キャリアデザインマガジン

日本キャリアデザイン学会 キャリアデザインマガジン第42号


カテゴリー: 2006年06月12日
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□    キャリアデザインマガジン 第42号 平成18年6月12日発行
     日本キャリアデザイン学会 http://www.cdi-j.jp/

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 「キャリアデザインマガジン」は、キャリアに関心のある人が楽しく読める
情報誌をめざして、日本キャリアデザイン学会がお送りするオフィシャル・
メールマガジンです。会員以外の方にもご購読いただけます。
 ※等幅フォントでごらんください。文中敬称略。

□ 目 次 □-----------------------------------------------------------

1 キャリア辞典「ミスマッチ」(1)
2 私が読んだキャリアの1冊 大竹文雄『経済学的思考のセンス』
3 キャリアイベント情報

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【学会からのおしらせ】

【学会からのお知らせ】

◆日本キャリアデザイン学会大会(10月28日・29日、於・立命館大学)の企画
 案がまとまりました。

・10月27日(金)午後 会員向け特別エクスカーション
 (1)企業見学コース サントリー山崎工場
 (2)博物館見学コース 滋賀県立琵琶湖博物館
  ※いずれも会場整理の都合上、eメールにて仮申し込みをお願いします
  (本受付は別途必要となりますのでご注意下さい)。件名に「エクスカー
   ション仮登録」として、本文に希望コース、会員番号、会員氏名を記載
   のうえ、cdgakkai@hosei.org宛送付ください。

・10月28日(土)
 10:30〜12:30、13:30〜15:30 自由論題および企画部会
  本部企画部会(すべて仮題。応募・審査によって再編成します)
  「大学のキャリア支援と企業からの評価(1)・(2)」
  「博物館と市民のキャリア形成」
  「企業におけるキャリアデザイン支援」
  「学校とキャリア教育:中学と高校を中心に」
  「博物館と市民のキャリア形成」
  「女性のキャリアデザイン」
  「マッチングとカウンセラーの役割:結婚・就職・派遣」
  「キャリアデザイン支援ツールの評価」など
 16:00〜17:00 総会、17:30〜 懇親会

・10月29日(日)
  9:00〜13:00 シンポジウム「キャリア研究の到達点と課題」

◆以下のとおり研究会(関西地区)を開催いたます。
 日 時:7月15日(土) 16:00〜18:00
 テーマ:「日本型企業文化とワークモティベーション」
 講 師:八木隆一郎 国際経済労働研究所統括研究員
 コメンテータ:川崎友嗣 関西大学社会学部教授
 会 場:関西大学第三学舎(社会学部)
 http://www.kansai-u.ac.jp/Guide-j/access.html
 定 員:60名(定員になり次第締切をいたします)
 参加費:会員は無料、非会員3,000円
 その他:研究会終了後、懇親会を開催いたします。

 詳細・お申し込みは、学会ホームページをご覧ください。
 http://www.cdi-j.jp/event.html
 なお、申込みの際は、会員・非会員の区別と懇親会への出欠もお知らせくだ
 さい。会場への経路は個別にご連絡いたします。

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1 キャリア辞典
  〜「キャリア」に関する用語をめぐるコラムです〜

 「ミスマッチ」(1)

