GBRCニューズレター

GBRCニューズレター No.112

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
Global Business Research Center Newsletter
GBRCニューズレター No.112  2004年7月5日号 (毎週月曜日発行)
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

今週の目次

☆GBRCニュース  大分大学との間で無料購読サイト・ライセンス契約

☆あの有名な『プロダクティビティ・ジレンマ』 を読んだ気になろう (1)
     第1章 技術革新 対 生産性−基本的なジレンマ−

☆今週と来週の「ものづくり寄席」  いよいよ今日からスタートです

====================================
☆GBRCニュース  大分大学との間で無料購読サイト・ライセンス契約
====================================

GBRCは、このほど大分大学との間で、GBRC発行のオンライン・ジャーナルの無料
購読サイト・ライセンス契約を締結しました。このことにより、『赤門マネジメ
ント・レビュー』(AMR)は、大分大学内からは無料で閲覧、ダウンロードできる
ようになりました。

大分大学の附属図書館のホームページ
http://www.lib.oita-u.ac.jp/welcome.html
をご覧になると

GBRCオンライン・ジャーナル無料購読サイト・ライセンスを取得しました。下記
の2誌を利用することができます。
・赤門マネジメント・レビュー
・ABAS:annals of business administrative science

と丁寧に御案内いただいていることがお分かりになると思います。ありがとうご
ざいます。

これでサイト・ライセンスの契約使用は東京大学、東京都立大学、筑波大学、東
北大学、上智大学、横浜国立大学、学習院大学、中央大学、法政大学、広島大
学、慶應義塾大学、京都大学、INSEAD、早稲田大学、京都産業大学、明治大学、
駒澤大学、立命館大学、日本福祉大学、千葉商科大学、愛知大学、広島市立大
学、名古屋大学、神奈川大学、中京大学、南山大学、流通科学大学、国立情報学
研究所、信州大学、香川大学、一橋大学、静岡大学と合わせて33校になります。

何度も書いてきましたが、いまやジャーナルはオンライン・ジャーナルの時代。
「オンラインで検索できないものは、もはやこの世に存在しないも同然」とはあ
る人の嘆きの言葉ですが、GBRCでは、有料化された『赤門マネジメント・レ
ビュー』を含めて、他の大学へも無料閲覧できるような輪を広げていくつもりで
す。ご興味のある大学関係者の方はGBRCまでお気軽にご相談ください。大学のラ
イセンス契約には費用は一切かかりません。お問い合わせは下記まで
online-journal@gbrc.jp

====================================
☆あの有名な『プロダクティビティ・ジレンマ』 を読んだ気になろう (1)
     第1章 技術革新 対 生産性−基本的なジレンマ−
====================================

東京大学大学院経済学研究科の「経営管理」(文献購読)で、あの有名な
Abernathy, W. J. (1978). The Productivity Dilemma.
の輪読をしています。『プロダクティビティ・ジレンマ』は翻訳がないので、翻
訳もしています。この授業を担当する高橋伸夫教授(GBRC理事)・新宅純二郎助教
授(GBRC理事)のご協力の下、各章の要約の連載をこの号から始めます。ちなみ
に、『プロダクティビティ・ジレンマ』の素晴らしさについては、この『GBRC
ニューズレター』のバックナンバーからNo.5 (2002年6月17日号)、No.6 (2002年
6月24日号)、No.7 (2002年7月1日号)をご覧ください。
http://www.gbrc.jp/GBRC.files/newsletter/index.aspx

