田中優の“持続する志”

第146号:「パブコメ3つの選択肢の真相」


カテゴリー: 2012年08月02日
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田中優の“持続する志”

優さんメルマガ 第146号
2012.8.2発行

※このメルマガは転送転載、大歓迎です。

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 ◇■ パブコメ、3つの選択肢の真相  ■◇
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7月30日に、田中優 「有料・活動支援版メルマガ」にて今話題の
「エネルギー・環境に関するパブコメ」についてのお話を掲載いたしました。

一部内容をご紹介いたします。
一部グラフは田中優ブログにてご覧くださいませ。
http://tanakayu.blogspot.jp/2012/08/blog-post.html

 □◆ 田中 優 より ◇■□■□◆◇◆◇■ 
 
「原発比率、「ゼロ、15%、20~25%」の選択」

◆ 大化けするか「パブコメ」

 パブリックコメントは新たな仕組みを政府が提案するときに、国民に意見を
求める仕組みだ。「聞き置く」だけのことで、たいして重視もされていない。
しかし今回だけは大化けする可能性がある。

 もともとは細野原発大臣も、聞き置くだけのつもりでいた。しかし今回の
パブコメには多くの人々が反応し、そのせいでパブコメの締め切りは延長され、
このままなら数万~数十万人のパブコメが集まりそうな勢いとなった。ここまで
大きくなってくると、実質的には「国民投票」のような様相を帯びる。

 もし「国民投票」レベルになったら、票が基盤になっている政治家としても
無視できなくなる。

「2030年の電源全体に対する原子力発電所の割合を、ゼロにするのか、15%に
するのか、20~25%にするのか」という「エネルギー・環境選択肢」の問いは、
今や国民投票に匹敵する意思表示になってきているのだ。

 もともと国家戦略室の取り上げたパブコメは、原発推進に導くための恣意的
なものだった。
「原発ゼロ」には「経済的に大きな負担が伴う」と、わざわざ注意書きがなされ、
もともとなかったゼロと20~25%の間に、中途半端な15%が置かれた。

-中略-
 同じく「2030年原発15%案」も、極端を嫌う民族性の日本人に「選ばせるため」
のものだった。ところが国民投票でなかったとが幸いした。パブコメでは積極的
な人々だけが応募するため、逆に「原発ゼロ案」が多数選ばれることになったのだ。

 ◆ 2030年のGDP、省エネ率、電源選択の三段階

-中略-
 前提は「経済成長率とエネルギー消費量は比例する」というものだが、ここに
面白いデータがある。ドイツと日本のGDPとGHG(グリーンハウスガス=
温室効果ガス排出量)との対比だ。GHGは直接エネルギー消費量とイコールに
なるものではないが、実際にはその9割以上が二酸化炭素で、ほとんどがエネルギー
由来だからほぼイコールと考えていい。それでみるとこうなっている。
 
 いまや日本のGDP成長率とGHGとは一致せず、特にドイツを見ると一致しない
どころか、逆に反比例 している。もはやエネルギー消費量が経済成長を意味するでは
なく、経済成長がエネルギー消費を抑制していくのだ。

-中略-
 しかし再びドイツと比較してみると、1990年から2010年にかけての電気消費量の
伸びは、日本が1.4倍であるのに対してドイツは1.1倍しか伸ばしていない。
ここまでの20年間の消費の伸びの放置分だけでも、日本はもっと節電できる余地が
ある。
 
具体的に言うなら、日本で進めてきた「オール電化」のような無駄な消費、照明や
冷蔵庫などの改善された省エネ率の活用、ガスヒートポンプエアコンの利用による
急激な節電だ。

-中略- 
  費用負担の妨げもなく、省エネすることができるのだ。

-中略- 
そして電源構成だが、不徹底な節電の結果を根拠にして、原発を維持しない限り
「経済的負担が重くなっても再生可能エネルギーの導入を促進」が必要になると
書いている。

-中略-
 さて、本来の電源構成は、最大消費ピーク時の発電設備について考えることを指す。
年間平均ではないのだ。電気は貯められないので、最大消費ピークに合わせて発電所を
建てなければならないからだ。

 本当ならここで、再生可能エネルギーは「ピーク時に使えない電源だから」と、
原発推進派は欠点をあげつらいたいところだ。
 しかしその点は原発も同じなのだ。原発は事故の危険性があるために、出力を
弱火にすることができない。その点は再生可能エネルギーと同じなので、推進派は
そこを「弱点だ」と騒げないのだ。

