨てられていた紙ゴミ増加分
が約7割を占めている。「ゴミ問題じゃなくてカミ問題だな、こりゃ」と思った。


 しかしさらに調べるのがぼくの趣味だ。同時期の紙生産量の増加分を調べてみた*7。

*7 初出 拙著グループKIKI「どうして郵貯がいけないの/北斗出版」1993年
 (メルマガにて公開中)



 このグラフは二つのデータを入れているので説明すると、まず棒グラフが生産
された紙全体の増加量だ。

 特に1987年からは著しく増えている。もうひとつの折れ線グラフは、さまざま
ある紙の種類の中から、特に増加が顕著だった段ボール用の原紙、新聞用の巻紙、
OA紙の三種類の紙の生産増加分だけを示したものだ。

 よく見ると紙の増加分の棒グラフを三つの紙の生産増加量が上回っている。
なんと他の紙の生産は減少している中で、この三つの紙だけが増えていたのだ。


 当時、「ポケットティッシュを受け取らないようにしよう」という運動もあっ
たが、実際にはポケットティッシュの増産が問題なのではなかった。特に増加分
の半分を占めているオフィス・オートメーション用の紙、コンピューター用紙に
代表されるOA紙の生産増加が問題だったのだ。

 折しも「ペーパーレス社会」などと言われたコンピュータ社会の始まりの時期、
まだ家庭にコンピュータが入る前のことだ。

 家庭に入るようになったのは、ウインドウズ95が発売されて、爆発的にパソコ
ン時代に入ってからのことだからだ。その頃言われた「ペーパーレス社会」とい
うのは偽りだった。そう言いながら製紙会社は紙の増産を進めていたのだから。


 そう、紙ゴミを出していたのは家庭ではない。オフィスの紙ゴミが問題だった。
 しかも同じ会社でも、工場から出るゴミは産業廃棄物として自費で処理しなけ
ればならないのに、オフィスから出されるゴミは「家庭系」一般廃棄物として、
ゴミの日にタダで一緒に運んで行ってもらえたのだ。だからオフィスからのゴミ
が増えた。

 これがゴミ問題の実際だった。


 もうひとつ、ゴミ増加分の1割を占めたのがプラスチックゴミだった。
特に増やしたのが「ほかほか弁当」や「コンビニゴミ」、そして「ペットボトル」
だった。それまでは通い箱のお弁当だったのが、使い捨ての容器に変わった。
ビンがなくなり、ペットボトルばかりになった。


 つまるところ、ゴミ処理費を負担しない企業が、ゴミを増やしたのだ。
一方の通い箱の弁当は、自社で洗浄し、ゴミは発生させなかったのに。
ちゃんと処理費を負担させていたなら、日本にゴミ問題は起こらなかった。


 ところがそこにはウソの答えが用意されていた。
 それが一億総懺悔、みんなの「ライフスタイル論」だった。



▼ 日本だけに特殊なのは「焼却主義」

 日本のゴミ問題は、産業廃棄物と事業系ゴミの多さが問題だった。要は負担を
きちんとさせればゴミ問題は解決する。きちんと事業者はゴミ処理費を払い、
メーカーは生産する時点で処理の責任を負えば、いい加減なモノなど作れないのだ。

 ところがいつもライフスタイル論に責任転嫁される。そして真面目な人ほど
「まずは足元から」と、そのロジックにはまって出られなくなってしまうのだ。

 ゴミ量の多さは他国と比較して突出したものではない。いや正確に言うなら、
他国よりは少ないのだ。


 では日本に突出したゴミ問題は何だろうか。

 それが「焼却主義」なのだ。


 日本ではとにかくゴミと言えば焼却しようとする。再び他国と比較してみよう。
(*8)のグラフを見てほしい。

*8 (メルマガにて公開中)


 他国がゴミ焼却に頼るのは10~30%程度、スイス、スウェーデン、デンマーク
は焼却が多くてゴミの50%ほどになっている。ところが日本は74%、抜きん出て
ゴミを焼却処理している。

 しかも日本ではゴミ発生量は他国より少ないのに、ゴミの焼却比率が74%と突
出しているために焼却量が多い。


 そして面白いのが(*9)のグラフだ。

*9 (メルマガにて公開中)