第1章 技術革新 対 生産性−基本的なジレンマ−
【大川洋史・福澤光啓】

 アメリカ自動車産業におけるイノベーションは、大量生産と生産性への集中が
長年続いている間に明らかに廃れてきた。初期には多くの会社がそれぞれの発明
品のために熾烈な競争を行うことで急速な技術進歩が促進された。ところが年月
を経て、ラディカルなイノベーションは、標準化と高度に複雑な大量生産手法の
効率性にとって代わられた。これはなぜなのか。自動車産業の年齢によるものな
のか、それとも自動車産業が大量生産に関わってきたせいなのか。この変化をも
たらした経営上の経緯と歴史上の出来事は何なのか。生産性を長期にわたって獲
得してきたことがイノベーション能力を疲弊させたのか。この傾向が逆転するこ
とはできるのか、もしくは逆転させるべきなのか、そしてその結果はどのような
ものだろうか。

本書のモデルの簡単な紹介

 技術変化は、産業の沈滞を崩し、生産性における改善へと導いてくれるもので
あると考えられてきたが、実際には多くのケースにおいて生産性が上昇するにつ
れて、重要な技術革新は達成しにくくなっている。自動車産業と同様に製油業、
鉄鋼業においても、高い生産性を長年に渡って実現しつつも犠牲―メジャーイノ
ベーションの能力の減退―を払ってきた。
 メジャーイノベーションは、製品のアプリケーション機能やその製品が生産さ
れる基本的な方法を変化させてしまうものである。そのようなイノベーションは
製品の発展段階初期において広く見られる。発展段階後期においてはこのような
進歩の代わりにインクリメンタルな変化が改善の方式として見られるようにな
る。
 本書の目的は、生産性やイノベーション、生産組織、労働者の技術、生産設備
の進歩、新素材などの要素における変化に対して技術的発達がどのような関係を
持っているかを明らかにしてくれるような統合的なモデルを提示し、さらにその
モデルを自動車産業における技術変化の説明を通じて例証し精緻化することであ
る。 
 製品と生産プロセスが時と共に発展するにつれて、コストは減り、製品デザイ
ンはより標準化され、変化は非流動化になっていく。同時に効率性をますます意
図された生産プロセスにおいては、高い生産性を得られるが、機械化され、硬直
化し、熟練労働者依存が減少し、精密かつ専門化された設備へより依存するよう
になる。

背景となる先行研究

 本研究の基礎を提供するものとして、(i)産業の相違、(ii)企業内環境、
(iii)イノベーションのプロセス、(iv)改良的イノベーションとコスト削減の4
つの分野で先行研究がある。しかし、これらの先行研究は、なぜこれらの主要な
傾向やその間のバリエーションが観察されるのかということ、あるいは、ひとつ
の主要な傾向を他のものといかにして結びつけるのかということについて、より
高いレベルの説明を行っていない。本研究は、他の研究とは次の点で大きく異
なっている。
 (a)生産性が向上することは、これまで完全に望ましいものであると歓迎され
てきた。これに対して、本書で提示されるモデルでは、生産性の向上は、便益と
同様に犠牲も伴う現象であると捉えられている。生産性の向上が便益となるの
は、イノベーション能力の減少が承認され、かつその減少分が潜在的な収益に
よって埋め合わされる場合である。同様に、新規性の高い変化を急速に行うため
には、生産性を犠牲にしなければならない。
 (b)製品におけるイノベーションとコスト波及効果の両方を研究対象とするた
めに、製品と生産の特徴の両方を取り扱うことができるような特別な分析単位
(「プロダクティブ・ユニット」と呼ぶ)を用いる。本書で提示されるモデルは、製
品と生産工程の両方を対象とするという点で、製品ライフサイクルの研究(製品
のみを対象とする)や経験曲線の研究(生産工程のみを対象とする)とは異なる。

自動車産業への適用

 自動車産業における技術革新を精査することは3つの点において有効である。
(1)自動車産業が経済において主要な役割を演じていること。
(2)正誤は別にして、自動車産業において得られた教訓はアメリカの産業文化の
  重要な部分であること。
(3)自動車産業はあらゆる種類の発展に関する技術革新を研究する比類なき機会
  を与えてくれること。
本書での研究方法は、各企業に共存する2つの大きく異なった製品と工程、つま
りエンジン工場と組立工場を比較分析することである。 

