「異文化交差点」(にほんごNPO)

『異文化交差点』Vol.168(にほんごNPO)


カテゴリー: 2017年07月01日
◆◇◆◇◆◇◆◇|異||文||化|╋|交||差||点|◆◇◆◇◆◇◆◇
       ~~~Culutural Crossroads~~~~~       
             Vol.168 July          2017/7/1
 
            特定非営利活動法人 浜松日本語・日本文化研究会
                   http://nihongonpo.hannnari.com/
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

☆『異文化交差点』は〈にほんごNPO〉発行のニューズレターです。会員と
会の活動を支援してくださる方に月1回毎月1日に配信しています。

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◇日本語クラス6月-7月の日程◇
 http://nihongonpo.hannnari.com/school.html

━ C O N T E N T S ━
  ●にほんごNPOだより…総会のご報告
   ○思い出BOX(第11回)……………田野聖一
    ●にほんごNPO諸事雑感……………加藤庸子
     ○まっちゃかふぇ………………………杉本英雄
      ●ごげんかせんといけん………………杉本英雄
       ○編集後記

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■□■にほんごNPOだより■□■

●にほんごNPO2017年度総会のご報告をいたします。

お忙しい中ご出席くださった方には心よりお礼申し上げます。

6月10日(土)9:30より、曳馬協働センターにおいて、にほんごNPO
の通常総会が開かれました。

55名の正会員のうち、13名の正会員の方のご出席があり、かつ32名の委
任状がありましたので、正会員の過半数を超え、総会は成立いたしました。

議事として、昨年度の活動と決算報告が行われ、全会一致で承認されました。

次に、今年度の事業計画案と予算案が理事長の加藤庸子より提示され、質疑応
答の後、承認されました。

また、今年は理事の任期が満了する年でもありましたので、理事の選任と理事
長、副理事長の選定も行われました。

理事には加藤庸子、佐藤康代、松井一哲に加え、新たに村木育子(やすこ)が
加わりました。理事長、副理事長はこれまでと変わらず、加藤庸子と佐藤康代
が務めます。どうぞよろしくお願いいたします。

10:40頃から3つのグループに分かれ、茶話会を楽しみました。NPO活
動についてのもろもろの話で盛り上がり、時間を忘れるほどでした。

本日配布した資料はホームページにアップしました。ご確認ください。
http://nihongonpo.hannnari.com/jigyo/soukai_2017.pdf


●〇●第13回日本語スピーチコンテストを開きます

日時:8月6日(日)9:30~12:00
場所:浜松市市民協働センター2階ギャラリー
共催:浜松国際交流協会(HICE)、浜松市市民協働センター

中学生の部と大人の部の二部構成です。
大人の部への出場者を募集しています。
出場を希望される方は、加藤(090-1823-6363)にご連絡ください。

スピーチ終了後、発表をしてくださった皆さんを囲んで、交流会を開きます。
車座になってワイワイがやがや、おしゃべりを楽しみましょう。


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■□■思い出BOX■□■

◆理由………………………………………………………………………田野聖一

「田野先生ほどハンサムな先生はいない。」

中級のクラスで例文を出す。

「先生、うそはよくないです。」
インドネシア人の学生が笑う。

「先生、もうやめてください。」
ベトナム人の女子学生が言う。

「ハンサム」や「20歳」は1年生の頃から使う例文だ。
「クラスで先生が一番ハンサムです。」
「田野先生は20歳です。」
しつこく例文を出している。

タイではネクタイをしていた。
「キリッと見えますね。」
同僚の先生にほめられる。

チェンマイでネクタイをしている人は少ない。
フリーランスは信用が第一だ。4~500円のネクタイを4本買った。
こんなヒモ1本で信用が上がる。

日時計の写真を見せた。
ベトナム人8人、ミャンマー人1人、ネパール人が1人のクラスだ。
10人中2人しか日時計を知らない。

「影の位置で時間がわかるんだよ。」
「先生、うそです。」
「うそじゃありません。」
「じゃあ雨の日はどうするんですか。」

学生が私を信用しない。
「くだらないことばかり言っているからよ。」
妻はそう言うが違う。

「ハンサム」、「20歳」のネタはタイでも使っていた。
信用されないのには理由がある。ネクタイをしていないからだ。


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●○●にほんごNPO諸事雑感●○………………………………………加藤庸子