 ゴミ焼却場の一施設当たりの焼却量は大きくないのに、対人口比ではベルギー、
アイスランドに次いで第三位だ。しかしベルギー、アイスランドは人口の少ない
国だ。

 日本は人口が多いのに、人口に対してゴミ焼却場が多い?つまり津々浦々にま
んべんなくさほど大きくないゴミ焼却場があるということだ。


 ゴミ問題が言われた時に、「域内処理」と言われた。つまり「他の地域にゴミ
処理を押し付けるのではなく、自分の地域で処理しなさい」というものだ。
自分のゴミすら処理しようとしなかった杉並区は論外として、ゴミの広域処理を
すべきではないというのは理屈が通る。自分の見えないところに運べばいいとい
うのは無責任だからだ。


 あれ? 環境省は確かにこう言ってきたのだ。「ゴミの広域処理はすべきでな
い」と。今回の「汚染がれき」処理と、全く逆のことを言ってきたのだ。


 でも不思議に思うことがある。では他国は、焼却しない代わりにどう処理して
いるのだろうか。

 それも先ほどの*8に載っている。


 焼却に代わる処理方法は、「リサイクル」「堆肥化」それに「埋立て」なのだ。
日本はリサイクル率は高いものの、ゴミの減容化(カサを減らすこと)を進める
ために焼却処理ばかりを進め、堆肥化に至ってはほとんどない状況になっている。
しかも堆肥にするには事業系の有害ゴミが入り込む可能性が高く、とても有機農
家が喜べるような質になっていない。


 質の低いゴミ処理、焼却主義、しかも各地に数限りなくゴミ焼却場を建てるこ
とは、産業廃棄物と処理プラントメーカーが歓迎する処理方法になっていると言
えるだろう。

*8,9 http://blog.goo.ne.jp/wa8823/e/dce89290372db9da6a23b71351fd8570



▼ ゴミが増えたのは世界的現象


 そのゴミ問題は、日本だけの問題ではない。世界的に、特に先進国に大きく起
きている問題なのだ。

 その理由は何か。実に簡単だ。途上国からの資源が安すぎて、“リサイクルし
て再利用するより、使い捨てた方が安い”からだ。誰だってリサイクルに手間を
かけるより、そのままタダで捨てられるならそちらを選ぶ。


 まさにそうした事態が先進国で進んでいた。日本でも、産業廃棄物の処理費は
多くの場合、一般廃棄物処理費用の5分の1~10分の1程度でしかない。それ
どころか事業系一般廃棄物は、有料化が進められるまではタダで処理してもらえ
たのだ。それと比較したら、リサイクルなんて面倒でコストのかかることをした
がるはずもない。


 なぜゴミ問題は世界的な事態まで発展したのか。それが途上国の貧しさだった。
途上国を正確に言うと「工業発展途上国」になる。つまり「工業製品」が作れな
い国なのだ。では工業製品以外に売れるものは何があるだろうか。「知的所有権」、
これもまた先進国がそのほとんどを支配している。


 すると途上国に残されるのは「原料」だけだ。いわゆる「一次産品」だけしか
輸出品がないのだ。しかしその原料の価格は先進国のマーケットで決められる。
その結果、原料価格は中国が買いまくった一時期を除き、下がり続けていたのだ。


 ゴミとは、ゴミ処理費と原料価格の対比でどちらが安いかによってゴミになっ
たり資源になったりする。ゴミと資源は同じものを値段で呼び分けているだけ
なのだ。途上国が重債務にあえぎ、輸出しなければ返済ができなくなれば安くて
も売らざるを得ない。しかも債務にあえぐ国の数は100カ国を超えるというのに、
一次産品の種類はロイター指数で30程度、日経商品指数でも40程度でしかない。


 世界の債務国が同じ品を輸出して返済しようとしたらどうなるか。

 そう、供給過剰で値崩れしたのだ *10、11。


*10(メルマガにて公開中) 
レスターブラウン、ワールドウォッチ研究所「地球環境白書1990-1991」


*11 著者作成 (メルマガにて公開中)



 こうして世界中できちんとリサイクルするより、税金に負担させて焼却・埋立
てしてしまった方が安いから、ゴミ問題が発生したのだ。途上国を貧しくさせた
のは、世界銀行やIMFによる「構造調整プログラム」という指導・強制、そし
て各国の思惑で支えられた「政府開発援助(ODA)」だった。


 悲しいことに、人々は援助を歓迎するが、本当に必要な援助とは何なのかを知
らない。その結果、いいことをしようとして悪い現実を届けてしまっているのだ。


 ゴミ問題は、世界的に起きた途上国資源の価格低下によって起きた事態だ。
日本だけの問題ではない。

 新品価格が安すぎれば、リサイクル品は買ってもらえず、ゴミにされてしまう
のだ*12。


*12 著者作成 (メルマガにて公開中)




