診療マル秘裏話

最新医療情報 号外Vol.1417

カテゴリー: 2019年02月21日
診療マル秘裏話  号外Vol.1417 平成31年2月21日作成

作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨




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目次
 
1)肝細胞脂肪滴形成メカニズムと核内脂肪滴機能解明
2)最も患者数が多い性感染症は、性病クラミジア














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 医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 








  
1】 肝細胞脂肪滴形成メカニズムと核内脂肪滴機能解明










 名古屋大学は1月29日、細胞
の核内で脂肪滴(中性脂肪のか
たまり)が形成されるメカニズ
ムを解明し、さらに核内脂肪滴
が持つ機能を初めて明らかにし
たと発表しました。この研究は、
同大大学院医学系研究科分子細
胞学分野のソウティシクカミル
大学院生、大崎雄樹准教授、藤
本豊士教授らの研究グループに
よるものです。研究成果は、国
際総合学術誌である「Nature C
ommunications」電子版に1月28
日付で公開されました。

脂肪滴は細胞が中性脂肪を蓄え
る構造で、エネルギー産生や蛋
白質分解など、細胞が生存する
ために重要な機能を担っていま
す。ある種の疾患では脂肪滴が
大きく増減することが知られて
おり、肝臓に脂肪が蓄積する脂
肪肝では、肝細胞の中の脂肪滴
が異常に増加します。脂肪滴は、
ミトコンドリアなどと同じく、
細胞質にある小器官と考えられ
てきましたが、近年、肝細胞で
は、細胞の中の核にも脂肪滴が
存在することが分かり、その形
成機構と機能の解明について注
目されていました。肝細胞では、
小胞体の中にある「MTP 」とい
う蛋白質の働きによって、小さ
な脂肪球(リポプロテイン前駆
体)が作られ、VLDL(超低密度
リポプロテイン)として細胞外
に分泌されます。核内脂肪滴が
肝細胞に多い事に注目した研究
グループは、リポプロテイン合
成と核内脂肪滴形成が関係する
のではないかと考え、MTP を薬
剤で阻害しました。結果、VLDL
分泌が減少するだけでなく、核
内脂肪滴の形成も顕著に減少す
ることが判明しました。

肝細胞由来の培養細胞には、核
膜の一部が核の中に向かって延
びた「核膜延長構造」が豊富に
存在します。研究チームは生き
ている細胞の中の分子の動きを
観察する顕微鏡技術を用いて、
小胞体ストレスにさらされた細
胞では、この核膜延長構造の中
にリポプロテイン前駆体が蓄積
し、核膜延長構造の一部が破れ
ると蓄積したリポプロテイン前
駆体が核の中に侵入して、核内
脂肪滴となることを明らかにし
ました。さらに研究チームは、
細胞膜の主成分であるホスファ
チジルコリン(PC)を合成する
際に決定的な役割を担う酵素「
CCT アルファ」が核内脂肪滴に
分布すること、小胞体ストレス
下の細胞では、核内脂肪滴の形
成、CCT アルファの核内脂肪滴
分布、PC合成が顕著に増加する
ことも見出した。また、ペリリ
ピン3という蛋白質がPC合成を
減少させるスイッチとして働く
ことも明らかとなりました。

今回の結果は、核内脂肪滴が小
胞体ストレスを軽減させるメカ
ニズムの一端を担っていること
を示したものと言えます。肝臓
はリポプロテイン分泌のほか、
蛋白質や脂肪の合成・代謝、薬
物代謝など多くの働きを担う臓
器であり、常に小胞体ストレス
の危機にさらされています。正
常な肝細胞には、小胞体ストレ
スに対抗して正常な機能を維持
するための仕組みが備わってい
ますが、そのような仕組みの破
綻は脂肪肝などを引き起こしま
す。今回の結果をもとにして、
核内脂肪滴の形成や、PC合成を
調節することができれば、脂肪
肝などの発症の予防や治療への
応用が可能になると考えられる
と研究グループは述べています。

 閣内に肝細胞核内脂肪滴があ
る人がいる。       笑
















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2】 最も患者数が多い性感染症は、性病クラミジア














 「日本感染症学会診断・治療
ガイドライン2016」には、17疾
患の性感染症が記載されていま
す。その中でも最も患者数が多
いのが「クラミジア」です。国
が指定する、約1000カ所の医療
機関の定点報告を見ると、2002
年の約4万3000人をピークに、
減少しているものの、2016年に
は約2万4000人が報告されてい
ます。

