内藤証券メルマガ「中国株レポート」

内藤証券メルマガ「中国株レポート」No.116

カテゴリー: 2008年03月25日
2008/03/25 No.116
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       ★内藤証券メルマガ「中国株レポート」★
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━━目次━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【1】月一連載「アナリストの眼」(第2回)
【2】比べてみれば何が見える?
―第8回「北京 〜オリンピックを控えた首都〜」―
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★☆月一連載「アナリストの眼」(第2回)☆★

 今回はシリーズ第2回として中国の鉄道関連産業をとりあげた
いと思います。いま中国では鉄道の輸送能力不足が深刻な問題と
なっており、鉄道インフラ投資が本格的な拡大期を迎えていま
す。折から1月半ばの中南部一帯の大雪被害により、輸送インフ
ラの脆弱性があらためてクローズアップされることとなり、鉄道
整備の重要性に対する認識が一段と高まっています。政府の「第
11次5カ年計画」(2006〜2010年)でも鉄道インフラの整備は重
点課題になっており、鉄道建設、鉄道車両、信号システム、メン
テナンスなどの関連業界は長期的に大きな恩恵を受けるものと見
られます。

■鉄道インフラの整備が急務に■

 中国では経済成長や都市化の進展にともない国内の輸送量が増
加、つれて鉄道輸送が物流のボトルネックになりつつあります。
例えば、2006年末の中国国内の鉄道網総延長は7.7万キロメート
ルでしたが、貨物輸送量は2.2兆トンキロで輸送密度は線路1キ
ロメートル当たり2600万トンキロと世界平均の3倍にもなってい
ます。複線化率(2005年末で34%)や電化率(同27%)が先進国
と比較して、なお低水準にあることもその一因です。また、この
輸送密度の高さが低い定時率(ダイヤの乱れ)につながり、結果
として全輸送量に占める鉄道輸送の比率は低下傾向が続いていま
す。

 こうした状況を打開すべく中国政府は鉄道インフラの整備を本
格化する見通しです。「第11次5カ年計画」のなかで輸送能力不
足を解消するため、(1)営業距離の拡大、(2)電化率、複線化
率の引き上げ、(3)高速旅客輸送専用線の拡大――などを目指
し、具体的な数値目標として、(1)鉄道路線を1万7000キロメー
トル建設し、総延長を2010年に9万キロメートル以上とする、
(2)1万7000キロメートルのうち、7000キロメートルを旅客専用
線とし、高速旅客輸送の営業距離を2万キロメートル以上とす
る、(3)8000キロメートルを複線化し、複線化率を45%以上と
する、(4)1万5000キロメートルを電化し、電化率を45%以上と
する――などを掲げています。

■鉄道インフラ投資が急拡大へ■

 この「第11次5カ年計画」期間中の鉄道建設投資額は1兆2500億
元に達する計画で、これは「第10次5カ年計画」(2001〜2005
年)における予算である3500億元の3.6倍に相当する規模となり
ます。単純に年平均に直すと2500億元という数字になりますが、
ちなみにここ数年間の投資額を見ると前期間中の2001年から2004
年までは毎年500億元強、2005年は889億元、2006年が1553億元、
2007年には1875億元の見込みで、「第11次5カ年計画」が始まっ
た2005年から投資額は急増しています。今後、この予算の消化を
前提に考えれば投資額は3000億元レベルまで跳ね上がる可能性が
大きいと言えるでしょう。

 なお、この1兆2500億元の予算はあくまでも鉄道建設に対する
予算であって鉄道車両や更新改造に関する投資金額は含まれてい
ません。路線距離が延び、複線化が進みかつ電化率が上がるとな
れば当然、電気機関車を始め新しい鉄道車両を投入する必要性が
出てきます。そこで「第11次5カ年計画」ではこの他に約2500億
元の鉄道車両向け投資が予定されています。そしてこの投資計画
に沿って2010年までに約2000両の機関車、3000両の客車、16万両
の貨車が新規に製造されると予想されます。ちなみに、「第10次
5カ年計画」での鉄道車両投資額は950億元でしたので規模的には
2.6倍に拡大することになります。

