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第675話「賞味期限切れの戦略ではありませんか」

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■ 第675話「賞味期限切れの戦略ではありませんか」

 前回(第668話)は、
やめることが出来ずズルズルと損失を重ねてしまう
「コンコルド効果」の話をしました。

今回は同じ「やめられない」でも、
賞味期限切れの戦略を後生大事にして
会社を危うくしてしまう話です。

 企業の道標ともいうべき経営戦略は、
かつて大成功を収めた内容であればあるほど、
旬が過ぎた後でも固執してしまうケースが
多いと言われています。

原因は「エスカレーション・オブ・コミットメント
(Escalation of Commitment/関与の拡大)」と
呼ばれる心理現象が原因だそうです。

 賞味期限切れの戦略で破綻を招いた企業は
数限りなくありますが、
例えばレコード販売のHMV社です。

若い方はご存じないかもしれませんが、
蓄音機に耳を傾けている犬のマークと言えば、
JVCケンウッドの前身「日本ビクター」の
トレードマークでした。

このワンちゃんのオリジナルはHMV社そのもので、
「亡き主人の声に聞き入る様子
(His Master's Voice)」が表現されており、
頭文字をそのまま社名にしたと言われています。

音楽の世界はダウンロードや
オンライン配信に変化しましたが、
レコードからCDに代わったときの成功体験も災いし、
HMV社は店舗販売にこだわり続け、
ついに2013年経営破綻してしまいました。

 人は何故このような行動をとるのか、
記事では原因を3つ挙げていました。

1つ「損失回避バイアス」
これまでの損失が明らかになることを避けるため、
継続を選んでしまう。 

2つ「コントロール幻想バイアス」
成功体験があればあるほど、
未来をコントロールできると思いこんでしまう。

3つ「完結志向バイアス」
人は本来物事を完成させたいというバイアスを
持っているため、例え非合理的であっても
「現状維持」に走ってしまう。

 では、このようなことを防ぐには
どうすれば良いのでしょう。

1つは、「客観的な意思決定ルールを定める」ことだと
言います。

例えば米インテル社は、
電子基板1枚当たりの利益を基に、
意思決定を行うルールがあるそうです。

もう1つは、「反対者を守る仕組み」が必要、
例えば匿名で意見を出せることをルールにしておくと、
暴走に歯止めをかける効果があると言います。

 過去の栄光を背負っている会社ほど、
気を配らなければならないようですね。


☆ 技術経営コンサルタント、ITコーディネーター
  小西 正暉

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