【異変】

日曜日の日本語教室に異変が起きている。ゼロ初級のクラスがパンクしそうな
くらいの勢いで増えているのだ。4月半ばごろまで、参加者がゼロという日が
何回かあったのに、いったいどうしたことだろう。N3、N4クラスを希望す
る方もポツポツと増えている。ゼロ初級を希望される方は、大半が日系人の皆
さんで、4~5人のファミリーでみえることが多いのが特徴だ。

偶然なのだろうか。それとも、「日本語を習わないと」と思わせるような何か
が日系人の皆さんの間に起きつつあるのだろうか。景気も上向き加減だし、日
本の魅力を再認識している人が増えているのかもしれない。

言語の学習は継続することが何よりも大切だ。クラスメイトや日本語の講師と
いい関係を築き、励まし合って日本語力を伸ばしていってほしい。


【外国人子ども支援員養成講座第2弾】

昨年の「外国人子ども支援員養成講座(全4回)」に引き続き、今年も静岡県
主催の講座が開かれる。今年は「学習につながる日本語指導を考える」という
副題がついている。日本語で会話ができるようになっても在籍クラスの授業内
容の理解や読み書きに問題を抱えている子が多数存在しているからである。

講座の対象は昨年の講座を受講した人か現役の指導者だ。定員30名のところ
応募がすでに50名を超えたという。悩みを抱えている指導者がそれだけ多い
ということだろう。

私が外国人の子ども支援を本格的に始めたのは2005年の4月だった。それ
から12年、浜松市における支援体制は、その頃とは比べようがないほど整っ
てきた。日本語指導を必要とする外国人の子どもがいる学校には、どの学校に
も日本語・学習支援の指導者が派遣されている(と信じたい)。

問題は、どれだけ支援の効果が上がっているかである。

にほんごNPOが担当する浜北区のある学校は、支援を必要とする子ども13
人に対して14時間の支援時間しか充てることができていない。バイリンガル
サポーターも週1日、4時間だけだ。同じ学年の子ども達を複数支援するなど
して工夫しても、一人当たりの支援時間数はごくわずかだ。

この傾向は特に小学校で著しい。加配教諭のいる学校とそうでない学校との格
差も大きい。中学では指導補助者制度があるため、一人当たりの時間数は小学
校と比べれば恵まれている。けれども中学の授業の難易度は小学校と比較にな
らないほど高い。週に3時間程度の支援で教科理解が進むとは考えにくい。

7月19日(水)が上記の講座の初回だ。9月6日(水)まで、全4回開かれ
る。受講生の皆さんに伝えるべきことは何かと考え、準備を進めながら、足元
の危うさに心がへし折れそうになっている。


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□■□まっちゃかふぇ【ムスビノヤマヒロク】…………………………杉本英雄

 みなさまは、半村良という作家をご存知ですか。もう故人ですが、伝奇SFと
いう新しいジャンルを切り開き、歴史、それも表立ったものではなくその背景
に潜む数々の謎をSFの手法と発想で結びつけたものです。後年は一転して下町
人情劇を描いていました。かれの作品について語れば何冊の本にもなってしま
います(笑)。

中高生の頃は一日三冊平均というハイペースで読書にいそしんでいました。と
同時に様々な音楽を聞き、ギターの練習もしていました。部活は吹奏楽でした。
今と比較すると三倍以上の密度で生きていたような気がします(笑)。

最初は海外SFから入り、次第に日本人作家に移行してきました。当時は今のよ
うな書評もなく、本の粗筋すら書かれていない、あとがきすらないのが当たり
前でしたので、レコードと同じように表紙絵とタイトルだけで購入し、読んだ
ものです。

