バートランド・ラッセルに関するメルマガ

編集後記 世界はいつまでトランプと付き合わないといけないのか?


カテゴリー: 2018年01月13日
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 (週刊)バートランド・ラッセル(1872.5.18-1970.2.2)に関するメール・マガジン
  no.0567_2018/01/13 (2006/12/21 創刊/毎週土曜 or 日曜日 発行)

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     ■ 目 次 ■
          
(1)ラッセルの著書及び発言等からの引用
(2)ラッセルに関する記述や発言等
 編集後記

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(1) ラッセルの著書や発言等から
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■「(ほぼ日刊)ラッセルの言葉366」
      n.1284~n.1288 を発行しました。
   http://archive.mag2.com/0001626338/index.html

  以下,1つだけ再録します。
    http://archives.mag2.com/0001626338/20180112060000000.html

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 ラッセル『権力』(Power, 1938) 第12章 権力と統治形態 n.33
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 第12章 権力と統治形態 n.33

 統治(政治)は,いついかなる時代においても,軍事的技術によって大きな影響を
受ける。ローマ(帝国)が民主主義に向かいつつあった時代においては,ローマの軍
隊はローマ市民によって構成されていた。(即ち)それは,ローマ帝国をもたらした
職業軍人部隊(professional armies)を置き換えたものであった(注:「 it was 
the substitution of professional armies that brought about the Empire. 」の
ところは,みすず書房版の東宮訳では「ローマ帝国を将来したのは、ローマ市民の軍
隊に代わった職業敵軍隊である」と,文脈も文法も無視した訳となっている。この一
文の「It」は「It ~ that ~ 」の構文の「that」以下を表すものではなく、前文の
「ローマの市民の軍隊」のことを指している。また、「that」の次には主語はなく、
動詞の「brought (about)」があり、「that」の前の「professional armies」を修飾
している。お粗末。入試問題に出すとよいかも知れない。)。封建貴族の力(強さ)
は難攻不落の城に依存していたが,それ(その強み)は大砲の導入とともに終った。
フランス市民革命(時)のほとんど訓練されていない(一般人民の)大軍は,彼らに
敵対する少数の職業軍人部隊を打ち破ることによって,(戦争の)大義に対する大衆
の熱意の重要性を示したと同時に,それによって民主主義の軍事上の有利な点(長所)
をも示唆した。我々は今日,飛行機(の出現)によって,再び,比較的少数の高度な
訓練を受けた兵士から成る軍隊を必要とする状況に戻りつつあるように思われる。従
って,統治形態は,全ての重大な戦争(の脅威)に曝された国々においては,航空兵
(airmen)が好みそうな統治形態になるであろうことが予想されるが,それは民主主
義的な統治形態にはなりそうもない。

Chapter XII: Powers and Forms of Governmants, n.33

Government has at all times been greatly affected by military technique. 
In the days when Rome was tending towards democracy, Roman armies were 
composed of Roman citizens ; it was the substitution of professional armies
 that brought about the Empire. The strength of the feudal aristocracy 
depended upon the impregnability of castles, which ended with the 
introduction of artillery. The large almost untrained armies of the French
 Revolution, by defeating the small professional armies opposed to them, 
showed the importance of popular enthusiasm for the cause, and thereby 
suggested the military advantages of democracy. We seem now, through the 
aeroplane, to be returning to the need for forces composed of comparatively
 few highly trained men. It is to be expected, therefore, that the form of
 government, in every country exposed to serious war, will be such as airmen
 will like, which is not likely to be democracy.
 出典: Power, 1938.
 詳細情報:http://russell-j.com/beginner/POWER12_330.HTM
	

■「(ほぼ日刊)ラッセルの英語」
      n.1239~1243号 を発行しました
   http://archive.mag2.com/0001623960/index.html

  以下,1つだけ再録します。
   http://archives.mag2.com/0001623960/20180113060000000.html

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 R英単語・熟語  contingency (n) [不慮の事故(出来事);緊急事態]
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★ contingency (n) [不慮の事故(出来事);緊急事態;臨時費]

* contingent (adj.):~に依存的な
* be contingent on ~次第である,~を条件としている
* on contingent 偶然の,不慮の
* prepare for contingencies 不慮の事故に備える
* contingent expenses 臨時費 
   http://russell-j.com/beginner/reitan-c130.htm

