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第693話「日本の製造業は努力が足りなかったのか」

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■ 第693話「日本の製造業は努力が足りなかったのか」

 今回の紹介は
「30年間米国企業で働いた日本人技術者が見た真実」なる
タイトルの特集記事からです。

日本人技術者とは、
米PDF Solutions社に勤務している前川耕司さんです。

 前川さんが渡米した30年前といえば、
日本の製造業の絶頂期で、
世界中が羨望のまなざしで日本を見ていた時代でした。

逆に米国の製造業は、国外に出るか倒産か、
空洞化対応の議論の真っ最中でした。

 その当時のことを前川さんは以下のように述べています。

日本は品質を作り込むことに命題を絞り、
米国市場を席巻した。

それができたのは、
製造現場の技術者や技能者の質の高さだけではなく、
例えばタグチメソッド(実験計画法)のような、
少数のパラメーター間の因果関係を素早く分析できる
ツールを駆使していた。

 このような日本の成功事例を徹底研究した米国は、
以下の結論に至った。

1つ、工程が安定な状態で、
かつ性能のバラツキが最小で製造できる設計であること。

2つ、各工程の装置が同じ状態で稼働すること、
言い換えれば稼働状況に変化が起きたら
短時間で元に戻すこと。

この2つを日本は人に頼ってきたが、
米国はIT技術を駆使して乗り越えた。

 具体的には、
装置に設置されたセンサーによって稼働状況を常時監視、
得られたデータを短時間で解析、結果を全員で共有、
結果をもって元に戻す。

最近いわれているIoT(モノのインターネット)、
ビッグデータの処理・解析、AI(人工知能)の駆使は、
自然の流れだったと、前川さんは結論付けています。

 このようなことを裏付けるには、
米国社会の長い努力を見逃してはならないとも
指摘しています。

米国は努力を怠ると競争から振り落とされてしまう、
格差社会そのもの。

そのため多くの人が、
仕事が終わった時間や週末を利用して、
何らかの大学の講義に参加する。

講義内容は様々で、
基礎をかみ砕いて教えてくれるものから、
高度な専門分野まで幅広く、
受講者も大企業の管理職から、子育て真っ最中の主婦、
20代の起業家を目指す若者までと種々雑多。

このようにしてレベルアップした
知識や資格を武器に転職し、
新しい仕事にチャレンジする。

さらに転職を支えているのが
401K(個人としての財産形成)で、
401Kによって失業のリスクを回避しながら、
努力し果敢にチャレンジ、更にグレードアップする。

このような大勢の人たちによる地道な努力の積み重ねが、
米国社会の力の源泉だと、前川さんは述べています。

 米国社会自体が
常にレベルアップしているということのようです。

確かに瞬時に情報が世界を流れる時代、
世の中の動きが分かっていながら追いつけなかった日本、
まずは自らの努力不足を反省すべきのようです。


☆ 技術経営コンサルタント、ITコーディネーター
  小西 正暉

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