 病原体は、クラミジア・トラ
コマチスという細菌の一種で、
粘膜との接触で感染します。他
の性感染症と比べて圧倒的に多
いのはなぜなのでしょうか。性
感染症専門施設「プライベート
ケアクリニック東京」(新宿区)
の尾上泰彦院長が言っています。

「HIV(エイズウイルス)が
1回の性行為で感染する確率は
1%未満ですが、クラミジアは
約50%と感染力が強い。しかも、
男性の50%、女性の70~80%は
症状が出ません。ですから女性
の方が男性より2倍以上多い。
それに症状が出たとしても、比
較的軽いので、気づかないまま
感染を拡大されやすいのです」

 感染経路は、膣性交による尿
道や子宮頚管への感染。オーラ
ルセックスによる咽頭感染です。
肛門性交による直腸感染もあり
ます。感染者の体液が目に入る
ことで、クラミジア性結膜炎と
いう感染経路もあります。

 目から感染すると病原体が目
と鼻をつなぐ鼻涙管を通って鼻
腔へ移行、そして咽頭へ感染す
るという場合もあります。咽頭
に感染しても、発赤や腫れなど
の症状はほとんど表れません。
そのためパートナー間でピンポ
ン感染が起こりやすいのです。

 男性の典型的な症状は「クラ
ミジア性尿道炎」というもので
す。「感染の機会から1~3週
間後に、尿道口から水っぽい白
い分泌物が出ます。また、尿道
のかゆみ、違和感、不快感など
もありますが、いずれも軽い。
しかし、放置していると精巣上
体炎を発症する恐れがあり、男
性不妊の原因になります。副睾
丸が腫れて痛いのが特徴です。
精巣上体炎の多くは、クラミジ
アが原因とされています」

 妻が子宮がん検診などに行き、
クラミジアが見つかったのです
が、夫は検査しても陰性という
ことも珍しくないということで
す。その場合には、検査法が正
しく行われていない可能性があ
ります。男性のクラミジアの尿
検査は、最後に排尿してから2
時間以上経ってから採尿します。
しかも、排尿初期の約20ccで
検査します。これが守られてい
ないと偽陰性になりやすいとい
うことです。検査を受けるなら
性感染症の専門医を受診した方
が良いということです。

 法治制度を適応せず、放置す
る。           笑

















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編集後記




 細胞の核内で、脂肪滴(中性
脂肪のかたまり)が形成される
メカニズムを解明し、さらに核
内脂肪滴が持つ機能を初めて明
らかにしたと発表したのは偉大
な業績です。脂肪滴は、細胞が
中性脂肪を蓄える構造で、エネ
ルギー産生や蛋白質分解など、
細胞が生存するために、重要な
機能を担っています。ある種の
疾患では脂肪滴が大きく増減す
ることが知られており、肝臓に
脂肪が蓄積する脂肪肝では、肝
細胞の中の脂肪滴が異常に増加
するということです。脂肪滴は、
ミトコンドリアなどと同じく、
細胞質にある小器官と考えられ
てきましたが、近年、肝細胞で
は、細胞の中の核にも脂肪滴が
存在することが分かり、その形
成機構と機能の解明について注
目されていたので、核内脂肪滴
のメカニズムと機能を明らかに
したのは、画期的と言えるでし
ょう。
 HIV(エイズウイルス)が
1回の性行為で感染する確率は
1%未満ですが、クラミジアは
約50%と感染力が強いという事
は、初耳でした。しかし男性の
50%、女性の70~80%は症状が
出ないということや、女性の方
が男性より2倍以上多いという
ことや、症状が出たとしても、
比較的軽いので、気づかないま
ま感染を拡大されやすいという
ことも知っていました。ピンポ
ン感染と言って、男性と女性の
性交渉をするカップルで、女性
を治療しても、男性から再び移
されるということが十分あるし、
逆の場合、男性が治療していて
クラミジアがなくなっていても
女性から移されるということも
あり得る病気です。放置してい
ると精巣上体炎を発症する恐れ
があり、男性不妊の原因になる
ということですから、軽く考え
ずパートナーが揃って治療をす
ることをお勧めします。

 艦船内でクラミジア感染が起
こる。          笑














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発行周期: 日刊 最新号:  2019/02/21 部数:  273部

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