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第704話「形のない資産とGDP」

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■ 第704話「形のない資産とGDP」

 GDP(Gross Domestic Product/国内総生産)は
「国内で1年間に生み出された
生産物(モノ)やサービスの金額の総和」を指します。

国の経済規模を明確に表現できることから、
国の経済力比較にも使われます。

さらにGDPの「伸び率」は
経済の進化度合いを表す指標として使われています。

 これまでの世界は、モノを効率よく大量に作ることで
経済を成長させてきましたから、
GDPの伸び率は経済成長のバロメーターとして
大いに役立ちました。

ところが最近は富の源泉がモノではなく、
データや知識など形のない資産に移ってきました。

 例えば雑誌の記事に載っていた、
下記のような話はどうでしょう。

フィンランドの首都ヘルシンキに住んでいる
ペウララさんは、愛車の維持に
月500ユーロ(約6万円)を使っていましたが、
コストに見合っただけの利用をしていないと
感じていました。

一方、スマホのアプリの「ウィム(Whim)」なら、
目的地へバスや電車、レンタカー、
シェア自転車などの利用ができ、
しかも料金が定額の月499ユーロ。

そこでペウララさんは愛車のBMWを売り払いました。

 このサービスは2017年に始まり、
いまやヘルシンキ市民の9人に1人が
利用しているとのことです。

ペウララさんは「余計なお金がかからなくなり、
生活も便利になった」と言っているそうです。

こうなると車は売れなくなり、
ウィムが売れるようになります。

ではGDPへの寄与度はどうでしょう。

どう考えても車の方が金額は高そうですから、
車がウィムに代わるとGDPは伸びなくなります。

富の源泉がモノではなく、
データや知識など形のない資産に移ったことにより、
従来の経済指標だけでは
成長が表せなくなってきたと考えられます。

今やインターネット検索やSNS(交流サイト)など、
GDPにはカウントされない無料ソフトがあふれています。

世界のGDPの伸び率は、20世紀後半が年率4%、
21世紀に入っては2%に落ちています。

この数値は世の中の流れと無縁だとは思えません。

 どこの国でもモノの豊かさを基準にして、
税としてお金を集め、
税制や社会保障として富を配分してきました。

モノではない目に見えない豊かさを、
どのように計り、どのように徴収し、
どのように配分するのか、
これからの国の大きなテーマとなりそうですね。


☆ 技術経営コンサルタント、ITコーディネーター
  小西 正暉

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