■高速旅客鉄道の建設が目玉に■

 「第11次5カ年計画」のなかで特に注目されるのは、鉄道の高
速化計画です。鉄道の高速化はこれまで既存路線を中心に6回に
渡って実施されており、それによって輸送量の増大をある程度カ
バーしてきましたが、その効果も限界に近づいています。そのた
め今後は旅客専用の高速鉄道の建設が加速する見通しです。前述
のとおり、政府は「第11次5カ年計画」のなかで1万7000キロメー
トルの営業距離増加を予定していますが、そのうち7000キロメー
トルが基本設計段階で最高時速300キロメートル以上の高速旅客
専用線となっています。

 このなかで最も注目されるのは北京・上海間高速旅客鉄道プロ
ジェクトです。2007年末に始動したこのプロジェクトは営業距離
1318キロメートル、基本設計段階で最高時速350キロメートル、
総予算は2200億元、完成は2011〜2013年の計画となっています。
すでに今年1月には路線建設部分で第1弾の発注が行われ、国内4
企業グループ(中国中鉄、中国鉄道建築、中国交通建設、中国水
利水電)が受注を獲得しています。今後、鉄道車両を含め順次発
注がなされる予定です。

 一方、こうした高速旅客鉄道の本格建設は、中国国内の鉄道関
連産業の業績を押し上げるだけでなく、関連産業・企業の技術力
の向上、コスト競争力の向上等を通じて国際競争力の強化につな
がります。つまり、関連業界は当面の国内でのビジネスの拡大が
見込まれるだけでなく、将来的には海外市場への本格進出も夢で
はなくなります。中国は外需主導の経済から内需主導経済への転
換を進めていますが、そのひとつの牽引役として今後の鉄道建設
投資の本格化が期待されるところです。

(中国部長 村上哲也)


★ ☆比べてみれば何が見える?☆★
―第8回「北京 〜オリンピックを控えた首都〜」―

◆9年ぶりの北京

 「比べてみれば何が見える?」。8回目の今回は趣向を変えて
「北京」です。実は先月、休暇をとって北京を訪れました。北京
は99年秋に訪れて以来、実に9年ぶりです。久しぶりに訪れた北
京は昔と今との違いもさることながら、私の故郷でもある東京と
の違いも色々感じられました。今回は私の北京旅行を題材に、北
京と東京、そして中国と日本の違いを考えてみたいと思います。

◇オリンピックを控えた北京 〜盛り上がる首都〜

 北京市は中国の首都であり、政治の中心地。昨年末時点で1600
万人以上の人口を有し、東京都の1300万人を超えます。

 まず地図を見てみると、北京はとても分かりやすい都市である
と分かります。天安門広場を中心に、そこから近い順に、二環、
三環、四環、五環、六環と5本の環状線が走っており、それはそ
のまま拡大している北京を現しています。北京の友人は実家が
元々四環だったけども、オリンピックを控えた開発で六環に移転
したと言っていました。ほかにも道が碁盤の目のように整備され
ているほか、道路がともかく広く、主要道路は片側2車線、3車線
が普通。北京は環状線では東京、道では京都、道路の広さでは名
古屋の要素を持っているのかもしれません。

 北京はオリンピック一色です。街中いたるところでオリンピッ
クのマスコットが見られ、オリンピック専門のチャンネルがあっ
たり、オリンピックスタジアム(通称:鳥の巣)が観光名物に
なっていたり、ともかく“オリンピック!”という感じです。こ
のマスコット、日本の戦隊モノと同じように5人組で、赤がリー
ダ。グッズ店にも行きましたが、キーホルダー1個が25元(375
円)となかなかの値段でした。一方、天安門前で声をかけてきた
売り子は、マスコットのストラップ5本など色々ついて10元(150
円)でした。