<用例>
I do not mean these statements to be taken in an absolute sense ; there will
 always be unforeseen contingencies in which older methods may become 
necessary.
[私はこれらのことを絶対的な意味で言っているのではない。(即ち,)常に,思い
がけない事件が起こることはありえることであり,古い方法が必要になるかもしれな
い(から言っているのである)。]
 出典:ラッセル『教育論』第19章「結論」
     http://russell-j.com/beginner/OE19-010.HTM

<参考例1>
Space shuttle lift-offs are contingent on the weather.
[スペースシャトルの打ち上げは天気次第である。]
 出典:『京大学術語彙データベース 基本英単語1110』p.143

<参考例2>
We should prepare for the contingency.
[私たちは不慮の出来事に備えるべきだ。]
 出典:『キクタン super 12000』p.309

<参考例3>
We have to be prepared to deal with contingeniesy.
[私たちは不慮の事故に対処する用意ができていなければならない。]
 出典:『キクタン TOEIC TEST SCORE 990』p.27

<参考例4>
We have contingency plans ready in case there is a flood.
 出典:Longman Dictionary of Contemporary English, new ed.


★「ラッセルの言葉(Word Press 版)v.2」 n.983~987

1)n.983: 先入観や願望によって歴史の発展を見ること
     https://russell-j.com/wp/?p=3332

 これは,聖アウグスティヌスからトインビー教授まで,多くの著名人を魅惑
した歴史的発展の広大な体系(図式)にあてはまります。 現代における人間
の発展に関する一般的理論の最も重要な発明者は,ヘーゲルとその弟子のマル
クスでした。二人とも過去の歴史は論理的体系(図式)に従うこと,またこの
同じ体系(図式)が未来を予言する手段を与えると信じました。(また)どち
らも水素爆弾を予言しませんでしたし,これまでに作り上げられた人間発展の
理論は,どれもこの発明の才に富む装置(水素爆弾)の影響を我々(人類)が
予見することを可能にしませんでした。

 こういった熟慮(反省)が,陰欝に思われるのであれば,別のもっと陽気な
種類の熟慮{反省)をつけ加えましょう。(即ち,)私は,全ての社会は必然的
に老いていき,個人の人体のように衰退せざるを得ないというシュペングラー
の見解を受け入れることはできません。この見解は,社会組織と個人の肉体組
織との間での類推を不当に押し付けたことから生じていると考えます。

 大部分の社会は,老齢化したことによってではなく,暗殺(だましうち)に
よって滅びてきました。中国社会は漢王朝の没落以来弱体化してきたと主張す
る人もいるかも知れませんが,中国は,中国の西側に隣接する国々が人口がま
ばらであったために生き残りました。中国の伝統的文明に終止符を売ったもの
は,中国の新しい内在的な弱点ではまったくなく,西洋との交流手段の改善で
す。ストア主義者のなかには,世界は周期的に火によって破壊され,その後再
生されるだろうと考える者もいました。

 この見解には明らかに人間の先入観に合う何ものかがあり,もっとおだやか
な形式では,歴史家が考え出した人間発展の一般的理論のほとんど全てに横た
わっています(潜んでいます)。それらすべては,発明者(考案者)の気質に
よって,快いものであったり,不快なものであったりする,神話にすぎないと
,私は言いたい。

This applies with especial force to those large schemes of historical
 development which have fascinated many eminent men from St. Augustine
 to Professor Toynbee. In modern times, the most important inventors 
of general theories as to human development, have been Hegel and his 
disciple Marx. Both believed that the history of the past obeyed a 
logical schema, and that this same schema gave a means of foretelling
 the future. Neither foresaw the hydrogen bomb, and no doctrine of 
human development hitherto concocted enables us to foresee the effects
 of this ingenious device. If this reflection seems gloomy, I will add
 another of a more cheerful sort: I cannot accept the view of Spengler
 that every society must inevitably grow old and decay like an 
individual human body. I think this view results from unduly pressing
 the analogy between a social and an individual organism. Most 
societies have perished by assassination, and not by old age. Some 
might maintain that Chinese society has been decrepit ever since the 
fall of the Han dynasty; but it survived because the countries 
immediately to the west of China were sparsely inhabited. What has put
 an end to the traditional civilization of China is not any new 
inherent weakness, but the improvement in means of communication with
 the West. Some among the Stoics thought that the world would be 
periodically destroyed by fire and then recreated. There is evidently
 something in this view which suits men's preconceptions, and in 
milder forms it underlies almost all general theories of human 
development that historians have invented. All alike, I should say, 
are no more than myths, agreeable or disagreeable according to the 
temperaments of their inventors. 
 出典:History as an art  (1954)
 詳細情報:http://russell-j.com/beginner/1057_HasA-060.HTM

