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第700話「なぜか日本の同族経営に世界が注目する」

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■ 第700話「なぜか日本の同族経営に世界が注目する」

日本のファミリービジネスの話は、
海外の学会でもポピュラーな話題で、
中でも企業の長寿性に関して関心が高いそうです。

今回は、
日本経済大学の後藤俊夫特任教授と
京都産業大学の沈政郁准教授による、
「世界が日本の同族経営に注目している」お話です。

100年以上続いている日本の企業は25,000社を超えており
(2014年時点)、そのうち147社が500年以上、
21社が1,000年以上の歴史を持つそうです。

しかも25,000社のうち、
9割以上が創業家による経営だそうですから驚きです。

海外で比較的長寿命企業が多いイタリアやスイスでも、
創業家が続いているのは半分ほどで
日本ほどではありません。

 一般的な経営理論では
経営者は株主の利益を実現する代理人ですが、
ファミリービジネスの経営者の場合は、
単に株主だけでなく、従業員、顧客、地域社会など
多様なステークホルダー(利害関係者)に
配慮してきたことが、
長期間存続してきた理由ではないかと
考えられているようです。

しかも統計的には、収益性など経理的な数値も
ファミリービジネスの方が良いそうです。

ただし成長性という観点からは劣っており、
今後の事業環境の変化にどう対応するかが課題と
後藤先生は指摘しています。

 しかし、リーマンショックに対して
どのように対応したかを調査したところ、
ファミリービジネスでは人的資本をキープしながら
物的投資で調整を行っているのに対し、
そうでない企業は人を切って投資を残す対応を
取っていたケースが多いと分かったそうです。

このようなことから短期的には
非家族企業が強いかも知れませんが、
安定性や長期的観点からは
ファミリービジネスの方が強いと陳先生は述べています。

 100年以上存続している企業で
創業時と同じ市場で同じ商品を続けているところは
19%しかなく、市場または商品が全く変わった企業が32%、
残りの49%が既存事業の周辺への進出だったとの
調査結果です。

このデータから、短期的には舵を切ることはしないが、
決して止まっているのではなく、
しなやかに変化をしていると解釈できます。

 ファミリー企業は、長い年月を乗り越えるために、
子供たちにはプライドを持って家業を継ぐことを教え、
バカ息子対策としては婿養子という慣習があり、
当主が狂ったときには
「押し込め部屋(近江商人の場合)」に
監禁するといった知恵など、
これらが長期存続の鍵として見直されているそうです。

日本のファミリービジネスこそが、
最近話題のSDGs(持続可能な開発目標)を
実践してきた企業と言えるのかも知れません。


☆ 技術経営コンサルタント、ITコーディネーター
  小西 正暉

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