▼ 露呈した「域内処理」のウソとウソくさい「絆」


 日本には世界一数多くのゴミ焼却場がある。小さく、熱効率も高くないために
発電にも使えないレベルの焼却炉が、世界の7割と言われる数がこの日本にある*13。


*13 OECDデータ、環境省データなどを元に著者作成 (メルマガにて公開中)



 焼却炉がこれほど作られたのは「域内処理」が理由だった。しかし今回の「汚
染がれき問題」では、日本中に「絆」という美名の元にゴミが日本中に撒き散ら
された。ということは、環境省の言ってきた「域内処理」、「ゴミの広域処理は
すべきでない」という言葉も、実際には本気でなかったのだろう。


 では、なぜそう言ってきたのだろうか。

 結局のところ、「域内処理」はゴミ焼却炉メーカーにたくさん焼却炉を作らせ
るための方便だったのだのだろう。


 そして「汚染がれき」が日本中にばら撒かれた。そのときには「域内処理」は
語られなかった。被災地では「地域で処理した方が、地域経済の活性化につなが
るのに」と言われたにも関わらず。

 しかも福島県南相馬市では、市がより汚染レベルの低い宮城・岩手両県の「汚
染がれき」を受け入れて、壊れてしまった防潮堤を作りたいと計画したのに、被
災地同士でのやりとりは認めていないと拒否されてしまっている。


 本来、「一般廃棄物」と「産業廃棄物」は完全に分離される。その両者は一切
混じりこまない。それは排出者責任を明確にするためだ。ところが大規模災害で
は、「これは工場のゴミ、これは家庭のゴミと分別することが困難である」とし
て、阪神淡路大震災以降、まとめて一般廃棄物として処理することにした。

 しかし実際には阪神淡路大震災でも、最後に所在が不明で処理できずに困る時
点までは、一括で全部を「一般廃棄物として処理する」扱いはされていなかった。


 なぜきっちり分けるかと言えば、排出者責任に加え、処理費用のレベルが大き
く違うからだ。家庭などから出される一般廃棄物は自治体の税金で処理され、か
なり徹底的に費用をかけて処理されている。


 しかし事業者自身の費用によって処理される産業廃棄物は、非常に厳しく買い
叩かれる。その結果、産業廃棄物の処理費は、一般廃棄物処理費の5分の1~
10分の1程度しか払われていないのだ。

 ところが今回の「汚染がれき」問題では、すべて“一般廃棄物扱い”だ。
それなのに「絆」の広域処理として、産業廃棄物処理業者が扱えることになっ
た。つまり産業廃棄物業者にとって、5~10倍も高い費用を受け取れる、とても
美味しい仕事になったのだ。


 こうして従来型の「焼却主義」の一般廃棄物処理に産業廃棄物事業者が入り込
み、「域内処理の原則」は捨てられた。ところが問題はそれだけにとどまらなか
った。今回の「汚染がれき」には、特にセシウムを中心とする放射性物質の問題
があったからだ。

 それを軽視し、デマまで流して、環境省は環境をダメにし、人々を不健康に追
い込む官庁へと生まれ変わった。その話は、次回のメルマガに譲らせていただき
たい。



▼ 「燃やさないゴミ処理」は可能だ


 解決策を提示せずに終わってしまったのでは、田中優の名がすたる。
そこで解決策を示しておこう。


 まず最初に、2000年時点での東京都のゴミを分析する。家庭ゴミには「燃える
ゴミ」「燃やさないゴミ」「粗大ゴミ」がある。

 圧倒的大部分を占めるのは「燃えるゴミ」だが、その半分以上が紙ゴミで、
次に多いのが「厨芥」と呼ばれる「生ゴミ」、残りは木材とプラスチック、わず
かに繊維が占めている*14左。


 紙は濡れやすい。しかも三分の一を占める生ゴミはほぼ8割が水分だ。その結
果、ゴミの水分率は5割程度になる。これが「燃えるゴミ」なのか?特に紙がリ
サイクルされてしまった地域では、燃えるゴミは単独では燃えず、重油を加えて
燃やしている。このおかげで東京都の市部ではどこも最大の二酸化炭素排出源が
ごみ焼却場になっているのだ。

 「燃えるゴミ」ではなく、「燃やされるゴミ」だろう。

 さらに粗大ゴミや燃えないゴミを加えると、全体では(*14右)のようになる。


*14 東京都資料から著者作成 (メルマガにて公開中)



