デジタル・シネマ・ダイアリー

エデンの園って?/デジタル・シネマ・ダイアリー


カテゴリー: 2009年04月12日
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 ◆★★★★★★★★≪デジタル・シネマ・ダイアリー≫★★★★★★★★◆
◆□◆2009.04.10/vol.80/977部(M.S.667部/ mag.206部/melma.104部)◆□◆
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今号はドイツ・スイス合作の「厨房で逢いましょう」(2006)を

特段にフィーチュアしたいと思います。

ご覧になっている方は少ないかもしれませんが、この作品を何故、

取り上げたくなったのかと言いますと、せっかくの映画も視点を誤ると、

そのエキスも汲み取れない、格好のモデルかもしれないと思ったからです。



筆者はこう書きました。

「その造る料理は食するすべてを魅了する天才シェフも、
コミュニケーション能力はゼロ。女性関係もいっこうに積極的な面は
当然のように不得手で思いも前に出てこない。

シラノのコック版とでも言えるが、一芸に秀でると、何でも思いのままのような
現代とは思えぬようなお話で、むしろその違和感が意外な説得力を持つのが
ドイツ・スイス合作の「厨房で逢いましょう」(2006)。

と書くと、調理人主体の話かと思うとそうではなく、厨房で逢い続けるふたりの、
もう一方の主婦、その名が原タイトルの「エデン」、
とすればむしろ女の心情こそが主題と思った方がいいだろう。
その料理に魅せられ、むしろこちらの方は積極的にその厨房通いをする。
互いにまことに寡黙、どちらかというと女の方がリードしながらの流れだが、
その寡黙さこそが主題のように思える。

夫は休みのたびに友人と賭け事にいそしみ、やや秋風という風でもあるが、
その厨房通いの頃から夫婦仲も戻り第二子も誕生、
すべてがうまく回転するようではあったが、頻繁すぎる厨房通いの妻のことを
友人からも揶揄されたりするうち、徐々に嫉妬の度が高まってくるあたりが
世俗に生きる必然とも言えるだろうか。

料理を馳走し、その料理を感嘆する、その二人の互いへの思いやりを超えて、
むしろ女の思惑が奈辺に在るかと世俗は思うわけで、
しかしそこに女のずるさを観てしまっては映画の価値は半減するだろう。
むしろそんな心配は無用のこと、と亭主に断言するこのコックの断念や、
エデンというこの女の見ている素朴な楽園の夢をそこに見れば、
これが現代に対するアンチテーゼのおとぎ話であることが解るだろう。

夫が騒ぎ立てて暴力沙汰になり、逃げ惑うコックが隠れた木の上で
「いつも逃げていてはダメだ、しっかり話しをしよう」
と決意し降りかかろうとして滑り落ち、その夫の上に落下、
悲喜劇どちらともとれる夫の死にこの作品の寓話性があり、
行方知れずとなるそのコックの店を発見して再会した時のエデンの笑顔が
ラストシーンだが、この満面の微笑こそがエデンの夢の在り処の象徴、
故にこそエデンという名であり、原タイトルなのでもある。」


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  ★「ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア」(’97)トーマス・ヤーン
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  ★「日本アカデミー賞の私的見どころ記。」
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  ★「チェンジリング」(2008)クリント・イーストウッド
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  ★「ベンジャミン・バトン 数奇な人生」(2008)デヴィッド・フィンチャー
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  ★「ドレッサー」(’83)ピーター・イエーツ
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  ★「外人部隊フォスター少佐の栄光」(’77)ディック・リチャーズ
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  ★「フォロー・ミー」(’72)キャロル・リード
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  ★「落日燃ゆ」(TV朝日)
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  ★「いつも2人で」(’67)スタンリー・ドネン
  http://plaza.rakuten.co.jp/great280/diary/200903210000/
  ★「厨房で逢いましょう」(2006)ミヒャエル・ホーフマン
  http://plaza.rakuten.co.jp/great280/diary/200903240000/
  ★「奇人たちの晩餐会」(’98)フランシス・ヴェベール
  http://plaza.rakuten.co.jp/great280/diary/200903260000/

  秀作が揃った。WBCも全試合を楽しむ中、嬉しい悲鳴という奴。
  「チェンジリング」はイーストウッド近作の中でも暗く辛い。
  ここまでアウトサイダーの意気地を描ける作家は思いつかないほど。
  「ドレッサー」は2名優の四つに組んだ横綱相撲というべき。
  そして「厨房で逢いましょう」は、その観ているフォーカスで座標軸を
  試される、と言ってもいい観客に挑戦を挑んだ作品。渋く鋭い。
  「奇人たちの晩餐会」は、映画で描かれた屈指の落語。
  落語の映画化でもここまでのランクの作品は本場日本にも無し?

☆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━☆


まあ映画をどう見ようと好きずき、他人があれこれ言うことも僭越なのですが、

この作品のネットで読む限りの評判は、極めてズレているとしか筆者には思えず

ああもったいない、チャンス失墜という感じで受け止めるしかない論評がほとんど。



実は終始ほのぼのという作品であるにもかかわらず、

どうも後半がネックになっているようですね。

つまり夫が嫉妬してのドタバタ、これをどう受け止めるかで180度違う作品に

成りかねない微妙なところがある訳です。



「タダで美味しいモノを食べ夫婦円満にするためにシェフの恋心を巧みに利用」

では、既に夫の死後である、ラストシーンのエデンとシェフの再会の時の

エデンの大いなる微笑が、少しも蓋然性、辻褄が合いません。



「人のいい男を「友達」という便利な言葉を使って翻弄する嫌な女の話」

というのも、ややうがち過ぎ、前者と同工異曲の感想です。



「前半は美味そうな料理と心温まるストーリーが展開も、

馬鹿旦那が現れた辺りから単なる痴話話へ」

というのも共通する曲がり道を曲がってしまった評に見えます。



中でもう少し踏み込んで鋭いのが

「正直後半の展開は好みが大きく分かれるところだとは思うのですが、

本当に美味しそうな料理を美味しそうに見せてくれるのはとても良かった

ですね。しかも、グレゴアのお店は3つしかテーブルがなくって

数ヶ月先まで予約でいっぱいの人気店で、お値段も300ユーロと

ちょっとお高めだから、上品そうなお客さん達なんだけど〜中略〜

(料理を)視覚的にうまく伝えている映画ではあると思いますし、

そこの部分はとってもステキだったと思うのですが、

後半の展開は、ちょっと消化が良くなかったかなぁ」

といった風に、ここでも後半がネックになっているわけです。



しかし同じ本でも読み手次第というところがあるように、

映画も観るフォーカス次第、名作にも迷作にもなります。

この作品の出来事を現実に置き換えれば、以上すべてごもっとも、

ではあるでしょう。



でも如何せん現実ではありません。現実を調理しているわけです。

ことに夫や夫の友人は確実にドラマのためのカリカチュアライズ、

戯画化がされているわけです。なにも映画を観るときまで現実べったり、

世俗にまみれることはありません。



ミヒャエル・ホーフマンというこの監督、脚本も自ら書いているのですが、

なかなかの文学の素養、とも感じました。

夫からの視点で見ればすべてその通りではありますが、

これは生きていく上で何が必要?というエデンの視点の映画なのです。


因みに前半の筆者感想のタイトルは、

「女の名にして、エデンは見果てぬ人の夢の在り処!」

ご覧になった上で、あなたはどうお感じになるでしょう。

メールででも、ご感想いただければ幸いです。



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今号はココまで。出来るだけ近々に次号です。


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