マネジメントと規格 <ISO規格と関連の海外動向>

EU離脱後も英国が欧州規格の主導権を維持

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●            マネジメントと規格 <ISO規格と関連の海外動向>           ●
●                 2018年(H30年)12月1日号                   ●
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                       MS 実務の視点
             サニーヒルズ コンサルタント事務所
           http://www.ms-jitsumu.com

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ISOマネジメントシステム規格の実践に関係する、ISO等の国際機関の動向
   及び 品質管理、環境管理、マネジメントに関連する海外の動向について
           “実務の視点”から英文ウェブ情報を選び、お伝えします。
奇数月の隔月発行ですが、都合により9、11月号は休刊しました。
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  ■ 1.ISO9001/14001、世界の2015年版移行率は93% 
  ■ 2.ISOマネジメントシステム規格の定期見直しによる改訂
  ■ 3.ISO9001の2015版改訂に対応する関連規格の改訂
  ■ 4.米国、医療機器に対する品質システム基準をISO13485に置き換え
  ■ 5. EU離脱後の英国の欧州規格の枠組への参画の道筋が決定
  ■
  ■  [連載] ISO規格関連 -ちょっとひとこと! 休載 
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 ■ [ウェブサイト “MS 実務の視点” 新着情報(7~11月)]
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1. ISO9001/14001、世界の2015年版移行率は93% - IAF発表
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  世界の認定機関の団体、IAF(国際認定フォーラム)は、移行期間の終了した9
月末の時点で、ISO9001/14001の2008年版認証組織の93%が2015年版での認証を取
得したと発表した。発表の要旨は次の通り。

◆ この数値は、IAF加盟の認定機関及びその認証組織が集計したデ-タに基づく。
◆ IAFは、移行審査が完了しているなどの特定の条件を満たす場合は、2018年9
月15日の後の6ケ月間を、失った認証を回復できる期間と認めているので、最終
的な移行率はさらに高いものとなるだろう。

(IAF: IAF NEWS) 
<http://www.iaf.nu>


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2.ISOマネジメントシステム規格の定期見直しによる改訂-ISO発表
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ISO中央事務局は8/21, 7/13, 9/18,に、ISO規格の定期見直し規定に従った3種類
のマネジメントシステム規格、ISO5001, ISO/IEC27005, ISO/IEC20000の改訂版
の発行を発表した。マネジメントシステム規格の基本構造SLを適用することを事
実上の目的とする改訂は、これでほぼ一巡した。発表の中の改訂の趣旨は次の通
り。

■ISO5001:2018 (エネルギーマネジメントシステム- 要件及び使用の指針)
◇世界の組織のエネルギー使用実態の転換を目的に、エネルギー使用取組みをよ
り効率化する戦略的用具を規定するものとして、2011年に初版が発行。
◇改訂は、このエネルギー取組みをより効果的にすることが目的であり、用語と
定義の見直し、及び、エネルギー使用効率に関する幾つかの概念の明確化が特徴
である。
◇マネジメントシステム規格の基本構造SLを採用し、トップマネジメントの役割
を強調した。

■ISO/IEC27005:2018 (情報技術‐セキュリティ技法‐情報セキュリティリスク
マネジメント)
◇ISO/IEC27001(情報技術‐セキュリティ技法‐情報セキュリティマネジメント
システム‐要件)を満たすのに必要な情報セキュリティリスクのリスク管理の詳
細指針を示す。
◇改訂は、初版(2008)、2版(2011年版)に続く3回目であり、ISO/IEC27001の最新
版(2013年版)に対応し、組織が近年の情報管理の重要性の高まりに対応するため
の指針を示す。

■ISO/IEC20000-1,20000-10:2018 (情報技術‐サービスマネジメント‐要件、概
念及び用語)
◇規格はITを活用してサービスを提供する組織の顧客対応、生産性、効率の改善
が目的で、2005年に発行。2011年に一回目の改訂。
◇改訂版は、サービスの一般商品化、複数供給者によるサ-ビスの統合管理など
最近の市場動向の変化を考慮した。
◇ISO/IEC20000-1:2018はマネジメントシステム規格の基本構造SLを採用した。

(ISO中央事務局: News, Ref.2316,2309,2326,  
21 August, 13 July, 18 September 2018)
<http://www.iso.org.news/ref2316.html>他


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3.ISO9001の2015版改訂に対応する関連規格の改訂-ISO発表
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ISO中央事務局は7/3, 7/18, 7/15,に、ISO9001の2015年版改訂に対応してその関
連規格を改訂したことを発表した。発表の中の改訂の趣旨は次の通り。

■ISO19011:2018 (マネジメントシステムの監査の指針)
◇規格は、多数のマネジメントシステムに跨がる監査を同時に行うことができる
ように統一がとれ、一致した取組み方を示す。
◇実業界の変化、技術の発展、最近の多数のマネジメントシステム規格の発行と
改訂という中で、監査の効果的な指針であり続けることを確実にするために改訂
された。
◇重要な変更点は、近年のマネジメントシステム規格と実業界におけるリスク重
視の考え方を反映させて、監査の原則にリスクに基づく取組みの考え方が追加さ
れたこと。

■ISO10005:2018 (品質マネジメント‐品質計画の指針)
◇規格は、ISO9001における品質計画(筆者註:2015年版では“品質マネジメント
システムの計画”“運用の計画”など)の効果的な確立と適用の指針を示す。
◇改訂は、最近の事業手法を反映するためであり、関連のある利害関係者のニー
ズと期待への取組み、物事の決定にリスク思考を行うことなど、ISO9001の2025
年版に記載される用語や概念が採り入れられている。