 さて、これをよく見てほしい。まずは円グラフの左上に「リサイクル可能なゴ
ミ」が入っている。

 これはもちろんリサイクルすればよいからゴミに加えなくてよい。続いて最大
部分が紙なので、もちろん紙としてリサイクルすればよい。繊維も同様だ。生ゴ
ミとごっちゃにしなければ、それもまたリサイクルできる。例外的に「他の物質
を合成してしまった紙」などは、そもそも作らせないことで解決すべきだ。

 ある雑誌が本の中に印画紙を挟み込んだため、リサイクルペーパーを台無しに
したことがあるが、その責任は雑誌生産者にあることは当然の話だろう。


 次に多い厨芥(生ゴミ)は、空気に触れないところで微生物に分解させると
「メタンガス」になる。別名「都市ガス」だ。ガスとして使うことができる。
残る生ゴミは液体状の堆肥(「液肥」という)になり、農業で堆肥として使える
から、最後に何も残らない処理ができる。

 もちろん「有害化学物質を入れさせない」などが必要になるが、現実に福岡県
大木町に導入されている。その町では生ゴミをガス化させたことで、なんと大木
町のゴミ全体の44%を減らしてしまった*15。可能なのだ。


*15 大木町のバイオガス施設、ここでは糞尿もガス化している。著者撮影。
(メルマガにて公開中)



 そして木草はそのまま燃料にもできるし、ペレット化すれば燃料として移動性
の高いものにすることができる。

 さて、ここまででゴミの81%が燃やさずに処理できる。残りは「その他」の4
%とプラスチックの15%だけだ。「その他」には複合合成物質が多くを占めるは
ずなので、すでに述べたとおり作らせない規制をすべきだ*16。


*16 ゴミは燃やさず資源にできる(メルマガにて公開中)


 では最後に残る「プラスチック」をどうしたらいいのだろうか。



▼ プラスチック問題を解決する


 プラスチックには特徴がある。化学物質を除けば、紫外線以外ではほとんど分
解しないほど安定している点だ。便利だから、ありとあらゆるところに使われて
きた。しかも原料は石油だからふんだんに安く存在する。

 プラスチックを石油戻せるプラントもすでに作られているのだが、石油が安い
ために使われない。したがってゴミとして燃やされてしまっている。


 しかしこれは将来世代から考えたら、とんでもない損失だ。将来石油は否が応
でもなくなる。その時には石油が欲しくて仕方ないのだが、それを作ることので
きるプラスチックまで、過去の世代の人たちはゴミとして焼却してしまった。
残しておいてくれれば使えたものを。


 そもそも今、リサイクルされているものには理由がある。今すぐ別なモノとし
て使え、経済的に成り立つからなのだ。しかし、そうでないモノは燃やされてし
まっている。

 時間軸で考えてみるとよくわかる。リサイクルされているモノは今すぐ使える
もので、将来使えるモノは燃やされてしまっているのだ。だから三つ目のリサイ
クル方法がある*17。


*17 (メルマガにて公開中)


 今すぐ使えないモノは、安全・確実に保管しておけばいいのだ。


 幸いプラスチックは紫外線以外では分解されない。だから土の中に埋めておけ
ばいい。いずれ枯渇して価格がつくものなら、それまでの間、保管しておけばい
いのだ。それは難しくない。高知市ではプラスチックゴミに圧力をかけて大きな
ペレットのように成形し、そのままネットに入れてゴミの処分場に埋めている。


「将来、プラスチックが売れるようになったらどうします?」

「そんときは掘り出して売っちゃえばいい」

 そう担当者の人は言った。


 こうすれば最後に残ったプラスチックですらリサイクル可能になる。ゴミを燃
やす必要はないのだ。しかも日本人だけは、一銭にもならないのにリサイクルに
協力してくれる人たちだ。そうすればゴミ焼却場は一切必要なくすることができ
るのだ。


(次号はこれに続けて「汚染がれき」問題を書きます)



゚・*:.。..。.:*・゚゚・  メルマガ本文はここまで  *:.。..。.:*・゚ *


追記:

中国では昨年(2017年)末からプラスチックの輸入を禁止しました。
https://news.yahoo.co.jp/byline/mutsujishoji/20180716-00089455/


今まで中国に輸出をしていたアメリカは困り、その後マレーシアに輸出。
するとマレーシアは大反発をして一切の輸入を止めました。
https://globe.asahi.com/article/11912576


