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第699話「技術安全保障の確立とは?」

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■ 第699話「技術安全保障の確立とは?」

 今回は、東京大学の玉井克哉教授が座長を務める
「技術安全保障研究会(以降、本研究会)」の
提言の紹介とその感想です。

提言書のタイトルは
「諸外国並みの技術安全保障体制の構築を」で、
特に技術保護とサイバーセキュリティに関して
急ぐべきと書かれてあります。

何故なら、
現在は国の技術力が産業の国際競争力のみならず、
一国の安全保障に直結しているからだと説明しています。

 特に日本の特許制度の不備を指摘しています。
確かに日本の特許は技術の内容が
公開されることになっています。

日本では、発明者に20年間の独占使用を許している一方、
技術内容を全て公開することによって、
さらなる進歩を促すことに重点を置いています。

しかし、中国では専門チームを整え、
日本の特許を十二分に解析しているとの情報があります。

また製造特許と呼ばれる作り方に関する情報は、
真似をされても分からない場合が多々あり、
20年間の独占権が脅かされていることも
容易に想像できます。

 本研究会はサイバーセキュリティ対策の重要性も
指摘しています。

昨今は全ての情報がディジタル化され、
サイバー攻撃の対象になる時代です。

電力、ガス、水道、交通、通信のような、
重要なインフラも全て情報技術の塊みたいなものです。

悪意をもった何者かに攻撃された場合、
多くの市民がパニックに陥ることでしょう。

 本研究会は
「セキュリティ・クリアランス制度の導入」も
提言しています。

具体的には安全保障上機微に触れる
技術の製品開発にあたっては、
政府として技術者の適格性保証を行うというものです。

米国などでは実施されているとのことですが、
日本でなじむかどうかは疑問に思います。

しかし性善説だけで成り立たない社会においては、
必要悪とする意見も無視できないでしょうね。

 本研究会は技術保護に関しても、
「重要技術流出防止法(仮称)」を制定して、
技術分野ごとに特許や技術論文の公開または非公開を、
国家として管理を徹底すべしと提言しています。

また、外部から不審な接近があった場合、
国などへの報告義務も導入すべしと主張しています。

 全てが管理される社会になることに抵抗もありますが、
一瞬にして世界中に情報が拡散する時代、
性悪説に基づいた仕組みの中で
生きなければならないなんて、
悲しい時代になりつつありますね。


☆ 技術経営コンサルタント、ITコーディネーター
  小西 正暉

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