バートランド・ラッセルに関するメルマガ

バートランド・ラッセルに関するメール・マガジンn.212

カテゴリー: 2011年02月26日
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 バートランド・ラッセル(1872.5.18-1970.2.2)に関するメール・マガジン
  2011/2/26: n.0212 (2006/12/21 創刊/毎週土曜or日曜日発行)
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[★投稿歓迎:ラッセルに関係するものであれば、ご意見、ご要望、エッセイ
       ちょっとした情報提供等、何でもけっこうです。投稿は、
       matusitaster@gmail.com 宛、お願いします。]

 ■ 目 次 ■

(1)ラッセルの著書及び発言等からの引用
(2)ラッセルに関する記述や発言等
 編集後記

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(1)ラッセルの著書や発言等からの引用(追加訂正などして再掲したものを含む)
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★改訳+HTML修正あるいは部分訳だったものを全訳化

1)『ラッセル自伝』第1巻第4章「婚約時代」から
 http://russell.cool.ne.jp/beginner/AB14-070.HTM
 
 ・・・。シドニー・ウェッブは、無節操と考えられるような策略を使うことを少
しもためらわなかった。たとえば彼は、多数が反対しているある論点を委員会で通
過させたいと思った時は、いつもその'係争点'が(同じ決議文の中に)2度出て来
るように決議案を作成した、と私に語っていた。それが最初に出て来たところで長
い時間かけて討論をし、最後には愛想よく譲歩する。十中八九、その論点と同じも
のが、同一決議案の後ろの方にまた出て来るとは誰も気がつかないだろう、と彼は
結論を下した。。
(Sidney had no hesitation in using wiles which some would think unscrupulous.
 He told me, for example, that when he wished to carry some point through 
 a committee where the majority thought otherwise, he would draw up a 
 resolution in which the contentious point occurred twice. He would have a
 long debate about its first occurrence and at last give way graciously. 
 Nine times out of ten, so he concluded, no one would notice that the same
 point occurred later in the same resolution.)

2)『ラッセル自伝』第1巻第4章「婚約時代」から
 http://russell.cool.ne.jp/beginner/AB14-080.HTM

 ウェッブ夫妻は、英国社会主義に知的バックボーンを与えるのに大きな役割をは
たした。彼らは、(ベンサム流)功利主義者たちがその初期に(19世紀初頭の)英
国急進派のために果たしたのと同様の働きを、程度の多少はあれ、果たした。ウェ
ッブ夫妻と(ベンサム流)功利主義者たちは、ある程度のドライさと冷酷さ、それ
から、感情は紙屑籠にいれてしまうのがよいという信条を共有していた。しかし功
利主義者たちとウェッブ夫妻は、同様に、その信条(感情は紙屑籠にいれてしまう
のがよいといった信条)を熱狂的な支持者たちに教えていた(松下注:「熱狂的な」
支持者・追従者に、'感情・情熱'は余分なものだと説いたことに対するラッセルの
皮肉か?)
(The Webbs did a great work in giving intellectual backbone to British 
 socialism. They performed more or less the same function that the 
 Benthamites at an earlier time had performed for the Radicals. The Webbs
 and the Benthamites shared a certain dryness and a certain coldness and
 a belief that the waste-paper basket is the place for the emotions. But 
 the Benthamites and the Webbs alike taught their doctrines to enthusiasts.)

3)ラッセル「島国根性について」(アメリカン・エッセイ)
 http://www005.upp.so-net.ne.jp/russell/INSULAR.HTM
 
 ・・・。それゆえ、「島国根性(狭量さ)」は、島(国)の住人の特徴ではなく、逆
に、広大な内陸諸国の住民の間で最も普通に見られる特徴であると思われる。住む
ところが海から遠く離れれば離れるほど、人々は「島国根性」を持つようになる。
文明の進歩は、従来、例外なく航海民族からもたらされてきている。即ち、フェニ
キア人、ギリシア人、アラビア人、イタリア人、オランダ人、イギリス人そして(南
北戦争までの)アメリカ人等々。多分、海洋の重要性を減じた鉄道の発明が、最近に
おける文明の衰退の根本原因だと考えられる。それが事実であるならば、文明の回
復は航空機の完成によってもたらさせるであろう。
(t would seem, therefore, that 'insularity', so far from being a 
characteristic of islanders, is, on the contrary, most often to be found 
among the inhabitants of vast inland countries. The further people live 
from the sea, the more 'insular' they become. Progress in civilisation has
always come from seafaring nations: the Phoenicians, the Greeks, the Arabs,
the Italians, the Dutch, the British, and (until the Civil War) the Americans.
Perhaps the invention of the railway, which has diminished the importance of
the sea, is the ultimate cause of the decline of civilisation in recent times.
If so, perhaps recovery will come through the perfecting of the aeroplane.)