-中略- 
 ジャンプの電源構成は、本来ピーク時をまかなう電源構成で考えるべきなのに、
全体的な電気の消費量を考えるふりをして、弱火にできない原発の弱点を隠し、
しかも岩波新書「原子力のコスト」に明瞭に立証された「最も高くつく原子力
発電コスト」を隠したままでいる。 ここでそのコストの比較を示しておこう。

-中略-
 原子力発電を選択肢に残した場合の方が、「経済的負担が重くなる」のが現実だ。

 このパブコメは、ウソの上にウソの上塗りをすることで成り立っている。しかし
ここで人々が「原発ゼロシナリオ」を選択するなら、こんなずさんなシナリオの
ままで、進めることが不可能になる。
だからこそ、パブコメを多くの人に提出してほしいのだ。

◆ 原発15%も、20~25%も虚構の数字だ

 政府はすでに、「原発の寿命を40年まで」と言っている。
 一方で「原発の新設はしない」とも述べている。
 では現状の原発を動かしていったならどうなるだろうか。

 今、福島第一原発1~4号機が廃炉されたことで、日本の原発は50基になった。
その原発を予定通り40年で廃止していくと、2030年中途に柏崎の二基の原発が
廃止され、2030年以降に残るのは18基だけになる。

 それは発電施設全体に対してわずか8%、発電量にして11.75%を占めるに
すぎない。これは原発比率「15%」にも、「20~25%」にも達しない。

 つまり原発比率「15%」、「20~25%」にするにも、どうしても原発増設か
稼動延長かを前提にしなければならない。

 これは現状維持ですらない「原発推進プラン」なのだ。

-中略- 
 今までだったらぼく自身も、虚構と分かっていてもあきらめなければならなかった
だろう。なぜなら多くの人は興味を持ってくれなかったし、また伝える術もなかった
からだ。

 しかし今は違う。多くの人が福島第一原発の信じられない事故を目の当たりにし、
悲惨な被害を見ている。そのおかげで多くの人々の意識が向いてくれている。
しかもインターネットやSNSが、多くの人に情報を伝えることを可能にしてくれたのだ。

 さて、パブコメを書いて、実質「国民投票」に、大化けさせよう!
⇒ http://www.npu.go.jp/policy/policy09/pdf/20120702/20120702.pdf 

************

★ 今回のパブコメとは?
 6月29日、政府の「エネルギー・環境会議」(長:古川国家戦略担当大臣)は 、
2030 年のエネルギー・環境に関する3つ選択肢(原発依存度を基準に、ゼロシナリオ、
15%シナリオ、20 ~25% シナリオ)を取りまとめました 。

 これについて国民の皆さんに意見を求め、それらを参考に今後の国としての方針を
決めていくものです。

● パブコメは、年齢制限など一切なく、誰でも意見を送ることができます。
● 期日 平成 24 年8月12日(日)18 :00までに必着
●  方法 下のいずれか  
 1.HP  https://form.cao.go.jp/aec/opinion-0027.html 
 2.FAX http://www.npu.go.jp/policy/policy09/pdf/20120702/20120702_1.pdf 
 3.郵送 http://www.npu.go.jp/policy/policy09/pdf/20120702/20120702_2.pdf 

★優さんより、パブコメを書く際のポイント
 ● 「御意見の概要」欄に「原発ゼロシナリオ(即時)」と明記した方がいい。
    (即時)と記入することも大事。そうでないと2030年まで、と誤解される。
 ● 「御意見及びその理由」欄には100字以内で記入を。

こちらのサイトもご参考ください
http://611kanagawa.org/?action=common_download_main&upload_id=454 

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◆ 今日から2夜連続で配信が決定! ◆
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7月28日にさいたまで行われました田中優の講演の様子が、
今夜から2夜連続でUstreamで配信されることが決まりました。

「環境活動家の田中優さんが語る内部被曝を最小限に抑えるための方策!」
前編 8月2日(木) 21時~
後編 8月3日(金) 22時30分~
葛飾市民テレビチャンネル1http://ustre.am/IwLd

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■□ 発行者、講演・取材の窓口 ■□
合同会社OFFICE YU 担当渡辺
MAIL  officeyu2011@ybb.ne.jp

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