■ISO10001~ISO10004 (品質マネジメント‐顧客満足‐)
◇ISO10001:2015 組織の行動規範の指針  ← 2007年版
◇ISO10002:2015 組織内での苦情の取り扱いの指針  ← 2014年版
◇ISO10003:2015 組織の外との紛争解決の指針  ← 2007年版
◇ISO10004:2015監視及び測定の指針  ← 2012年版

(ISO中央事務局: News, Ref.2304,2310,2312, 
3 July, 18 July, 25 July 2018)
<http://www.iso.org.news/ref2304.html>他


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4.米国、医療機器に対する品質システム基準をISO13485に置き換え‐FDA発表
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ISO中央事務局は8/27、FDA(アメリカ食品医薬品局)がその医療機器に関する品質
システム規制の基盤に現行のISO13485規格(医療機器‐品質マネジメントシステ
ム‐規制目的のための要件)を用いる決定をしたことを歓迎する発表をした。FDA
の発表及びそのISOの受け止めの要旨は次の通り。

■FDA発表「医療機器の品質システムの統一及び近代化」
◇FDAは、医療機器に関する品質システム規制を統一及び近代化を図るつもりで
ある。
◇現行の品質システム規定は、医療機器の国際的合意規格ISO13485規格の既存の
規定に置き換えられることになろう。
◇この見直し、変更は、国内と国外の規制を統一することにより、機器製造企業
の遵守事項及び記録保持負担の軽減を図るものである。

■ISO関係者の受け止め
◇ISO13485が既に世界で得ている評価を次の段階に進める重要な一歩である。
◇医療機器の規制が世界的に統一される動きを次の水準に高めることになろう。
◇ISO13485が豪、伯、加、日、米の5国で現在取組み中の「医療機器単一監査プ
ログラム(MDSAP)」の基礎となっていることを考えると、FDAのこの決定は論に適
っている。

(ISO中央事務局: News, Ref.2318, 27 August 2018)
<http://www.iso.org.news/ref2318.html> 
(FDA: HHS/FDA, RIN:0910-AH99. Publication ID:Spring2018)
 <http://www.reginfo.gov/public> 


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5. EU離脱後の英国の欧州規格体系参画の道筋が決定―関係団体、機関発表
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EUに認められた3つの民間規格作成機関の団体の内のCENELEC(欧州電気標準化委
員会)とCEN(欧州標準化委員会)が、その一員である英国の規格作成機関のBSI(英
国規格協会)との間で、英国のEU離脱後のEU規格作成に係わるBSIの立場や関係の
確定の道筋について合意が成立したことを、両者がそれぞれ別個に発表した。
BSIの発表には英国の規格戦略の狙いが明確である。それぞれの要旨は次の通り。

■CENELECの発表(11/28)
◇CENとCENELECは11/23の総会で、欧州規格体系の安定性、技術的及び政策的観
点からの法的安定性と継続性を確実にするために、次のように合意した。
◇英国のEU離脱(2019年3/29の予定)から2020年12/31までを移行期間とする。
◇移行期間内は、BSIは加盟機関としての現行の権利と義務を維持する。
◇移行期間内でEU及び英国内の政治状況とその規格利用への影響に関する情報を
集める。
◇情報の分析により、2020年以降のBSIの加盟基準と加盟機関としての立場を決
定する。
◇BSIは本総会決議に謝意を表し、その履行に両団体加盟機関と協力することを
誓約した。

■BSIの発表(11/29)
◇CENとCENELECの総会は、英国のEU離脱後もBSIが正加盟機関であることを確保
する計画を承認した。
◇両団体の決議は、今年初めの英国政府の支持と誓約に沿ったものであり、BSI
が欧州規格作成団体の正加盟機関の立場を維持することは政府のEU離脱白書に記
載されている。
◇これにより英国がEU34国間の貿易を支援する民間規格の内容に引き続き影響を
及ぼし、利益を得ることができるようになった。
◇また、英国の専門家が2万に上る両団体の欧州規格の作成、維持のための議長、
委員長、委員等として活躍できることになった。
◇今日の欧州規格の50%以上は英国規格から成り、このような英国の欧州規格へ
の影響力は、英国の経済成長と競争力に極めて重要である。

(CENELEC: News, 2018-11-8)
<https://www.cenelec.eu>
(BSI Group: Press Release, 29 November 2018)
<http://www.bsigroup.com>
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記事は情報を編集者の視点で読み解いたものです。情報の詳細、発信者の意図
は原情報をお読み下さい。編集者は、読者の本記事の使用による如何なる結果
にも責任を負いません。      - *印の固有名詞は編集者の和訳 -
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★ 品質不祥事とISO認証
■11/20 相次ぐ品質不祥事のISO9001的原因は明白
■11/6  免震、耐震ダンパー KYB、川金不祥事は認証業界の大失態
■10/23 KYB社の免震改竄不祥事は検査不正か
  ■9/19 不適合見落としの是正処置実施は公約
  ■9/8  一連の品質不祥事に必要な認証機関の予防処置
★ 誤った認証制度運用
  ■10/10 労働安全衛生三規格が乱立  
★ 規格の論理と用語
  ■10/23 保 存
  ■10/9 適用除外、適用性 
  ■10/9  運用の計画
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発行周期:  月刊 最新号:  2018/12/19 部数:  310部

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