「異文化交差点」(にほんごNPO)

『異文化交差点』Vol.173(にほんごNPO)

カテゴリー: 2017年12月01日
◆◇◆◇◆◇◆◇|異||文||化|╋|交||差||点|◆◇◆◇◆◇◆◇
       ~~~Culutural Crossroads~~~~~       
             Vol.173 December          2017/12/1
 
            特定非営利活動法人 浜松日本語・日本文化研究会
                   http://nihongonpo.hannnari.com/
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☆『異文化交差点』は〈にほんごNPO〉発行のニューズレターです。会員と
会の活動を支援してくださる方に月1回毎月1日に配信しています。

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◇日本語クラス(平成29年度)の日程◇
 http://nihongonpo.hannnari.com/school2017.html

━ C O N T E N T S ━
  ●にほんごNPOだより…2017わいわいパーティー
   ○思い出BOX(第16回)……………田野聖一
    ●にほんごNPO諸事雑感……………加藤庸子
     ○まっちゃかふぇ………………………杉本英雄
      ●ごげんかせんといけん………………杉本英雄
       ○編集後記

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■□■にほんごNPOだより■□■

◆「わいわいパーティー2017を開きます。
 生け花や折り紙、あやとり、書道など、いろいろなアクティビティを用意
 してお待ちしています。
 バザーもあります。お気に入りのものが見つかるといいですね。

日時:12月17日(日)9:30~12:00
場所:浜松市民協働センター 2Fギャラリー
費用:無料(0円)

 9:00 準備、受け付け
 9:30 生け花体験…一人一本ずつ生けて、一つの作品を完成します。
10:00 バザー、折り紙、あやとり、書道
10:50 お茶とお菓子を食べながらおしゃべりしましょう。
      ビンゴゲーム
11:40 片付け

9時から準備を始めます。準備のお手伝いもよろしくお願いします。

バザーの品物は、当日、値段をつけてお持ちください。
値段は、100円単位でお願いします。
売り上げは、有効に活用させていただきます。

招待券を配布しています。お持ちでない方は、当日、受付でお申し出くださ
い。

         ・・・・・・・◆・・・・・・

2017年8月6日に行われた「第13回 日本語スピーチコンテスト」より
大人の部で2位になった方のスピーチをご紹介します。 

「日本に来る前に考えた事、今考えている事」
             ………デデ ハンドリアンシャ(インドネシア)

みなさん、こんにちは。
私はデデともうします。インドネシアからまいりました。
2014年12月、研修生として3年契約で来日しました。

私は来日前、日本はどんな国だろうと、いろいろ考えました。
ここにお越しになっている外国人の方はどうですか?

私は子どものころから、ずっと日本のアニメを見ていました。
日本のアニメは、とてもおもしろかったです。
一休さんとか、ワンピースとか、よく見ていました。

日本はアニメで見た内容と同じような国だと思っていました。
サムライとか忍者とか本当にいると思っていました。
そんな日本に行って日本の文化について知りたいと思いました。

こんな思いをかなえようと、いろいろ努力した末に、やっと日本に来ることが
できました。日本に来てもうじき3年になろうとしています。
3年目を迎えた今、来日前と日本の印象は全然違います。

私は日本でいろいろな事を学びました。
例えば5S(整理、整頓、清掃、清潔、しつけ)とか、他人を尊重することの
大切さとか、自然保護の大切さとかです。

ある時、職場で先輩に5S、整理、整頓と言われました。
「せいり、せいとん? 何それ、同じじゃないの?」と私は思いました。

皆さんは整理と整頓の違いを知っていますか?
整理は無駄なものをとりのぞくこと、整頓は整理したものを正しい位置に置く
ことです。難しいですね。私は、最初、ちんぷんかんぷんでした。

そして、日本の文化、食べ物、生活習慣、機会あるごとに学ぶことができまし
た。もちろん、日本語も勉強しています。最初は簡単で楽しかったけですが、
だんだん難しくなりますね。でもがんばりました。

日本て、すばらしい国だと思います。私にとって、まるで夢の国のようです。
今年の12月、私はインドネシアに帰ります。来日前、アニメでしか日本の
ことを知らなかった私ですが、日本で多くのことを学びました。日本に来て
よかったと心から思います。

たぶん、今でもインドネシア人は日本のことを、アニメや映画から情報を得て
います。私はそろそろ、帰国が近くなったので、インドネシアにいる家族や
友だちに、日本のおみやげで、何がほしいか聞いてみました。
すると、ある友だちは、ドラエモンと日本の女性がいいと言いました。
ドラエモン? 本当はいないですね。
日本の女性? どんな女性のことを言っているのでしょうか?
まーいいや。みんな日本のこと知らないから。