 北京はまさしく建設ラッシュ。高層ビルの数だけいったら東京
よりあるのではないのかと思うほど、圧倒的です。今回、隣接す
る河北省の省都である石家荘市にも行きました。ここでもすご
い。成長の最大の原動力ともいえる固定資産投資。この規模の大
きさをあらためて見ると同時に、これが北京、上海などの有名大
都市だけでなく、地方都市などでも同様なのが中国の今なので
す。

◆ずいぶんと高くなった物価 〜100元札はアッという間〜

 今回の訪問で一番印象に残ったのが、いま騒がれているインフ
レです。東京は世界一物価が高いといわれていますが、その東京
に住む私にとっても、北京の物価の高さには驚きました。もちろ
ん全体的に見ると北京のほうが安いです。ただ、その上昇スピー
ド、ならびに“ピン・キリ”の違いにはびっくりしました。

 100元札は中国で一番の高額紙幣であり、私が留学した7年前
は、日本でいうところの8000円ぐらいの“使いがい”があるかな
と思っていました。しかし今回は、3000〜4000円ぐらいの感覚で
した。一番の繁華街である王府井を歩くと、売っている洋服、靴
などの価格は日本とさほどの違いは感じません。でも、確かに売
れており、デパート、ショップはどこも賑わっています。

 食についても、ペットボトル、ちょっとした食べ物などの値段
は東京より少し安い程度であるほか、外食も値上げが起きている
ようです。私は北京在住の日本人御用達の「万里」というとんか
つ屋さんに行ったのですが、ここも最近値上げしたといいます。
夜は友人と飲みに繰り出したのですが、バーなどが集まる「後
海」というスポットでは、青島ビール小瓶1本が何と50元(600
円)ぐらいで、東京と同じ。留学時代は値段の安さに助けられて
たくさんお酒を飲むことができた私にとっては、結構な驚きで
す。

◇平均ではわからない北京、中国 

 統計では北京市民の平均月収は2000元前後といいます。中国で
は不動産価格が高騰しており、最近の北京の中古マンション物件
購入は1平方メートルあたり1万元(15万円)近くで、東京首都
圏の38万円と比べると半分弱ぐらいです。中国の男性にとってマ
ンションを用意することが結婚の重要条件とも言われています。
こうしてみると、統計通りの平均月収が今の北京の経済活動を説
明できるのかという疑問が出てきます。

 一方、今回の北京訪問で、やっぱり安いなあと感じたところも
多々あります。外食にしても、日本人からいうと少し汚いかなと
いう普通の食堂では、ビール大瓶1本が5元(75円)ぐらい。かな
りの量がある大皿料理も50元(750円)未満でおいしく、かなり
満足できました。地下鉄の料金も安く、タクシーも初乗り10元
(150円)ほど。市場に行ったら、肉、野菜なども私からしたら
格安で買えます。ただ、最近のインフレがこうした食料品で特に
顕著なため、庶民の感覚ではインフレ率は8%を超えているのか
もしれません。

 物価指数や、一人あたりのGDP、月収など色々な統計は平均値
を教えてくれます。ただ、13億人の人口を有し、富裕層と貧困層
で大きな所得格差のある中国。北京も同様にたくさんの出稼ぎ労
働者が低賃金で働いているからこそ、成り立っています。格差が
激しく、膨大な数の人口を分母に設定して平均を出すならば、そ
れは往々にして、正しい値であるにも関わらず、実態を反映する
ことは困難な面があります。同時に北京だけ見て中国をどこまで
語れるかといえば、それも限定的なのかもしれません。

 東京、日本はどうでしょうか。確かに格差は広がっています。
ただ、日本は人口規模、格差とも中国ほど大きくはなく、平均が
実態をある程度反映しており、3000万人以上が住む首都圏だけを
見て日本を語れる部分も多いでしょう。

 今回の北京旅行を通じて、あらためて中国はともかく大きいと
認識できました。同時に北京オリンピックの閉幕後も、中国は引
き続き成長トレンドが続くだろうと感じた次第です。

(中国部 畦田和弘 )

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