文具で楽しいひととき

■pen-info「キリリ&長く削れる」

カテゴリー: 2018年07月24日
 
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        文具ウェブマガジン 
     
    「pen-info_文具で楽しいひととき」
            
               411(2018.07.24) 

     「キリリ&長く削れる」
 
         KUM
     鉛筆削り マスターピース
       3,000円+Tax

   
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鉛筆削りは、奥が深い。 

ここで私が言う鉛筆削りとは手持ち式のもの。
穴に鉛筆の芯先を入れてグリグリと回して削っていくものだ。
ハンドルをクルクル回していくタイプと区別する意味で、
私は勝手に「手持ち式」と言っているが、
聞くところによると「ドイツ式」とも呼ばれるそうだ。
たしかに、このタイプはドイツのメーカーが多い印象がある。 

そのうちの一社、KUMが
このたび「マスターピース」という力のこもったタイプを発売した。
「マスターピース」とは、「傑作」という意味。
自らこの名前を付けるということからして期待が高まる。

そのディテールを見ていくことにしよう。 


■ ドイツ職人による手作り 

メインボディはつや消しのメタルボディ。
手にせず見ただけで金属の塊から削り出されたという「
無垢感」がタップリと伝わってくる。

手にすると軽い。
こうしたつや消しシルバーで軽いとなれば、
アルミニウムが思い浮かぶ。
しかし、これはアルミではなく、マグネシウム製。 

マグネシウムはとても硬い素材だ。
その分、加工の際に精度を出しやすいということがあるそうだ。
ドイツ職人の手作業によりひとつひとつ加工され、
とりわけこだわったというのが穴の角度の精度だという。 


■ 2つの穴で削る 

改めて説明するまでもないが、本体には2つの穴がある。
こうした2つ穴タイプと言えば、
KUMには「オートマチック」というプラスチックボディのものがある。

(1)の穴で鉛筆の木軸だけを削り、(2)の穴で芯だけを削っていく。
基本的な構造は同じだ。

ただ、細かなところで微妙に違っている。
たとえば、穴の大きさが違う。
マスターピースは(2)の方が小さくなっている。
それに伴い、刃の取り付け位置もずらされている。

そして、ブルーのパーツのストッパーが取り外せるようになっている。
これは何を意味するかというと、
(1)の穴で木軸を削る時、いくらでも削り続けられるのだ。
つまり、芯だけを伸ばしていける訳だ。

いい大人がそんなことはしないと思うが、
「やろうと思えばできる」という選択肢が用意されているのは、
いい大人の心を躍らせる。 


■ 8度というキリリとした芯先 

では、実際に削ってみる。

まず、(1)の穴に鉛筆をさしこむ。
なるほど、ピタリと鉛筆が穴にフィットする。
これが手作りによる精度なのだろう。

グリグリと回していくと、
リンゴの皮がキレイにむけていくがごとく
つながった削りカスがどんどん作り出されていく。
あまりのキレイさに、カスと呼ぶのもためらわれるほどだ。
同時に円柱状に削り出された芯先が少しずつ見えてくる。
ストッパーにぶつかったところで鉛筆を引き抜く。 

次に、その芯先を(2)の穴に入れて、
同じようにグリグリと回転させる。
先ほどの(1)では、
鉛筆を差し込んだ時にピタリとしたフィット感があった。

しかし、(2)に入れてみるとブカブカしている。
削り味も明らかに違う。
さっきは木を削っていたので、ザクザクだったが、
今度は芯なのでシャリシャリという感触。

削り進めていくと穴に鉛筆がピタリとフィットしていく。
これが削り仕上げの合図だ。

鉛筆を引き出してみる。キリリとした美しい削り仕上げ。
KUMのカタログによると、この芯の角度は8度だという。
芯先をいきなり角度で言われても少々とまどってしまう。
KUMの一般的な鉛筆削りでは12度というから、相当なとんがりである。 

ちなみに、同じキリリ派のM+R 0601と比べてみた。
キリリ具合はほぼ同じ印象。
M+Rはシャープラインというアウトラインが少し弓なり状に反っているが、
マスターピースはまっすぐ。
加えてマスターピースの方が芯と木を長く削られている。

どちらの方がいいという問題ではなく、
削りの個性が違うという風に私は捉えている。 

* 

万年筆には、EF、F、M、Bなど色々なペン先がある。
鉛筆の場合は、
1本の鉛筆で色々な芯先具合を自分でこしらえることができる。

それを担っているのが鉛筆削りだ。
いくつかの鉛筆削りを使い分けて、芯先のモードをかえていく。
キリリとした集中モード、大胆をアイデア出していくモードなど。

こんな感じて鉛筆削りを使い分けていくと鉛筆ライフは、ぐっと彩り豊かなものになる。 


■次回 8月7日は夏休みをいただきます。
 次回更新は、8月14日となります。

□編集後記

 今、源氏物語を読んでいます。
 全10巻のうち、3巻目。
 円地文子さんの現代語訳。
 
 現代語訳とは言え、
 私にはかなり難解。。

 音読することで
 ようやく頭に入ってきます。

 だから
 電車の中などでは読めないんです。
 黙読だとなんども同じ行を読むことになって
 全然進みません。

 家読み専用の本になっています。


■講演
 今週末7/28(土)
 中国蘇州にある「誠品生活蘇州」で講演をします。

 7月27日〜8月26日まで
 「誠品好玩文具展」という文具イベントが開催されます。
 その中での講演となります。 

 講演テーマは「文具のある生活 選び方から使い方まで」
 http://www.pen-info.jp/memo/news/20180711_13833.html


□「フレームマンスリー手帳」4月はじまり
 https://shop.daigo.co.jp/frame-monthly-4/

□書き味が色々選べる「伝書紙」
 https://amzn.to/2jjGhvn

□新刊本「暮らしの文房具」
 私の文具との向きあい方をまとめたエッセイです。
 https://www.amazon.co.jp/dp/4768308872/

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  「文房具のやすみじかん」
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