 ミスマッチということばは実に頻繁に用いられるが、案外意味のはっきりし
ないことばでもある。きわめて広汎な用例があるが、近年では「雇用のミスマ
ッチ」「職種のミスマッチ」「能力のミスマッチ」などなど、キャリア関係、
特に雇用関連の用例が多いようだ。
 代表的なWeb英和辞典である「英辞郎 on the Web」でmismatchをひくと、い
きなり「ミスマッチ」とそのままのカタカナが出てきて、続いて「不釣り合い
(な組み合わせ)」、「不一致」、「型ずれ、不整合」となっている。最後の
ものはプレス加工の現場などで使うのだろうか。他動詞として「不適当[不釣
り合い]に組み合わせる」という意味でも使うらしい。用例もまことに幅広い
が、「mismatch of employers' needs and those of job seekers /求人企業
と求職者の(条件が合わないことによって生じる)ミスマッチ」とか、あるい
は「reduce mismatch between supply and demand in employment /雇用のミ
スマッチを減らす」といった用例があるところをみると、本家の英米でも雇用
関連で用いられることが多いらしい。
 この「ミスマッチ」、独立行政法人国立国語研究所が取り組んでいる「『外
来語』言い換え提案」でも取り上げられている。言うまでもなく、意味がわか
りにくいカタカナ用語をわかりやすい日本語で言い換えようという提案だ(も
っとも、「ミスマッチ」については、全体では50〜75%、60歳以上でも25%〜
50%が「わかる」と答えており、国立国語研究所も「定着に向かっている語だ
と思われ、「ミスマッチ」をそのまま用いることにさほど問題のない場面も多
いと思われる。」としている)。ここで提案されている言い換えは「不釣り合
い」で、先ほどの「英辞郎on the Web」でも最初がカタカナ、2番めが「不釣
り合い」となっているように、妥当な言い換えなのだろう。ちなみに、用例は
「企業の求人意欲が回復してきたとはいえ,求職者とのミスマッチ〔不釣り合
い〕が大きく、完全失業者数は16カ月連続で増えている。」というもので、や
はり「雇用のミスマッチ」だ。意味説明は「関係ある二つのものごとの調和が
悪く、不釣り合いなこと」となっており、「硬い文体で用いる場合は,「不適
合」「不調和」などと言い換えることも考えられる。」と、その他の言い換え
語例が示されている。
 「雇用のミスマッチ」は、90年代後半の雇用失業情勢の急速な悪化の中で一
躍注目を集めて一般に広まった。最近ではキャリア、キャリアデザインも含め、
あらゆる場面のさまざまな「不釣り合い」が「ミスマッチ」と言われているよ
うだ。
                         (編集委員 荻野勝彦)


2 私が読んだキャリアの1冊

『経済学的思考のセンス−お金がない人を助けるには』
大竹文雄著、2005.12.20 中公新書

 民間企業がいわゆる「文系」を採用するとき、その対象となるのは法律系、
あるいは経済・経営系の学部が中心となる。それは法律や経済に関する知識が
企業で役立つからではない、と言えば、意外に思う人も多いかもしれない。
 もちろん、これらの知識がそれなりに役立つことも多い。しかし、学部は4
年だが、職業生活は40年も続くのだ。学部で学ぶ程度の知識であれば、仕事を
しながら勉強すれば必要な部分は間もなく身につく。そう考えれば、「知識」
が第一に求められているわけではないことは容易に察しがつくだろう。
 大切なのは「知識」ではなく「考え方」なのではないか。法学部でいえば、
「法律知識」より「リーガル・マインド」を企業は求めているのだろう。社会
では必ずしも唯一絶対の正解が決まるわけではない。訴訟の場面では、原告に
も被告にもそれぞれそれなりに一貫した理屈がある。それを解決するには、大
方が納得する新たな一貫した理屈を示す必要がある。証拠に基づいて事件を総
合的に理解し、論理的に判断する、といった「マインド」が求められる。ある
いは、納得を得るために必要な正義や公平に対するバランス感覚も求められる
が、これは法学的な「センス」であろう。これがビジネスにおいてきわめて有
用なものであることは言うまでもない。
 同じように、経済学でいえば、経済、金融や財政などについての知識もさる
ことながら、「経済学的な考え方」が求められているのではないか。仮説を立
て、モデルを作り、現実のデータを調べてこれにあてはめて検証するといった
実証研究の「マインド」は、やはりビジネスにおいてまことに有用である。そ
して、「経済学的思考のセンス」もまた同じなのだ。
 この本で著者は「経済学的思考のセンス」をきわめて明快に示している。イ
ンセンティブと因果関係、リスクとインセンティブのトレードオフ、経済合理
性か非合理性かといった「センス」を、「女性はなぜ、背の高い男性を好むの
か?」「美男美女は本当に得か?」といった身近で親しみやすい、しかし経済
学の対象としてはちょっと意外(そして結論もかなり意外)なエピソードを紹
介しながら説き進めていく。最初はこうした柔らかい話からはじまり、徐々に
硬い話を取り上げ、最後には所得格差と再分配といった今日のわが国における
もっとも論争的なテーマに踏み込んでいく。読み物として非常に面白いだけで
はなく、楽しく読み進めながら、知らず知らずに経済学の本質に触れて、経済
学への関心が高まるように書かれている。そういう意味では、まことに優れた
経済学の入門書といえるのかもしれない。
 著者は労働経済学の専門家だが、この本で取り上げられた内容は必ずしも労
働に関わるものばかりではない。それどころか、一見経済学とは縁遠い話題も
いくつも紹介されている。こうしたことにまで「経済学的思考のセンス」が有
用であるのなら、それはビジネスだけではなく、人生のすべてにわたって一定
の有用性を持っているのだろう。広くおすすめしたい本だと思う。
                        (編集委員 荻野勝彦)
 ※「私が読んだキャリアの一冊」は、執筆者による図書の紹介です。
  日本キャリアデザイン学会として当該図書を推薦するものではありません。


