サステナブルCSRレター

【本物のCSR】CSR調達はいよいよ国内企業にも?

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 サステナブルCSRレター        2018/12/07(No.362)
 ほぼ満月と新月にお届けします
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○《七十二候・月の暦》―――――――――――――――――――――
 
   閉寒く冬と成る
 (そらさむくふゆとなる:天地の陽気がふさがり、真冬が訪れるころ)

       ●新月(朔)    ○12月07日(金)16:20
   
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《月の便り》「CSR調達はいよいよ国内企業にも?」

         サステナブルビジネス・プロデューサー 足立直樹

 おはようございます、レスポンスアビリティの足立です。今日が今年
最後の新月です、これにあわせて旬の話題をお届けしたいと思います。

 さて、今回はもともと別の話題をご紹介するつもりでいたのですが、
原稿を用意しているときにちょっと驚くようなニュースが飛び込んでき
ました。衣料品チェーンのしまむらが全取引先に外国人技能実習生への
人権侵害をしないよう通知することを決定したというのです。以前から
CSR調達を行っている企業からすれば「何を今さら」と思われるかもし
れませんが、失礼ながらこれまであまり動きを感じなかった会社の突然
の決定に「ついに」と驚いたのです。

 しかし、よくその記事を読んでみると、実は同社のサプライチェーン
において外国人技能実習生が違法に働かされ人権侵害が起こり、当人た
ちが労働組合に駆け込んで発覚するという事件を受けてのことなのだそ
うです。

 これとは別に、この1年ぐらいは私どものところにもCSR調達の新規
のご相談が増えています。その背景は、基本的には東京オリンピックで
す。組織委員会が調達コードを定めたことを受け、うちは大丈夫なのか
と経営者の方が興味を持つことが増えているようです。あるいは、オリ
ンピックが開催される際には、開催国の企業はNGOなどからネガティブ
キャンぺーンの対象になりやすいということをCSR担当者が勉強して、
体制をさらに強化しようとしている場合も少なくありません。

 こうした会社の場合には、海外のサプライチェーンの潜在的なリスク
を心配していることが多いのですが、最近気になるのは、今回のような
国内の「今そこにあるリスク」というか問題です。というのも、最近報
道される外国人技能実習生やアルバイトの留学生に対する「仕打ち」
は、本当にひどいものだからです。最低賃金をはるかに下回る極めて低
い賃金や長時間労働、暴力、パワハラ、セクハラ… もちろん報道され
るのは問題がある場合に限られているわけですが、それにしてもあまり
のひどさに心が痛みます。しばしば使われる「奴隷」という表現は、け
して誇張とは思えません。

 実際、ウォークフリー財団が今年発行した報告書によれば、日本は奴
隷労働と無縁では全くありません。日本には今現在39,000人もの「奴
隷」が存在するといいます。人身売買の被害者も多いのですが、最近特
に注目されるのが外国人技能実習生です。工場はもちろんですが、農業
や水産業あるいは建設業など、人手が不足しているあらゆる産業におい
て外国人労働者への依存度が高まっています。単に依存度が高まるだけ
でなく、そもそもこれらの産業はその低賃金が故に人手が不足している
面があるので、勢い待遇は悪くなるのです。さらには、自らの意思で職
場を変えることができないなど、制度上の問題もあり、事態を深刻化さ
せています。

 せっかく日本まで来てくれた外国人技能実習生には、高度な技術を身
に付け、良い思い出を得て、日本のファンになって帰ってもらいたいで
はないですか。そして、将来は両国の懸け橋として活躍する人材となる
ことを期待したいところです。なのにそれとまったく逆行するような現
状は、本当に残念でなりません。そしてそれ以前に、最近報道されてい
るひどい待遇には、同じ人間として大変な悲しみと怒りを覚えます。

 CSRの世界が長い方はご存じだと思いますが、そもそもCSR調達(国
際的にはサプライチェーン・マネジメント)は、サプライヤーだけに責
任を押しつけるわけにはいかないということで20年以上も前に始まった
ものです。この20年の中で蓄積された知見はいろいろありますが、厳し
いルールを設けても、それをサプライヤーに通知したり押し付けるだけ
では問題は解決しないことはイロハのイです。そこで押し付けや監視を
厳しくすればするほど、問題は地下に潜り込み、より大きなリスクとな
ってしまうからです。

 それが故に責任ある企業は、サプライヤーと問題点を共有し、解決す
るたのヒントを提供し、必要であれば一緒に問題解決もして、サプライ
チェーン全体で競争力を高めるような努力を重ねて来たのです。臭いも
のに蓋をするかのような一方的なやり方では、うまく行くわけがありま
せん。

 今回この話題を取り上げたのは、もちろん特定の企業を責める意図で
はありません(そんなことをしても、問題の責任を一つの企業に押しつ
けてしまうという点で同じ失敗につながってしまいます)。私たちはも
はや国際的なサプライチェーンなしには事業は継続できないし、日本の
社会も外国人の方々にも働いていただかなくては廻っていかない。その
ことを認めた上で、どうすればみんながハッピーになれるのかを根本か
らきちんと考えようということなのです。それがこれからの持続可能な
社会であるはずです。

 そして今回のニュースの良い面を一つ取り上げるとすれば、人権侵害
が私たちの生活を支えるサプライチェーンで、そして私たちが生活する
同じ場所で起きていることを知らしめてくれたことでしょう。

 海外のサプライチェーンにおける強制労働や児童労働の問題は、なぜ
か日本の消費者の関心を引くことがあまりありませんでした。残念なが
ら、それは遠い国の他人事だったのでしょう。しかし、日本国内にも同
様の問題があることが報じられたことにより、驚いたり、悲しんだり、
心穏やかにはいられなくなった方々は多いでしょう。もちろんそんなこ
とはない方がいいのですが、その効果をぜひプラスへの力にしたいと思
います。

 従来からCSR調達にしっかり取り組んできた企業は、今こそリーダー
シップをとるチャンスです。その先進的な取り組みを、ぜひ他の企業に
も広めて欲しいと思います。そして今までなかなか社内説得ができなか
った企業の方は、今こそ一気に進めるチャンスです。CSR調達の必要性
を社内で理解していただいて、忸怩たる思いを払拭してください。そし
て特にアジアの国々とこれからどのように共存するのか、一緒に持続可
能な社会像を描きたいものです。

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