キャリアデザインマガジン

【訂正版】日本キャリアデザイン学会 キャリアデザインマガジン第51号


カテゴリー: 2006年11月20日
※既配信の第51号において、【学会からのお知らせ】に追加・訂正がありました。
 おわびの上再配信いたします。
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□    キャリアデザインマガジン 第51号 平成18年11月20日発行
     日本キャリアデザイン学会 http://www.cdi-j.jp/

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 「キャリアデザインマガジン」は、キャリアに関心のある人が楽しく読める
情報誌をめざして、日本キャリアデザイン学会がお送りするオフィシャル・
メールマガジンです。会員以外の方にもご購読いただけます。
 ※等幅フォントでごらんください。文中敬称略。

□ 目 次 □-----------------------------------------------------------

1 キャリア辞典「最低賃金(3)」
2 私が読んだキャリアの1冊
   佐藤博樹・堀有喜衣・堀田聰子『人材育成としてのインターンシップ』
3 キャリアイベント情報

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【学会からのおしらせ】

◆10月27日の理事会において日本キャリアデザイン学会の新体制が次のとおり
 決定いたしました。

 会 長  渡辺三枝子 筑波大学
 副会長  佐藤 博樹 東京大学
 事務局長 川喜多 喬 法政大学
※常務理事・理事などについては学会ホームページをごらんください。
 http://www.cdi-j.jp/oshirase0610233.html

◆以下のとおり関西地区第3回研究会を開催いたします。
 日 時:12月9日(土)16:00-18:00
 テーマ:「生涯発達と生涯学習−教育老年学の視点から」
 講 師:堀 薫夫氏(大阪教育大学教授)
 コメンテータ: 三川俊樹(追手門学院大学心理学部)
 会 場:新大阪丸ビル新館 6F 602会議室(大阪市東淀川区)
 定 員:70名(定員になり次第、締切をいたします)
 参加費:会員 無料   非会員: 3,000円
※学会ホームページの参加申込フォームからの参加申込受付を開始しています。
 http://www.cdi-j.jp/event.html
※研究会終了後、懇親会(立食形式)を開催いたします(参加費3,000円、定
 員40名)。
※お申込みの際は、会員・非会員の区別と、懇親会への出欠もお知らせくださ
 い。

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1 キャリア辞典
  〜「キャリア」に関する用語をめぐるコラムです〜

 最低賃金(3)

 労働政策審議会労働条件分科会最低賃金部会において、最低賃金(最賃)制
度見直しの議論が進められており、従来の産業別最賃は廃止し、新たに「職種
別設定賃金」を導入することが提案されている。
 平成18年11月6日に開催された第15回部会の資料が厚生労働省ホームページ
で公開されているが、その「資料1」が「職種別設定賃金の必要性について」
となっている。それによると、就業形態や働き方の多様化、労働移動の増大、
仕事給の拡大といった変化に対し、公正で効率的な、仕事の内容等を基軸とし
た賃金決定システムが必要であり、それは「仕事の内容等を基軸として賃金を
決定する労使の取組みを支援するための制度」だという。その仕組みについて
は「労使の自主的な取組みをベースとし、それを補完・促進」「労働市場の中
で従事する仕事に応じて公正な処遇を図る」「基幹的な職種に応じた企業横断
的な処遇の確保を図る」といった文言が並んでいる。そしてその効果はといえ
ば、労働者にとっては公平性・納得性が高まり、能力の有効発揮の機会が増加
し、企業にとっては労働力の一層の有効活用につながり、もって社会全体の労
働生産性の向上、持続的な経済発展に資するという。本気だろうか。
 そこで「資料2」の、「公益委員試案再修正(案)」をみてみると、職種別
設定賃金の「基本的な枠組み」として、「労働者または使用者の全部または一
部を代表する者は、労働協約の適用状況等が一定の要件を満たす場合に…職種
別設定賃金の決定を申し出ることができる」とある。さらに、同資料の「当面
の運用方針」の記載をみると、制度の対象となる「基幹的労働者」については
「現行の産業別最低賃金の適用除外対象者を適用除外とした上で、一定の経験
年数以上の者とする」となっていたり、申出要件について「現行の産業別最低
賃金(労働協約ケース及び公正競争ケース)と同じものとする」「労働協約に
ついては、現行の産業別最低賃金の申出に用いている労働協約と同様のものを
用いることができる」となっていたりするなど、ほぼ現行の産業別最賃制度を
踏襲し、若干の修正を加えたものにとどまっている。であれば、現行の産業別
最賃制度は、「社会全体の労働生産性の向上、持続的な経済発展に資する」も
のとなっているはずである。しかし、適用労働者が全労働者の1割に満たない
現行の産業別最賃が、それほどまでの役割を果たしていると考える人は少ない
だろうし、それに若干の手直しをしたところで、目に見えて大きな効果が現れ
ると考えるのも無理があるだろう。
 このところ、一部の規制改革論者などには、日本の労働市場に職種別の賃金
相場を形成して、労働移動の活発化をはかるべきだという意見がみられる。職
種別設定賃金の「労働市場の中で従事する仕事に応じた公正な処遇」とか「企
業横断的な処遇」とかいう発想は、それに呼応しているとみることもできるか
もしれない。しかし、長期雇用を通じた企業特殊的熟練の蓄積を重視する人事
管理は、かつてほどではないにせよ、依然として大企業を中心として日本企業
の人事管理の主流ではあるだろう。また、仮に職種が同一だとしても、企業業
績を賃金に反映させることで生産性向上のインセンティブとするという人事管
理も、やはりわが国では定着している。こうした中で、はたして企業横断的な
職種別賃金が設定できる分野がどれほどあるのか、いささか疑わしい。もちろ
ん、それは一定の賃金の下支えとなるから、それなりの意味はあるだろうが、
手間ひまをかけて制度を構築し、運用していくコストに見合ったメリットがあ
るのかどうか、慎重な検討が必要であろう。
                        (編集委員 荻野勝彦)


