水平通信

水平通信☆第77号 2012.8.03

台風の直撃の次は、九州を襲った大雨被害です。
気象庁が「これまでに経験したことのないような大雨になっている」と警戒を呼びかけましたが、甚大な人的被害が出ました。
被害に遭われた皆さんに心からのお見舞いを申し上げます。
「これまでに経験したことのないような」事象にこれからも数多く出合うのでしょう。ご自愛のほど。

☆人権のふるさとたより☆
■昨年1月22日に水平社博物館前で、携帯マイクを使って悪質極まりない差別発言を連呼した川東大了に対して、公益財団法人奈良人権文化財団(旧、財団法人水平社博物館)が名誉毀損で提訴した民事裁判の判決が6月25日午後2時に奈良地裁101号法廷で言い渡され、
牧賢二裁判官は被告・川東は不当な差別用語を発し、財団法人水平社博物館の名誉を毀損したと認定し、水平社博物館に対し慰謝料として150万円の支払いを命じ、水平社博物館が勝訴しました。
牧裁判官は、被告に慰謝料の支払いを命じるなどの主文を読み上げた後、判決の理由として 、
被告・川東が水平社博物館前の道路上において、ハンドマイクを使用して、「穢多」及び「非人」などの文言を含む演説をし、その状況を動画サイトに投稿し、広く市民が視聴できる状態においている 。
「穢多」及び「非人」という文言が不当な差別用語であることは公知の事実であり、原告の設立目的及び活動状況 、被告の言動時期及び場所等に鑑みれば、被告の言動が原告に対する名誉毀損に当たると認めることが相当との判断を示しました 。 
この判決を受けて、原告の公益財団法人奈良人権文化財団の川口正志代表理事(部落解放同盟奈良県連委員長)と弁護団は、
「この判決が、正しく差別街宣の違法性を認めたことを高く評価する。被告及び被告の属する団体が、本判決を真摯に受け止め、被差別部落出身者に対するもののみでなく、あらゆる差別を表明・助長・扇動するような不当な宣伝行為を直ちに中止するよう求める」との見解を発表しました。
判決終了後の総括集会には 、「差別街宣を許さない奈良の会 」や県内外の共闘団体をはじめ部落解放同盟近畿ブロックの各府県連 、奈良県連各支部代表者ら110人が参加。ともに勝利を喜び合うとともに、裁判で新たな課題となったヘイト・クライム( 憎悪犯罪 )の規制にむけて奮闘を誓い合いました。
また病いと闘いながら原告代理人として訴状を書き上げ奈良地裁に提訴後、法廷で闘うことなく永眠した故高野嘉雄・元県連顧問弁護士の冥福を祈り黙祷を捧げました
その後、川口代表理事は、「請求金額の1割以上に値する慰謝料の支払いを命じた判決は、裁判官が私たちの思いをしっかりと受けとめた結果だと思う」と述べ、
「差別による被害を金員で償いを求めることは適当ではないが 、それは現行の法律に欠陥があるで、人間の尊厳を傷つける人権侵害やヘイト・クライム(憎悪犯罪)を規制 、処罰する法律が、日本でも必要であり、今通常国会で求めている「人権侵害救済法」の制定へ 、機運をさらに盛り上げていきたい」と訴えました 。
なお、控訴期限の7月9日までに川東は控訴せず、判決が確定しました。
また、川東がYouTubeに掲示した問題の動画については、水平社博物館からの要請で、7月20日から視聴不可となっています。
■6月26日公益財団法人奈良人権文化財団評議員会が開催され、2011年度事業報告、入館状況、収支決算報告、会計監査報告、理事の選任などが協議、承認されました。
なお、理事には部落解放同盟奈良県連合会委員長・川口正志さん、奈良県部落解放企業連合会理事長・竹中洋幸さん、財団法人奈良 人権部落解放研究所理事長・寺澤亮一さん、奈良県市町村「啓発連協」事務局長・成田進さん、奈良県人権教育推進協議会会長・大寺和男さん、部落解放同盟御所・葛城・高取支部協議会副議長・東本進さんが選任されました。
また、監事には、御所市柏原北方区総代・井上邦夫さん、部落解放同盟奈良県連合会柏原支部支部長代行・竹川忠成さん、木本税務会計事務所税理士・木ノ元亞夫さんが選任されました。
■7月1日には橿原万葉ホールで部落解放同盟奈良県連合会主催で全国水平社創立90周年・大和同志会創立100周年記念事業として「先輩を偲ぶ集い」開催され、第1部では物故者顕彰、浄土真宗本願寺本派奈良教区教務所の御住職方による読経、参列者の献花がおこなわれ、第2部は浄土真宗本願寺派光明寺住職、三浦明利さんの人権コンサート「響きあういのち」を約500人の参加者が楽しみました。
■7月31日、奈良県橿原文化会館で、2012部落差別等撤廃と人権確立を目指す奈良県民集会が開催され、その中で水平社博物館が主催し募集した「おもいやりショートレター」の表彰式を行いました。詳報は次号でお知らせします。
■8月1日、水平社博物館前の人権のふるさと公園で、全国水平社創立90周年・大和同志会創立100周年記念モニュメントの除幕式がおこなわれました。詳報は次号をお楽しみに。

☆水平社運動関係一口メモ☆
1925年8月20日、三重県城南村で水平社と国粋会が抗争(伊賀上野事件)。
―全日本無産青年同盟結成。
―奈良県宇智郡で下駄職工ストライキ。

☆これからの予定☆
全国水平社創立90周年記念 第15回特別展「水平社運動・部落解放運動90年の歴史」、5月2日から8月31日まで。
8月26日、午後4時半から、人権のふるさと柏原納涼まつり。
可変型展示「1924年の水平社運動」、4月1日から2013年3月31日まで。
人権教育支援事業「出前博物館」(「はじめての部落問題」、完全予約制、有料)の注文はおまへんか????。

館長でした。

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水平社博物館
〒639-2244奈良県御所市柏原235-2
TEL0745-62-5588 FAX0745-64-2288
http://www1.mahoroba.ne.jp/~suihei/
suihei@mahoroba.ne.jp

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発行周期: 月刊 最新号:  2019/02/03 部数:  219部

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