季節を感じる言葉-日本人の情緒と歴史的背景-

父とわかりて子の呼べる秋の暮

  鷹羽狩行の句です。
  
  今回も師の解説から引用いたします
  
  さて、掲題の句ですが、秋の暮 父と判りて此の呼べる と初心者であれば作ってしまいます。
  その方が五七五でリズムが良い。
  
  しかし狩行は七五五と順序を入れ替えています。
  これを句跨りと言います。最初の「父とわかり」が上五、「りて」が中七へ食い込んでいるのです。
  
  何故、このように順序を替えているのかと云うと、句跨りでリズムをわざと崩すことにより、モタモタ
  している感じが出てきます。
  つまり子供が「あれはお父さんかな?」と見つめ直す間の一瞬の戸惑いを表現しているのです。
  
  この句が 秋の暮 父と判りて此の呼べる としてしまうと 秋の暮にこんなことがあったよ と云う
  ただの時節の説明になってしまいます。
  
  順番を入れ替えるだけで、こんな名句になるという凡例でした。
  
  
  
  父とわかりて子の呼べる秋の暮  鷹羽狩行
  
  
  季語は「秋の暮」 です

季節を感じる言葉-日本人の情緒と歴史的背景-

発行周期: 毎週木曜日 最新号:  2018/12/13 部数:  319部

ついでに読みたい

季節を感じる言葉-日本人の情緒と歴史的背景-

発行周期:  毎週木曜日 最新号:  2018/12/13 部数:  319部

他のメルマガを読む