「異文化交差点」(にほんごNPO)

『異文化交差点』Vol.175(にほんごNPO)

カテゴリー: 2018年03月01日
◆◇◆◇◆◇◆◇|異||文||化|╋|交||差||点|◆◇◆◇◆◇◆◇
       ~~~Culutural Crossroads~~~~~       
             Vol.175 March            2018/3/1
 
            特定非営利活動法人 浜松日本語・日本文化研究会
                   http://nihongonpo.hannnari.com/
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

☆『異文化交差点』は〈にほんごNPO〉発行のニューズレターです。会員と
会の活動を支援してくださる方に月1回毎月1日に配信しています。

∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽

◇日本語クラス(3月4月)の日程◇
 http://nihongonpo.hannnari.com/school2018.html

━ C O N T E N T S ━
  ●にほんごNPOだより…教科書プロジェクト進行中
   ○思い出BOX(第17回)……………田野聖一
    ●にほんごNPO諸事雑感……………加藤庸子
     ○まっちゃかふぇ………………………杉本英雄
      ●ごげんかせんといけん………………杉本英雄
       ○編集後記

∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽
■□■にほんごNPOだより■□■

◆教科書プロジェクト進行中

中学生のためのいい日本語教科書がないね、ということで始まった教科書プロ
ジェクトが、いよいよ最終段階に入ってきました。

対象を小学校高学年の子どもたちにも広げ、平仮名の学習がほぼ終了してから
使用できるように、そして、学校生活で最低限必要な日本語の表現力や基礎的
な力がつくようにと、内容を見直しています。

ボランティアでイラストを担当してくださる方が偶然見つかり、フルカラーの
表紙のデザインもほぼ決まりました。プロジェクトメンバーもワクワクしなが
ら作業を進めています。

来月号のこの欄で教科書の完成をご報告できるよう頑張ります。


∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽
■□■思い出BOX■□■(第17回)

できるクラス‥……………………………………………………………田野聖一
 
靴下を履いていない学生がいた。アンとタオだ。
ベトナム人の平熱は高い。37度くらいある。

「寒くないの。」
「大丈夫です。」
「先生はピンクですか。」

私の足元を見てアンが笑う。2月に素足の学生に言われたくない。

2人はEクラスで勉強をしている。去年の4月に日本に来た。
プレースメントテストをしてEクラスに入った。ネパール人、ベトナム人、
ミャンマー人、スリランカ人、計13人のクラスだ。私が担任をしている。

先日、受動態の勉強をした。

  学校に遅れて先生が怒られました。

これくらいの間違いはご愛嬌だ。

授業の最後に文を作る。「子どものとき」で書いてもらう。

  宿題をしなくて父に叱られました。
  勉強をしなかったから親に怒られました。
  いつもゲームをしていて、よく注意されました。

Eクラスは4月生で一番下のクラスだ。
子どものときから変わっていないようだ。

「冬に薄着の人って、頭が良さそうに見えませんよね。」
靴下の話を同僚とした。
「Aクラスは、みんな履いているよ。」
Aクラスは、4月生でいちばんできるクラスだ。


∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽
●○●にほんごNPO諸事雑感●○………………………………………加藤庸子

【寒肥(かんごえ)】

我が家の庭には多種多様な木が植わっている。まるで多文化共生社会のような
庭だ。完璧な日本庭園には程遠いが、それでも、それぞれの木の個性が調和し
一つの庭として見る者を楽しませてくれている。陽だまりで、庭を眺めながら
コーヒーを飲むひと時は、至福の時でもある。

植木の世話は、もっぱら夫の父親の役目だった。年に2回、松の手入れに植木
屋さんをお願いしていたが、草取りも、花木の刈り込みも、寒肥を施すのも、
みな義父が一手に引き受けていた。

義父は昨年の10月、98歳になった。足腰が弱くなり、眺めのいい廊下の椅
子に腰を掛け、本や新聞を読んでいることが多くなった。

植木に勢いがないのは、肥料が足りないせいだと気がついたのは、昨年のこと
だった。前の年、寒肥を施さなかったのだ。寒さに凍えながら木の周りの地面
をけずり、肥料を置いては土をかぶせた。

夏になっても、植木には期待したほど勢いは戻ってこなかった。

忙しかったこともあり、今年の施肥は植木屋さんにお願いした。植木屋さんが
運び込んだ肥料は、昨年の2倍の量があった。夕方、出先から戻ると、庭には
雪が降ったかと見紛うほどの化成肥料がまいてあった。2袋あった菜種油粕も
全て使い切ったようだった。

春に備えて施す寒肥は、教育に似ている。必要な時にきちんと手立てをしなけ
れば、子どもは大きく育たないのだ。


∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽
□■□まっちゃかふぇ【おやぢのむかしがたり(4)】………………杉本英雄

