心の健康増進メールマガジン

笹氣健治の『心の健康増進メールマガジン』 2017/ 4/ 7


カテゴリー: 2017年04月07日
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心理カウンセラー笹氣健治の『心の健康増進メールマガジン』

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常に安定した気持ちを維持して充実した毎日を送れるようになる
ために、ストレスや悩みを解消するヒントをさまざまな切り口で
お届けしていきます。(毎月1~2回不定期発行)
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2017年4月7日発行(前回発行日:2017年3月10日)


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【今回のテーマ】発達障害の社員とどう接するか?
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みなさん、こんにちは。
心理カウンセラーの笹氣健治です。

今回はご質問をいただきましたので、それにお答えしたいと思いま
す。

なお、ご質問いただくことはメルマガを発行する上でとっても助か
ります。ありがとうございました!


では、早速ご質問の内容を紹介します。

※ご質問内容は、プライバシーの関係で一部修正しております。
また、メルマガ用に質問の文章も一部変えさせていただきました。


(ご質問内容)

昨年9月に二人の社員(A君、B君)が立て続けに辞めました。

ネットで調べると、発達障害だったのではないか思うのですが、
現在ではこういう障害を持っている人が増えていると聞きます。
仕事を教えていく上で、何も得意分野がない人とはどのように接す
るべきでしょうか?


■A君について

・20代、高校新卒で入社。

・卒業間際の3月に応募が来たので期待はしていなかった。試験の
成績はある程度できていて、応募がただ一人だったので採用した。

・いくら先輩から指導されても準備、掃除、片付以外、他の仕事は
一切しない。

・先輩となじもうとしないし、呼んで話をしても全然頭に入ってい
ない様子。

・生い立ちや学校での暮らしぶりを聞くと、ほとんど家族以外とは
交流がないらしい。

・人に何か言われると、ワンフレーズだけ聴いて後は聞いていない
(聞こえていない)、「この人は自分を攻撃しているのか、いない
のか?」考えていると言う。

・よって、仕事の指示は聞いていない。従って仕事は当然できない。

・小さいときに、知ったかぶりをして散々いじめられてから人と話
すのが怖くなり、一人でいることが多くなったようだ。



■B君について

・30代

・その年3人応募のあった中でトップの成績。だが、10年たって
も一人前にはなれず、後輩社員ににどんどん抜かれ、次第に誰も彼
には教えなくなっていった。

・友達はあまりいなかったよう。

・入社後20年近くたってようやく資格試験に2つ続けて合格。そ
こで、さらに上級レベルの技術認定試験を受ける機会を与えた。

・しかし、彼は受ける前からもう合格したようなことを言う。「今
の君では間違いなく不合格だから、先輩社員によく聞いてしっかり
技術を磨いていきなさい」と指導したら、「はい、わかりました」
と言うが、先輩に指導を請うた形跡も、ましてや自分で勉強や練習
をした形跡もない。問いただすと「何もやっていない」と言う。

・事情により、とりあえずそのまま受験させた。受験後に何の報告
もないので、こちらから状況を聞くと、「できるだけのことはやっ
てきた」とうそぶく。

・試験結果は不合格。約20名の受験者中、不合格は一人だけ。

・試験官に問い合わせると、「最初は、他の研修員に教えたりして
リーダーシップを発揮していた。しかし、研修が進むにつれ、知識
がおぼろげなのと技術が危ういのが見えてた。知ったかぶりは一番
避けなければならない」との回答。丁重に謝る。

・本人曰く、「何もしないで合格したかった」「何も努力しないで、
一人前になりたかった」。先輩方が「何もしないで合格した」と言
うのを真に受けて、自分もそうなると思っていたそう。

・「人に、頭を下げて教えてもらうのは嫌だ」とも言う。



(ご回答)

まずはご質問いただいた方へ、大変でしたね、という言葉をかけた
いと思います。

せっかく入社したのだから、戦力となるようにしっかり育てようと
されたのだと思います。

でもうまくいかず、さぞやがっかりされたことと思いますし、熱意
を注いできたのに結果的に報われなかったのも残念なことでした。


ご質問は、今後また同じような新人が入ってきたときにどうすれば
いいか知っておきたい、という意味もあると思いますので、これか
ら書く内容を参考にしていただければと思います。


最初に、ご存じでない方のために、「発達障害」というものの概略
について説明します。

発達障害の人の特徴は、次のような行動や態度が顕著に見られると
いうことです。

「人づきあいがうまくできない」
「コミュニケーションが苦手」
「他人の気持ちを推し量ることができない」
「落ち着きがない」
「片づけが苦手」
「よく物をなくす」
「時間管理がうまくできない」

これを読んで、もしかして自分も?と思われた人もいらっしゃるか
もしれませんが、これらは多かれ少なかれ、ほとんどの人が思い当
たるものでもあります。

あくまでも発達障害と認められる人は、これらが「顕著に見られる」
人であり、本人が態度を改めようとしてもなかなか思うようにいか
ない人です。

授業中にじっと座っていられない子どもや、文字を読んだり書いた
り理解したりすることが苦手な子どもがクラスにたまにいますが、
そういう子どもは「発達障害」の可能性があります。


ところで、ご質問いただいた中に登場するA君とB君ですが、情報
が少ないので断言はできませんが、A君は発達障害の可能性がある
ように思われます。一方のB君は自己愛性パーソナリティの傾向の
ほうが強いような気がします。

