左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii

左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii 第278号「名作の中の~推理小説編-1-」


カテゴリー: 2011年09月17日
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【左利きを考えるレフティやすおの左組通信】メールマガジン
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 右利きにも左利きにも優しい左右共存共生社会の実現をめざして 
  左利きおよび利き手についていっしょに考えてゆきましょう!
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 第278号(No.278) 2011/9/17「名作の中の左利き~推理小説編
 -1-推理小説と左利きについて」
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 ≪左利き学入門≫ ■名作の中の左利き■ ..第三土曜日掲載
  ~推理小説編―1―推理小説と左利きについて
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  第三土曜日は、<名作の中の左利き>です。
  前回もお話しましたように、
  当初は世界的な名作を扱うように努力してきましたが、
  ふさわしい作品が少なくなりました。

  今回より推理小説の分野から幾つか話題を拾ってみます。

  推理小説には、左利きの人物が登場するものが結構あり、
  かつ内容的にも、左利きの特徴を活かしたものがあり、
  ここで取り上げるべき作品が、いくつかあります。

  ただ推理小説系は、被害者もしくは捜査の依頼者が左利き、
  というケース以外は、なかなか取り上げにくく、
  ―犯人や容疑者が左利きのケースは、
  どうしてもネタばれになる恐れがありますので―
  使いやすいネタ本は限られてきます。

  (<被害者が左利き>では、アガサ・クリスティの
   名探偵エルキュール・ポアロものの中編
   「厩舎街(ミューズ)の殺人」Murder in the Mews
   『死人の鏡』小倉多加志訳〈クリスティー文庫58〉収録。
   東野圭吾の練馬署刑事・加賀恭一郎ものの長編
   『どちらかが彼女を殺した』講談社文庫。
   <捜査の依頼者が左利き>では、コナン・ドイルの
   ホームズものの短編「黄いろい顔」The Yellow Face、
   新潮文庫『シャーロック・ホームズの思い出』収録。)

  ということで、まずは「推理小説と左利きについて」から。


 ◆最初はやっぱりこの人? ポーの短編

推理小説を確立したのは、アメリカの19世紀の作家・詩人、
エドガー・アラン・ポー
 Edgar Allan Poe(1809.1.19-1849.10.7) とされています。

それ以前にも、
犯罪を扱った物語や探偵の登場する物語はありました。

しかし、冒頭の謎とその論理的な解決を愉しむ
という構造を持つ物語は、それまでありませんでした。

冒頭、読者にとって興味深い謎を提示し、
後半の解決編で探偵役が論理的に解き明かす物語―
それを助手となる語り手が報告する。

この<ホームズ=ワトソン>パターンを最初に確立したのも、
ポーでした。

その記念碑的作品は、1841年「モルグ街の殺人」
The Murders in the Rue Morgue でした。

そして、1843年に発表された暗号解読ものの短編「黄金虫」
The Gold Bug では、左利きの人物を配し、
【左利きの人に多いといわれる左右を間違う癖(?)を
利用したトリック】を編み出します。

(↓参照)

・第180号(No.180) 2009/5/16「名作の中の左利き(2)」
 ―その2―『黄金虫』エドガー・アラン・ポー
http://archive.mag2.com/0000171874/20090516074500000.html


 ◆名探偵ホームズのモデルとなった恩師の推理

ポーを継ぐ人は何と言っても、この人。

ドイルは、19世紀末から20世紀初頭にかけて活躍した
イギリスの医師出身の小説家、のちにサーの称号を受けた人物で、
推理小説を一般庶民の知的娯楽読み物に仕立て上げた人物です。

当時流行し出した庶民向け月刊雑誌『ストランド・マガジン』に、
名探偵シャーロック・ホームズを主人公とする
一連の短編小説を連載し、人気雑誌に押し上げました。

彼がホームズのモデルとしたといわれるのは、
エディンバラ大学の医学生時代、外来診療の実習生として、
エディンバラ病院の外科医でもあった恩師、
ジョーゼフ・ベル博士でした。

その推理法を彼の診療室での“講義”で身につけたのでした。

その例の一つとして紹介されているものに、
左利きの靴直し職人の話があります。

(↓参照)