2 私が読んだキャリアの1冊

 『人材育成としてのインターンシップ−キャリア教育と社員教育のために−』
  佐藤博樹・堀有喜衣・堀田聰子著 2006.10.20 労働新聞社

 私は採用担当者ではないが、人事部の管理職クラスだということで、採用試
験の応援にたびたび駆り出されてきた。その面接の場で、インターンシップの
話題が出ることもたびたびあった。
 ある学生さんは、採用面接の自己PRで真っ先にインターンシップの経験を
語ってくれた。魅力的な若手社員とともに重要性の高い業務に取り組み、仕事
の難しさや面白さを知ったことを生き生きと話してくれたことが今でも印象に
残っている。逆に、何社もインターンシップを経験しているのにこちらから訊
ねるまでその話は出さない学生さんもいた。感想をたずねたところ、「どこで
もアルバイトと同じような仕事をさせられたので…」と言葉を濁していたこと
が記憶に残っている。
 インターンシップはかなり普及してきたようだが、現実はまだまだ手探り状
態で、成熟には程遠いといえそうだ。本書は、その実態を、大学、学生、企業、
指導担当者といった当事者たちに対する幅広いアンケート調査をもとに計量的
に明らかにし、効果的なインターンシップ実施のためのインプリケーションを
示した研究書である。最初に総論がおかれ、第1部が大学と学生、第2部が企
業と指導担当者からみたインターンシップの現状分析にあてられている。私は
研究者ではないのであてにはならないが、ざっと調べてみたかぎりでは、わが
国のインターンシップに関するまとまった研究書としては、初めて出版された
ものかもしれない。
 総論で指摘されているとおり、第1部で評価の高いしくみと、第2部で評価
の高いしくみとは、重なりあう部分が大きい。これは、学生・企業双方にとっ
てメリットのあるインターンシップがありうるということを示している。その
第一のポイントが目的を就業意識啓発に限定することで、学生が教育効果を求
めるのは当然として、企業も学生を労働力として活用することではなく、指導
担当者の指導力の向上や職場の活性化に目的をおくことが望まれる。そのうえ
で、学生は単位取得目的などではなく問題意識を持って自主的に参加し、ビジ
ネスマナー研修などの事前準備を行う必要があることや、企業は適切な指導担
当者をおき、指導計画やマニュアルをつくり、有意義な職場・仕事を用意する
などの環境整備に取り組む必要があることなどが指摘されている。また、多様
なインターンシップが存在するなかで、学生とのマッチングを改善するために、
企業がそのインターンシップについて詳細な情報を提供すべきとも指摘する。
いずれも実務実感によく一致する結論であり、説得力に富む。こうした知見が
実務に生かされ、わが国のインターンシップがより充実したものとして発展、
定着していくことが期待される。
 将来的には、就業意識啓発のためのインターンシップは大学1年生、あるい
は高校生段階にまで早期化し、大学2〜3年でのインターンシップは適職探し
などを目的としたものに高度化していくのかもしれない。実際、中学2年生で
の就業体験の取り組みは拡大しているし、高卒で就職する人も多いのだから、
大学2〜3年生で就業意識啓発というのはやや遅いという感もあるのではない
か。そう考えると、今後さらにわが国のインターンシップは変化し、多様化し
ていく可能性がある。それと同時に、わが国のインターンシップ研究は拡大し、
発展をとげていくだろう。この本はその第一歩といえるのかもしれない。
 研究書であり、読みにくい部分もあるかもしれないが、関係者にはぜひ一読
をおすすめしたい。
                         (編集委員 荻野勝彦)
 ※「私が読んだキャリアの一冊」は、執筆者による図書の紹介です。
  日本キャリアデザイン学会として当該図書を推薦するものではありません。