今回は、自己愛パーソナリティについては触れずに、発達障害の社
員とどう接していけばいいかについて書いていきます。

いったん、上記のA君とB君のことは忘れてください。


発達障害は、先天的に能の機能に発達の偏りがあるためだと考えら
れています。

家庭環境、教育、本人の性格といったことが原因ではありません。

なお、脳の機能の偏りと言いましたが、脳も身体の一部ということ
を考えると、「発達障害」はたまたま脳に生じたものであり、足が
遅い人や筋力が弱い人なども同じように身体の機能に偏りがあると
言えますので、発達障害イコール人間的に問題がある、という認識
はするべきではありません。

人間は、工業製品のような同一規格でできているわけではなく、人
それぞれ特徴に違いがあるのです。

とはいえ、コミュニケーションが苦手な人と、足が遅い人とでは、
後者は社会で仕事をしていく上ではそれほど困ることはありません
が、前者は困ることが多いでしょう。

つまり、身体の一部の機能の偏りは、問題になりやすいものと、問
題にならないものがあって、コミュニケーションや集中力に影響を
及ぼす、いわゆる発達障害の人は、問題になりやすい「機能の偏り」
だということになります。

特に、一般に仕事をする上では他人とのコミュニケーションが必要
なことが多く、それに関する機能に偏りがある発達障害の人にとっ
ては、仕事をすること自体が苦痛になります。

足が遅い人が陸上のマラソンや短距離のチームに入ったら、とても
いたたまれないでしょう。それと同じことです。

でも、足が遅くても、筋力があれば、それを生かした別の競技で活
躍することができます。

発達障害の人も、他人とコミュニケーションすることが求められる
仕事では活躍できないかもしれませんが、たとえば、アートの分野
で活躍している人は多いと言われています。

映画監督、音楽家、俳優といったアートの分野では、もちろんコミ
ュニケーションは必要ですが、それ以上に、集中力や独創性などが
重宝されるので、コミュニケーションが苦手でも十分に活躍できる
のです。

そもそも発達障害かどうかは別として、自分の特徴を生かせる分野
の仕事につくことができれば、その人はより活躍できますよね。

そういう意味で、ご質問に戻りますが、「何も得意分野がない人と
どのように接するべきでしょうか?」という質問については、
「なんとかして得意分野を見つけてそれを任せるようにする」が
回答となります。

「何も得意分野がない」と早々に決めつけず、必ずその人が得意な
ことがあるはずなので、まずはそれを探すことが第一歩です。

ただし、それは残念ながら、今の仕事の中にはないかもしれません。

あったとしても、仕事の一部に限定されることもあります。

たとえば、一人で黙々と集中する仕事は得意、デザインセンスがあ
る、といったように、仕事の中のある特定の作業に能力を発揮する
こともあります。

中には、コミュニケーションはダメ、集計はミスをする、物をよく
なくす、といったような、得意分野が見当たらないと思うような人
もいるかもしれませんが、それは、その人に苦手なこともやらせて
いるために得意なことにも悪影響が出ている可能性があります。

苦手なことをやらせないようにすれば、得意な分野が花開くかもし
れません。

ひとつ注意しておきたいこととして、得意な分野だけの仕事をさせ
る場合に給料の額をどのように設定するか、という現実的な問題が
あります。

発達障害の人は、アートや芸能関係でない場合は、得てして単純作
業(しかも接客や部下指導はしなくていい仕事)しか任せられない
ケースが多いので、そうなると、どうしても他の社員に比べて低賃
金になりがちです。

任せたい仕事内容と金額を提示したら、あとはそれを受けるかどう
かは本人との話し合いです。

あるいは、残念ながら今の仕事の中にその人の特徴を発揮できるも
のがない場合も、やむを得ず転職を促すことになります。

これは何も発達障害の人に限った話ではなく、誰にでも当てはまる
話です。会社は、営業上必要な仕事をできる人しか雇えないので、
その仕事ができない人の処遇をどうするかはその会社次第なのです。


最後に……

以上の話は、あくまでも現状の会社の枠組みの話です。

今後、働き方はどんどん多様化していくことが考えられます。

すでに終身雇用や年功序列といった仕組みは過去のものとなりつつ
あります。

週40時間とか、週休二日制とか、同一労働同一賃金などといった
固定的な考え方ができなくなる状況は遅かれ早かれやってくるでし
ょう。(次にどのような状況になるかまではまだわかりません)

要するに、従来の固定観念にとらわれず、柔軟な仕事の仕方が求め
られる時代がもうすぐやってくる、ということです。

従来の枠組みの中をある程度維持しつつ、新しい仕事のあり方を模
索するのは、矛盾したことを考える取り組みなので、とても難しい
ものではあります。

だからこそ、そう簡単には答えは出ません。

答えをすぐに見出すことよりも、答えを模索し続けることこそが、
実は、とても重要です。


発達障害の人をどうやって会社で活かすかを考えることが、その
とっかかりになると思います。

そういう意味では、発達障害の人が社会に多く出てくることは、
働き方、会社のあり方の変化を加速させるものだと言えるかもしれ
ません。


なので、あえて逆説的なことを言います。

ぜひ大いに悩んでください。

その取り組みはきっと次の時代に生かされることでしょう。



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4月に入り、春らしい日が増えてきたように感じます。
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