・第197号(No.197) 2009/9/19 
「名作の中の左利き(6)ホームズの名推理」
http://archive.mag2.com/0000171874/20090919074000000.html


 ◆名探偵ホームズの生みの親コナン・ドイルの短編

ホームズものの【左利きを扱った短編】には、

依頼人の忘れ物のパイプから依頼人の人となりを推理する
「黄いろい顔」The Yellow Face
(『ストランド』誌1893年2月発表、
 第二短編集『シャーロック・ホームズの回想』収録)
があります。

(↓参照)

・「レフティやすおのお茶でっせ」
2005.9.17 依頼人は左利き―ホームズの名推理「黄いろい顔」より 
http://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2005/09/post_4893.html


さらに、【左利き犯人もの】は、この「黄いろい顔」より早く、
4番目の短編「ボスコム谷の謎」The Boscombe Vally Mystery
(『ストランド』誌1891年10月発表、
 第一短編集『シャーロック・ホームズの冒険』収録)
で、披露しています。

この作品では、被害者の頭部の傷の位置から
「犯人は左利き」と割り出します。

  《「じゃ、左ききだってことは?」/「外科医の検死報告に
   あった傷の状況は、きみだって気にしていたじゃないか。
   真後ろから殴っているのに、傷は頭の左側にあった。とな
   ると、これはどうみたって左ききの犯行としか考えられな
   い。... 」》

    「ボスコム谷の謎」日暮雅通/訳 p.175より
    光文社文庫<新訳シャーロック・ホームズ全集・1>
    『シャーロック・ホームズの冒険』収録


さらに足跡の状態等現場の観察からそれ以外の人物像まで―。

 ・・・

こうやって見て来ますと、
左利きの特性を利用して推理小説を書くという道筋は、
推理小説というジャンル同様、
ポーに始まりドイルで確立した、と言えるのかもしれません。


※参照:

・「黄金虫」収録本:
『黄金虫・アッシャー家の崩壊 他九篇』ポオ/作 八木敏雄/訳
 岩波文庫(2006)
http://www.amazon.co.jp/dp/4003230639/ref=nosim/?tag=hidarikikidei-22
・アーサー・コナン・ドイル「黄いろい顔」収録本:
 新潮文庫『シャーロック・ホームズの思い出』延原謙/訳
http://www.amazon.co.jp/dp/4102134034/ref=nosim/?tag=hidarikikidei-22
 光文社文庫<新訳シャーロック・ホームズ全集・2>
 『シャーロック・ホームズの回想』日暮雅通/訳(2006.4)
http://www.amazon.co.jp/dp/4334761674/ref=nosim/?tag=hidarikikidei-22
・ホームズのモデルとなった恩師のエピソード収録本:
 『コナン・ドイル』ジュリアン・シモンズ/著 深町真理子/訳
 創元推理文庫(1991) ―図版を多用したコンパクトな伝記。
http://www.amazon.co.jp/dp/4488100066/ref=nosim/?tag=hidarikikidei-22
 『コナン・ドイル』ジョン・ディクスン・カー/著 /訳
 ハヤカワ・ミステリ(1993) ―2段組500ページの本格的伝記。
http://www.amazon.co.jp/dp/4150004609/ref=nosim/?tag=hidarikikidei-22
・「ボスコム谷の謎」収録本:
 光文社文庫<新訳シャーロック・ホームズ全集・1>
 『シャーロック・ホームズの冒険』日暮雅通/訳(2006.1)
http://www.amazon.co.jp/dp/4334761631/ref=nosim/?tag=hidarikikidei-22

・「厩舎街(ミューズ)の殺人」収録本:
 アガサ・クリスティー『死人の鏡』小倉多加志訳 早川書房
 〈クリスティー文庫58〉収録(2004.5)原著1937刊
http://www.amazon.co.jp/dp/4151300589/ref=nosim/?tag=hidarikikidei-22
・東野圭吾『どちらかが彼女を殺した』講談社文庫(1999.5)
http://www.amazon.co.jp/dp/4062645750/ref=nosim/?tag=hidarikikidei-22

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