4)ラッセル「占星術師について」(アメリカン・エッセイ)
 http://www005.upp.so-net.ne.jp/russell/ASTROLOG.HTM
 
 ・・・。以上のように言うことができるということは、占星術師にとっては名誉
なことであるが、我々の教育システムにとってはとても不名誉なことである。学校
や大学では、あらゆる種類の情報が大量に与えられるが、それらのいかなる情報に
ついても、理性を働かせたり、何が何に対する証拠であるかを考えることを教えな
い。科学的証拠の本質についての観念をわずかでも持っている人間は、占星術師が
持っているような信念を持つことはもちろん不可能である。しかし、たとえば、あ
る特定の地域に住む人間やある金額を越える収入を稼ぐ人間は特別な長所を持って
いるといったような、政府当局が基本としている信念の大半は、これと同じはずで
ある。正しく推論を行う方法を(生徒や学生に)教えると、これらの信念の基礎を
掘り崩す恐れがあるため、民衆(国民)に正しく推論する方法を教えることは好ま
しくないのであろう。この種の信念が色褪せれば、人類の災厄は回避されるが、政
治家は災厄を逃れることはできない。それゆえ、(政治家・統治者は)いかなる代
償を払っても、我々(被統治者・被選挙民)を愚鈍な状態にしておかなければなら
ないのである。
(That this should be possible is creditable to them but very discreditable
 to our educational system. In schools and universities information of all
 sorts is ladled out, but no one is taught to reason, or to consider what
 is evidence for what. To any person with even the vaguest idea of the 
 nature of scientific evidence, such beliefs as those of astrologers are 
 of course impossible. But so are most of the beliefs upon which governments
 are based, such as the peculiar merit of persons living in a certain area,
 or of persons whose income exceeds a certain sum. It would not do to teach
 people to reason correctly, since the result would be to undermine these 
 beliefs. If these beliefs were to fade, mankind might escape disaster, but
 politicians could not. At all costs, therefore, we must be kept stupid.)

5)ラッセル「公益と私益」(アメリカン・エッセイ)
 http://www005.upp.so-net.ne.jp/russell/PUB-PRIV.HTM
 
 ・・・。もしも私企業が今後も存続すべきであるならば、公共の利益の範囲内で、
私企業が利益を上げる方法をとるよう、可能なかぎり、法的強制力を課すことが必
要不可欠である。
 けれども、今日ではこれは困難である。政治汚職(買収)、パニックを引き起こ
すという脅かし、新聞の広範な部分への影響力を通して,大実業家の権力は絶大で
あるため、たとえ彼らが政治的興奮の一時期に激戦で敗れることがあったとしても、
我々はこの種の激戦の勝利により、世論操作の武器を残らず彼らから奪い取らない
限り、通常時に彼らをじっとさせておくことはできない。彼らが自分の財産を保持
している間にこれが可能か否かは難しい問題であるが、現在のアメリカの実験(ニ
ューディール政策)が一段落した後、われわれはある程度のことを知るであろう。
今日考えられているよりもはるかに徹底的な対策が必要だという結論になるかもし
れないが、今の段階で私がその点について予言することはさし控えるべきだろう。 
(If private enterprise is to continue, it is essential that the law should,
 as far as possible, compel it to confine itself to those methods of making
 a profit which are advantageous to the public.
 In these days, however, this is difficult. The power of the great magnates,
 through political corruption, through threats of causing a panic, through
 influence on large sections of the press, is such that, while they may be
 defeated in a pitched battle at a time of political excitement, they cannot
 be kept in their place at ordinary times unless, as a result of a pitched
 battle, they have been shorn of most of their means of influencing opinion. 
 Whether this is possible while they retain their property is a difficult 
question, as to which we shall know more when the present American experiment
 has run its course. It may be found necessary to go further than is at 
 present contemplated, but as to that I should not venture on a prophecy.)

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(2)ラッセルに関する記述や発言等
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★R徒然草
1)エリック・ホブズボーム(著),河合秀和(訳)『わが20世紀・面白い時代』(三省堂,
 2004年7月刊/原著:Interesting Times: a Twentieth-Century Life, by Eric
  Hobsbawm, c2002)(2011.2.20)[Eric Hobsbawm:1931-1990)]
 (pp.231~243:第14章 クニヒト山麓にて)