で、何の作品かさっぱりわからないけれど、表紙とタイトルにそそられて半村
良作品に手を出しました。それが早川書房から出ていた「石の血脈」と「産霊
山秘録」だったのです。いずれもかなり分厚い。しかし、読み始めたらあれよ
あれよという間です。

「産霊山秘録」、最初は読み方がわかりませんでした。本文を読み進めている
うちに、「産霊山」は“ムスビノヤマ”と読むことがわかってきました。

この物語は、歴史の影に“ヒ一族”という超能力者集団が常にあって、天皇制
を守り歴史を作っていたという設定で、織田信長の時代から昭和までをカバー
する壮大なストーリーです。

作品の中で、日本各地の山には人々の願いを集める「産霊山」という特別な山
があり、さらにそこから世界中のすべての願いを集める“芯の山”があるとい
うのです。それで、この山を制すれば世の中は平和になるということで、ヒ一
族はこの山を求め続けていました…

で、本題はこの小説を紹介することではなく(ネットでいくらでも書評が読め
ます)、この「産霊」という言葉に注目したいのです。

「産霊山」は架空の存在です。しかし「産霊(ムスヒ)」という言葉はありま
す。神道の言葉です。「産む(す)び」が由来といわれますが、天地万物を生
み出す働きを示すようです。

むすび→産む、と考えるのは極く自然です。ここで「結び」をDNAの二重ら
せんと考えたら?

そして「産む」は、英語の子宮にあたる「Womb」に似ています。そして「ウー」
の言霊は、“生み出す”働きです(神道)。Wombの語源ははっきりしていませ
んが、「女性」を表す古代語から生まれたようでもあります。

残念ながらここで紙面が尽きましたが(笑)、こう見ると日本の言葉は別な意
味でなかなかおもしろいでしょう。


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●○【ごげんかせんといけん】─21世紀日本語日本文化起源への旅…杉本英雄

No.069「めっぽう強い」

…「めっぽう」は「滅法」ですね。お釈迦様入滅後、仏法が広く世に伝えられ
栄える正法、そして衰退が始まる像法(の世)を経て1万年後、仏教が衰退し
て悟りを得る者がいなくなってしまう時代を「末法(の世)」といいます。
そしてその後に「滅法(の世)」、つまり世の末の末、滅亡の時代が来るとい
う説があります。

…という話を聴いた気がするのですが、ググってみるとどうも違っているよう
です。

滅法は末法とは関係なく、因縁を超えた絶対真理のことを示すのだそうです。

それで近世になってからは「桁外れ」「並外れている」という意味になって、
「アイツは喧嘩がめっぽう強い」というような使われ方になった、とあります。

ちなみに「末法」は仏教用語ですが、べつにお釈迦様がそう言ったわけではあ
りません。お釈迦様亡き後いろいろなゴタゴタが起きるようになっていくうち
に、そういう考え方が出てきていろいろな使われ方をするようになっていった
ようです。お約束の“教団の内紛”ですね。

日本では平安時代から末法の世なんだそうです。

似たような語感で「めっそうもない」が思い浮かびました。「めっそう」は「
滅相」で、現れた事物が消えてなくなる様を意味します。それで「とんでもな
い」の意味で「滅相な」となり、さらに滅相でもないほどにとんでもないこと
として「めっそうもない」となっていたとあります。

いやいや今の世ほど、めっぽうめっそうもない時代だとおもいませんか。


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《編者後記》ウの言霊について調べていたら、「日本語は神である」という本
にあたりました。日本語と欧米語との違いは、日本語には「我がない」という
ような説を以前紹介しました。この本はどうやら、「日本語それ自体が宗教で
あり、日本人はまったく無意識に神信仰している」という話のようです。市販
されておらず、アマゾンでのオンデマンドかキンドル版での販売のみのようで
す。(杉)
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