「人類を月に送ったコンピュータとの遭遇」

(前回までのあらすじ)アメリカのアポロ計画に使われたコンピュータがある
という学校に入学しました。

自分が入った学校(専門学校)は、京都にありました。初めての一人暮らしを
経験することにもなりました。

入学前のオリエンテーションがあったので、中学校の修学旅行以来の京都旅行
となりました。どんなワクワクするようなコンピュータの話が聞けると思いき
や…

…まったく意外なことに、コンピュータのコの字も出てこない。それどころか
この学校に入って大丈夫なのか?と思わせる内容だったのです。

この当時この学校は、水増し入学の疑いでいろいろな新聞で書かれていたので
した。しかし朝日新聞だけは書いていない。それはウチ(の学校)が朝日新聞
奨学生を受け入れているからだ、とか校長が答弁しておるのです。

なに?水増し入学?何の話?──どうやら、一クラスの定員が80名のところ
を実際には200名取っている、というのです。

それに対する校長の答弁は──「専門学校は、就職もできない、大学にも行け
ない、そういう連中が入ってくるところだ。入学しても大半は卒業しない。だ
から定員どおりにとっていたら、採算がとれない。最後までまじめに勉強する
少数の学生のために最新鋭の設備を揃えるために(水増しの)人数が必要なの
だ」

ううん、たしかにスジは通っている(笑)。と納得したのです。入学した後に
さらに、水増しどころか隠し校舎がある、という話まで聞きました。まあ、こ
の校長はそれなりにやり手で、当時まだコンピュータの専門学校がほとんどな
い時代にこの分野を開拓したということで、こういうあらっぽい手法もやむな
しと、今でもその納得は変わっていません(笑)。

当時専門学校で三年制というのは珍しかったのですが(専門学校は二年という
のが常識)、のちに4年制ももうけ、ついには大学までつくりました。また、
911で崩れた世界貿易センタービル内に学校の事務所があったと聞いて、へ
ええ随分出世したんだなと感心したものです。

今は世界中の教育機関との提携など、かなり発展していて、グループ校として
日本語教育の機関もあります。いちおうそこの卒業生として、多少は誇ること
ができるようになったようです(笑)。

(つづく)


∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽
●○【ごげんかせんといけん】─21世紀日本語日本文化起源への旅…杉本英雄

No.076「やんちゃ」

 最近は若い頃に一昔まえには「不良」「暴走族」とかいわれてきたようなジ
ャンルの行為をしていた人に対して「若い頃、ちょっとやんちゃをしてきて」
とか、少々ソフトな表現をするようになりました。

この「やんちゃ」、ちょっと由来がわかりにくい。似たような発音で「飲茶
(やむちゃ)」がありますが、似ても似つかない。はて…?

…はたして、あまりインパクトのある語源ではなかったですが(笑)、説とし
て二つあるそうです。

子供が言うことをきかない時にいう「いやじゃ」(江戸時代くらいの言い方か?)
が訛ったという説。「いやじゃ」→「やじゃ」→「やむちゃ」?ちょっとムリ
があるような。

もう一つは、「脂茶」。脂は粘って扱いにくい。それで腕白な子供を「脂茶」
とたとえて、それがなまったという説。なるほどこちらのほうがスッキリしま
すが、なぜ「脂」に「茶」、の問題が解決していない。

江戸時代の字典のようなものに「脂茶」と書いて「やんちゃ」と読むというの
があったそうですが、そうなると脂茶が先かやんちゃが先かという問題が。

理(ことわり)が見えぬことを「病眼に茶を入れたるよう」ということわざが
あり、病眼はヤニの出るものだから、脂茶(やにちゃ)というようになった、
という説もありました。これなら納得できますか。

ちょっと待った!そもそも子供の「腕白」は、どこから?それは来月のお題と
いうことで。


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
《編者後記》日本の文化の特徴の一つが「かわいい」、とはもっぱら外国から
いわれていることです。今回のカーリング女子の試合を見ていたら、まさにそ
れだと思いました。真剣勝負だけど、かわいい。これが日本(笑)。(杉)
∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽
★現在の会員数は60名です。
☆ニューズレター読者数は293名です。
★みなさんからの意見、感想、投稿を歓迎します。宛先は下記アドレスへ。
 eiyu@po.mmm.ne.jp
◆掲載記事のうち、署名記事の転載を禁止します。
 配信責任者 杉本英雄 eiyu@po.mmm.ne.jp
∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽
このメールマガジンは、インターネットの本屋さん『まぐまぐ』を利用して発
行しています。( http://www.mag2.com/ )  ID:0000157056
○登録・解除・アドレス変更はこちらでできます。
http://www.mag2.com/m/0000157056.html
○バックナンバーは下記でご覧になることができます。
http://backno.mag2.com/reader/Back?id=0000157056
http://nihongonpo.hannnari.com/

「異文化交差点」(にほんごNPO)

発行周期: 月刊 最新号:  2018/12/01 部数:  292部

ついでに読みたい

「異文化交差点」(にほんごNPO)

発行周期:  月刊 最新号:  2018/12/01 部数:  292部

他のメルマガを読む