====================================
☆今週と来週の「ものづくり寄席」  いよいよ今日からスタートです
====================================

21世紀COE「ものづくり経営研究センター」(MMRC)主催/GBRC共催の「ものづくり
寄席」が、いよいよ今週からスタートします。
 ・午後6:30〜8:30 (受付開始 午後6:00〜)
 ・木戸銭:1,000円でフリードリンク付
 ・会場:丸ビル南隣の三菱ビル1階 コンファレンススクエア エムプラス

7月5日(月) 
藤本隆宏 東京大学大学院経済学研究科教授 (GBRC常務理事)
「ものづくり経営研究センターとは何者であるか」
 東京大学ものづくり経営研究センターが本郷三丁目交差点近くの一室で稼動を
始めた。なんでこんなものが出来たのか。何を考えているのか。ざっくばらんに
お話しましょう。
 
7月8日(木) 
新宅純二郎 東京大学大学院経済学研究科助教授 (GBRC理事) 
「中国モジュール型産業でいかに戦うか:日本企業に提唱する3つの戦略」
 中国の急速な経済発展と中国企業の急成長の中で、日本企業はいかなる戦略を
とるべきか。家電産業のケース分析をもとに、製品アーキテクチャの視点から検
討する。

7月12日(月)
高橋伸夫 東京大学大学院経済学研究科教授 (GBRC理事)
「虚妄の成果主義から育てる経営へ」
 「育てる経営」とは何だろうか。寄席では、それを考え方や「思想」の問題と
してとらえ、その違いが顕在化することになる四つの試金石を使って問題提起を
してみたい。

7月15日(木)
大鹿 隆 東京大学ものづくり経営研究センター特任教授 (GBRC研究員)
「自動車産業は円高輸出差損と悪魔のサイクルをどうやって克服したか」
 日本の製造業は衰退しているわけではなく、世界一流の企業が実に多い。自動
車産業が如何にして円高と悪魔のサイクル(円高克服のためのコストダウンがさ
らに円高をまねく)を克服したかを語ります。

既に7月〜9月の演目・出演者は決まっていますので、
http://www.ut-mmrc.jp/topics/yose0407.html
をご覧ください。東京大学(全学)のホームページのトップページ
http://www.u-tokyo.ac.jp/jpn/index-j.html
の一番上(左)に「ヘッドライン」ができていて、そこにも「ものづくり寄席」
が出ています。「ものづくり寄席」をクリックするとMMRCのホームページに飛び
ます。まだ「ヘッドライン」で頑張っていますが、たとえ「ヘッドライン」から
見えなくなっても、東京大学(全学)のホームページのトップページの「イベン
ト情報」のコーナー
http://www.adm.u-tokyo.ac.jp/soumu/soumu/event.html
をご覧になれば、「ものづくり寄席」の案内が出ています。

噂では、記念すべき第1回の藤本先生の出番の時には、ちょっとした趣向がこら
されるとも聞いています。見てのお楽しみといったところですが、それにしても
木戸銭がフリードリンク付で1,000円とは無茶苦茶安いですね。これは行かない
と損かも?

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
編集/発行
特定非営利活動法人 グローバルビジネスリサーチセンター (略称:GBRC)
〒100-6309 東京都千代田区丸の内2-4-1 丸の内ビルディング9階 960区
(丸の内アカデミック・スイーツ/The Marunouchi Academic Suites 内)
電話: 03-5208-4272 FAX: 03-5208-4273
メール・アドレス: info@gbrc.jp URL: http://www.gbrc.jp/

Copyright (c)2004 Global Business Research Center. All rights reserved.
このニューズレターに掲載された記事を許可なく使用することを禁じます。
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★


GBRCニューズレター

発行周期: 週刊 最新号:  2019/02/18 部数:  1,027部

ついでに読みたい

GBRCニューズレター

発行周期:  週刊 最新号:  2019/02/18 部数:  1,027部

他のメルマガを読む