 <寸言>
 自分たちを特別視する神話にすがりたい人々が誤った歴史観を持ちやすい。

2)n.984: 歴史の迂回路ー主流(の歴史)のみが歴史ではない
     https://russell-j.com/wp/?p=3334
    
3)n.985: 一般読者のための歴史(学)-自分の時代は特別な時代だと思いたがるが
     https://russell-j.com/wp/?p=3338

4)n.986: ルーズベルト大統領夫人は共産主義による支配よりも人類の滅亡を望んだ
     https://russell-j.com/wp/?p=3344

5)n.987: 一般読者向けの歴史書の書き方
     https://russell-j.com/wp/?p=3347


★「ラッセルの言葉_画像版」

 日本語 version : n.0433j-0439j を投稿
 英 語 version : n.0433e-0439e を投稿

 ひとつだけあげておきます。
  http://russell-j.com/smart_r366/r366g_j0434.html

 気分転換が必要

 気分については議論しても仕方がない。気分は何か幸運な出来事が起これば変わる
し,体調の変化によっても変わるが,議論によって変えることはできない。私自身も,
一切が空しいと感じるような気分をしばしば経験した。そんな気分から脱出できたの
は,何らかの哲学によってではなく,どうしても行動を起こさなければならない何らか
の必要性に迫られたからであった。

There is no arguing with a mood; it can be changed by some fortunate event,
 or by a change in our bodily condition, but it cannot be changed by 
argument. I have frequently experienced myself the mood in which I felt that
 all is vanity; I have emerged from it not by means of any philosophy, but
 owing to some imperative necessity of action. 
 出典: The Conquest of Happiness, 1930, chap.2: Byronic unhappiness.
 詳細情報:http://russell-j.com/beginner/HA12-020.HTM

 <寸言>
 一切が虚しいと感じたら、落ち込んでばかりいないで,とにかく必要なことをいろ
いろやってみよう。そのうち,きっとそのような気分から抜け出すことができるだろう。

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(2) ラッセルに関する記述や発言等
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 今回もおやすみ

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 編集後記 世界はいつまでトランプと付き合わないといけないのか?
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 トランプ大統領の「失言」(確信犯か単なる変質者か?)は日常的な嘲笑の的として
とりあげらているが、実害を受けている人が少なくなく、笑ってばかりいられない。
昨日(米国時間)もトランプは中米やアフリカ諸国の人たちを見下すような言葉(「屋
外便所(shithole)のような国々(の人々)」を言ったと報道されている。トランプ
は、この報道に対し、「(移民対策に関する)会議で私が使った言葉はきついものだ
ったが、この言葉ではなかった」「フェイク・ニュースだ、これからは録音を必ずす
るようにしたほうがよい」などと苦しい(?)(トランプは気にしていない?)弁解
をしているが、「屋内便所」ではなく「室内便所」のつもりだったとでも言いたいの
か?
 「人は自分の言ったことに責任を持たないと行けない、特に政治家は、」とよく言
われる。しかし、トランプは日々無責任な放言を繰り返しており、ヨーロッパの指導
者は苦言を言っているが、日本の総理はトランプとの親密ぶりを自慢するばかりで率
直な意見や感想はいっさい言わずに追従するばかり。我が国の権力者は自分より強い
権力者にはこびをへつらうばかりだが、自分より弱い権力者(たとえば韓国大統領)
に対しては、上から目線で、「国益」や「愛国心」からさげすんだ物言いをよくして
いる。日本にとって不利な同じような相手国の行為でも、対米国と対韓国とでは対応
に雲泥の差がある。「国と国との約束は絶対に守るべき」だと強調するのなら、米国
に対しても、たとえば「(たとえオバマからトランプに政権が変わったと言っても)
TPP締結の国と国との約束は絶対守るべきだ」とでも、トランプに強く言ってみたら
どうだろうか、安倍さん? そんな根性はないであろうが・・・。 (松下彰良)

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■編集・発行:(松下彰良/まつした・あきよし)
■ご意見・ご感想・お問合せはお気軽に : matusitaster@gmail.com

■登録・解除・変更はこちら: http://russell-j.com/R3HOME.HTM
■WEBサイト: http://russell-j.com/
     ( top page: http://russell-j.com/index.htm )
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