それによってプラスチックゴミの行き場が失われ、
各国でプラスチックゴミが積みあがった状態になってしまっています。



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◆給食をコメに変えたら、非行・犯罪がゼロになった!? -長野県上田市の学校給食革命 ◆

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食べ物で変わることはよくあると思う。
(大地といのちの会の)吉田俊道さんの取り組みにも顕著だけれど、大事だと思う。


  ◇   ◇   ◇   ◇  


▼「給食をコメに変えたら、非行・犯罪がゼロになった!? -長野県上田市の学校給食革命」
https://www.chichi.co.jp/web/20181124uedashi_kyusyoku/


 そうして赴任した翌年の平成5年からは、週6日のうち5日間を米飯給食に切り替
えました。米飯もただの白米ではなく、血液をきれいにし、血管を柔らかくしてく
れるGABAが含まれる発芽玄米を10%以上加えたのです。


 7か月後あたりから学校全体が落ち着いてきましたね。いまでもよく覚えてい
るのが、4月のPTA総会の前に私が1時間ばかり校舎のタバコの吸殻を拾って歩
いたところ、スーパーの大きなビニール袋がいっぱいになったのです。それを総
会で見せたところ、保護者たちから、「大塚校長が来てから風紀が乱れたんじゃ
ないのか」と言われましたがね、米飯給食を始めてから7か月後には、吸殻が1本
もなくなりました。


 1年半から2年がたつ頃には、非行・犯罪はゼロになり、同時に子どもたちの学
習意欲も高まっていきました。



━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

◆水道事業に民間参入を促そうしているのは誰なのか。内閣府PFI推進室を巡る利権の構造 ◆

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日本の政府に巣くう水利権屋、
こういうのを許さない政府じゃないと安心できない。
 


  ◇   ◇   ◇   ◇  

 
▼「【HBO!】水道事業に民間参入を促そうしているのは誰なのか。
内閣府PFI推進室を巡る利権の構造 」

https://hbol.jp/180396 より


 日本の水道事業は様々な課題を抱えている。人口減少で料金収入が減少、施設
の老朽化が進み、事業を担う人材も不足している。つまり経営の危機に直面して
いるのだ。厚生労働省によると、市町村が運営する水道事業は全国で約3割が赤
字であり、人口減少で十分な料金収入を見込めない事業者が今後も増えるだろう。
特に地方、とりわけ小規模自治体は深刻である。


 このような問題を解決するために、水道事業の「広域化」や経営体質の改善な
どは、今までも厚労省側で検討が進められてきた。水道労組や自治体など現場を
知る人は、当然同じ危機意識を共有している。こうした流れの中で、水道法改正
案の中には広域連携(広域化)を促す条項や、施設を適切に管理するための水道
施設台帳の作成、施設の計画的な更新に努めるといった条項が含まれている。
災害も多発する中、水道事業をどのように持続的にしていくかは喫緊の課題であ
り、その解決のための議論や施策の必要性については多くの国民が納得するだろ
う。


 ところが、水道法改正案には、「毒素条項」と言える危険な条項が一つ入って
いる。それが「官民連携の推進」であり、今回の法改正が「水道民営化法案」と
名付けられる根拠である。




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◆「全国がん登録」最新データ公表 福島県で胃がんは3年連続で「有意に多発」していた ◆

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まだまだ本格的な被害はこれからです。
それでもこうなっていることを知っていてください。


  ◇   ◇   ◇   ◇  


▼「「全国がん登録」最新データ公表 
福島県で胃がんは3年連続で「有意に多発」していた」

https://level7online.jp/?p=1744 ( 明石昇二郎  2018年10月5日) より


内容

・「全国がん登録」最新データ公表
・胃がんは3年連続で「有意に多発」
・悪性リンパ腫と白血病は「小康状態」
・甲状腺がんは男性で「有意に多発」
・「福島県のがん」は増え続けている


・・最後にもう一つ、気になるデータを紹介しておく。
全国の「全がん年齢階級別罹患率」と福島県の同罹患率を比較したもの【表11】と、
そのSIR【表12】である。


 これは、すべての部位のがんを合計し、罹患率を弾き出したものだ。
見ると、2011年以降は罹患数もSIRも右肩上がりで増え続けている。



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■「未来のあたりまえシリーズ1
ー電気は自給があたりまえ オフグリッドで原発のいらない暮らしへー」
(合同出版)
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■「放射能下の日本で暮らすには? 食の安全対策から、がれき処理問題まで」
(筑摩書房)
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