インドネシアに帰っても日本のことは決して忘れません。
日本に来る前は単なるあこがれだけでした。でも、今では、はっきりとした
人生の目標を得ることができました。

私は日本で学んだ多くのことをこれからの人生に役立たせていきます。
将来、インドネシア語と日本語の通訳になりたいと思っています。
そのために、近いうちに、日本の大学に留学したいと考えています。
私に人生の目標を与えてくれた日本に感謝しています。

ご静聴ありがとうございました。


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■□■思い出BOX■□■(第16回)

◆担任‥………………………………………………………………………田野聖一

「日本人はいきものを食べる。ベトナムでは食べないので驚いた。」

驚いたのは私の方だ。去年の4月に入学したシーが書いた。
1年半以上勉強している。今更「いきもの」はない。

同じクラスのチンがペンを落とした。拾おうと手を伸ばしたときだ。
「ゴン!」

すごい音がした。隣の机の角に頭をぶつけている。
「大丈夫か」
見るとタンコブができていた。

「先生、頭が壊れました。」
「話す」を「話する」と言う学生だ。
「勉強します」「洗濯します」は「する」に変わる。
「話します」は「話する」だ。頭が壊れても直らない。

チンもシーも2Eクラスだ。
今年の10月にクラス替えをした。学生数は8人。
授業についていけない学生を集めている。

「話する」と言う学生は2人いる。
「話を聞く」を「ハナを聞く」と読む学生も1人や2人ではない。

先日、日本語能力試験N3の文字語彙の練習をした。
苦いコーヒーが若いコーヒーになってしまう。

「チンさん、先輩でしょ。しっかりしましょう。」
「年は先輩ですが、頭は後輩です。」
担任じゃなければ笑える。


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●○●にほんごNPO諸事雑感●○………………………………………加藤庸子

【進路について語る会】

11月25日(土)、朝10時から海老塚町の南部協働センターで市教委主催
の浜松市内の小中学校に通う外国人のための「進路について語る会」が開かれ
ました。今年で2回目だそうです。

外国につながる高校生代表、大学生代表、社会人代表、そして、支援者代表と
保護者代表がパネリストとして登壇しました。

高校生代表は、昨年度、私達が支援を担当した生徒です。彼女は中学2年生の
5月に来日し、難関の浜松市立高校のインターナショナルクラスに合格すると
いう、これまでにない快挙を成し遂げました。私達、にほんごNPOの3名は
誇らしい気持ちで保護者籍の最後列に陣取りました。

彼女は、最初、日本で働く両親を訪ねて、観光のつもりで日本に来たこと、中
学校の生徒たちの楽しそうな様子を見て、自分も日本の学校で学んでみたいと
思うようになったこと、でも、中学では日本語が全くゼロからのスタートだっ
たため、とても苦労をしたこと、家では毎日3時間その日に学んだことを復習
したことなどを、流暢になった日本語で堂々と話すことができました。

ふと隣を見ると、彼女の支援に当たった指導者が涙をぬぐっていました。教科
内容を教えながら日本語の力を伸ばすというのは、「言うは易く行うは難し」
です。生徒以上に努力を重ねている姿を、私も間近に見ていました。彼女の涙
のわけは「推して知るべし」です。私も万感迫るものがありました。

全参加者は新聞によると35名だったそうです。もっと多くの保護者や子ども
達に参加してもらいたかったなあと思います。特に、子ども達には、頑張って
高校受験や大学受験を乗り越えた先輩の話を聴いて欲しかった!

会場で出会った中学1年生の男子生徒(昨年、ちょっとだけ支援をしたことが
ある生徒です)に、Nさんが毎日社会や理科の本を音読していたことを告げる
と、「ぼくも音読を頑張る!」と張り切っていました。


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□■□まっちゃかふぇ【おやぢのむかしがたり(2)】………………杉本英雄

「よみがえる昭和歌謡」

 最近、昭和歌謡がリバイバルしつつあります。若い人たちや外国人が昭和歌
謡にハマってきているんだそうです(首都圏での話)。

昭和歌謡の学術的な定義などありませんが、1931年に発表された古賀政男の「
影を慕いて」をスタート地点として、1989年に美空ひばりが歌った「川の流れ
のように」に至るまでの流行歌をいいます。

「歌謡曲」という名称と「昭和歌謡」とはほぼおなじ意味で、平成になってか
らは歌謡曲と呼ばれることはなくなり、「J-POP」というのがならわしです。

昭和の歌謡曲はまず歌詞ありきで、後付された曲はクラシックや当時の最先端
の世界的(主に欧米・中南米)な流行曲を取り入れて、日本独自の発展を遂げ
ていきました。

昭和歌謡は金管を主体としたビッグバンド系ジャズを始めとして、カントリー
ミュージックや当時日本で流行していたラテンミュージックが多く含まれてい
るため、とりわけ外国人の若い世代には懐かしさと新鮮さを感じるんだそうで
す。たとえば20代の若者が青江三奈が好きで、LPレコードを集めているなどと
いう話を聞くと思わず耳を疑いますが、どうやら本当のようです(笑)。