3 キャリアイベント情報
  〜キャリアデザインに関係するイベントの開催予定などをご紹介します〜

◆独立行政法人労働政策研究・研修機構 労働政策フォーラム
 「未来を拓く雇用戦略−30代社員が挑戦する仕事の世界」
 平成18年7月5日(水)13:30〜17:00
 於 大同生命霞ヶ関ビル6階会議室 (東京都千代田区)
 http://www.jil.go.jp/event/ro_forum/info/20060705.htm

◆内閣府・高齢社会NGO連携協議会 高齢社会研究セミナー
 「社会参加に取り組むシニア」
 平成18年7月18日(火)10:00〜16:30
 於 日本都市センター会館(東京都千代田区)
 http://www8.cao.go.jp/kourei/kou-kei/18_seminar.html

◆独立行政法人高齢・障害者雇用支援機構 平成18年度職業リハビリテーショ
 ン実践セミナー
 平成18年8月3日(木)〜6日(日)
 於 高齢・障害者雇用支援機構障害者職業総合センター(千葉市美浜区)
 http://www.jeed.or.jp/disability/supporter/research/seminar/h18_seminar.html


[編集後記]
 サッカーのワールドカップが開幕しました。このメールマガジンの配信日は
ちょうど予選リーグ初戦のオーストラリア戦。今夜はみなさんテレビの前で夜
更かしでしょうか。(O)


【日本キャリアデザイン学会とは】

・キャリアを設計・再設計し続ける人々の育成を考える非営利組織です。
・キャリアに関わる実務家や市民と研究者との出会い・相互啓発の場です。
・多様な学問の交流からキャリアデザイン学の構築を目指す求心の場です。
・キャリアデザインとその支援の理論と実践の連携の場です。
・誤謬、偏見を排除し、健全な標準を確立する誠実な知的営為の場です。 
・キャリアデザインに関わる資格、知識、技法、専門の標準化の努力の場です。
・人々のキャリアの現実に関わり、変えようとする運動の場です。

 学会の詳細、活動状況はホームページに随時掲載しております。
 ◆日本キャリアデザイン学会ホームページ◆
   http://www.cdi-j.jp/

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◆働く若者ネット相談事業 ご利用のお勧め
 厚生労働省委託事業・日本キャリア開発協会受託・キャリア協議会協力
 webサイトを利用していつでもどこでもネットで相談できる仕組みです。
 また対面カウンセリングや電話カウンセリング、TVカウンセリングも行っ
 ています。詳しくはhttp://net.j-cda.org/まで。     (厚生労働省)

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  日本キャリアデザイン学会(CDI-Japan)発行
  オフィシャル・メールマガジン【キャリアデザインマガジン】
  
  このメールマガジンは『まぐまぐ!』 http://www.mag2.com/ を利用して発
行しています。
 配信中止はこちら http://www.mag2.com/m/0000140735.htm
  無断転用はお断りいたします。

 編集委員:荻野勝彦(トヨタ自動車株式会社人事部担当部長)
      児美川孝一郎(法政大学キャリアデザイン学部助教授)

   日本キャリアデザイン学会事務局連絡先
    e-mail cdgakkai@hosei.org
   〒102-8160 東京都千代田区富士見2-17-1

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