3 キャリアイベント情報
  〜キャリアデザインに関係するイベントの開催予定などをご紹介します〜

◆社会経済生産性本部 記念シンポジウム
 「次世代のための民間運動〜ワーク・ライフ・バランス推進会議〜」
 平成18年11月22日(水)14:00〜17:00
 於 東海大学校友会館(東京都千代田区)
 http://www.jpc-sed.or.jp/lrw/index.files/sympo02.pdf

◆大阪雇用対策会議 若者の雇用・育成を考えるフォーラム
 「次代の大阪を担う人づくり」
 平成18年12月19日(火)18:30〜21:00
 於 クレオ大阪東(大阪市城東区)
 http://osaka-rodo.go.jp/staff/topic/forum/forum.htm


[編集後記]

 私の勤務先ではこのごろ社員の健康増進に力を入れていて、先月末には万歩
計が支給されて歩数を記録しています。マイカー通勤でデスクワークの私はな
にもしないと一日で2〜3千歩しか歩かず、運動不足を痛感させられます。考
えてみれば、病気ほどキャリアの妨げになるものもないでしょうし、キャリア
デザインも健康あってのもの。健康の大切さを再認識しています。(O)


【日本キャリアデザイン学会とは】

・キャリアを設計・再設計し続ける人々の育成を考える非営利組織です。
・キャリアに関わる実務家や市民と研究者との出会い・相互啓発の場です。
・多様な学問の交流からキャリアデザイン学の構築を目指す求心の場です。
・キャリアデザインとその支援の理論と実践の連携の場です。
・誤謬、偏見を排除し、健全な標準を確立する誠実な知的営為の場です。 
・キャリアデザインに関わる資格、知識、技法、専門の標準化の努力の場です。
・人々のキャリアの現実に関わり、変えようとする運動の場です。

 学会の詳細、活動状況はホームページに随時掲載しております。
 ◆日本キャリアデザイン学会ホームページ◆
   http://www.cdi-j.jp/

----[PR]--------------------------------------------------------------

◆働く若者ネット相談事業 ご利用のお勧め
 厚生労働省委託事業・日本キャリア開発協会受託・キャリア協議会協力
 webサイトを利用していつでもどこでもネットで相談できる仕組みです。
 また対面カウンセリングや電話カウンセリング、TVカウンセリングも行っ
 ています。詳しくはhttp://net.j-cda.org/まで。     (厚生労働省)

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  日本キャリアデザイン学会(CDI-Japan)発行
  オフィシャル・メールマガジン【キャリアデザインマガジン】
  
  このメールマガジンは『まぐまぐ!』 http://www.mag2.com/ を利用して発
行しています。
 配信中止はこちら http://www.mag2.com/m/0000140735.htm
  無断転用はお断りいたします。

 編集委員:荻野勝彦(トヨタ自動車株式会社人事部担当部長)
      児美川孝一郎(法政大学キャリアデザイン学部助教授)

   日本キャリアデザイン学会事務局連絡先
    e-mail cdgakkai@hosei.org
   〒102-8160 東京都千代田区富士見2-17-1

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