瀬戸だより~せとものについて話しませんか~

瀬戸だより666号「せんべい」という話

カテゴリー: 2019年03月23日
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  瀬戸だより ~せとものについて話しませんか~
      666号「せんべい」という話

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 桜の話題も聞かれるようになった今週です。瀬戸の桜もつぼみを膨らませてい
るようです。

 「トチ」という窯道具があります。窯で器を焼成する際、器と棚板の間に挟む
ように置かれる薄い円盤状の(でないものもあるし、形は様々)土の板になりま
す。これが何のためかといえば、器の釉薬が融け流れ棚板についてしまうのを防
ぐためとなります。
 釉薬は窯の高温の中で融け流れます。流れすぎて棚板に付いてしまうと、後始
末もたいへんですし、繰り返し使う棚板の寿命も短くなってしまいます。じゃあ、
釉薬を流れにくく調合すれば……となりそうですが、釉の種類によっては流れる
ことで美しくなるものも少なくありません。瀬戸で言えば「御深井」などはその
代表になるでしょうか。融けて流れて、しかも流れすぎて棚板に付かない、とい
うぎりぎりを攻めて調合するのでしょうが、窯の内部はすべてが同じ温度同じ環
境ではありません。季節などによっても違ってきます。このリスクを減らすため
の「トチ」となります。
 ネットで調べると、ガス器具の五徳のような形の点で器を支えるタイプなど凝
った作りのものも見られます。丸い円盤状のものも含めて販売もされていますが、
昔から窯場で手作りされるのが瀬戸では普通ですね。丸い団子を「より土」(ざ
っくりとした耐火性もある土)で作り、陶製の大きなスタンプのような道具で
(これも自作)つぶして平らな円盤を作ります。一番シンプルで使い勝手のいい
形。これを「せんべい」と呼んでいました。焼き上がりなどは本当に海老せんべ
いのような白いせんべいに見えてきます。
 大きな鉢などはドーナツ状の形に仕上げます。うちの妻の話によると(実家は
本業の窯ですり鉢などを作っていた)、このせんべい作りやドーナツ作りは子ど
ものころの「定番の」お手伝いだったとのいいます。
 今はきれいに澄んだ水になった瀬戸川ですが、私の子どものころは粘土の混じ
った白い水の流れる白い川でした。瀬戸市役所の前の瀬戸川は今は公園のように
整備されていますが、当時は普通の河原でどこか上流で捨てられたこの「せんべ
い」が流れ着いていました。よく石を投げで水面をバウンドさせる水切りなんて
遊びがありますが、この軽く平面なせんべいを投げると石とは比較できないほど
水面を跳ねていきました。そんな夏の思い出があります。白い水面ですので、今
思うとなかなかシュールの風景でしたね。

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発行周期:  週刊 最新号:  2019/03/23 部数:  296部

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