自分が子供の頃(昭和30~40年代)は、テレビのまんがや特撮(当時はアニメ
という言葉はなかった)番組の主題歌を覚えるのは日課でした(笑)。その頃
母が伊東ゆかりの「小指の想い出」をよく口ずさんでいたのを覚えています。

そのうちに山本リンダの「どうにもとまらない」やピンキーとキラーズの「恋
の季節」(ドラマがあった)がいやでも目に耳に入るようになり、ザ・ピーナ
ッツの「恋のバカンス」、青江三奈の「伊勢佐木町ブルース」等々大人の曲を
覚えるでもなく覚えていったのでした。

自分的にはじつは歌謡曲にあまり興味がなく、中学生の頃第二次ブームになっ
たビートルズあるいはフォークミュージックすら関心を持たず、もっぱらクラ
シック、それも現代音楽、さらにはプログレッシブ・ロックと呼ばれた当時の
最先端洋楽(今で言うUKヒットチャート曲)に夢中になっていました。

それでも、テレビっ子だったせいなのかいつのまにか歌謡曲なども覚えていっ
たものです。

近年、施設などでのボランテイア演奏活動をするようになってから、昭和歌謡
の必要性を痛感するようになりました。この歳になってあらためて聞いてみて、
やっと良さがわかったような気がします。

いまはボーカルの方と昭和歌謡をメインに演奏していくようになりました。現
在施設に入所されているお年寄りの方には、古賀政男や昭和20~30年代あたり
の昭和歌謡曲がツボはまりなのです。

しかしそろそろ世代交代が来ているようで、これまでの時代からもう少し進ん
で昭和30年代から40年代モノ(朝ドラ「ひよっこ」の時代の流行歌)が求めら
れるようになってきています。

はたして自分たちがお世話になる頃は、いったいどんな曲が演奏されるように
なるのでしょうか。


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●○【ごげんかせんといけん】─21世紀日本語日本文化起源への旅…杉本英雄

No.074「そんたく」

…あまりに旬過ぎるネタですが(笑)。

しかし、この言葉の意味を外国人に伝えようとすると、どう説明しますか。

まずは語源から──きわめて日本的な言葉と思われますが、じつは中国由来で
すね。

忖度(そんたく)とは、人の心を推し量る、という意味です。

奕奕寢廟、君子作之。
秩秩大猷、聖人莫之。
他人有心、予忖度之。
躍躍?兔、遇犬獲之。
(『詩経』「巧言」より)
https://zh.wikisource.org/wiki/%E8%A9%A9%E7%B6%93/%E5%B7%A7%E8%A8%80

詩経は中国の古い詩で、周の時代のものとされています。3行目に「他人心有り、
予之を忖度す。」とあります。

「忖」とは、脈をはかって心身の異常を診るという意味だそうです。「度」は
温度と同じように「量る」という意味ですね。それで「忖度」は、他人の心の
動きを推し量るという意味になったというわけです。

で、これを外国人にどう説明しましょう。日本人ならば、それこそ「空気を読
む」と同じ感覚で、さらにそこに高度な思考力を加えて、「人が心の中で望ん
でいることを推し量る」という意味で忖度という言葉を使うようになったとい
えそうです。

そこから、たとえば英語で表現すると、「read the mind on one's face=顔
に浮かんだ表情から心の働きを読み取る」となるという論もあるようです。

おっと、おもわず「下衆の勘繰り」という表現がふいに浮上しました(笑)。

ところで、瞬間顔に顕れる表情を「微表情」といい、それを読み取ることでそ
の人が嘘をついているかどうか判断して犯人を突き止める、というネタのドラ
マがアメリカでありました(「ライ・トゥ・ミー」)。

ドラマの話だと思っていたら、実際にそれをビジネスに役立てようと、すでに
サービス化されていたのには驚きました。

「空気を読む」…を科学する研究所
http://www.microexpressions.jp/

いまにAIが忖度する時代が来そうな勢いです(笑)。ちなみに映画「2001
年宇宙の旅」では、人工知能のHALが乗組員の会話を読唇術で読み取り、さらに
表情(顔認識)や体温、脈拍(生体測定)の値から、彼らがHALの電源を切ろ
うとしていることを察し(コンピュータにとって電源を切るのは“殺人”にな
る)、それで船長らを殺そうとしました。

しかし日常で「忖度」なんて使いますか。「オレは妻の最近を忖度して、きょ
うは早く帰ることにするよ」、などとは一生言うことはありますまい(笑)。


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《編者後記》次回は来年2月となります。ちょっと早いですが、今年一年お読
みいただき誠にありがとうございました。良いお年をお迎えください。(杉)
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