 (p.231)1961年、バートランド・ラッセルとその他およそ一万二干の人々とともに、
(著者ホブズボームが)トラファルガー広場で有名な反核の座り込みをして、幸い
にも警察に逮捕されないで終わってからまもなく、友人で(ケンブリッジ大学の)
「使徒の会」の会員でもあったロビン・ガンディから、疲れた顔をしているから2,
3日、彼とともに北ウェールズですごさないかという誘いがあった。・・・。その
平地は、19世紀初めにマドックスという人が壁を造成して排水するまで、海の入江
になっていた。ポートマドックという新しい港の名前は、彼の名前を取ったもので
ある。この事業は進歩的な訪問客から大いに誉められたが、詩人のシェリーもその
一人だった。・・・。
 (p.236)・・・。ケンブリッジの大物たちの名前が、いろいろな意味でクラフ王国
とすでにつながっていた(クラフ・ウィリアムズ=エリス Clough Williams-Ellis:
ポートメリオンに理想郷を創った建築家で、ラッセルの友人→ 参考)。哲学者のバ
ートランド・ラッセルはポートメリオン半鳥に、ノーベル賞を受賞した物理学者パ
トリック・ブラケットは、引退後に、クロイソルの娘の家からあまり遠くないブロ
ンダヌの少し上にある休日用の田舎家だった家に定住し、中国科学史の偉大な研究
者ジョゼフ・ニーダムは、一人ないしは二人の女性とともにきまってポートメリオ
ンで休暇をすごした。・・・。
(p.239)・・・。しかしそれは、外部からやって来た者の喜びだった。北ウェールズ
のわれわれの地方は、外部からの永久的、半永久的な定住者というか、民の奇妙な
一群を引きつけていた。フリーランスのもの書き、ソーホーにいられなくなったボ
ヘミアン、不定期の低収入の中で精神的な救済を求める人、風変わりな無政府主義
の知識人などがそうした人々だった。反核闘争を代表する高齢の導師バートラン・
ラッセルがクラフ王国にいることから、多くの人々がこの地域に集まった。ラッセ
ル自身のうまくいっていない家族の人々は数に入れないとしても。若いアメリカ人
の闘士で、当時この哲学者に対して異常な影響力を持っていたラルフ・シェーンマ
ンは、決して地元民の一人になることはなかった。彼はラッセルの名において世界
を救うことを唱えて、忙しく飛び回っていた。・・・。1962年のキューバ・ミサイ
ル危機の後に、彼はラッセルが世界平和を救ったことに感謝するデモ行進をポート
メリオンで行なったが、それはフルシチョフがラッセルヘの電報で危機の終結を公
式に発表したからだった。(これは、フルシチョフにあてたラッセルの電報への返事
だったが、キンゼーはラッセルの電報は自分が原稿を書いたと称している。)

2)近藤孝弘『国際歴史教科書対話-ヨーロッパにおける「過去」の再編』(中公新
 書n.1438,1998年刊)(2011.2.22)
* 近藤孝弘:こんどう・たかひろ、1963~ ):本書執筆時、名古屋大学教育学部
 助教授。現在、名古屋大学大学院教育発達科学研究科教授。
 (pp.1~-14 序章 歴史教科書への問いかけ)
(p.1)歴史教育の機能

  (子どもたちは)自分たちの国家が行なった戦争はことごとく防衛のための戦争
  で、外国が戦った戦争は侵略戦争なのだと思うように導かれる。予期に反して、
  自国が外国を征服するときは、文明を広めるために、福音の光をともすために、
  高い道徳や禁制やその他の同じような高貴なことを広めるためにそうしたのだ
  と信じるように教育される。
 
 バートランド・ラッセルは『教育と社会体制』(松下注:Education and the 
Social Order (London; Allen & Unwin, 1932))のなかで、このように述べている。
 これはヨーロッパの帝国主義諸国を念頭に置いての発言だが、いわゆる教科書検
定のみならず、政治家・知識人による過去を美化する発言をたびたび耳にしてきた
日本国民には、容易に実感をもって受け止めることができるであろう。確かに侵略
戦争は悪いことだが、朝鮮半島から大陸への進出は、ロシアの脅威に対して自衛す
るうえで必要不可欠の措置であり侵略戦争ではなかったと考える人々、そしてその
ように次世代の日本国民に信じさせたい人々は、いまも少なからず存在している。
こうした現象は、「教科書問題」という言葉が示すように、戦後の日本社会の未解
決の問題として取り上げられる例が多いが、ラッセルのさきの言葉は、国家による
自国史の美化という行為が、必ずしも日本に限られるものではないことを示してい
る。それは、むしろアメリカやヨーロッパ諸国にもかなりの程度に共通した現象と
認められるであろう。 

3)山田光成「私の履歴書」(『私の履歴書・経済人』第24巻(日本経済新聞社,1987
 年pp.85-169 所収)(2011.2.22)
* 石田光成:1907~1987):日本信販及びJCBの創業者。慶應義塾大学卒。昭和23年、
 日本百貨サービス株式会社(現在の日本信販)を創立。昭和36年、三和銀行と折半出
 資で「日本クレジットビューロー(JCB)」を設立。

 引用省略

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(3)読者コーナー(ご意見・感想・要望・その他なんでも)
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●投稿をいただければ、ここに掲載します。
 (実名でも仮名でもどちらでもけっこうです。)

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 編集後記 
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 花粉が飛び散る季節となりました。私も10年ほど前に花粉症を発症し、以来、
この季節になると苦しんでいますが、皆さんはいかがでしょうか?

 前回、このメルマガで facebook の利用を開始したと書きましたが、その後少し
活用法について思案しています(、というか苦慮しています。)進歩が急な分野は
しかたがないですが、先日購入した『facebook をスマートに使いこなす基本&活用
ワザ150』(インプレスジャパン,2010年11月刊)に書かれている内容がすでに
変更となっている部分があり、戸惑うことやよく理解できないところがいくつかあ
りました。facebook は米国人(の若者)が創っているためか,発想がちがうところ
もあり、それがわかりにくさの一因でもあるな気がします。 (松下彰良)

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■編集・発行:(松下彰良・まつしたあきよし)
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